ショック療法

ショック療法

これは「スクリーン」で紹介されていて、アラン・ドロンが全裸になるとか。コメディーかなと思ったら殺人事件が起きるようで。前知識はそれくらい。アニー・ジラルドは「あの愛をふたたび」を映画館で見た。確か併映は「冒険また冒険」で、そっちが目的で映画館へ行ったのだ。ジャック・ブレルが出ていたからなのだが、まあ呆れるほどつまんない映画で。ジョニー・アリディの歌がよかったくらいで。むしろ「あの愛をふたたび」の方が見ていてマシだった。フランシス・レイの美しい音楽と、ラストシーンのジラルドの表情が印象に残っている。さて、こちらのエレーヌ(ジラルド)は、仕事に打ち込んで経済的には豊かになったけれど、38歳になって老いが気になってきた。どうやら恋人を若い女性に取られたらしい。ろくに化粧もせずにいた自分の怠慢か。はあ~フランス女性って年を取るのも魅力の一つじゃなかったのか。やっぱりシミやシワを恐れるのか。海辺にある金持ち専用の病院。院長のドヴィレール役がドロン。彼に注射してもらうと、翌朝活力に満ちているのがわかる。いわゆる若返りの薬で、麻薬のようにそのうちやめられなくなる。エレーヌの友人で、ここを紹介してくれたサビニャは、金を払えなくなり、崖から飛び降り自殺。そのうちエレーヌはここのやり方に不審の念を抱き始める。従業員の若者達は密入国者で、しょっちゅう入れ替わる。あの若返りの薬には羊の胎児から取った血漿が使われているが、それ以外の成分も。患者達は全然気にしていない。銀行の頭取とか検事とか有力者が多く、何かあってももみ潰す。結局エレーヌはドヴィレールを刺し殺し、逮捕される。病院内で行なわれていることをルーペ警部に訴えても取り合ってもらえない。何しろ警部も仲間なのだ。病院は助手のベルナールによって続けられ、また若者達が送り込まれる。薬の一部にされるとも知らず・・。てなわけで後味は悪い。ジラルドやドロンは気前よくスッポンポンになるが、ごていねいにボカシが入る。ドロンは髪はやや長めで日に焼けている。美しいが、ドヴィレールのキャラが薄っぺらで、別にドロンでなくても・・。エレーヌはドヴィレールが好きでもないのにベッドを共にする。手がかりが欲しいからかね。何だかよくわからない映画だ。