サスペリアPART2

サスペリアPART2

最初に見たのは「月曜ロードショー」あたりか。その後確か深夜にノーカットでやったのを見たような・・。最初に見た時は、主人公マークとジャンナが仲良くなる過程がカットされていたので、火事のシーンでの二人を見ていて?だった。「月曜ロードショー」での放映は1980年らしい。たぶんこれを見てデヴィッド・ヘミングスのファンになり、パンフとかビデオ・・その頃だと輸入ビデオしかない・・を集めたりした。パンフはともかく、ビデオは撃沈。「欲望」も「キャメロット」もわけわからん(原語だし)し、退屈だし。ピーター・オトゥール目当てで「パワープレイ」を見に行ったらヘミングスも出ていて。でもその頃には太り始めていて・・。さてDVD は127分の完全版。劇場公開版はパンフによれば1時間46分。20分ほど長くなっていることになる。私がノーカットで見たのは1時間46分の方か。「サスペリアPART2」という題なので、単純に続編だと思っていたが、そのうちこちらの方が製作は先で、「サスペリア」とは無関係だと知った。「サスペリア」も「月曜ロードショー」で見たのだと思う。公開時かなり騒がれたが、見てみると内容が薄いと言うか。バレエ学校、細いヒロイン、独特の色彩、耳から離れなくなる音楽など、引きつける要素はあるものの、それ以上のものがない。まあ今見れば違った印象受けるのかもしれないが。マーク(ヘミングス)はロンドン生まれだがアメリカにいて、本職はジャズピアニスト。今はここローマの学校で教えている。冒頭、演奏している若者達は学生か。ちなみにDVDはイタリア語だから、ヘミングスあたりは吹き替えか。日本語吹き替えもテレビ放映の時とは違う。あっちは知ってる人ずらりだけど、DVDの方は知らない人ばかりで、聞いていてもぴんとこない。さて超心理学会に出ていたテレパシスト、ヘルガ(マーシャ・メリル)は強い殺意を感じ取り、ショックを受ける。その晩アパートにいる彼女を何者かが襲う。外を歩いていて、偶然それを目撃したのがマーク。彼はヘルガの上の階に住んでいるが、面識はない。ここらへんのショック描写がいい。背後から刺されるというのもアレだが、割れたガラスというのもアレだ。

サスペリアPART2 2

コップとかビンとか普段普通に手にしているけど、心の底では破片が刺さることへの恐怖感がある。パンフにも書いてあるが、これまでの人生でガラスで切ったりした経験は誰にでもあるから、思い出したくなくても思い出してしまう。パンフにはごていねいにも見開き2ページでどーんとマークがヘルガをガラスからはずそうとしているシーンが・・。本編にはガラスの破片が刺さった首のクローズアップがどーん。ごちそうさまです。ナイフで執拗に刺すとか、母親のせいでおかしくなった息子とか、「サイコ」と共通するものは確かにある。こちらはカラーなので血の印象も鮮やか。そう言えば原題は「ディープ・レッド」だ。誰ですか、「サスペリアPART2」なんてアホな邦題つけたの。「サスペリア」や「インフェルノ」になると相手は悪魔になっちゃって、怖くはあるけど現実味はない。やっぱり人間の中にある得体の知れない闇の部分の方がよっぽど怖いわな。普通の生活の中に隠れている邪悪で異常な心理。超心理学会では学術的なことを話しているわけだが、聴衆はみんな学術的興味で聞いてるかというと、そうも思えない。車椅子の人は、もしかしたら超能力のようなもので自分は歩けるようになるかも・・と期待しているかもしれない。よく聞こえなくて補聴器をいじくっている人もいる。この人も耳が治るかもと期待して聞きに来たのかもしれない。でもこういう人達は人をナイフで刺したりはしない。途中で入ってきた誰かは、邪悪な思念を強烈に発していた。その人はここに来なければヘルガに気づかれることもなかった。その後の殺人も起こらなくてすんだかも。でもここへ来たってことは・・単なる偶然か。それともヘルガの何かに引き寄せられたのか。ステージの上に座っているヘルガは、「ミディアム」のアリソンのようだ。金髪だし、シーズン4あたりのアリソンはああいうヘアスタイルだったと思う。「ヘルハウス」のフローレンスもそうだったが、ああいう人達は、感じたことをすぐ口に出す習慣がついているのだろうか。無意識にしゃべってることもあるかもしれないが、時にはそのせいで危機を招いてしまうこともあるのでは?

