レジェンド・オブ・ゾロ

レジェンド・オブ・ゾロ

もう一回見に行くつもりだったのよウソじゃないわ。思っているうちに終わってしまったのよゾロ。ルーファスごめんね、あなたをスクリーンで見るなんてめったにないことなのに・・。私がいけないのよ、実家に帰ったりアルバイトに行ったり他の映画見たりいろいろすることがあったのよ。それと・・正直言ってあんまりおもしろくなかったのよゾロ。一作目はテレビで見たけど、それほどおもしろいとは思わなかった。一番印象に残ったのはキャサリン・ゼタ=ジョーンズのきりりとした美貌。今回はそれに貫禄が加わってますますの美しさ妖艶さ。この映画半分は彼女の魅力で持ってる。アントニオ・バンデラスは明らかにくたばっている・・じゃない、くたびれている。そりゃくたびれたゾロでもいいんだけどさ、がんばっているんだから。最初の方でかなり危ないこともやってるし。息切れしそうな中年ゾロでもかまわないけど、子供がウロチョロするのはどうも目ざわりでいけない。結婚して子供ができて・・というのは続編の常だけど、子供に頼るとろくなことはない。「ハム2」の方がまだマシだったよなーなんて思ってみたり。「ハム2」でのブレンダンのリックはまだくたびれるところまで行っていませんから。まだ若くて十分動けて、その上で父親らしさ出してましたから。冒頭の群衆シーンからして私は乗れませんでした。ラテン系のハデなお祭り騒ぎで、作り手としては見る者を一気に引きつけたかったと思う。ゾロの世界に引きずり込めればしめたもの。テンポよくスイスイスイーッとクライマックスまで行ける。夫となり父となり人間味の増したゾロ。強さだけでなく弱さも見せる。かわいくて利発な息子。ますます美しく魅力的な妻。強大な力を持つ悪の秘密結社・・もうノリノリで行けるはずなのよ。でも私は、何か違うなーと思いながら見ていたのよ。テンポに乗れない、ストーリーがあいまい。ゾロとエレナの離婚のくだりがはっきりしない。エレナとアルマンの関係がはっきりしない。過去に何かあったのかなかったのか。説明不足な一方でお約束通りの展開。殺される者は殺されるし(ゾロの友人ギレルモ)、死なない者は死なない(息子)。この息子ホアキンが出てくる度に、こんなの真空パックにして売りに出しちゃえ!と何度も思ったわ。生意気で勉強が嫌いで先生をからかうしか能がない。

レジェンド・オブ・ゾロ2

ちゃんと勉強しろこら。世の中には勉強したくたってできない子がいっぱいいるんだぞこら。先生を尊敬しろ。大人を何だと思っているんだこのガキは・・。ホアキンはゾロにあこがれ、自分の父親とくらべ、その差にがっくりくるわけです。その後ゾロの正体知って狂喜するわけですが、こんな重大なこと知られちゃっていいんでしょうか。つまり秘密にすべきことだというのを、ホアキンはわかっていないと思うよ。学校ですぐしゃべっちゃうと思うよ。それくらい口が軽いよあの子。エレナに捨てられてゾロがいくら苦悩しようが、荒れて酒びたりになろうがこちとらちーとも共感できない。もっとうまいやり方あったと思うが。こんなので2時間は疲れますよ。乗れなくて共感できなくて2時間は・・。でも!いいんでーす、私の目的ルーファスですから。出てこい出てこい私のルーファスいとしのシーウェル・・あ・・それとなく出てきましたぜ。あんまり変わってないわ、ウフ。目の下とか頬とか口のまわりとかシワがなくて・・何となく手術の時のゴム手袋みたいな。のっぺりともつるりとも違う、うすくてひんやりした感じ。今回はヒゲがなくてよかったわ、顔が全部見られる!こくはくそうなうすい唇も・・いや、告白しそうなじゃありませんよ、酷薄そうな唇も全部見れます!えーっとまず不満から言います。監督アンタ間違ってますってば。ルーファスを敵役に据えたその理由は何なんですか!忘れたんですか!彼の一番の特徴は目ですッ!ガンリキ、メヂカラ、メンチカツ・・。ひとにらみでミンチにしちゃうようなレーザー光線級の眼力。ふたにらみでカツが揚がっちゃう。油なんかいらない、ヘルシーだぜ、クソッ混乱しております。つまりそれだけすごいんですよルーファスのメヂカラ。だから悪役に据えたんでしょーが。となればもっとルーファスの目、強調しろ!エレガントなおフランス野郎の伯爵アルマンは裏の顔を持っている。悪の顔を持っている。そこをもっと強調しろ、もっとクローズアップ多くしろ、お客が夜眠れなくなるくらい、悪夢にうなされるくらい、お客が思わず手を差し出すくらい(おっと目がこぼれますぜ)ルーファスの目はすごいのだ。誰だよ封印しやがったのは。強調しなかったのは生かさなかったのは誰なんだよクソッ。その点「ダークシティ」の監督は偉かった。

