シャーロック 忌まわしき花嫁

シャーロック 忌まわしき花嫁

2月に劇場で公開されたばかりなのにもう放映。もちろん田舎ではこういう映画はかからない。かからないと言えばイアン・マッケランのもかからなかったな。どちらかと言えばこっちの方が見たかった。「シャーロック」はシーズン3の2、3話を見て、だいぶ熱がさめてしまった。おもしろくないと言うより、見ていて心配になるのだ。自分達ばっか盛り上がってるけど、どこ行くの?って感じ。さてこの作品はクリスマスプレゼントと言うか、ファンへのサービスと言うか。一つの完全に独立した作品でないってことは、ネット等で調べてわかっていた。感想は、思っていたのとは違う、当てがはずれた・・みたいなとまどいや失望が多い。さて、放映されたのはNHKBSで、吹き替え。これまでのあらすじがあって(映画館でこれ見せられてもねえ・・)、1895年になって・・。どうせなら1895年を舞台にテレビシリーズと同じキャストで一つの作品作ればいいのに・・と、私なんかは単純に思うけど、作り手はそう思わない。見ていてオレンジの種とかはわかるけど、実際にはおびただしいネタが・・原作だけでなく映像化された作品からも・・引用されているらしい。時々現代に戻ってシーズン3の最終話の続きみたいになる。そのうちわけがわからなくなるが、結局は薬のせいでシャーロックが見た夢ということか。ラストはコカインのせいで未来を見たシャーロックで、時代を超えて両者は繋がっていると言いたいらしい。さて、領主バラバラ事件を解決して戻ったシャーロックとジョン。レストレードが現われ、怪事件の話をする。花嫁が窓から通りに向かって発砲し、通行人が逃げ惑う。直後に彼女エミリアは銃を口に突っ込んで自殺。身元確認に行く夫トーマスの前に死んだはずのエミリアが現われ、彼を撃ち殺す。どちらの事件にも目撃者がいるし、モルグにはちゃんとエミリアの死体がある。ジョンは双子だったのでは・・と言うが、シャーロックは否定する。しかしその根拠は言わないので、ここでまずアレ?と思う。モルグで出てくるフーパーはヒゲがあるが、どう見ても女性。ん?モリー?その後数ヶ月の間に五人同じ殺され方をし、新聞はあれこれ書き立てるが、シャーロックは亡霊なんて信じず、便乗事件だと思っている。二人はディオゲネス・クラブへ行くが、受付での手話が楽しい。

シャーロック 忌まわしき花嫁2

マイクロフトが登場するが、特殊メイクでものすごいデブになっている。彼は事件は解明ずみだが、答は教えず、シャーロックに調べさせる。ここも変だ。次にレディ・カーマイケルが夫ユースタスのことが心配だと相談に来る。カーマイケル役はキャサリン・マコーマックらしい。ジェレミー・ブレット版のアイリーン役ゲイル・ハニカットや「素敵な挑戦」のヴァネッサ・レッドグレーブと同じような顔立ちなのは偶然か。ユースタス役ティム・マキナニーは「ノッティングヒルの恋人」に出ていた。30分くらいたってるけど、まだ方向が見えてこない。こんなんでいいのかなと思うが、お遊び的作品だからなあとも思う。シャーロックとジョンはユースタスを守るため張り込みをする。夜で退屈だからジョンはおしゃべり。どうして結婚しないのかとしつこい。これが夢オチだとすると、シャーロックの心の奥底ではジョンの問いが引っかかっていることになる。結局ユースタスは殺されてしまう。遺体にはシャーロックが発見した時にはなかった書置きがあって、それでもう犯人はわかってしまう。いちおうモリアーティ思い出させてかく乱しているけど。セリフから、モリアーティの死後だというのがはっきりするが、もちろん彼も登場する。「君のベッドは寝心地がいい」などと腐女子向けのセリフも忘れない。昔のシャーロックはオールバックだが、現代のシーンであのヘアスタイルのカンバーバッチがうつると、見ているこっちはその存在感に圧倒されることとなる。やはりシャーロックはあのヘアスタイルでなけりゃだめなのだ!!教会での謎解きシーンは説得力がなく、脱力感におそわれる。お遊びだから深い意味とか期待すべきじゃないとわかってるけど、真相に行き着くのがシャーロックによってではなくメアリーによってというのは物足りない。しかも彼女はマイクロフトの元で働いているし。それなら真相知ってるのかと思ったら、教会で普通に驚いていたし・・。メアリーなら女性達の味方すると思うが。・・てなわけで残念な出来の作品だった。シャーロックやジョン見て楽しんでいりゃいいんだけど、やっぱりそれなりのものを期待してしまうのだ。