リーピング

リーピング

公開一週目のシネコン、レディス・デーだけどお客は12~13人くらいか。あまり宣伝されてないし「リーピング」の意味もわからないし、まあ蜘蛛男や海賊のカゲでひっそり終わっちゃうんだろう。私が見に行ったのはヒラリー・スワンクが出ているから。他に謎の少女ローレン役で「チャーリーとチョコレート工場」のアナソフィア・ロブ。例によってパンフには天才美少女子役とある。そんなにうじゃうじゃいるんだろうか天才美少女って・・。ヒロイン、キャサリン(スワンク)に調査を依頼するダグ役がデイビッド・モリッシー。「氷の微笑2」に出ていた?マイケル・グラス役?私「2」は見てないけど役名聞いた時には冗談かと思った。「1」のマイケル・ダグラスに引っかけた名前なんでしょ?他にコスティガン神父役がスティーブン・レイ。始まってすぐレイが出てくるので思わずムフフ・・となる。幸先がいいぞ、期待できそう・・って。でも何?その後のせわしなくゆれる画面は・・。何やら調査中のキャサリン達。あんなにゆらす必要ある?後で出てくる回想シーンも意味がつかめない。キャサリンはスーダンで夫と娘を生け贄にされ、信仰を捨てた元聖職者(って何?)。南部の小さな町ヘイブンで起きている怪現象。ローレンという12歳の少女が災いの元だとみなされ・・。最初は断ったものの、少女が迫害されそうだと聞くと自分の娘とも重なってほうってはおけず、キャサリンはダグの依頼を受けることにする。相棒のベンとともにヘイブンへ。コスティガン神父から警告の電話を受けていたが気にもとめない。彼女は神を信じない。どんな奇跡も怪現象も科学的に説明できると思っている。事実これまでは全部説明できた。しかし今回は?ローレンは本当に悪魔なのか。神父によればキャサリンは天使で、悪魔を滅ぼすためにつかわされたらしい。でもキャサリンにはローレンが悪魔だとは思えない。亡くなった娘サラにも重なって見え、殺せと言われても迷う。しかしついに決心し・・。何か「オーメン」風味だな。信仰を捨てた聖職者というのは「サイン」。南部の町の雰囲気は「ギフト」とか「スケルトン・キー」とか。イナゴなど災いシーンは「ハムナプトラ」。話を戻して・・画面がゆれるのやフラッシュバックでチカチカパッパッという細切れシーンはわけがわからない。チリでの奇跡の調査シーンでいやな予感がするわけ。

リーピング2

こんな思わせぶりな見づらいうつし方ばっかりだったらどうしよう。もしかしたらとんでもないクズホラー映画かも・・って。目も疲れるしいらいらする。普通にちゃんとうつせばいいのに。さて私がスワンクを好きなのは、彼女がとてもきちんとした演技をするからだ。しゃべり方、表情、しぐさ・・。今回彼女の役は大学教授。奇跡が奇跡でないことを理路整然と説明する。ヘイブンでの調査もそう。きちんと・・科学的に・・。スワンクは「インソムニア」や「ザ・コア」でのような役が似合う。知的で努力家で着実。調和が取れている。だから例えば「ギフト」のような、人に頼ってばかりいて自己がぐらぐらしているような役では魅力がない。「ブラック・ダリア」のような人の道から大きくはずれたような役もだめ。・・と言うか金持ちの令嬢タイプではない。キャサリンは似たような過去(愛する家族を失う)を持つダグに親近感を覚え、信条は違うもののベンとは友情と信頼とで結ばれている。辛い過去を克服できたわけではないが、表面的には充実した日々を送っている。そういう彼女には女性特有の甘ったれたところも媚もなく、さっぱりとしていてすがすがしい。映画を見ていて安心できる。時間がたってもちっともストーリー見えてこないが、それでも見ていられるのはスワンクのおかげ。それとローレンをほとんどしゃべらせなかったのもよかった。アナソフィアはファンタジーっぽい映画の主役もやっていて売れっ子のようだ。この映画では目を見開き、無言で突っ立っているだけ。そのせいで謎が深まり最後まで興味が持続する。果たして彼女は本当に悪魔なのか・・と。ストーリーは「10の災い」→「悪魔ローレンの仕業」→「倒せるのは天使キャサリンだけ」・・となって、途中から天使がどうの悪魔がどうのの世界。ローレンは人間じゃない、悪魔だから殺してもかまわない、さあ殺せ、ためらうな・・などとムチャクチャなことになる。町の人は銃を持ってローレンを捜し回る。暴挙を止めるべき警官でさえも・・。こうなったらリンチだ。おそらく彼らは勢いをつけるため一杯ひっかけているかもしれない。アルコール、車、信仰(迷信)、そして何よりも銃だ。一発で取り返しのつかないことになる銃。これらのせいで悲劇は起こる。でもこの映画クライマックスで何やらあるけど・・結局何がどうなったの?皆さんわかりました?私じぇんじぇんわかりませんでしたわ。

リーピング3

それまでけっこう楽しみながら見ていたのは確か。突然の音とかうつるもの、オーソドックスな怖がらせ方にこっちも乗せられ、ギョッとかウギャッとか体がひんやりするような恐怖味わっていましたの。蛆虫とかはいやだけど、スクリーンの中での出来事だからがまんできる。そうやって気持ちよく怖がって、ムフフとか思って、さてクライマックス。そしたら・・初子(ういご)がどうのこうのってよくわからないまま爆発?一件落着したようでいてまだ終わってない。私の頭の中は?でいっぱい。他のお客さんもみんな無言でしたよ。普通なら「怖かったね」とか「気持ち悪かったね」とか感想聞こえてくるものだが。感動して無言てことはありえないから、何が何だかわからなくて無言なんだろうな。それにしてもダグはなぜキャサリンに調査を依頼したの?神父の言っていたことは結局は間違い?彼はなぜ死ななきゃならないの?「10の災い」は信仰を捨てたヘイブンの町の人に対して神が下した制裁?ローレンはなぜ殺されそうになった?初潮はストーリーに関係あるの?地下にあった子供の死体や骨は?謎めいた絵を描いていた少年はどうなった?パンフには「すべての答が明らかになる」と書いてあるけどなーんも明らかになっとらんぞ!こんなデタラメ書く者には「11番目の災い」が降りかかるぞ!・・って11番目が何だか知らんが(不入りだったりして!)。いつもなら鑑賞後にお読みくださいとか注意書きつきでパンフに説明載ってるものだが今回はなし。あたりさわりのないうわっつらなでたような記事だけ。不親切。ただでさえ聖書には縁遠い我々にはちんぷんかんぷん。ノベライズもなし。あのラストなら「2」も作れる。キャサリンは妊娠していて生まれるのは男の子。悪魔は人間をだます。滅びたと見せてしぶとく生き残る。天使側のキャサリン利用するずるがしこさ。キャサリンはこれからどうする?「ローズマリーの赤ちゃん」風味。でもどうせなら妊娠するのローレンの方にすればいいのに。それでこそ初潮を出してきた意味がある。もちろんキャサリンはローレンを保護する役割。人間は弱いものだ。キャサリンでさえ悪魔に乗せられて危うくローレンを殺すところだった。でも神も悪魔も結局は人間の心が生み出したものなんだけどさ。てなわけでダークキャッスルだけあって今回もそこそこ楽しめた。大当たりもないけど大はずれもなし。