謎の円盤UFO8 猫の目は宇宙人
年末になって、訃報が二つ飛び込んできた。ジェリー・アンダーソンとドロレス・マンテッツの死。そう言えばエドワード・ビショップとマイケル・ビリントンの時も相次いで亡くなったし、偶然だろうけどショックもダブル。長年ほったらかしにしていた21話の感想を書こうと、DVDを見直していたところ。特典で元気な彼らの姿を見たばかり。とても残念。・・さて、本国での放映順と、日本での放映順が違っているのはよくあることだが、そのせいで話に矛盾が生じることもある。このエピソードは実際は19話目である。何でこんなことを書くかと言うと、途中でジャクソンが宇宙人についての新説を述べるのだが、その部分が唐突すぎるのだ。それはまた後で書くとして・・。インターセプターの乗員三人は、このところ出撃続きで疲労困憊気味。UFOがやたら出没し、妙な行動取る。乗員の一人ジムは、地球へ帰るのを待ちこがれている。この・・三人にろくな休養も取らせないシステムはおかしいと思うのだが。ジムは道場に呼び出され、フォスターと一戦まじえるのである。柔道と空手をミックスしたような格闘。くたくた、汗だくになっている時にUFOが現われたらどうするの?さてやっと地球へ戻り、家にたどり着いたジム。美しくやさしい妻のジーン。でものんびりはできない。疲れた体にムチ打って、トンプソン夫妻とやらを訪問する。自分が言い出しっぺだから仕方ないが、それにしたって断る理由はいくらでもあるはず。私が妻なら訪問はやめにして、夫を休ませるけど。さて、トンプソン家には少し前、妙なものが届けられていた。アルファベットが書かれたカードと、ワイングラスのようなもの。で、四人してゲームをしようということになる。コックリさんのようなものだ。ここでジーンが身重らしいのがわかる。途中でジムの様子がおかしくなり、ゲームは中止。車で家に帰る途中、一匹のシャム猫を拾う。ジーンは気に入ったらしく、子供の代わりに飼うと、妙なセリフを・・。ふと気がつくとそばにUFOがいて・・。宇宙人が現われて・・。ジムは一度UFOの中に連れて行かれたようだが、気がつくと車の中に。そばに猫がいたが、ジーンはそのまま行方不明に。ジムは自分が何かされたのではないかと不安を訴えるが、ストレイカーは逆に任務に戻れと命令する。ああ・・やっぱり休ませてはもらえないのだ。
謎の円盤UFO8 猫の目は宇宙人2
妙なゲームは宇宙人からの贈り物だろうが、それだと彼らはジム達がトンプソン夫妻を訪問すること、トンプソン夫人が降霊術に凝っていることを、知っていたことになる。カードやグラスはお店で買ったのか。ちゃんと包装されていたし・・。考えてみりゃ帰り道でなく、行く時に猫を拾わせりゃいいわけで。そうすりゃゲームなんか用意しなくてすむ。まあ降霊術という、いかにもイギリス風なものを出してきて、要するに時間稼ぎ。ジムはジーンの形見にと猫を飼い始める。猫はいつの間にかシャドーの中に入り込むが、誰も気がつかない。監視カメラないの?エレベーターが開くと、いつもなら女性隊員が座っているけど、今回は無人。それくらい忙しいのか。ストレイカーは猫の手も借りたいと言って、ジムの休養を許さなかったけど、隊員は猫に気づいても「さすが司令官、本当に猫を連れてきたぞ!」って感心するのかな?たぶんストレイカーが命令すれば、猫も働く。ところで、猫の目を通じてシャドー内の様子が宇宙人に送られているっていう設定だけど、猫の目は色の判別はあまりできないのでは?冒頭に書いたジャクソンの新説だが、ムーンベースを襲ったUFOの乗員を解剖したらしい。今までの考えだと、宇宙人が人間を拉致するのは、臓器が目的。