サスペリアPART2 3

ヘルガは、相手が隠そうとすればするほど感じてしまうと言っていた。そういう隠そうとすることってたいていはよくないことで。この場合は、その人物が過去に殺人を犯し、それは表に出ないですんだが、またやろうと思っていること。講演が終わってから超心理学の権威で、彼女の支持者でもあるジョルダーニに、「本当は誰が犯人か知ってるの」とか「文章にまとめてあなたに明日渡す」とか話していて、それを犯人が物陰で聞いている。ヘルガは「怖くてたまらない」と言いつつ、ジョルダーニの研究材料になれば・・と思っている。犯人の異常心理は怖いが、それが自分に向かってくるとは思わないのか。一方犯人の方は身の危険を感じたらすぐに行動起こす。一直線に排除にかかる。それにしても・・メリルの退場の早いこと。あまりにもあっけない。それでいて強い印象残す。次のアマンダも、登場シーンは少ないが、やはり印象に残る。いいホラー映画ってそういうことだ。殺されるためだけに出てくるキャラでも、心にしっかり残る。マークはアパートへ帰るため、広場を歩いている。噴水のあたりに酔っ払ったカルロ(ガブリエレ・ラヴィア)がいる。マークの友人で若くてハンサムだが、酒びたりの生活を送っている。マークが心配していろいろ忠告しても聞かない。何か大きな・・人には言えない悩みを抱えているようだ。二人して悲鳴を聞くが、誰かが騒ぐわけでもない。カルロと別れた直後、ふと上を見たマークは・・。すぐに駆けつけ、ヘルガを窓からはずすが、もう死んでいる。さっきのステージの上で、ヘルガの口から水が流れ出るシーンがある。最初に見た時はびっくりした。今のヘルガの口からは血が流れている。でも印象的なのは水の方なのだ。ドリフのコントでよくあった。だから笑えるシーンでもあるのだが、この映画では笑うどころか不気味だった。たぶん他のホラー映画なら悪魔に取りつかれて、汚い言葉と共に緑色の液体でも吐き出すところだ。でもヘルガは透明な水だし、歯は白く、肌はきれいなピンク。汚い感じはしない。また、たとえ相手が邪悪な存在だとしても理解しよう、忠告しようとしている。そしてそれは相手には通じないのだ!

サスペリアPART2 4

今回久しぶりにDVDを見たわけだが、いくつか呼応するシーンがあるのに気づいた。計算ずくなのかたまたまか・・。ヘルガが窓に両手を当てているシーンは、後で出てくる、幽霊屋敷の中を見ようとするマークの動作に似ている。屋敷のはすりガラスだけど。話を戻して・・マークは窓から下を見る。酔っ払ってうろついているカルロが見える。反対側には歩き去る黒いレインコート姿の男。ところでテレビ放映の時、この男うつっていたっけ?当時のテレビの画面サイズだと両サイドは切れてしまうはず。カルロと男二人ともうつすのは無理。話は前後するが、ヘルガの透視の後、犯人が男子トイレにいるシーンがある。現場から立ち去るコートを着た後ろ姿だけでは男かどうかはっきりしないのだが、このシーンがあれば、見ている人はすんなり犯人は男・・と思い込む。あと、マークが最初に見たヘルガは、部屋着のヒモをちゃんと結んだ状態である。それが、窓から下ろす時には胸がはだけている。とどめを刺された時、後ろから襟でもつかまれ、それで乱れたのか。抱えようとするマークの手がヘルガの胸に当たって、そのやわらかさが見ているこちらに伝わってくる。DVDを見た時すごくびっくりしたことがあって、ヘルガ殺害直後のシーンに犯人がモロにうつっていたこと。「月曜ロードショー」で見た時にはうつっていなかったはず。やはり画面から切れて、その部分はうつっていなかったはず。だから最後の犯人登場のシーンで普通にびっくりしたわけ。最初の方のシーンで、別に犯人が見られなくても、いや、見られなかった方が楽しめるのではという気もする。公開時に映画館で見た人はあのシーンを見てどう感じたのかな。あんなに早々とうつしちゃって・・。普通ならもうちょっとわかりにくくするんじゃないの?警察に通報し、協力するマーク。4時間も拘束され、疲れきって戻ってくると、まだカルロがいて、さらに酔っている。彼もピアニストらしいが、この時点では彼がなぜ自分を痛めつけるような生活しているのかは不明。マークには気になっていることがある。ヘルガの部屋へ入って行った時にはあった絵が、出る時には消えていたのだ。警察は何も動かしていないと言っている。自分の思い違いだろうか。警察は何度か出てくるが全く無能な存在として描かれる。

