のぼうの城

のぼうの城

この映画にはあまり興味がなく、見る予定もなかったが、妹がDVDを貸してくれたので。私の「陰陽師」フィーバーは何年か続き、「2」が公開された時は勇んで出かけた。でも・・フカキョンが出てきて「いいのよ」と言ったとたん、私の中でフィーバーは終わりを告げた。ついでに野村萬斎熱も鎮火。前置きはこれくらいにして、本作はまあよくできてる方だろう。秀吉物と違い、あまり聞いたことのないのが出てくる。場所もよくわからないが、埼玉か。さきたま古墳とか、鉄の剣とか・・見に行ったっけ。堤を作る時はにわが出てきたりして、そういうところはよかったな。物語は史実に基いているのだそうで、監督は二人。そのせいで、ファンタジーっぽくいくのか、リアルな合戦物でいくのかどっちつかずな感じも。合戦部分をあんなに残酷にせず、ファンタジーで通した方がよかったのではという意見ももっともだ。でも作る方は、合戦となると「七人の侍」みたいなのを目指しちゃうんだろうなあ。あれを超えるものを!!と、意気込む。145分あるけど、長すぎる。余韻残すためしばしば数秒長めにうつす。そのせいで重苦しさが増す。もっと軽くて楽しい内容期待していたのに。水攻めは津波のよう。私はもうちょっと・・ヒタヒタという感じで、気がついたら水に囲まれていたとなるのかと。出演者で一番いいのは佐藤浩市氏。彼が主役に見える。柳生十兵衛か荒木又右衛門にも見える。ぐっさんもいい。山口智充なんて出ても誰のことかわからん。榮倉奈々嬢はビミョー。昔はお姫様女優っていたけど、今はだめだな。いくら表をそれらしくしても、なかみはギャル。三成、大谷、長束の三人は見分けがつかん。DVDには字幕がついているのがありがたい。そのままだと誰が何を言ってるのか全然わからん。エンドクレジットで、現代の風景が出てくる。稲の実る田んぼ、満開の桜、散策する人や子供達。何て平和なんだろう。さて、野村氏扮する長親は、その気もないのにいつの間にか大将になって、三成率いる大軍と戦うはめに。その過程で成長し、ついには・・ということらしいが、あまりうまくいっていない。晴明のように、出てきた時から完成しているとまではいかなくても、ある程度は固まっているキャラの方が・・。あるいは最後までふにゃふにゃとか。ああなったりこうなったりでは、どっちつかず感しか残らない。