刑事モース~オックスフォード事件簿~シーズン5

18 堕ちたミューズ

ロマノフの卵がオークションにかけられることに。50年間行方不明になっていたものだ。世界的な泥棒ザ・シャドウが出没しているが、卵を狙っているのか。今回もいつも通り誰が誰だかわからなくて混乱する。見るのは二度目なんだけど、それでもわけわからん。レイクが美術商で、グレイが歴史の教授か。他にクロックスリーとタンクレッドもカレッジ関係で、ピックマンが芸術家。とにかくレイクとグレイの区別がつかん。ロビンだのサイモンだのエイドリアンだのファーストネームで話されると、もうごっちゃごちゃ。最初の被害者はタクシー運転手のジョーイ。彼は元ボクサーで、その関係でネロが疑われる。毎度のことだ。次がグレイで、共通するのは白いレインコートの女が目撃されていること。どうやら美術モデルのイヴらしい。オークション当日、レイクと卵が来ていないことがわかる。レイクはタンクレッドが貸した部屋で殺されていて、卵はなくなっていた。三人の殺され方は耳に釘とか、目にステーキナイフ、首の切断と残酷で、モースには何か意味があるように思われた。イヴは娼婦でもあるが、自分が行った時にはもうレイクは殺されていたと。彼女が犯人に狙われるかもしれないので、ファンシーやモースが交代で監視する。そう、今回ファンシー登場。若くて青くて生意気で、早速トゥルーラヴに目をつける。初対面では彼女はファンシーのこと全く問題にしてなかった。なれなれしい彼の態度に、「最悪・・」とつぶやく。モースはイヴにさんざん誘惑されるが、こちらも問題にしない。ところでモースはストレンジと一軒家に同居している。どうせ家事はみんなストレンジに押しつけているんだろうなあ。今日の夕食はシェパードパイに豆。それがすんだらクリベッジをやろうとストレンジ。彼はお金を貯めて別々のアパートを借りるつもり。彼って本当に堅実で将来のことちゃんと考えてるんだわ~。ごはんもちゃんと食べるし。そのうちレイクが実はザ・シャドウだったとか、卵を売るのが目的ではなく、保険金詐欺を企んでいたということになる。卵はピックマンが作った?最後に殺されたのはクロックスリー。犯人は伝言サービスの仕事しているルース。自分をレイプしたレイク、グレイ、クロックスリーと、そこへ行かせたジョーイに復讐したのだ。復讐を遂げた彼女は自殺。う~ん、でもイヴが何があるかわからないところへ彼女を連れて行って、しかも一人にしますかねえ。

19 死者のフィルム

ロキシー・シネマでは「ファラオの呪い」という白黒映画が上映されている。モースは部屋で一人飲んだくれている。翌朝、ビーヴィスという男が死体で見つかる。一見自然死だが、後でストリキニーネによる毒殺とわかる。毒は、ロキシーでも売っているオレンジスカッシュに入っていたらしい。彼は博物館で夜警の仕事をしているが、前の晩はさぼって映画館へ。彼を覚えていたのはオルガン奏者のガルニエだけ。ビーヴィスは元巡査部長だったらしい。他にアジア系ケニア人の家族が入る集合住宅が放火される。移民を快く思わない連中の仕業か。それともオーナーがネロだからか。次に相談センターが放火されるが、ここもネロのもの。このセンターにはジョアンがパートで働いている。「ファラオの呪い」の続編「ファラオの復活」の宣伝のため、ロキシーでは主演のホラー俳優ヴァルデマーのトークショーを予定している。モースはホラー映画をバカにしている感じ。彼は偶然知り合ったキャロルと一晩過ごし、翌朝ストレンジを驚かせたりする。後で彼女がサーズデイの弟チャーリーの娘とわかって、今度はモースがびっくり。羽振りのよさそうなチャーリーだが、内情は苦しいらしく、サーズデイに金の無心をしている。また、ブライト警視正になれなれしい口をきくなど礼儀知らずで、サーズデイを困惑させる。トークショーの最中、ガルニエの死体が出てくる。今度は別の毒で、ヴァルデマーのために用意されたマティーニのオリーヴに仕込んであった。と言うことは、本当はヴァルデマーを狙ったのか。二転三転したあげく、犯人はロキシーのドアマン、ゴードンだった・・となる。50年前・・戦争中・・功をあせったヴァルデマーのせいで弟は死に、自分は片腕を失った。その復讐だ。・・いろいろあるけど、今回一番印象に残るのはストレンジ。朝、エプロンをつけ、慣れた手つきで目玉焼きを作り、パンと一緒に食べる。紅茶もいれる。でもモースは食べない。夕食はタラにポーチドエッグを合わせ、ペッパーにバターつきのパン。卵ばかりだな・・。それもモースは断る。やれやれ(代わりに私が食べたいくらいだ)。