サスペリアPART2 5

捜査中に新聞記者のジャンナ(ダリア・ニコロディ)が入り込み、マークが目撃者だと気づくと早速撮影。写真が新聞にデカデカと載ってしまった。これじゃあ犯人に狙われるとマークは困惑するが、その一方でジャンナの情報は役に立つ。血なまぐさい殺人ばかりでは・・と、はさまれるのがマークとジャンナの恋の珍道中。これをいらないと見るか、息抜きとして歓迎するか・・難しいところだ。私としてはまだ美しいヘミングスを余計に見られるのはうれしい。この映画のたった二年後には・・「海流の中の島々」ではヘミングスは太っていた。そして「パワープレイ」。急速に若さは失われ、代わりに肉がついてきた。ネットでは晩年の彼の写真を見ることができる。眉毛とかヒゲとか・・目とか口とか・・もう別人。メイクなしでサタンができそう。「ミーン・マシーン」とか「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」見て心配していたら案の定・・まだ若いのに死んでしまった。もったいない。とにかくこの作品や「ジャガーノート」は、彼の美しさを堪能できる最後の作品でもあるのよ。「欲望」や「キャメロット」での20代の甘くてとろけそうな美しさとは少し違う・・崩壊する前の最後のきらめきと言うか。ちょっと長めのゆるくウェーブしたヘアスタイルや、白いズボンには、今見ると気恥ずかしさのようなものも感じるけど、70年代はそれがステキだったのだ。マークはカルロを訪ねるが、出迎えたのはカルロの母親。元女優で、話し好きだが、マークがいくら自分はピアニストだと言っても技師さんね・・と、とんちんかんなところも。演じているクララ・カラマイはたぶんイタリアでは有名なベテラン女優なのだろう。部屋に飾ってあるのは若い頃の自分の写真だろう。なかなかの美人だったと思われる。カルロがいるのはマッシモという青年の部屋。アル中の上、ホモ・・とカルロは自虐的。ところでこのマッシモ・・今回調べてわかったが演じているのはジェラルディン・フーパーという人。え?女性なの?今までずーっと男性だと思ってたからびっくり。薄くヒゲが生えてるし。メイクとか顔立ちとかは「ドラゴン・タトゥーの女」のリスベット風味。

サスペリアPART2 6

帰ろうとするマークに、マッシモは投げキッスをするのだが、今回見たらその後すぐ画面が切り替わっていたな。マークがびっくりするシーンがあったと思い込んでいたけど、記憶違いか。「サスペリアPART2」日本公開35周年記念究極版とかで、公開版と完全版両方をおさめたブルーレイが出ているらしい。それを見れば比較・確認できるのか。でもなあ・・そういうのが出る度に買うわけにもいかないし。それでなくてももう何百枚も持っているのだから。・・と言うか、後になってあれこれくっついたものを出さないで欲しいよな。最初からくっつけて出して欲しいよな。などとぶちぶち言っておりますが、そう思っているのは私だけではありますまい?カルロとマークが連弾をするシーンは、公開版にはないらしい。ここはカルロが勤めている店か。彼が幸せそうなのはたぶんこの時だけ。後で彼の背景がわかってみると、そのつらい人生には気の毒としか言いようがない。幼い彼の目の前で起きた惨劇・・。子供時代のカルロをやっている子は、いかにも育ちのよさそうなお坊ちゃまで、かわいい。さてテレビではマークは犯人の顔を覚えているなんて間違った報道されていて。すぐに彼に魔の手が伸びる。夜・・一人で静かにピアノを弾きながら作曲しているマーク。屋上を誰かが歩く。ピアノの上に白い粉が落ちるが、マークは気がつかない。そのうち何か感じる。子供の歌が聞こえる。入口にカゲが差す。マークの額を汗が流れ落ちる。間一髪、重いドアを閉める。ドアの向こうから聞こえてくる犯人の声。ここは本当に怖い。それにしてもマークの部屋に限らずどこの家も入られ放題だ。ちゃんと施錠していないのかね。翌日マークはヘルガの友人達に話を聞く。昨日聞こえた歌は早速レコードを買ってきた。さすが音楽家、耳がいい。ジョルダーニは、犯人は精神分裂症で、普段は普通の人と変わらないだろうと推測する。彼は後でアマンダのダイイングメッセージにも気づく。非常に頭がいいのだ。ただし生き延びるには役立たなかったけど。透視能力を研究しているマリオは、ヘルガの言った「子供の歌」や「屋敷」という言葉から、「現代の幽霊伝説」という本のことを話す。著者はアマンダ・リゲッティ・・ん?どこかで聞いたような。「メンタリスト」のヴァンペルト役の女優さんがアマンダ・リゲッティだぞ。

