ナイトクローラー
減量して目のまわり黒ずんでいるジェイク・ギレンホール見ると、アカデミー賞狙いかね・・って思ってしまう。「フィリップ、きみを愛してる!」のジム・キャリー思い出したの私だけ?ニュース番組に特ダネ映像を売り込むルイス(ギレンホール)。元々はケチなコソ泥。偶然交通事故の現場に出くわし、撮影して売れば金になると知った。仕事を捜しているリックをうまくだまくらかして助手にし、警察無線を傍受して事故や事件の現場へ。そのうち死体を勝手に動かしたり、住居へ侵入したりエスカレート。売り込み先は視聴率不振の局。ディレクターのニーナ役レネ・ルッソは、「マイ・インターン」とは違い、化粧が濃く、シワもあって年相応。ルイスもニーナも夜の世界に生きる。金のためなら、視聴率のためなら手段を選ばない。ルイスが転落する時はニーナも一蓮托生だが、そこまで覚悟しているのか。場面が切り替わるともう彼女はルイスに従っていて、悩むところとかは全然描写されない。一つ気になったのは、ルイスが初めて局へ現われるシーン。職員でもなく、アポも取ってないのに、何もとがめられず製作現場近くまで入り込んでる。受付でチェックしないのか。ルイスは殺人現場から逃走する犯人をうつしたのに、警察には黙ってる。車のナンバーから犯人を割り出し、次の特ダネに利用。自分に都合のいいようにお膳立てしておいてから、警察に通報。また、この機会を利用して待遇に不満持ち始めたリックを始末。彼が殺されるというのは見え見えだが、それでも見ていてドキドキする。他にライバルのカメラマン、ローダーも車に細工し、事故を起こさせて始末。もちろん撮影する。ローダー役は先頃亡くなったビル・パクストン。見ている時は彼だと気づかなかった。あと、出演者で気になったのはフランク。演じているケヴィン・ラームはジェームズ・スペイダーそっくり。「メンタリスト」にも出ていたっけ。フランクはニーナの暴走を危惧する、まともなタイプ。でも何もできない。いつも押し切られてしまう。ルイスもニーナも悪魔に魂売っているようで、怖いものなし。二人の転落は描かれず、映画は終わる。いや、別に見せてくれなくてもいいけどさ。