20 殺意を誘(いざな)う列車

いろいろ起きるけど、未解決のままのものも。旅行代理店やってるノエルが、義妹のジリーと一緒にやってくる。妻のフランシスが失踪したというのだ。そのわりにはフランシスの写真持ってこないのが引っかかる。ファンシーも写真のこと言うのを忘れてて、モースはそれが気に食わない。トゥルーラヴが彼をかばうのも気に食わない。ウィスキーやタバコを積んだトラックが襲われ、運転手のホップスが殺される。ネロの手下・・みかじめ料取立人フリンの殺害と同じ手口だ。カウリー署から強盗課のボックス警部補らが来るが、上からの命令なので仕方がない。とは言えこの二人、犯人は白人と決めつけ、トゥルーラヴを女のくせに生意気とバカにし、ファンシーを無視し・・と、やりたい放題。さすがにブライトも頭にくる。マーケットを見ていたトゥルーラヴは、ジャマイカ人ロイドの売り物の中に、モースのレコードがあるのに気づく。モースが以前泥棒に入られた時盗まれたもの。それと段ボールがどうとかで、ロイドが怪しいとファンシーに忠告。ファンシーは酒が欲しいとロイドに持ちかけ、取引に持っていくが、ロイドも殺される。手がかりはロイドが言い残したクロムウェル・エイムスという人名だけ。で、こっちの方は持ち越し。フランシス失踪を担当していたモースは、ギベッツエンドという廃駅で遺体を発見。死因は絞殺で、なぜか靴をはいてない。取材に来たドロシアによると、64年にリンダ・グレシャムという女性が殺され、未解決のままだが、靴がないなど似ているのではないかと。解剖したところ、妊娠二ヶ月とわかる。フランシスがジリーと名乗ってマーサーという既婚男と浮気していたことも判明。ノエルにとってはダブルショックだ。ノエル、マーサー、フランシスが働いていたブティックの店長ベドローなどが聴取を受けるが、怪しく描かれるのは駅長のパターソン。彼はもういいトシに見えるが、奥さんヘザーはおなかが大きいようだ。夜帰ってきた時、パターソンは手に血がついていたりするが、あまり怪しく描かれると、かえってシロなのでは・・と、こっちも思ってしまう。そのうちブティックの店員アヌーシュカの死体が見つかる。彼女はバスに乗っていて何かを見つけ、大急ぎで降りてあとを追ったが、誰を見つけたのかは不明。リンダとフランシスは手口が似ているが、アヌーシュカは靴をはいたまま。