サスペリアPART2 7

図書館で本を調べるマーク。問題の屋敷の写真が載ってるページを破り取る。こらッ!コピーすればいいだろッ!彼を誰かが監視している。先回りしてアマンダを殺す。ここもショッキングなシーンだ。人形などの小道具がうまく使われている。クローゼットの暗闇の中でぱっちり開く目も不気味だ。目玉ギョロギョロのクローズアップは何度かある。犯人のは茶色なので、マークは犯人ではないとわかる。マークの目玉ギョロギョロもあるが、たぶん呼応させているのだろう。犯人の目が茶色でなくブルーだったら、もしかしたらマークが・・という推測もできる。一方で殺人を犯し、一方で犯人を追うというのは他の映画でもあるでしょ「エンゼル・ハート」とか。とにかくマークが来た時には手遅れ。ヘルガに続いてアマンダの死体も発見となると、警察にどう思われるかわかったもんじゃない。指紋もつけちゃったけど、死体が発見されて、彼の指紋があるとわかるまでにはまだ余裕がある。こっちの方はジョルダーニに任せて、マークは幽霊屋敷捜しにかかる。その間にもジャンナとあれこれあるが、ストーリーにはほとんど関係ない。かえって何かはさまったせいで繋がりの悪さを感じる。場所の移動とか、時間の流れがしっくりこない。さて、やっと見つけた屋敷。管理人からカギを借りて中を見て回る。このシーンはかなり長いが、荒れ果てているとは言え豪邸で、日本とはケタが違うと言うか。見ていても全然飽きない。ここに限らずマークやヘルガのアパート、ジョルダーニの住まい、みんな広々としていてきれいだ。こぢんまりとしたアマンダの一軒家もいい。ホラーなのにサスペンスなのに他の見どころがいっぱいあるのだ。室内だけでなく外の風景もいい。広場を上からうつしたり、真っ直ぐな道を走り去るバスとか構図もいい。さて、幽霊屋敷を調べたことで事態は大きく前進する。壁に塗り込められていた絵を見つけた。昔はあったのに、今はなくなっている窓があるのに気づき、今度は不法侵入して、塗り込められた部屋があることもわかった。部屋にはミイラ化した死体が・・。でも直後にマークは頭を殴られ、昏倒する。

