ザ・センチネル 陰謀の星条旗

ザ・センチネル 陰謀の星条旗

公開終了しているところが多かったので有楽町スバル座まで行ってきましたよ。ここは何度か来ているけど、いつもある程度はお客入ってる。ガラガラだったという経験は今のところないです。原作はそのうち読んでみるつもり。お目当てはキーファーですよモチ。「24」はまだ見てないけどそのうちにね、待っててね!マイケル・ダグラスはこの館で見た「セイブ・ザ・ワールド」以来。彼も年取ったよな、そりゃ走ったりいろいろやってたけどさ。ダグラス扮するピートはレーガン大統領が狙撃された時そばにいて守ったというベテランのシークレット・サービス(以下SS)。それでいて現大統領夫人のサラと不倫している。ダグラスは60過ぎてるしサラ役キム・ベイシンガーは50過ぎてる。それでちゃんと不倫がさまになっているというのは、ある意味偉い。偉いけどダグラスがキーファーと並ぶとさすがにくたびれ度は歴然。それくらいキーファーは輝いております!スクリーンで見るのは初めてだけど何てステキなのかしら。彼を最初に見たのは「ダークシティ」。若いんだか年寄りなんだかはっきりしないクセのある役だった。庭訓往来・・じゃない・・「テイキング・ライブス」はちょっぴりしか出ていなかったし。でも今回は大活躍で・・。一回目はまあ全体を見てるけど二回目はあなたばかり見てましたわ。いやホントステキ、さすがのダグラスもかすむほど存在感あるわ。最初出てきて一言しゃべったとたん・・もう!もう!・・って、あたしゃ牛ですか?オヤジのドナルド・サザーランドは若い頃「電撃スパイ作戦」にゲスト出演したことがある。色が白くて、あの頃(1960年代)だから変なヘアスタイルで、目はヘビのようで・・。そんなオヤジにくらべればキーファーは何倍もハンサム。鼻が悪いみたいな声、シャワシャワって感じのしゃべり方・・。何かむずがゆくなってくるけどそこがまた魅力的で・・。キーファー扮するデヴィッドはピートを恨んでいる。昔は親友だったけど、妻とピートが寝たと思い込んでいる。そのせいで離婚してしまった。実際はピートはサラと不倫していたから、デヴィッドの妻とは何もないんだけど、サラとのこと打ちあけるわけにもいかないしね。デヴィッドは妻を信じてあげなかった自分が悪いとわかっているけど、それを認める代わりにピートを恨んでいる。ある日SSの一人メリウェザーが殺される。

ザ・センチネル 陰謀の星条旗2

前ピートが使っていたタレコミ屋の話では、大統領暗殺計画があり、SSに内通者がいるという。メリウェザーはそれを調べていたらしい。メリウェザーを演じているのは監督クラーク・ジョンソン自身。元々俳優らしいが、そう思って見ると出番ちびっと長めにしたり、いわくありげに見せたりと、何となく出たがり屋風。そのうちピートが内通者に仕立て上げられそうになる。で、こういう時のお約束として彼はスキを見て逃げ出し、逃亡しながら嫌疑を晴らすべく奮闘するのである。実際はあんなにうまくいくはずないけど、映画だからね。メリウェザー殺害現場でのデヴィッドは鋭いさえを見せる。警察は(無能なので)物取りの犯行だと思っている。しかし彼は「勘だけに頼ると捜査を誤る」ときっぱり言う。ところがピートが疑われると彼自身誤った方向へ行ってしまうのである。しかもみんなの前で演説までしちゃう。親しい仲間であるピートをつかまえなくてはならないのだから、銃を向けてもためらいが生じてしまうだろうが、そんなことのないように・・ってね。正直言ってこんなふうに一つの方向に全員が向いていていいのかな、みんなしてピート追っかけて、それで間違っていたらどうするのかね・・って思ってしまった。さて、思い込みや恨みのせいでまわりが見えなくなっているデヴィッドだけど、皮肉なことにその彼がピートを撃つはめになってしまう。撃ったけどピートは(なぜか)防弾チョッキを着ていて・・。もちろんデヴィッドはとどめ刺そうと思えばできるんだけどどうしても撃てないの。チームにはあんなふうに言ったけど、いざ自分がその立場に立つと・・。だって相棒だったんだもん!まあここはちょっぴりじわんとさせられましたよ。デヴィッドは自分が悪かったってちゃんとわかってるの。でも意地を張って自分の非を認めようとしなかったの。本当はピートのこと好きだし尊敬もしている。彼が暗殺計画なんか立てるわけないことも。その後サラから関係聞かされて・・その時のデヴィッドの表情いいですぅ!この映画、ピートの忠誠心とかサラへの愛情とかが描かれるわけだけど、それ以上に重点置かれているのはデヴィッドの心理なんですの(断言)。彼の若さ、一途さ、優秀さ、熱血漢ぶり・・ピートも若い頃はきっとこうだったんだろう。それでいて一瞬見せる危うさもろさ(見ている女性イチコロ)。そして人間的成長・・。

ザ・センチネル 陰謀の星条旗3

ラストは奥さんとよりを戻そうとデートですよ。最初から最後までキーファーステキ!なのでありんす。欲を言えば奥さん役の人ちょっとケバかったな。もっとまともな(?)人の方が別れたもののお互い忘れられずにいる・・って感じが出たと思う。ストーリーは・・よく考えてみるとけっこうおかしなところがある。大統領暗殺したってまた次のが就任するだけ。夫人とSSの不倫写真とったのならなぜそれを活用しないの?あれをばらまきゃ大統領・・ひいてはアメリカの面目丸つぶれ。それとピートは用意してから逃げたわけでもないのにお金持ってるしちゃんと防弾チョッキ着てるし。一番がっかりさせられたのは真犯人のやる気のなさ。どっちでもいいとか、そういうこと言わないでくれる?始まった時からずーっとジャンジャンジャンていう感じであおられっぱなし。途中で気の抜ける部分てほとんどなくて、テンション高いままで来て、いやー疲れるぜ「アダム」とは大違いだ、だって休ませてくれないんだもん・・って喜んでいたのよ。それが・・真犯人わかってから尻すぼみ。ストンと落っこちてそのまんま。まあ真犯人は予想通りでびっくりはしないけど、そのやる気のなさ、どうでもいいよムードにはびっくり。そのせいでクライマックスの大統領の危機が盛り上がらない。やっぱSSということで完全な悪役にはしにくかったのかな。パンフによれば原作はもうひとひねりあって夫人が黒幕らしい。だからラスト謎めいたシーン入れたのね。邪魔な夫消してピートと一緒になりたかったのね。大統領も妻の気持ちが離れていることはうすうす気がついていると思う。でも相手が誰なのかまでは知らないだろうし、まさか自分を殺そうとまで思いつめているとは思っていないだろうけど。彼の方はまだサラを愛している。映画はのっけからベッド見せる。朝になって警護しているSSが寝室を覗き込むと、ベッドには一人だけ寝た形跡がある。・・つまりサラは別の部屋で寝ているのだ。それに気づいたのは二回目見ている時だけど。てなわけで、真犯人の無気力で思いっきりムードが盛り下がるまではハラハラドキドキのおもしろい映画でした。私は盛り下がってもキーファー(だけ)見てましたから別に文句ありませんけどウフ。あ、デヴィッドの部下ジル(エヴァ・ロンゴリア)もよかったですよ。デヴィッド、ケバい奥さんよりジルの方がお似合いよ。