ジョーズ(1975)
こういう超がつくような大ヒット作、映画史に残るような大傑作ってほとんど見ない。「3」とか「4」とかもう息切れしちゃってるようなやつは見るんだけど。で、やっと見たんだけど、ん?こんな感じなの?ってのが正直なところ。この程度であんなブーム、騒ぎになったんだ。冒頭からして意外。若い女性が襲われるけど夜なんだ。当然あんまりよく見えない。アミティ島はもうすぐ海開き。夏は一年のうちで一番の稼ぎどき。そんな時に人喰いザメが出没しているから遊泳禁止になんてとんでもないわけよ。女性の死も船のスクリューのせいにされる。前半は島が舞台。警察署長のマーティン(ロイ・シャイダ-)は物騒なニューヨークを離れ、豊かな自然と安全を求め、妻子と共に引越ししてきて初めての夏。つまりまだよそ者ってことですな。市長や町の主だった連中は、いるかどうかもわからないサメのために海岸を封鎖する気なんてない。他にも小さなトラブルはいっぱいあって、警察には苦情が殺到。そりゃ殺人事件はここ25年間起きてないけど、人が集まっているところにはやっぱりトラブルはあるのねえ。沿岸警備隊とか外部に協力を頼むことはいやがられる。島の中で解決しようとする。マーティンもあまり強いことは言えない。まだ半分よそ者だし。そのうち子供が犠牲になるけど母親はマーティンに平手打ちを食わせ、息子を殺したとまで言う。アンタそれ違いますって。でもサメが退治されても彼女は一生(市長ではなく)マーティンを恨むんでしょうなあ。サメ退治に賞金がかけられると、我も我もと海へくり出す。何だかもう見ていて情けなくなってくる。後半は広大な海が舞台。サメハンターのクイント(ロバート・ショウ)、海洋学者のフーパー(リチャード・ドレイファス)、それにマーティンの三人がオルカ号で出発。クイントは昔ながらのタイプ。最新機器を用意するフーパーをバカにする。退治の仕方はよくわからない。目印になるよう樽を引かせる。そのためにはロープのついた銛を撃ち込むわけで、撃ち込むことができるくらいなら麻酔か毒を塗った銛にすればいいのに・・と思ってしまう。それとクイントは無線を壊して助けを呼べなくしてしまう。沿岸警備隊が退治しちゃうと自分が賞金もらえなくなるからか。無理して走って船のエンジンだめにしちゃうし。あと、圧搾空気のボンベが出てくるが、これがクライマックスで・・というのは予測がつく。今はCGなどでサメもじゃんじゃん出して来れるけど、この頃は効果を考えて出して来ていると思う。
ジョーズ3(1983)
まだ「1」も「2」も見ていない。これは「午後のロードショー」でやったもの。だいぶほったらかしにしてあったけど、やっと見た。主役は・・ん?デニス・クエイド?1983年だとまだ30にもなっていない。若いけどこれと言って特徴がなく、印象薄い。場所はフロリダ、シーワールドがもうすぐオープンするので、水上スキーショーのリハーサルとかイルカの調教とか準備に大忙し。マイク(クエイド)はもうすぐベネズエラへ行くことになってる。恋人で海洋生物学者のキャスリン(ベス・アームストロング)は一緒に行くかどうか迷っている。アームストロングは金髪で小柄で丸い顔。整った美しい顔立ち、健康的な肢体が好ましいが、あまり見かけない人だ。かえってマイクの弟ショーンの恋人ケリー役リー・トンプソンの方が有名なのでは?社長がルイス・ゴセット・ジュニアで、まあ全体的にキャストは小粒。女性はみんな同じ顔に見える。シーワールドの記録映画をとるため来ているのがフィリップ。演じているサイモン・マッコーキンデールは「ナイル殺人事件」でサイモンやってた人。アーロン・エッカートをクシャッとつぶしたような顔立ち。こういうキャラは主人公のライバル、恋敵となるのが普通。ハンサムで金があって自信たっぷりで。でもフィリップも存在感薄くて憎まれ役ってとこまでいかない。サメを追い込む役を買って出て、これが終わったら引退すると言った時点で死亡フラグ。案の定サメに食われるが、飲み込まれはせず、彼が手にしていた手榴弾がサメ退治の決め手となる。サメは最初3メートルくらいのホワイトシャークが生けどりにされる。意外と小さいんだな・・と思っていたら、すぐ弱って死んじゃって、真打ち登場。あっちは子供で、こっちの10メートルもある母ザメが人々を襲う。海底にあるコントロールルームとか全体的に「ディープ・ブルー」に雰囲気が似ている。ただ、特撮は合成感丸出しで、ちゃっちい。そのせいであまり怖くもないが、クライマックスはいちおうハラハラする。サメより印象に残るのはイルカ。サメに追われるマイクとキャスリンを助けたり、母ザメに向かっていったりする。ラスト、二頭のイルカのうち、一頭がなかなか姿を現わさないので心配になるが、くるくると回りながら登場して、ああよかった・・と安堵する。その、くるくる回りながらというのが賢い反面お調子者っぽくて、とてもよかった。
ジョーズ’87/復讐篇(1987)
こちらも「午後のロードショー」で。「3」を見ている時は知らなかったけれど、「3」と「4」は「1」、「2」の子供世代の話らしい。ロイ・シャイダーの演じたマーティンの妻エレン(ロレイン・ゲイリー)が今回の主役(かな?)。マイケル役はランス・ゲスト。妻カーラはカレン・ヤング。どうやらキャスリンとは結婚しなかったようで。開始早々マイケルの弟ショーンがサメに食われて死ぬが、まわりの者は事故だと思っている。エレンにはあいつが復讐に来たのだとわかっている。マイケルのいるバハマへ行き、女好き、ギャンブル好きの飛行機乗りホーギー(マイケル・ケイン)と知り合い、いいムードになったりする。マイケルは博士号を取るため、巻貝の研究をしているが、あまりうまくいっていない。相棒のジェイクとは口げんかばかりしているが、仲はいい。ある日ホオジロザメに襲われたマイケル。こんな暖かいところにはいないはずなのに。ジェイクはこちらの方が大発見に繋がると張り切るが、マイケルの思いは複雑。サメのことは黙っていてくれとジェイクに頼む。「3」はそれでもシーワールドとかいちおう舞台は用意されていたけど、こちらは・・。エレンの予感や、サメが感情を持ち、一家を追ってくるなど、オカルトっぽい雰囲気。ジェイクとマイケルの調査は、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃしゃべり通しで、うるさいったらない。もう少し酸素節約しろ!一番不思議なのは、巨大ザメに襲われたのに、秘密にしておくこと。エレンの気持ちを乱さないためなのはわかるが、海辺で犠牲者が出る。おまえらのせいだぞ!襲われた時の用心が不足しているのも謎だ。銃とか何もなし。その後エレンが一人で海へくり出すけど、何も用意しているわけではない。サメが来たら何をしようと思ってるわけでもない。マイケル、ジェイク、ホーギーの三人は飛行機で空からエレンを捜す。着水するため、飛行機を沈めるはめになる。船に上がってからも、銃があるわけでもなく・・。そのうちジェイクが食われる。エレン・・あんたのせいですぜ。ラストはエレンがホーギーの飛行機でバハマを離れるけど・・ジェイクの奥さんとか恨んでいるだろうなあ・・。マイケルの娘テアがかわいい。飛行機の上昇や下降で、目を丸くしているのが演技とは思えない。本当にびっくりし、喜んでいるように見える。演じているジュディス・バーシは10歳で父親に殺されたそうで、これにはびっくり。かわいそうにねえ。