殺意を誘う列車2

糸口が見つかったのは、フランシスやジリーの母リリアンをモースが訪ねたこと。彼女は痴呆で施設に入っている。だからあまり成果は期待できない。ジリーもそのつもりでいたはずだ。ところがリリアンが部屋に飾っているのはフランシスの写真ばっか。しかも彼女はジリーと呼びかけている。マーサーの浮気相手は、ジリー自身だったのだ。姉の名をかたっていたのではなく。ところでリリアンを世話している看護師長はグレシャムだった。つまりリンダの母。すごい偶然だ。彼女によると資産の管理を任されていたのはジリー。つまり彼女は裕福なのだ。これで動機がわかった。フランシスとノエルが共謀し、妹ジリーを殺したのだ。フランシスがジリーになりすまし、金を手に入れようとしたのだ。しかし双子ならともかく、数歳離れた姉妹。まわりの人に見破られるでしょ。アヌーシュカがあとを追ったのも、死んだはずのフランシスがノコノコ歩いていたから。ノエルの職業が旅行関係なのを利用し、法の手の及ばない外国へ逃げるつもりだったらしいが、フランシスの葬式とかどう乗り越えるつもりだったのかな。ベドローもいるし。動機は嫉妬もあった。生まれたとたん両親の愛情が妹に移り、何でもかんでもえこひいき。資産管理も姉である自分ではなく妹の手に。彼女はノエルの事業不振も助けてはくれなかった。自分だけ旅行だの何だのと贅沢。まあそこんとこは気持ちわかるけどね。てなわけでジリー、アヌーシュカ殺しは解決。ついでにリンダ事件も解決してしまう。セドリックという鉄道オタクが犯人。ヘザーを襲ったせいで犯行がばれてしまった。ノエル達はセドリックの犯行をまねたわけだが、警察では発表していないこともあって、その部分では違っていたと。さてモース、ストレンジとファンシーが中華をいろいろ並べて食べてたけど、誘われても加わらない。彼の主食はビール、副食もビールなのね。健康に悪いぞ。それにしてもボックスに立ち向かうトゥルーラヴはカッコよかったね。毅然としていてけなげで。でも、ボックスのような連中は暴力も辞さないタイプだから、仕返しされないかちょっと心配。

21 失われた英雄

前にも出てきたが、ここオックスフォードでも人種差別や移民が問題になっている。あるヘアサロンでは有色人種はお断りと張り紙してある。そのため店の前ではデモ隊が抗議する。トゥルーラヴが暴動に巻き込まれて顔にアザを作ったりする。殺人事件の容疑者としてつかまった黒人のオジーを、ものすごい目つきで見ていたけど、どういう意味かね。彼女らしくもない。さてヘアサロンの女主人も困っている。こっちにその気はないけど、お客がいやがるのだ。同じタオルはたとえ消毒してあってもいやだとか。また、こういう店は古くからのなじみの客が多いから、そっちの要望聞かないとまずいのだろう。差別意識のない若い客や移民の客は流動的で、死ぬまで通ってくれるわけじゃない。さて、デモ隊の中にはジョアンもいて、警察にしょっぴかれたりする。しかしストレンジが便宜を図ってくれる。これも差別なんですけどねえ・・こっちは受け入れるのね。それにしてもこういう時のストレンジ見ると、年々重みが増していて。ジョアンにはモースよりストレンジの方が似合いなのでは?と思ってみたり。そのモースはクローディーヌというフランス人の彼女ができて、楽しい日々。彼女はフォトジャーナリスト。サーズデイのお迎えはストレンジに頼む。だって朝はぎりぎりまでクローディーヌと一緒にいたいんだもん。ランチも彼女と一緒。いつもビール飲むだけで固形物とってるモース見たことないけど、クローディーヌとのランチではサンドイッチでも・・あら、やっぱり固形物登場しないわ。ただこのクローディーヌ・・愛とセックスは別と割り切っていて、モースにも思い違いして欲しくなさそう。だから遠からずモースがふられるのは見え見え。さて、サーズデイの息子サムは兵長になっている。連隊に、撮影のためカメラマンのファーリッジとモデル達が来る。モデルの一人ジーンは、サムにキスをしたかと思うと「婚約者がいるの」とすげなくするなど奔放な性格。そのジーンが殺され、サムは自分の責任と悔やむ。連隊は二日後にドイツへ派遣されることになっているので、猶予は48時間しかない。

