ジャンパー
すごく宣伝してたけど評判はよくないようで。私はヘイデン・クリステンセン君よりジェイミー・ベル君の方に興味がある。見に行ったのはホワイト・デーの3月14日だが、この日はベル君の誕生日だったのね。22歳・・若いねえ。小柄(170センチ)でがっちりとした体格。首が太い。一癖ありげな面構え。長身(187センチ)で整った美貌のヘイデン君とは対照的。1時間28分と短く、序章と言うか、この先は次の機会にねウフ・・って感じ?要するになかみがうすい。ローランド(サミュエル・L・ジャクソン)との決着はつかず、デヴィッド(ヘイデン君)の母メアリー(ダイアン・レイン)のこともあいまい。あの娘は?デヴィッドの妹?メアリーは姿を消した後誰かと一緒になって娘を産んだのか。デヴィッドの父親とは正式には離婚していないんでしょ?その父親はどうなったの?ローランドに殺されたの?チェチェンに置き去りにされたグリフィン(ベル君)は?みんなそのまんま。デヴィッドとミリーはラブラブで・・って、そんなとこで終わってもらってもねえ・・。15歳のデヴィッドやってるのはマックス・シエリオット。このコかわいいんだよな。「キャプテン・ウルフ」のセス役の子。びっくりしたのはベル君と二つしか違わないこと。かたや花も羞じらう天使のような美少年、かたや人生一通り経験ずみ・・みたいなチンピラアンちゃん。ミリーの少女時代はアナソフィア・ロブ。ますますナタリー・ポートマンに似てきたな・・と思ってるのは私だけ?出番が少なく残念。成長後のミリー(レイチェル・ビルソン)はケバい感じで魅力に乏しい。内気で友達もいない15歳のデヴィッド。父親とうまくいってないのはなぜ?部屋にカギをかけているってことは、父親が暴力ふるうのか。デヴィッドは悪ガキ、マークのせいで川に落ち、そのパニックのせいでテレポート能力が現われる。最初に現われたのは5歳の時で、メアリーが家を出たのもそのせい。彼女はジャンパーを狩るパラディンという組織の一員だが、自分の息子は殺せない。だから代わりに家を出たのであーる。ウーム、よくわからんなあ。その後デヴィッドの能力は眠っていたのだが、15歳の時再び・・。ちょうど父親から逃げたい、自由になりたいと願っていたところ。川に落ちて行方不明ということにして姿を消す。ミリーと会えなくなるのはさびしいけど。だって彼女のこと好きなんだもーん。
ジャンパー2
その後は自分の能力使って(悪用して)銀行の金庫から金を借り(盗み)、高級マンションに住み、世界中好きなところへ行き(ジャンプし)、気ままに(無責任に)暮らしている。テレビで災害のニュース見ても何とも思わない。すぐれた能力があるなら、その使い道が問題となる。人のために役立てようとは思わないのか。自分をコントロールする分別も必要だ。ところがデヴィッドにはそれらが全くない。災害で助けを求めている人々と、助ける能力のある自分との間に何の関連も見出さない。自分と関係のないことだから助けないと言うより、そもそも誰かを助けるという概念すら持っていない。お金は盗んだのではなく借りただけ。いつかは返すつもり。でもいつなのかは考えたこともない。第一どうやって返す?働く気もないのに。歩くのは面倒だから、自分の部屋の中でさえジャンプする。テレポーテーションというのは、テレパシーやサイコキネシスと並んでSFの世界ではおなじみの超能力だ。しかし映画となると意外に少ない。たいていはタイムトラベルとか、宇宙船のワープとかそういう移動。大きな機械でそのためのエネルギー作り出す。個人の能力で・・というのは少ない。話はそれるけど、引越しのために行き来していた頃、列車に乗り込んできた高校生達の会話が耳に入った。「○○高校の卒業式に、ガクトだかラルクだかが来たって。それってすごくね?ラルクだなんてやばくね?」そんなニュースが式の数時間後には他校(おそらく)の生徒にまで伝わっている。ケータイの威力ってすごくね?それでいて実際来たのはガクト氏なのに、どっちかと言うとラルクが来たことになってるのはやばくね?つまりうわさはぱーっと広がるけど、人から人へとメールされているうちに内容が変わってしまう。正確さは今いちというのはいかにもケータイらしい。新聞記事によれば、それまで厳粛ムードだった式が、一転興奮の渦に・・って状態だったらしい。で、何でこんなことを書いてるかというと、その場にいた出席者には、ガクト氏の出現はそれこそテレポートして来たかのように思えただろうということ。しかし実際は当日その時までもれないよう、秘密裏に打ち合わせが何度もされていたはずで・・。映画もそうだ。何気ないようにつないでいるけど、ここでとってあそこでとって。裏ではものすごい手間がかかっているとわかる。
ジャンパー3
そういうハデなシーンこれでもかとばかり見せられるわけだが、おもしろかったか、感心したかというと答はノーである。他の人は知らんが私は冷めてしまって全く乗れなかった。ガクト氏の突然の出現、熱唱や熱いメッセージは出席者全員の一生の思い出となるだろうが、こちらの世界中を飛び回っての殴り合いは・・。この映像を楽しむためには少なくともデヴィッドが正義の味方であるということが最低限必要なんじゃないの?ローランドははっきりと悪であり、デヴィッドはそれを打ち倒す正義の使者。だから者ども彼に声援を送れ!という構図。だいたい作り手はお客がデヴィッドを見てカッコいい、うらやましい、がんばれ・・などと好感持つと思ったのか。ヘイデン君の容姿はその条件を満たしているけど、キャラの方は・・。はっきり言ってデヴィッドはただのろくでなし。人に迷惑ばかりかけてる。ちょっとしたことから重大なことまで無数の犯罪犯している。15歳の頃なら、まだ子供で世間のことよく知らないから、父親の暴力や学校でのいじめから逃げたかったから・・と同情の余地があった。しかし今はもう大人。導いてくれる師がなかったとは言え、アンタ甘えるのもいいかげんにしろよ!パラディンのような組織があるのも当然。無責任な超能力者達が犯罪だけでなく空間しょっちゅうゆがませている。こんなことしていて地球はどうなる?と言うかこの設定だとデヴィッドのような連中他にもいて、事件起こしているはずなのに、デヴィッドが全然気づかないというのもおかしいよな。と言うか自分が好きかってに生きることしか興味ないから、世間で起きていることなんかうわのそらなんだろうな。映画が終わる頃になってもデヴィッドは大して成長していない。成長は「2」で・・ってこと?でもこの映画で大切なことはスケールの大きさやハデな特撮ではなく、デヴィッドをまともなキャラに設定するってことなんだけど、そのこと作り手は気がついてます?こんなアホキャラを受け入れ、応援するほど観客はおめでたくはないよ。その点グリフィンの方はパラディンに両親を殺されたという深い恨みがある。復讐のためアジトをしこしこ充実させるとか、自分から積極的に戦い挑むとか、キャラは強烈だし能力の使い道もはっきりしている。どうせなら「2」はグリフィン主役で作って、ローランドと凄まじい戦い展開してよ。それなら見てあげてもいいよ。