ジェームズ・ボンドを夢見た男

ジェームズ・ボンドを夢見た男

1)スパイの資質

007には全く興味ないが、サミュエル・ウェストが出ているとなれば見ないわけにはいかない。あまりお目にかかる機会ないから。イアン・フレミングが戦時中諜報員やっていたなんて知らなかった。イアン役はドミニク・クーパー。「リンカーン/秘密の書」に出ていた人。恋人アンが「シャーロック」でアイリーンやったララ・パルヴァー。主演二人とも爬虫類顔。彼女との関係はよくわからない。イアンには他に恋人ミュリエルがいるし。イアンの兄ピーターやってるのはルパート・エヴァンス。「ヘラクレスの難業」で見たばかり。というわけで知らない人ばかりというわけでもないのだが、このつまらなさはいったいどうしたことか。スケールが大きく、お金も手間もかかっているのに。冒頭からあちこち年代が飛んでいるようで、わかりにくい。一番困るのはイアンに魅力がないこと。

2)愛はすべてを越えて

1940年のリスボン、イアンは人の金でギャンブル。人妻で愛人もいるのがアン。イアンにはミュリエルがいるが、アンのことも忘れられない。この二人とのイチャイチャシーンがひんぱんに出てくるのでうんざりする。それとそれ以上にひんぱんなのが喫煙。ところでボンドガールの元になったのはアンではなくミュリエルなのだそうな。名家の出で、明るく従順。ロンドンの空襲で死んでしまうが、そのせいでいい思い出ばかりが残るのだろう。イアン達の母親イヴリンのキャラは強烈。ヒトラーも彼女にはかなわないだろう。演じているレスリー・マンヴィルは「ポアロ」の「ひらいたトランプ」に出ていたらしい。高峰三枝子さんに似ている。声が此島愛子さんなのもいい。最近では声優さんも知らない人ばかり。知ってる名前があると懐かしい。ゴドフリー提督役がウェスト。太っていたらどうしようと心配していたがさほどでもなくホッとした。秘書のマンデー(アンナ・チャンセラー)は長身でごつい感じ。彼女だけはイアンと関係を持たず、よき協力者・理解者の立場を保つ。

3)剥奪された許可証

メモを取りながら見る。でないと見終わっても何も思い出せない。タバコとイチャイチャばっかり。イアンの提案で組織された何とかユニットは成果を上げている反面、暴走ぶりが問題に。でも具体的な描写はゼロ。イアンは前線で指揮を取りたいが、ゴドフリーは許さない。後で一度だけチャンスをもらうが、不合格。彼には人を殺すことができない。私も不合格だったというゴドフリーの言葉が印象的。そのうち彼はユニット暴走の責任を取らされ、任を解かれる。イアンのせいで人生設計狂ったか?一方アンは夫が戦死。愛人エズモンドにプロポーズされる。彼女はイアンにプロポーズして欲しいようだが・・。別れたかなと思うとまたくっついていて、そのくり返し。

4)ボンドは永遠に

1945年、そろそろ戦争も終わりというムード。核開発の資料をめぐり、イアンはついに前線へ。あれやこれやの末アンとは1952年に結婚。1話目の冒頭はこの時のものなのか。何だ、結局はくっついたのかいな。イアンは1963年に来日したそうな。「007は二度死ぬ」の「二度死ぬ」は芭蕉の俳句から来ているらしい。64年に56歳で亡くなったそうで、絶対肺ガンだろうと思ったら心臓疾患でした。美食のせいらしい。やれやれやっと見終わったぞ。ウェストが出ているから普通なら永久保存だが、あまりにもつまらないので即消去。

付け足し)

映画館で見たのは「007/サンダーボール作戦」だけ。たぶん併映の方が目当てだったんだろうけど、何を見たのかは忘れた。「サンダーボール」で覚えているのはトム・ジョーンズの歌と、泳ぐ女性だけ。内容は全く覚えていない。と言うかあったんだろうか内容。テレビで見たのは「二度死ぬ」。こちらも何が何だかさっぱりわからなかった。横綱の佐田の山が出ていたっけ。他にボンド映画とは言えないかもしれないが「007/カジノ・ロワイヤル」。「電撃スパイ作戦」のアレクサンドラ・バステード目当て。ちょい役だったけど。まあ新しい方の「カジノ・ロワイヤル」にはマッツ・ミケルセンが出てるようで、それは気になるけど、これからもボンド映画は見ないだろうなあ。