失われた英雄2

まず疑われたのはオジー。死体から血まみれの帽章が見つかるが、冒頭、帽章が大うつしになるのはこのせいだ。もちろんそんなのもう忘れていて、二回目見た時に気がつくという仕かけ。血のついた帽子も見つかるが、これがオジーのもの。見つけたのはファンシーだが、彼は知らないうちに地雷原に踏み込んでいて、怖い思いをすることに。もちろんこの地雷原もクライマックスの伏線だ。サムは帽章をなくしたが、疑われることはない。サーズデイの息子だし・・ってこれも一種の差別。ジーンは銃剣で刺されたらしい。彼女は本名をモイラと言って、チャリティの継娘だった。チャリティはベイズウォーターの後妻だが、結婚式ではヒトラーがダンスをしたという噂があり、亡くなったベイズウォーターと共に、ファシストと批判されている。ベイズウォーターの前妻(モイラの母親)エレノアは自殺。モイラもドラッグをやっていて精神的に不安定。それにしょっちゅう婚約と破棄をくり返していた。後でモイラはベイズウォーターではなく、チャンピオン大佐の娘とわかる。ベイズウォーターの方もすでにチャリティと浮気していたのだからどっちもどっちだが。エレノアは資産家で、モイラが死んだため、財産はチャリティへ行くらしい。ここらへんは何が何やらだ。さて、たくさんの婚約者の中の一人が、軍事史教えているレイドロー。しかし彼はジーンがモイラだとは気がつかなかったと。今では妻と子供が二人いると。そのうちファーリッジが殺される。また、モースはマクダフ中佐に襲われる。このマクダフは以前チャンピオン達を逃がし、自分は二年間中国の捕虜になったという経歴がある。だからチャンピオン達にとっては命の恩人で、少しくらい奇妙なふるまいがあってもかばってやっている。こういう怪しいのは目くらまし、時間稼ぎで、したがって犯人ではない。見ていて「青い戦慄」連想した。結局犯人はレイドロー。10年たっても彼はモイラのことが忘れられない。妻子がいるというのはウソだろう。モイラは最近では差別反対の運動家で黒人のマーカスXに夢中になっている。それが許せない。真相に気づいたモースは彼に狙い撃ちにされ、地雷原に逃げ込む。きのうファンシーが助け出される時、どこを通るかよく見ておいた。でも・・レイドローがうまく地雷を踏んでくれるかはイチかバチかで。マクダフはレイドローに撃たれて死亡。連隊はドイツへ向かって出発する。

22 疑惑の四重奏

スイスとかベルギー、ドイツなども参加して、巨人ゲームとやらが開催される。テレビの撮影チームも来ている。直前にファンシーが足首をひねってしまい、モースが代わりに着ぐるみの中へ。途中ドイツチームの巨人が倒れ、中にいたカールは死んでいた。銃声はしなかったから、サイレンサーか。見物していた少年スティーヴンがとばっちり受けて重傷。すぐデブリンの指示で病院へ。命の恩人だが、彼はこういう生きている人間に関わるのはあまり好きじゃない。助かるかどうかとか、そういう状態がいやなのだろう。その点死体はもうそれ以上死なないから気が楽だ。撮影チームの協力で、スイスチームの巨人が撃ったらしいとわかる。しかし中へ入るはずだったヴェルフェリは、ホテルで死体で発見される。そのうち公安部の者が来て、遺体も証拠物件も持っていってしまった。サーズデイはあきらめるが、モースは納得できない。スティーヴンのためにも犯人をつかまえてやる。ドロシアの協力で、カールのことを調べてもらう。その一方でモースはクローディーヌとデート中、同じくデート中のファンシーとトゥルーラヴがキスをしているのを見かけたりする。後でクローディーヌがモースのもとを去るのはお約束。いろいろなことが並行して起きるので、時間の経過通りに書いていくのは難しい。だから一人一人書いていくと、サーズデイは弟チャーリーと電話で話している。この時点ではわからないが、後で金を貸してくれという頼みなのがわかる。そのせいでサーズデイは老後のための資金を失うはめに。ネロやエイムスの件もある。本当はモースもこっちの件にかからなきゃならないのだが、一人でカールの件を(無断で)調べ回る。妙な電話があって、ロンドンへ来るよう言われる。シングルトンとルイスに会う。彼らは王室に雇われているのか。国のために動いているのは確かだが、何となくお高くとまっていて、ゲーム感覚のようなところも。彼らに言われ、調香師フェニックスを調べることに。カールは何かの会議の時、フェニックスの通訳をしたことがあった。フェニックスの工場は香水だけでなく、国の仕事も請け負っている。後で彼は手に入りにくい竜涎香と引き換えに、ソ連に化学兵器の新技術を売っていたことがわかる。

