ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン

ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン

舞台はアマゾンだが、実際はハワイでロケをしたらしい。鉱山などスケールが大きく、かなりお金かかったと思う。そのわりには興行成績は今いちで。映画そのものはわりと評判いいようだ。コメンタリー聞くと続編にも意欲的。でも作られたのかな?作られてない?もっとヒットしていればねえ・・。さて自分のレストランを持つのが夢のベック(今はドウェイン・ジョンソンと書くべきなのだろうがいちおうザ・ロックにしておく)。ビリー(ウィリアム・ラッキング)に借金でもあるのか取り立て屋をしている。銃は使わない主義。腕力も最後の手段。今日も何とか仕事を終え、休む間もなく次の仕事。早く自分の夢を実現したい。これが最後となる仕事は、ビリーの息子トラビス(ショーン・ウィリアム・スコット)をアマゾンから連れ戻すこと。今は宝捜しにうつつを抜かしているトラビスだが、大物の妻に手を出し、そのせいでビリーは苦境に。何とかトラビスを連れ戻して差し出さないと自分の身が危うい。冒頭アーノルド・シュワルツェネガーがカメオ出演。クラブでの取り立てシーンはハデで、凝りすぎ。取り立ての相手と、その取り巻き連中の紹介シーンがやりすぎ。これがこの映画のメインかな・・って思うほど力入ってる。でもメインのはずないのよ、これからアマゾンへ行くんだから。製作費がかかったのは(何と8500万ドル)、ロケや大がかりなセットのせいもあるだろうけど、余計なところに凝ってハデな映像にしたせいもあると思う。アマゾンへ行く時のパイロット役ユエン・ブレムナーは顔がナイナイの矢部君に似ている。岡村君は後でサル役で・・ってウソウソ。サルは出てくるけどあれはヒヒかな?アマゾンでエルドラドならぬヘルドラド作っちゃったのがハッチャー(クリストファー・ウォーケン)。過酷な環境での重労働。・・いつも思うんだけど、ハッチャーみたいな立場にいる人ってどうしてもう少し働く側が満足するような状況整えないのかしら。いくら労働がきつくてもそれなりの収入や環境なら不満も少なく、抵抗勢力も出てこなくてすむのに。ハッチャー自身は町も作ってやったし、人間らしい暮らしできるようにしてやったという自負があるけど、それを住民達がどう思ってるのか不明。住民が抵抗勢力・・ゲリラのことどう思ってるのかもよくわからない。

ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン2

この映画ハッチャー一味、ゲリラ、よそ者ベック達、この三者の視点しかない。住民の本音ははっきりしない。町にはちゃんと教会があって、たいていの映画ならハッチャーに取り入るか正面きって対抗するか、どちらかの立場の神父か牧師が出てくるものだけど・・。ヘルドラドに教会ってのもアレだけどね。ハッチャーは、演じているのがウォーケンだけあって、どこかとぼけた憎めない印象。物事をおもしろがっているようなところがあり、そのぶん悪役としての強烈さがなく、物足りないかも。歯の妖精の話だのせっぱつまっての弁解だのも、監督(ピーター・バーグ)の凝りすぎのせいでかえって効果なかったような。中盤はノーテンキなトラビスと、彼の言動にカッカさせられ通しのベックとの珍道中。普通トラビスのようなキャラにはイライラさせられるものだが、ショーンが演じているので憎たらしくない。コメンタリー聞くと、彼はいじられキャラと言うか・・みんなに脅かされていたようで。ザ・ロックはあの巨体と目つきで迫力あるし、ウォーケンは何考えているのかわからない不気味さがある。父親役ラッキングも目つきが悪い。ショーンがびびるのも無理はない。途中で出てくるゲリラの一人マニート役アーニー・レイズ・Jrは香田晋氏そっくりで笑ってしまう。ただし彼らが見せる変わった格闘技には驚嘆させられる。木の枝から飛び降りるところとかスローで見せる。今まで見たことのない描写で、非常にすばらしい。ただここでもザ・ロックのワイヤーバレバレの映像があり、残念だ。紅一点としてロザリオ・ドーソンが出てくる。コメンタリーでもメイキングでもセクハラじゃないかと思うくらい「いい女だ」「いい女だ」の連発で・・。確かに女性から見てもいい女。媚がなく、さっぱりしていて気持ちがいい。清潔さ、健全さを感じる。宝捜し・・金でできたガトーという像のことらしい・・は簡単に見つかりすぎ。像にたどり着く最後の関門・・今にも崩れそうな迷路などアイデアとしてはあまりよくない(お金はかかったようだが)。クライマックスは町へ戻ってのハッチャー一味との戦い。これまで銃を拒み続けていたベックがついに立ち上がる。ピストルでパンパン・・なんてそんな軽いものじゃなく、銃を二丁両腰にかまえて撃つのだ。迫力満点。もちろん肉弾もある。バキッ、ボキッ!

ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン3

牛の暴走もある。貯水槽が落ちるのは「ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション」でもあったな。こういうのは一発勝負だから大変だろうな。ショーンがハッチャーの手下と泥まみれで戦うシーンは、カットされたがDVDの特典で入っている。役者は大変だろうが、こういうシーンは見たいとは思わないな。ラスト、ガトーはマリアナ(ドーソン)の手に。これを売れば住民の暮らしも少しは豊かに・・。この鉱山はどうなるのかな。たいていの映画ならトラビスかベックが、あるいは二人してここへ残って労働に汗を流して・・となる。でもそうならない。ベックは都会へ戻る。ピカピカの車、りゅうとした身なり・・やっぱり都会でレストラン開いて自分の夢を、金儲けを・・。そりゃこっちの方が便利だし清潔だし。でもうまくいくのかしら。ちゃんとトラビスをビリーの元へ送り届けて仕事は完了。でもあんなことをして後々大丈夫なのかしら。それとトラビスみたいなノーテンキなのがそばにいたら・・でもまあそんなことはどうでもよくて。ザ・ロックのキャラのおかげで明るく楽しい豪快な映画ができた。巨体だけどどこか愛敬があって、やさしそう。それにむやみに肉体美見せびらかさないのもいい。上半身見せるのは薬を塗る時だけ。夜、たき火に浮かび上がる肉体・・というのは「プレデター」のシュワちゃん連想させるけど、あれが肉・肉・肉だったのに対し、こちらはつつましい。隣りにいるマリアナも、見とれるでもなく見つめるでもなく自然。そう言えばこの映画ロマンスシーンはほとんどなし。普通なら芽生えるけど、彼らにはロマンスよりももっと大事なことがあるのだ。そこらへんは潔かった。さて、コメンタリーを聞いていて気になったのは、アーノルドの名前が度々出てきたこと。アーノルドと言ってもシュワちゃんのことではなくて、トム・アーノルドの方。彼も巨体で腕っぷしは強そう。ケンカっぱやいのかしら。この映画に出ているわけでもないのに何度も名前が出た彼のこと少し気になっております。前に書いた「ダブルドラゴン」ではなぜか時々テレビのニュース番組やCMが挿入されていて何じゃこりゃと思ったけど、ニュースの一つが「マドンナとトム・アーノルドの結婚生活破局」。ここでもやっぱりトムの名前。トムってギャグに使われやすいキャラなのかしら。