365日のシンプルライフ
26歳のペトリはモノに囲まれた暮らしに疑問を持つ。いったん持ち物全部を倉庫に運び、一日に一つだけ持ってくるのを365日続けようと思い立つ。一日目はコートだ。取りに行くのは深夜。冬で雪が積もってる中、全裸で倉庫へ急ぐ。裸足だから大変だ。最初のうちは衣類や靴、ブランケット。なるほど、まずは体をおおい、暖を取らなきゃね、生きていけない。食べ物は弟のユホが持ってくる。ペトリ自身は365日何も買わない。ただし仕事の時はある程度このルールも破るのかな。家の中には何もないから一日が長い。パソコンはあってもケータイは使わない。日本だったら、モノにあふれた状態から一日に一個ずつ減らしていくとか、とにかく引き算の描写をする。私は〇ヶ月でこれだけのモノを減らしました・・って。こういう描写の方が楽だ。テレビでもひんぱんに断捨離だの実家の片づけだのをやっている。この映画の場合は逆だ。ゼロから始めていく。こちらの方が描写は難しい。最初の100日くらいで、生きていくために必要なものは揃う。その後は自分の楽しみに関係するものとなる。途中で洗濯機が壊れる。水が逆流してあふれてたが、あれはどうなった?途中で恋人ができる。最初のデートでお泊り、しかも連泊。彼女にいいところを見せたくていろいろ無理をする。自転車のロックをはずしてあげる。料理を作ってあげる。彼女の壊れた冷蔵庫を直そうと奮闘する。いつも協力してくれるのは、気のいい友人イェッセだ。結局冷蔵庫は直らず、ルールを破って新しいのを買ってあげたのかな。〇〇してあげすぎ!小さい頃から大好きだった祖母が転倒して、それがきっかけで老人ホームへ入ることになった。母に、祖母の家にあるもの、何でも好きなの持ってっていいと言われたけど、ペトリもユホも胸が詰まってキャンディ入れとかマグカップしか思いつかない。映画を見てる人は全員「冷蔵庫!!」って思っただろうけど。祖母の「人生はモノでできているのではない」という言葉がこの映画のキモなんだろう。人生を作っているのは、家族への愛情や、友情、恋。ラスト、一年たったペトリの部屋をうつすけど、暗くてよくわからない。倉庫に残った大量のモノの方を印象づけたいのか。エンドクレジットで365個のモノの名称がズラズラッと流れるけど、フィンランド語(?)なので、わかりましぇん。思ったほど感動とかはなくて、ペトリよりハンサムなユホの方が・・どういう暮らしをしているのか・・気になった。