レジェンド・オブ・ゾロ3

目・目玉・ギョロ目・こぼれ玉(←?)、よくわかっていたぜプロヤスさんよ。ああんもう何だよ今回のマーティン・キャンベルちっともわかってないじゃんかよーこら。子供なんかウロチョロさせるヒマあったらルーファスの魅力もっと引き出せーと暗闇でじれてる私は欲求不満の団地妻かよッ(何のこっちゃ)!でも・・ルーファスはすごいんです、さすがなんです。ポロ・・いえ目が落っこちたんじゃありません、競技のポロです。ばっちり決まっております。ゾロと対決するんですが彼の方がカッコいいんですROCK YOU!決闘値を上げる(このコピー考えた人偉いね!)剣での対決きゃーカッコいい。鮮やかー!やっぱりねえこういうのもできないと勤まらないんですわ。出てきてセリフしゃべってりゃいいってもんでもないんですわ。あれこれきちんとできなくちゃ俳優とは言えないんですわ。いやーんルーファス何てステキなの!・・そして・・極めつきは暴走機関車でのアクションであります。別にあんなとこで戦わなくってもねえ。ここまでやるかと思うくらいムチャなことやっております(やらされているんだけどさ)。こういうの見るの初めてです私。「ダークシティ」以上の過激なアクション。これくらいやってこそ!アクション映画と言えるのだぜい。私アルマンの方応援しておりましたわモチ。ゾロに恨みはないけれど、オッコチローと念じておりました。でも映画だからそうはいきませんの。それが残念で残念で・・。それもこれも情けごころが仇になったんですの。何か「ブレス・ザ・チャイルド」でのルーファス思い出しましたわ。悪魔崇拝の邪教集団のリーダーでありながら、自分達の邪魔になる少女コーディを殺すことができなかったエリック。エリック同様100%悪人ではないんですのアルマンも。そりゃバンデラスもがんばっていましたよ。でも私にとってはルーファス以外はどうでもよかったんですの。何と言うか・・もう終わっているもの、卒業しちゃっているものを改めて見せられているような印象。妻は夫に家庭に入って欲しい。夫は家庭も大事だけど外のことに血が騒ぐ。そして・・父親は息子にとって常に英雄でなければならない・・そんなのもううんざりするほど見せられてますってば。そのことに感動しろとか共感しろとか言われてもなあ・・またかよーって気しかしない。

レジェンド・オブ・ゾロ4

見ていてもテンション上がらない。それを上げてくれたのがルーファスのアルマン。テンション上げるのに必要なのは悪の存在なのだ(家族ではなくてね)。まあ見方によっちゃールーファスじゃスケール小さく見えるかも。彼ってそんなに大きくは見えないし(実際は6フィートあるから決して小柄ではない)、ヒゲなしでつるんとしていて迫力なし。ヘアスタイルも・・まあ伯爵だからモジャモジャ頭ってわけにもいかず、まっすぐヘアー7:3分け。ちと似合わん。しかも眼力生かされてないから迫力が・・。でも蛇みたいなしぶとさは感じられるけどね。ひんやりした、すべすべした感触・・。クライマックスのアクションでその粘り強さは大いに発揮される。とにかくおフランスの気取った伯爵とは思えぬあっぱれな戦いぶりには拍手!絶対見る者の印象に残ったはず(断言)。いやーホントよくがんばりましたパチパチ・・監督ここだけはほめてつかわす。でもネットで感想とか見ると子供がかわいいとかそんなのばっか。けッ、どこが~。どこ見てんだよこらって言いたくなっちゃう。でもいいの他の人がこましゃくれた子供に目が行っていてもあたしゃそんなのには動じません。私はちゃんと見てましたからねルーファス。私うれしかったんですの。何だかんだ言ってもいちおうハリウッドのメジャーな映画に出られたんだから。多くの人に存在知ってもらえたんだから。あんまりヒットしたとも思えないけどそれでもね。でもって改めて思ったんだけど、敵役って大事なのよ。敵役はうんと憎たらしくて強くなければだめ。今回は二種類の悪党がいて、もう片方はニック・チンランド扮するマクギブンス。チンランドは「リディック」にやっぱり悪党役で出ていたな。でアルマンと違うのは頭が悪いこと。アルマンには知性がある。・・で頭だけかと思ったら体力的にも強い。体はそんなに大きくないけれど頭がよくて体力もある悪党。だからいいんですよ、戦いがいがある。倒しがいがある。いざアクションシーンとなるとスタントマンにおまかせーじゃだめなんです。ちゃんと自分でできなきゃ。そういう意味で「できる俳優ルーファス」を再認識した映画でした。お願いだからルーファスの眼力満載の映画誰か作ってー!もったいないよー!第二の「ダークシティ」の登場を待ちわびる私・・。