ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR

ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR

最初は単純にユアン・マクレガーの「ナイトウォッチ」のリメイクかと思った。でも違った。全然関係ないロシア製。予告だけは何度も見た。ハデに宣伝していたし。斬新な内容・映像のように思えた。WOWOWでやったので見たが・・出来はよくない。ストーリーがメチャクチャなのはこの映画に限ったことじゃないから、別にいい。途中からヴァンパイア的要素が入ってきて、「アンダーワールド」風味。人間とは別の種族が争いを続けている。一般の人は気がついていないけど、とばっちりは受ける。生死がはっきりしない。ひん死の重傷負ってもしばらくすると治っている。ゲーム的要素も濃い。つまり「選択」。三部作の一作目、導入部分ということで、いろんなものがろくな説明もないまま出てくるし、いろんなことが起こる。異能者がやたら多いし、不必要な描写も多い。映像は斬新だが使いこなせていない。こんな技術があるから使ってみよーっと。せっかくだからここにもあそこにも、使わにゃソンソン・・とばかりにやらなくてもいいことまでやる。例えば飛行機からボルトが落ちる。それを何千メートルも追う。空中を落下し、アパートの換気孔か何かに落ち、はね返って住民(呪われた女性)の、飲もうとしているカップの中に落ちる。飲むわけにいかないから何が入ったのかとなかみを捨てる。出てきたボルトを手に取る。で、どうした?・・どうもしない。飛行機は墜落しない。女性はボルトを飲まない。ストーリーとは無関係。ただボルトの落下をCGで描きたかっただけ。普通にさらりとやればいいこと最新技術駆使してひねくり回すので時間がかかって仕方がない。映画はだれるし目は疲れるし、ついでにお金もかかったろう。主人公の相棒となる女性。フクロウから人間に変身するが、フクロウでいた方がよっぽど楽だ。階段何階ぶんもかけ上がって息切らしている。フクロウならさっとひとっ飛びなのに。主人公も最初出てきた時はまあハンサムでイケるかな・・と思ったが、12年後はちょっとたるんだクライヴ・オーウェン風。ジェームズ・ベルーシもちびっと入ってる。チカチカハデハデの画面とやかましいだけの音楽には閉口。見どころは日本やアメリカとは違う人種の美しさか。サラサラの金髪、白い肌、透き通った瞳のロシア系の美少年、美女。CGではなく、人間の美しさに目を奪われるのだ皮肉なことにね。でもまあ・・出来はともかく映画に勢いはあるよ。