疑惑の四重奏2

シングルトン達が知りたかったのはこのことらしい。その後シングルトン達はどうしたのかな?それからモースはオックスフォード時代、二度ほど講義を受けたことがあるリッチモンド教授を訪ねる。モースはブリッジのパートナーをやらされたことがあって、そのことでリッチモンドは彼のことを覚えていた。しかしカールのことは知らないと。後でリッチモンドは、スパイになれそうな若者をスカウトしていたことがわかる。実はモースもそれとなく勧誘されていて(!)。しかしこのリッチモンドも殺される。犯人は守衛のマリオン。最初カールやヴェルフェリ殺しも彼かと思ったけど違うようだ。モースを襲った殺し屋がやったのだろう。マリオンに着ぐるみは無理だ。一方前々からサーズデイはタバコ店の夫婦のことが気になっている。亭主のジョーは、妻のエルシーに暴力をふるっているらしい。エルシーには別れる気はないが、このままではジョーに殺されてしまうのでは・・。ジョーが階段から転落して死んだ時、サーズデイは事故ですませる。後でモースになじられたけど、これが自分のやり方だと言い張る。実はモースはリッチモンド、マリオンの他にスパイが二人いて、それがジョーとエルシーなのを突き止めていた。結局エルシーは公安部の手に?他にモースはカールに英語教えた教師バグショットを訪ねる。途中で表情やしゃべり方が変わるのが不気味。モースが殺し屋に襲われた時、殺し屋をサイレンサーでブスッ。今回印象に残ったのは何と言ってもこのオバサン。非情な世界を生き抜くタフなオバサン。演じているエリー・ハディントンは、ヘレン・ミレンにイアン・マッケランをミックスしたような雰囲気。シングルトン役のブレンダン・パトリックスも印象的な顔立ち。結局公安部の連中は、みんなモースに解決してもらったことになるのかな?ラスト・・サーズデイはモースに恋人のところへ戻れとか言うんだけど、クローディーヌはもういないんです。さっさとベトナムへ行っちゃった。モースはまた一人ぼっち。前、ジョアンがそれとなく誘ってくれてるのに、応じなかったモース。どこまで草食系なんざましょ。

