シティ・スリッカーズ
父が買った中古ビデオで見た。決めては「人生に必要なのは、愛と勇気と有給休暇」という宣伝文句。私もビリー・クリスタル主演なら大丈夫だろう・・と。冒頭はスペインかどこかの牛に追いかけられるお祭り。テレビのニュースでよく見るあれね。いかにもドタバタコメディー風。その後アニメ・・これが長い。長すぎる。出演者、製作スタッフ・・終わるかな~と思うとまだ続く。何やらいやな予感がする。何事も切り上げ時が肝腎だと思うが。三人のエリートビジネスマン(シティ・スリッカーとは都会人という意味らしい)、もう若くない。このままでいいのか、やり直せるか。きっかけをつかもうとカウボーイ体験。そこへたどり着くまでが長い。セリフが多く話は進まず笑いどころも少ない。コメディーにしてははじけず、ヒューマン・ドラマにしてはやや下品。さて、クリスタルと言えばアカデミー賞の司会者。きびきびしていて声がいい。映画は「ハムレット」くらいしか見ていない。前はよくロブ・シュナイダーと混同してた。びっくりしたのはもう60だってこと。もっと若いと思ってた。この作品ではちょっと生え際が後退していて、甘くないヴァンサン・ペレーズと言ったところか。フィル役の人はのっぽで、「ホーム・アローン」の泥棒の一人。エドは女の尻ばっかり追いかけている。彼はクリスタル扮するミッチを盛んにけしかける。一行には美女ボニー(ヘレン・スレイター)も加わる。絶対ばれないなら彼女と浮気するか・・とか何とか。それに対し、ミッチが全く心を動かさないのがこの映画の救いである。たいていの映画なら本気とまではいかなくてもちょっとはよろめく。ミッチの奥さん役の人は見たことがある。「ランゴリアーズ」に出ていたようだ。息子役でジェイク・ギレンホールが出ていたのにはびっくりした。さて、この映画の売りはジャック・パランスがアカデミー助演男優賞をとったこと。顔も体もでかく(193センチ)、小柄なクリスタルとの対比がおもしろい。老カウボーイは旅の途中あっけなく死んでしまう。前にも書いたけど年寄りは旅の途中必ず死ぬね。ラスト、三人は迷いも消えて気分すっきり。家族のためにまたがんばるぞ!・・となる。またミッチと子牛との心の触れ合いもよかった。子牛がすり寄ってくるシーンにはほろりとさせられる。そういういい描写もあるのだが全体的には今いち。もっと短く、テンポよくした方がよかった。