ゾンビ・コップ

ゾンビ・コップ

こういう映画があるとは全然知らなかった。見る前のイメージとしては、「ヒドゥン」みたいな感じかな・・と。冒頭二人組が宝石店に押し入る。そのうち警察が包囲し、銃撃戦になるが、二人はいくら撃たれても平気。警官側に甚大な被害が出る。刑事のロジャー(トリート・ウィリアムズ)が無茶なことをやって、やっとおさまるが・・。このロジャーとダグ(ジョー・ピスコポ)のコンビは、検挙率はいいものの、面倒もいっぱい起こすので、ボスには今度やったらクビだと言われる(が、気にしない)。このところ立て続けに六件強盗が起きてる。妙なことに検死官のレベッカは、今回の二人は検死したことがあると言い出す。上司のマクナブ博士役はダーレン・マクギャヴィン。こりゃ一筋縄ではいかなさそう。マクギャヴィンと言えば「事件記者コルチャック」。好きだったんだよな~あのシリーズ(もう一度見たい)。ウィリアムズは1988年というと37歳くらいか。顔が小さく、きれいにまとまっていてハンサム。「ヒドゥン」で言えばロイドの方だ。ピスコポは知らない人。こっちはワイルドで、ベックタイプだ。と言ってもこっちのダグは頭空っぽノーテンキ野郎だが。私はこのダグの方がゾンビになるのだと思っていた。暴走する彼を、まともなロジャーが制御するのだと。そしたら逆でした。犯人の死体に使われていた防腐剤の線から、二人はダンテ製薬へ聞き込みに。広報担当のランディが案内してくれるが、ダグが余計なことをし、怪物が出てきて戦うはめに。ロジャーは減圧室に閉じ込められ、誰かが(マクナブか?)スイッチを押したため装置が作動、死んでしまう。ダグやレベッカは悲しむが、妙な装置があって、蘇生できるかも・・と試してみる。ロジャーは蘇ったが、心臓は動いておらず、体も冷たい。何だかよくわからんが今の状態を保てるのはせいぜい12時間で、その後は腐敗し、ドロドロに溶けるらしい。ロジャーは自分をこんな目に会わせたやつを見つけると決意。ダグも協力する。まずランディに事情を説明させようとするが、何も知らないの一点張り。そのうちロジャー達だけでなく、彼女も狙われ始める。ゾンビ刑事という発想はユニークで、おもしろくなりそうなのだが、評価はまちまち。酷評してる人がいるかと思えば、絶賛してる人も。私自身は楽しめた方。

ゾンビ・コップ2

ただ、ストーリーがメチャクチャで、筋が通ってないのは確か。最後の方でヴィンセント・プライス扮するローダーミルクが、永遠の命を手に入れられると盛んに宣伝する。マクナブの発明した装置のおかげでローダーミルクも蘇ったわけだが、12時間のタイムリミットはどうなっているのか。マクナブは悪人を蘇らせては強盗をさせ、金や宝石を手に入れている。モルグから死体はいくらでも調達できる。また、金と権力はあるが、もう寿命は残り少ないという連中を集め、蘇生を約束して金を出させようともする。集まった連中が今いち気乗り薄なのは意外だが。そのせいでローダーミルクの熱弁も空回り気味。ランディのこともよくわからない。ローダーミルクの娘だが、そのうち違うことがわかる。彼女自身も一度死んで蘇った・・となって、溶けて流れてノーエ・・となる。だったら会社の広報担当やってたのはどういうわけ?途中からロジャーの顔が崩れ始める。ダグがいつの間にか殺されてしまう。おまけにレベッカも殺されてしまう。どこへ行き着くのか見当もつかない。図書館での調べ物の底の浅さ。納骨堂で見つけた手がかりもおかしい。ローダーミルクがこんな手がかり残すはずないでしょ、彼とマクナブは仲間なんだもの。いくら撃ち合っても、お互いゾンビだから死なないというのは、笑いどころなのかな。何で頭撃たないのかな・・ってこっちは思うけど。途中でスールという中国人が出てくる。演じているのはケイ・ルーク。「燃えよ!カンフー」のお師匠さんだな。この中国料理店の調理場でのシーンはかなりグロテスク。ここにもなぜか蘇生装置があって(あってもどうしようもないと思うが)。装置が動くと鶏とか豚とかアヒル(たぶん)とか牛(の肉)が動き始めるのだ。これはかなり気持ち悪い。CGとかないからそれなりの(作り物の)動きなんだけど、そこがまた・・(ステキ)。ラストはほうり出したような感じ。どうにもならないまま終わる。と言って他に考えつかないけど。80年代らしい、軽くてリズミカルな音楽が流れて終わる。てなわけで「ヒドゥン」のような感動も余韻もなく、完成度に至ってはほぼゼロだけど、ひまつぶしに見るにはちょうどいい。