23 ねじれた翼

後年のギョロ目のオッサンに年齢は近づいてきているはずだが、モースは太りもせずナイーブさも失わずにいる。でも額のシワが目立つかな。ネロとかエイムスの件はまだ解決していないのね。解決どころか、カウリー署の方に一足早く終わりが来ちゃった。テムズ・バレー署に統合され、人員は削減され。サーズデイはこの機会に引退するつもりだ。新しいところでは自分のような古いタイプは勤まりそうもない。ウィンにもせっつかれている。静かな老後を楽しみたい。ところが・・サーズデイの弟チャーリーは、詐欺か何かで金をだまし取られてしまった。その中にはサーズデイが貸した金も含まれる。まずいことに金を貸したことをウィンには言ってなかった。どうせすぐ戻るんだから言う必要ないだろうって、相談もしなかった。連れ添って27年、ウィンの怒りは爆発する。老後のお金がパーになったこともそうだが、自分に一言の相談もなかったことが許せない。家を出ていってしまうが、代わりにジョアンが様子を見にくる。ウィンだっていつまでも怒ってるわけにいかないからそのうち戻ってくるだろうけど、どちらにせよサーズデイは引退するわけにいかなくなってしまった。少しは年金出ないのかしら。と言うか、27年って短いんじゃない?ウィン、しなびてるし、サーズデイ、たるんでるしで、40年はたっていそう。さて、コールドウォーターという男子校があって、そこの教師アイヴォリーが行方不明になってる。生徒のラウンツリーも行方不明。おまけに、地元警察の警部補とその助手が交通事故で死亡。たぶん二人の死は偶然だろうけど、誰か教師として潜入させ、解決しろという上からの命令。そこでモースが教師に、トゥルーラヴがその妻に。イギリスの寄宿制の男子学校と言えば、美しい髪に白い肌のイケメン達がぞろぞろ・・と、某映画のせいで想像しちゃうけど、現実はほど遠い。一部の特権階級・・近衛兵を自称する連中が、下層民をいじめ抜く。陰湿で腐敗したムードが漂う。中でもスタンローはみんなの標的に。気が弱くて体力的にも劣っていて、先生のお気に入り。スタンローはアイヴォリーを慕っているけど、アイヴォリーのせいで生徒が堕落したと言う者もいて、評価はまっぷたつ。さて、ますます美しくなったトゥルーラヴと一つ屋根の下で暮らすはめになったモース。イギリスだから人前でベタベタしなくても夫婦で通用するけど、アメリカだったらキスの一つもして見せなきゃ、疑われることだろう。

ねじれた翼2

気が気じゃないのがファンシー。トゥルーラヴと離れているのが苦痛。モースと一緒なのが心配。彼はエイムスの見張りやってるから、余計なこと考える時間はたっぷりあったってことだ。トゥルーラヴの方はファンシーほど真剣じゃない。だってまだ若いんだし、今は仕事の方が大事。でもファンシーはプロポーズするつもりだったらしく、指輪を買ったようで。その彼はネロとエイムスの抗争に巻き込まれて死んでしまう。この展開にはびっくりだ。青いと言うか黄色いと言うか、危なっかしくて生意気にも見えたファンシーだけど、それでも最近では少し刑事らしくなってきていて。それなのにいきなり・・。しかも後で、ファンシーを撃ったのはエイムス側でもネロ側の人間でもないとわかって・・。エイムスもネロも死んでしまって、何があったのかわからない。その後でモースがなぜかブライト警視正の自宅を訪ねるので、見ている者はもしかして警視正が・・と怪しむ。でも何ということもなく通り過ぎる。さて、モースの教師ぶりは板についている。なかなか収穫はないが、血のついたシャツとか、財布など向こうの方から証拠がやってくる。もちろん生徒の仕業なんだけど、そういうことをして自分がどう思われるのかまでは考えていないようだ。自分達は特権階級だから、危険が及ぶなんて考えてもみない。鑑別所へ送られるぞと脅すモースがよかった。何たって彼の方が世間を見ている。結局アイヴォリーが毎年モロッコなどへ旅行し、ヘロインを密輸し、生徒達に売っていたと。ラウンツリーはアイヴォリーの手先として動いていたが、なぜかヘロイン中毒で死んでしまう。これがばれると困るので、アイヴォリーはラウンツリーは行方不明になったとウソをついたと。そのアイヴォリーを殺したのは寮母シーモア。生徒が堕落したのは彼のせい。それに彼は妻がいるのに校長の娘と不倫していたし。見ていて不思議なのは、アイヴォリーの所業を暴けばいいのに、殺す方へ行ってしまうこと。暴くと学校の評判が落ち、生徒達の未来にも響くから?しかし生徒達のワルぶりは、アイヴォリーのせいばかりとは思えんが。スタンローは自分をいじめる教師ブラックウェルを殺そうとして、モースに阻止される。たぶんスタンローは退学になるだろうけど、ブラックウェルのようなのが居続けるんじゃ、この学校の未来は暗い。トゥルーラヴはロンドンへ。ファンシーの葬式にも出ず、未来へ前進する。