ザ・シューター/極大射程

ザ・シューター/極大射程

ぐずぐずしているうちにDVDも発売されたようで・・と言うかもう買いました。今頃感想書いてる私。見たのは「ゾディアック」の翌日。うーん、やっぱりこういう映画の方がスカッとするのは確か。銃をバンバン、爆発ドッカーン、ヘリだって撃ち落とす。ええ、そりゃ銃は最終的な解決にはなりませんよ。一時的です。でも・・「ゾディアック」みたいに2時間半見て何も解決しないのよりは、悪が倒された方が気分いいですってば。もっとも私がこれを見に行ったのはマーク・ウォールバーグが出ているから。彼が孤高のシューターやってると知ったから。私こういう孤独でストイックなタイプ好きなんです。スネーク、トッド、ランボー・・。マークを最初に見たのは「ビッグ・ヒット」。その後何本か見てるけど生真面目で気のいいアンチャン風。誰かを踏み台にしてのし上がるとか使い捨てるとかじゃなく、利用される側。そういうイメージがあるから「NYPD15分署」ではびっくりするんだけどさ。この映画ではマーク扮するボブは追われ、傷つき、親友ドニーの未亡人サラに助けを求める。初対面だし重罪犯として追われている男なんか普通助けない。でもサラは助けるの。それはボブには「正しい人」という雰囲気があるから。我々お客も納得するほどの。「ディパーテッド」では出番が少なく残念だったけど今回は主役。しかもこれ以上ないくらいのはまり役なのがファンとしてうれしい。もちろん近くのシネコンでもやっていたが、他のを見ているうちに夜だけになってしまった。それで新宿まで行った。この館は「サンダーバード」以来。お客は一回目は35人くらい、二回目は40~50人くらいか。もう公開してからだいぶたっていて、今週で終わりというところも多い。そんなたそがれた時期に見に行ったわけよ。冒頭煙が上がっていて、よく見ると走っている車列が見える。それからカメラがずーっと動いて待機しているボブとドニーをうつす。一回目はこのシーンの意味がよくわからない。でも二回目は煙や車列の意味もわかる。一つの村をまるまる全滅させ、部隊が引き上げるところなのだ。このエチオピアでの任務の途中、ボブは相棒のドニーを失う。敵地に置き去りにされるが何とか生きのび、退役して今は山の中で犬と暮らす。置き去りにした上官はその後殺されたということで、これはボブの仕業?ラストのボブの行動が初めてじゃないってことをにおわせる。

ザ・シューター/極大射程2

ある日ボブのところへジョンソン大佐(ダニー・グローバー)達がやってくる。大統領暗殺計画があるので、プロの目で見て狙撃に最適な場所を割り出して欲しい。ボブは退役したし、大統領がどうなろうと知ったこっちゃないが、国への忠誠持ち出されると弱い。ボブ君ニヒルに決めてるけど根はお人好しで単純なのだ。で、あちこち下見して真面目に取り組んで・・そういうの監視カメラにみんなうつっていて、後で悪用されるって見ているこっちにも予想がつく。ジョンソンはともかく部下のペイン(「ゾディアック」で見たばかりのイライアス・コーティーズ)なんてちゃらんぽらんしていて、重大な任務についてる雰囲気なし。ボブ君気づけよ。でもって思った通り狙撃事件が起こり、ボブが犯人にされちゃう。その後すぐ始末されるはずだったけど、それだと映画が終わっちゃうので、うまく逃走する。大統領が狙われた・・って誰もが思ったけど、実は標的はエチオピアの大司教。原作ではエルサルバドルになってたけど。FBIのニック(マイケル・ペーニャ)がいろいろ真相探るのは映画も原作も同じだが、映画ではニックの過去などかなりの部分省略してある。ボブはもっと年齢がいっていて、アル中やら離婚やらを経験している。映画ではボブとサラは清い関係(?)のままだが原作では・・。映画ではサラはペインに暴行されたらしく、後に彼を撃ち殺す。DVDの監督コメンタリーでは何も言ってなかったけど、何もされなかったのならサラは撃ち殺したりしないと思う。原作では誘拐された後薬漬けにされるだけ。ペインを殺したりしない。さて、たいていの映画では途中で息抜きと言うか、だれるシーンがある。追われていても恋に落ちてイチャイチャラブラブ。でもこの映画はやることいっぱいあるので(何しろ反撃が三段階ありますから)、そういうのはなし。でも色っぽいシーンはありますよマークの。サラのところへころがり込んだボブは、彼女に弾の摘出頼むんですの。裸になって(パンツははいてますよ)ベッドに横たわる。麻酔用のガス吸って意識ないから、サラに何されてもわからない。もしかしたら警察呼ばれちゃうかもしれない。でもその時はその時。今はサラを信用するしかないの。そういう無抵抗状態のボブがねえ・・。寝ているのを見て改めて思うのよ、マークって背が低いなあ・・って。上半身が発達していて、上からぎゅっと押しつぶしたような体型。

ザ・シューター/極大射程3

調べてみたら彼170センチしかないの。話はそれるけど私、彼を見る度「アラビアのロレンス」ことT・E・ロレンスやらせてみたいと思ってしまう。ロレンスはピーター・オトゥールのせいで長身・金髪・碧眼・白い肌のハンサム・・と思われているけど、実際は166センチしかない小男。それがとってもコンプレックスだったの。でも身長のばすのは無理でも筋力つけることはできる。だからロレンスはせっせと体を鍛え、腕力も強かったの。小柄だけど力は強く、意思も強い・・というのはマークに似ていません?髪の色や眼の色は違うけど、ロレンスはきりっとしたところがなくあいまいな顔立ちだけど・・それでもどことなく似ているんですの。アラビアの後もいろいろあったロレンス。マークに演じさせてみたい・・まあ妄想ですけどね。この弾の摘出シーンは部屋の中が暗すぎて不自然。マークの肌の色を色っぽく見せるため?さて、映画はアクション満載だし、ボブはかっこいいし、見ていてワクワクしちゃう。人が殺されるのを見て喜ぶのはアレだけど、でもかっこいいの。「山猫」シリーズのベケットと同じで一発必中。他の映画だと(「バイオハザード」とか)何発も撃ち込んで、でも殺せなくて弾の無駄遣い見せられているような。そりゃそれだけ頭に命中させるのは難しいってことだけど。でもボブやベケットはそれができる。頭だから相手は即死。逆に言うと標的にされたら絶対助からない。そういう怖さも感じた。原作には雪山での対決なんて出てこない。撮影は大変だったらしいが、雪山である必要はないように私には思えるが・・。先に書いたようにボブの反撃は三段階。雪山の後、関係者立ち会いのもと、自分の無実証明する。でもジョンソン達は罰せられない。で、悪党どもが集まって高笑いしていると・・たいていの人が書いてるけどここは「必殺」シリーズになってる。原作と同じにする必要はないけど、映画のクライマックスは今いち。と言うか、どこがクライマックス?私には車椅子の元スナイパーの屋敷あたりがクライマックスに思えたな。あとは何となく焦点がぼけてる。ラストの殺戮も後味悪い。と言うわけで終盤ちょっと尻すぼみだが、とにかくマークがはまり役なので見ていて幸せだった。これ一作で終わるのはもったいないのでぜひ「2」も作って欲しい。他の出演者ではローナ・ミトラがきりっとした顔立ち、引き締まった体つきで美しかった。