でも今回のは、脳も体も全部人間そのまんま。感情をつかさどる部分等一部がいじくられてるだけ。で、ジャクソンが言うには、彼らは生きたコンピューターソフトのようなものではないかと。自分では移動できないから、乗り物が必要。それが人間なのでは。臓器を取るのは、部品交換ではないか。確かに斬新な説だが、今ここで?という気もする。8話目じゃ早すぎる。シリーズ後半の19話目なら、いろいろ初期の思い違いもわかってきて、そうだったのか!!となるけど。月に戻ったジムは、UFOを撃墜し損ねる。湖から飛び立ったUFO・・たぶん中にはジーンが・・。動揺して的をはずすのも無理はない・・と、かえって同情される。ジーンが拉致された同じ頃、民間人もさらわれていたらしいが、ここらへんはやや説明不足。ジムが結婚指輪をはずし、他の指にはめるのも意味不明。妻への決別か。やっぱり無理だったのかと地球へ戻されるジム。ここらへんは行ったり来たりで、地球と月ってそんなに近いの?と呆れるほど簡単に、ひんぱんに。その間にもジムはますます宇宙人に心を乗っ取られ・・。彼はフォスターの代わりに月へ戻り、インターセプターで金星ロケットの護衛につく。
謎の円盤UFO8 猫の目は宇宙人3
フォスターは、猫みたいにつかみかかるジムにやられてダウン。危うし!フォスター・・とドキドキするより、「スネーキーモンキー/蛇拳」って感じで笑える。女性に引っかかれるのは慣れてるけど、男性に引っかかれるのは慣れてないってか?ジムの悲劇はみんなが知っていて、同情してくれるが、そのせいで規則がゆるみ、彼はムーンベースへ、インターセプターへ。この・・確認がついついおろそかになるというのは、いつでもどこでもなくならないものだなあ。先日のUFO襲来で、ムーンサンダー(月面戦車)はやられてしまった。インターセプターが護衛に行ってしまうと、ムーンベースは無防備状態。宇宙人の目的はここにあった。操られているジムが戻ってきて、ムーンベースに突っ込む。他の二機はジムを撃墜するよう命令されるが、ジムはあらかじめ細工して、故障させていた。ムーンベース絶体絶命。えッ、ベース自体には何の攻撃装備もないの?解決方法は・・今撮影所ではドッグフードのCMを製作中・・ということで、犬!!犬に襲われた猫はテレパシーが乱れ・・直前にジムは正気を取り戻し・・月面に激突。ムーンベースは無事でしたとさ。ラスト、自室に戻り、ドアを閉ざすストレイカー。長引かせず、さっと切り上げる終わり方はよかった。ジム役アレクシス・カンナーは、顔が大きくて首が細くて、頭を少し傾げて、ボク芝居でハムレットやってます・・ふうなタイプ。「傷だらけのアイドル」のポール・ジョーンズに似てるかな。あごに割れ目入れて、顔立ちをうんと大ざっぱにするとベン・アフレックになる。マシュー・マコノヒーも入ってる。彼のことは、「UFO」を紹介した「テレビジョンエイジ」を見た時から覚えていた。昔は「テレビジョンエイジ」にしろ「スクリーン」にしろ、隅々までくり返し読んだものだ。だから意外と人名や写真、文章を覚えている。今は記憶力の低下もあるが、それ以上に情報量が多すぎる。読んでる暇、見てる暇がない。取りあえず買っておけ、揃えておけ、録画しておけ・・そしてたまっていく。話を戻して、カンナーは62歳くらいで亡くなったようだ。まだ若いのにねえ。ジーン役の人はなかなかの美人。「UFO」はたいてい化粧のしすぎで、けばけばしいのが多いが、彼女は元の顔立ちがいいのだろう。ストレイカーの秘書は今回はミス・ホランド。「たたり」や「エンドレスナイト」のロイス・マクスウェル。ちょっと老けたかな。彼女は007シリーズで知られているらしい。他にスティーヴン・バーコフ。