サスペリアPART2 8

気がつくとジャンナに助け出されたのか外にいて、屋敷は火事に。死体も焼けてしまっただろうが、絵という手がかりはある。管理人の娘オルガ(ニコレッタ・エルミ)があれとそっくりな絵を描いていた。想像で描けるはずはない・・と、問いつめると、小学校の資料室にあったものを真似したとのこと。で、屋敷への不法侵入の後は小学校への不法侵入だ。その前にジョルダーニの死がある。彼はアマンダの家を訪ねて何か気づいたようだが、それが何なのかは不明。湯気のことに気づくなど頭はいいが、その先は・・発展しない。と言うか、湯気を発生させ、まず見るのは壁の上の方。普通の人ならまず下を見る。アマンダは横たわった状態で指を壁に向かって伸ばしていたのだから。彼は最初登場した時にはやたら白い歯が目立つのだが、殺される時はその歯が・・。これってわざとなのかしら。マークが二回目に屋敷に入り込む時、門の鎖がするするとほどけるシーンがあるけど、これがラストのエレベーターに絡まるチェーンのネックレスに呼応しているように思えるんだよな。話を戻して、アマンダの書き残した文字だけど、ネットで調べてみると「それは・・」みたいな意味で、結局は何かを書き残す前に死んでしまったということらしい。何を書こうとしたのかは永遠にわからない。わからないと言えばジョルダーニは殺される直前マークに電話するけど、何を話すつもりだったのかは不明。アマンダが書いたことからジョルダーニが何かつかんだとは思えない。「子供」にぴんとくるものがあったらしいが・・わからん。電話した時、マークは不在で車を運転中だった。途中で路肩で事故車を処理中の横を通り過ぎるが、別になくてもいいシーンだ。この後のカルロの事故と呼応させているのか。今回調べていてちょっとびっくりしたのは、一連の殺人の犯人と、屋敷でマークを殴って火をつけ、小学校でジャンナを刺したのは別の人という説。こういうのは監督のコメンタリーでもついていれば明らかになるかもしれないが、あいにくそんな気のきいたものはついてない。予告編しかついてない。こういうことって一回見ただけじゃわからなくて、何度か見ているうちに「あれ?」となる。つまり、あんなに残酷な方法で確実に殺していた犯人が、マークやジャンナを殺し損ねるというのは考えられないわけ。

サスペリアPART2 9

マークの場合、屋敷にいる時上からガラスが降ってきてちょっと額に傷がつくけど、行動には支障なし。彼が地下室にいる時、入口にカゲが差すが、その人物は何もしない。ちなみに地下室は水浸しで、「インフェルノ」思い出すけど、今盛んにテレビでやってる某市場予定地の地下も思い起こさせる。殴られたマークは外で目が覚めるけど、ジャンナがどこで彼を見つけたのかは不明。たぶん殴られた場所ではなく、もっと玄関に近い、発見されやすい場所に移動してあったはずだ。いくらジャンナが力持ちでも(腕相撲のエピソードはそのためだろう)、燃えている屋敷の中を捜し回り、大の男を外まで引きずってくるのは大変。階段もあるし。それと途中でマークはカルロに電話するけど、出たのは母親で、カルロは不在。カルロの家と小学校と屋敷とジョルダーニの住まいと、位置関係がどうなってるのかはわからないが、犯人がジョルダーニの住まいとこちらの屋敷と両方に存在するのは無理な気がする。たいていの人は全部犯人の仕業だと思っている。私も・・頭の隅ではつじつまが合わないなあと思いながらも・・そうだった。でも今では屋敷にいたのはカルロではないかと思っている。何とかマークをここから遠ざけたいが、絵とか隠し部屋とか見つかってしまった。だから気絶させ、証拠となる屋敷そのものを消そうとする。図書館でマークを監視していたのはどちらだろう。犯人がマークを監視していたとすれば、カルロはマークと犯人両方を監視できるけど。つまりカルロは犯人からマークを守ろうと思っているだろうから。ああ、ややこしい!小学校の方はどうなんだろう。ジャンナに呼びかけたのは犯人の声に思われる。刺されたけどジャンナは結局助かったから、これは犯人の仕業ではなく・・犯人なら途中でやめるはずがない・・カルロがやったのではという説がある。でも私にはカルロがジャンナを刺すのはちょっとおかしい気がする。さっきのマーク同様殴るだけでいいはず。私が思うに刺したのは犯人だけど、途中でカルロが現われるか何かして、完遂できなかったのではないかと。で、カルロはそのまま自分の仕業のように見せかけようと芝居をしたのでは・・。まあカフェでの電話のシーンとかでもわかるけど、マークは大声で屋敷のことやアマンダのことを話していたから、それが犯人達に手がかりを与えることになったんだと思う。

