ジャッジ・ドレッド

ジャッジ・ドレッド(1995)

これはまた・・軽い内容ですな。コミックが元ですか?しかもアメリカじゃなくイギリスの。2139年、地球で住めるのはメガ・シティだけ。法を守るのはジャッジに任され、その中でも我らがシルベスター・スタローン扮するドレッドは次から次へと刑を宣告。ここは自由の女神があるからニューヨークか。人口が増えて6500万人もいるから活気がある。活気って暴動のことですけど。そのうちドレッドは無実の罪を着せられるが、死刑になるところ、ファーゴ長官のおかげで無期懲役に。しかし刑務所へ向かうシャトルが撃ち落され・・。メガ・シティのまわりは呪われた地と呼ばれている。汚染された無法地帯ってことかな。とにかくここでドレッドは自分がクローン人間であることを知る。自分の友人で、同じジャッジで、その悪行のため始末せざるを得なかったリコが、自分と同じDNAを持つ、いわば兄弟だったというのだ。20年前、すぐれたDNAを集めて作り出されたのがリコとドレッド。このヤヌス計画は封印されていたが、リコは長官の座を狙うグリフィンと共謀し、ファーゴを引退に追い込み、ドレッドを陥れ・・。次から次へとストーリーが展開し、エンドクレジットを入れても96分という短さ。追われる側になってからは、仕方のないこととは言え、同僚であるジャッジを多数撃ち殺す。でもコミックの世界だから難しいことは言いっこなし。スタローンは50近いけどやせてるし顔もすっきり。レンズでも入れてるのか目の色が違う。ランボーばりの寡黙さでそこはよかったが、叫ぶ時は口がひん曲がる。しゃべるのはロブ・シュナイダーにお任せだ。負傷して死んじゃうのかと思ったら生き残って。キャストは豪華で同僚ハーシーがダイアン・レイン、リコがアーマンド・アサンテ、ファーゴがマックス・フォン・シドー、グリフィンがユルゲン・プロホノフ、ヘイドンがジョアン・チェン。ドレッドの時は成人するまで20年かかったけど、今は8時間ほどで、しかも成人の状態でクローンが作れる。まるでフランケンシュタインの怪物だが、あの連中はどうなったのかいな。2012年版はまだ見ていない。リメイクではなさそうだが・・。

ジャッジ・ドレッド(2012)

こちらスタローン版と設定は同じだが、クローンがどうとかいうのはなし。メガシティ・ワンの外にも出ない。200階もあって、7万5千人が住んでいるピーチツリー・ビルの中での戦いに終始する。よって、話は広がらない。TVゲームやってるようなもの。ドレッド役はカール・アーバン。最初から最後までヘルメットかぶっていて、とうとう顔を見せませんでしたな。スタローンはそれでも人間くさかったけど、こちらはいちだんとストイック。それ以上に人間離れしているのが敵役ママ(ヘナ・レディ)。やせて物憂げで、残忍。ただ、映画としてみると、迫力不足かも。ある日ドレッドは主任ジャッジに呼ばれる。アンダーソンは試験の成績はさほどよくなく、本来なら不合格なのだが、超能力がある。人の心を読めるのだ。主任はこれが役に立つのではと考え、彼女を一日ドレッドにつける。彼に合格かどうか決めさせる。アンダーソンは超能力の邪魔になるので、ヘルメットはつけない。ピーチツリーで三人の男が墜落死する。それを調べている最中、アンダーソンはケイという男の心を読み、彼が殺したのだと知る。彼に吐かれてはまずいと、ママはビルのシールドを降ろして封鎖。ドレッドとアンダーソンは二人だけでママの組織と戦うはめに。ビルにはスローモーというドラッグの製造所があり、ママの組織は販売の拡張に力を入れていた。こういうビルを見ると「メトロポリス」を思い出す。ビルには中央部分がなく、ドーナツ状になっているようだ。そこらへんはバベルの塔風味。スローモーションを多用し、撃たれて顔などが破壊されるところ、体に穴があくところなどを見せてくれるのが新味。民放の子供も見ている時間帯にこんなの放送していいのかなとも思うが、ゲームでもう慣れっことか?銃撃や爆発があるが、クライマックスは意外なほど盛り上がらない。ママが200階分落下していくのをスローで見せられたってねえ・・。アンダーソン役はオリヴィア・サールビー。アン・ハサウェイによく似ている。他に「サンダーバード」のデオビア・オパレイ、「エクス・マキナ」のドーナル・グリーソン。次も作られそうな終わり方だけど、ヒットしなかったようで。