ナショナル・トレジャーシリーズ

ナショナル・トレジャー

やはりWOWOWで見た。おもしろかったけど、見終わっても何も残らない。それはもう見事なくらいに・・。スケールは大きいけど深みは全然なし。映像を見ていてもこれは合成だろうなあ・・って。特にクライマックスのあたりは、手に汗握るアクション、お宝ザックザクのはずなんだけど目を奪われない。地下空間とか宝の山とか、ごっそり出してくればくるほどこっちは感動しない。あっそう、でもあんなに火を燃やして大丈夫なわけないだろッ、空気汚れるし後でどうやって消すんだよッ!主演はニコラス・ケイジ、父親がジョン・ヴォイト、祖父がクリストファー・プラマー、FBIがハーヴェイ・カイテル、悪役がショーン・ビーン、紅一点がダイアン・クルーガー。ベンの相棒役の子もなかなかかわいい。さて、宝捜しをする人には二タイプあると思う。一つはロマンを求めるタイプ。伝説を信じ、ねばり強く捜し、見つかると・・まあ一部はもらうけどひとりじめとかそういうことはしなくて、学問研究に役立ててくださいと寄付するような善人タイプ。もう一つは欲のかたまりで、一攫千金、一人じめ、手段を選ばない、人をだまし傷つけ殺し・・要するに悪人タイプ。前者がベンで後者がショーン扮するイアン。こういう映画は相手がワルであればあるほどおもしろくなるが、今回は中途はんぱ。ショーンじゃ悪人に見えない。いい人光線出しまくりなんだもん。お宝は彼が手に入れて欲しい・・なんて思っちゃう。最後の方はオマヌケで・・かわいそうになっちゃった。「ホワイト・ライズ」では印象うすかったクルーガーだが今回はよかった。この映画彼女以外女優さんほとんど出ていない。エリート役人、若くてとびきりの美女。気が強く口やかましく行動的。さらわれて救助待ってるだけのヒロインなんて昔の話。今は男と互角に勝負する。もちろん腕力ではかなわないから知力や度胸のよさで。ベンにくらべるとこのアビゲイルには過去などくっつけられておらずうすっぺら。でもこういう映画のヒロインはそれでいいの。クルーガーはそういうキャラをさらりとスマートに演じていた。彼女この路線いけますぜ!映画はヒットしたから「2」も作られるんだろうなあ・・なんて思っていたら、映画館で予告がかかり始めた。今度はリンカーン暗殺とかそんな関係らしい。まあ公開されたら今度はちゃんと映画館で見ますよ。

ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記

お正月二日、午前のシネコン、レディス・デーで27人くらいか。まあ何ですな、名優ゾロゾロ出してきて夢のある宝捜し。男も女も若いのも年くったのも、いちおうみんな活躍する。FBIも大統領も出てくる。アメリカの他にパリ、ロンドン・・家族揃って楽しめる。安心して見ていられる。誰でも知っている歴史上の事件、人物、謎解き。お金かけてばっちり作ってあって音楽もすばらしい。ロンドンの街中でのカーチェイスなんてよく撮影できたな。でも全体的には・・何なの?このなかみのうすさは・・。いちおうまんべんなくサービスしてもらって気持ちよかったけど。内容は「リンカーン暗殺者の日記」と言うより「大統領と秘密の部屋(ハリポタ風)」。見ている間中ストーリーよりニコラス・ケイジの髪が気になって気になって・・。膨大な(たぶん)製作費の中にケイジのカツラ代は計上されなかったのか!手遅れだから開き直っているのか、悪あがきしているのか、どっちなんだぁ~!ダイアン・クルーガーはまあそのまんま。今回はベンの父親(ジョン・ヴォイト)の他に母親(ヘレン・ミレン)も登場。大学教授で、学生にはものすごく嫌われているってのがおかしい。ジャスティン・バーサは、何かともめる二組のカップルからちょっと離れた位置にいて、いつでもどこでも手堅く活躍するおいしい役。ハーヴェイ・カイテルはほとんど見せ場なし。ベンのライバルとしてエド・ハリスが出てくるが、前作のショーン・ビーン同様悪役としては中途はんぱ。冷酷非情で押し通さなかったのはディズニー作品のせいか。こういう宝捜し物でのライバルは欲張りで卑怯で最後にはばちがあたるってふうでないと。大統領役はブルース・グリーンウッド。彼ほど大統領が似合う人もいないのでは?すっきりと清潔で知的で暖かみがあって。リンカーン暗殺に関して小さな子供がベンにあれこれ言うんだけど、ストーリーに関係してくるかと思ったら全然。何事もなく通り過ぎちゃったのには拍子抜け。クライマックスで見つかる宝も、ピカピカ宝石じゃなくて黄金だから今いち地味。正直言って私がこの映画で一番印象に残ったのはパリの自転車に乗ったおまわりさん。変わった格好してるのね。二人のうち片方は確か「花咲ける騎士道」でうなじフェチの貴族やった人。色が白く肌がつるつるでぽてっとしていてゆで卵みたい。