サスペリアPART2 10

ちなみに電話している後ろでエスプレッソか何かをいれていて、マークは何度も熱湯だか蒸気だかを浴び、文句を言っていたが、この直後にアマンダは熱湯に浸けられて殺されるのだ。これは意図的?アマンダの家に潜み、ジョルダーニの行動を見守っているらしい誰かの視線の描写から、私は図書館の後、犯人はそのままアマンダ、続いてジョルダーニを殺害したのだと思う。本には屋敷の持ち主の名も住所も書いてない。見つけるには時間かかるから、後回しでもかまわないと思ったのでは?一方カルロはマークを尾行し、屋敷・・続いて小学校へとついてきたのでは?でも犯人の方は小学校のことをどうやって知ったのだろう。犯人には小学校のことはわからないでしょ?マークからの電話で屋敷のことが気になり、来てみたら火事。で、マークとジャンナをつけて小学校まで来たのかな。タフだなあ(←?)。ああんもう自分でも何書いてるのかわからなくなってきたぞ!普通の人はこんなことでは悩まず、「ストーリーが破綻している」で片づけちゃうんだろうけど。破綻していると言えば、もう一つ変なことがある。気がついたからには書いておかないと。・・マークは現在の屋敷の外観が、アマンダの本に載っている写真と違っていることに気づく。絵を発見して怖くなって外国へ逃げるつもりだったけど、気が変わる。写真にはある窓が、今はない。塗り込められた部屋があるのでは・・と、壁を壊しにかかる。でも・・あの・・待ってくださいよ。写真がとられたのは事件の後のはずだ。窓がなくなってからのはずだ。それともアマンダは事件が起きる前の・・窓のある頃の写真を手に入れて載せたのか。だとしたら窓がなくなっているのに気づくはず。と言うか、そもそも壁塗りは、部屋の塗り込めは誰がやったのだろう!まあいいや、作り手もわかっていてやってるのだろうから。この屋敷は幽霊屋敷ということで長く空き家だったが、ある時作家が手に入れたらしい。しかしすぐ墜落死。その後は買い手も借り手も見つからず・・。作家はたぶん事故に見せかけ、犯人に殺されたのだろう。話を戻して・・マークは問題の絵を見つける。それはカルロが描いたものだった。来た時にはなかった黒板の絵・・刺されたジャンナ。マークの前にカルロが現われ、「事件に関わらないようあんなに忠告したのに・・」となじる。「君が好きだった」と言ってるから、銃を突きつけてはいるものの殺す気はなく、自分が犯人として死ぬつもりだったのでは?

サスペリアPART2 11

犯人をかばうため、ジャンナに続いてマークも殺す決心をしたという説もあるが、そうは思えない。何と言うか、彼はどんなことがあっても殺人は避けるタイプに思える。引き金を引きそうになっていたけど、思いとどまったと思う。ただ、そこへ警察が来たため、彼は逃げ出す。逮捕されたのでは自分の目的が果たせない。と言うか、彼が罪をかぶったとしてもマークはそのうち彼は(ヘルガに関しては)犯人ではありえないことに気づくけど。でも今のカルロは生きていることに疲れ、犯人をかばうことに疲れ、終わりにしたいと死を求めている状態。死ぬにしてもマークの腕の中で死にたかっただろうけど、結果的には・・。あんなひどい運命が待っていたとは・・。と言うか、悲劇と喜劇は紙一重だ。カルロは死んだけれど、ジャンナは助かりそうだ。夜・・広場を歩くマーク。アパートの近くまで来てやっとヘルガ殺しはカルロではありえないことに気づく。今更遅いだろ・・って見ている人みんな思うけど、気づいただけマシ。警察はたぶんみんなカルロのせいにして、事件は解決した気になってるはず。とにかくマークはそもそもに立ち返って考えてみる。テープの張られたヘルガの部屋に侵入する。今晩三回目の不法侵入だ。壁にかけられた不気味な絵・・そのうちの一つは鏡だった。自分はあの時鏡にうつった絵を見ていたのだ。で、犯人登場。前にも書いたように私は画面が切れていたせいで、ここで普通にびっくりしたのだった。その後のシーンもかなりショッキング。作り物バレバレだけど、それを補って余りあるのが(←?)口から出る白い液体。赤じゃなく白ってのが・・。血だまりに呆然としたマークの顔がうつっているエンドクレジットもいい。これを見るとまさにディープ・レッド・・深紅だ。ちなみに本編では画面いっぱい血だまりだが、予告編では血に浸った黒い髪がうつっていて、これもまた不気味だ。・・てなわけで自分でもまとまりのない感想だとは思うが、私のこの映画への愛情はわかっていただけると思う。「インフェルノ」を映画館へ見に行ったのは、この映画のせいだと思う。あちらにもダリア・ニコロディとガブリエレ・ラヴィアが出ていて・・。ところでニコロディはアーシア・アルジェントのお母さんなのね。書き終わってから気づいたが、人形とか黒板の絵が首吊りだったのは、犯人の最期の伏線かね。