魔のバミューダ海域
これはネットで詳しいストーリーを書いてる人がいたので、非常に助かった。バミューダトライアングルと言うと、SFになるところだが、こちらはオカルト。そこが斬新。日本で放映したのは1977年、局はNHKらしい。NHKもこんなオカルト放映してたんだ!「ゴーストシップ」のところで書いたように、キム・ノヴァクの劣化ぶりに驚かされたが、画質のせいもあるのかも。今の彼女は80過ぎてるから当然だが、正真正銘の怪女になっている。ドスコイ体形はともかく、顔が口裂け女みたいになってる。美容整形でもしたのかね。シワ取りとか。ほっぺたの線のせいで、口が裂けてるように見えちゃう。これがホントのシワ寄せ・・なんちゃって。一方ダグ・マクルーアは、60歳にもならないうちに、さっさと天国行っちゃった。明るくてヤンチャで輝くような笑顔。ここでのヘイグも、カラッと明るくてノーテンキ。沿岸警備隊のヘリが救助要請にこたえて飛び立つ。船の位置はバミューダ海域だが、ヘイグは気にしない。船に近づいてみると、マストから男がぶら下がっていて、死んでいるようだ。甲板にも男の死体。ヘイグは操縦士のパニョリーニ(マイケル・コンラッド)と連絡を取り合いながら船内を捜索。男が宙に浮かんでいるシーンには、ヘイグだけでなく見ている我々もびっくらこく。ふと見ると二つの目。唯一の生存者エヴァ(ノヴァク)だ。この頃の彼女は40を過ぎたところ。顔は化粧で何とかなっているが、体形は崩れ始めている。こういう映画だと普通ならもうちょっと若くて細くてきれいな女優さん出してくる。何でこんなオバサン?こっちの方がバミューダよりよっぽど謎。ただ、彼女の特徴のある目は、いちおうムード作りには生かされている。甲板で見つかったのは船長のストリックランド。演じているエド・ローターは残念なことに2013年に亡くなったようだ。マストからぶら下がっていたのは神父で、演じているのはアレハンドロ・レイ。色は黒いがなかなかのハンサムで、「いたずら天使」のカルロス役が印象に残っている。他の番組ではたいてい悪役だが、最初にいい人役やってるのを見てしまうと、どうしてもね。この作品ではやや老けたが、それでもハンサム。船の持ち主ハルは大金持ち。大カジキがかかったので、大張り切りで奮闘中。
魔のバミューダ海域2
ところが漂流している神父を助けるため、獲物をあきらめるはめになったのがおもしろくない。人の命よりカジキなのだ。何てやつだろう。エヴァは彼の娘。神父を救助すると不吉なことでもあるのか、船員達はおびえ始め、小舟で逃げてしまう。彼らはあの後どうなったのだろう。エヴァはまわりの影響を受けやすいタイプ。不安になったり絶望したり。天候は悪化し、船の調子は悪く、しかもここは魔の海域。彼女と神父以外は気に止めず、再びカジキ釣りに。大物を仕留めたハルはゴキゲンだ。しかし次々に惨事が起きる。生き残ったのはエヴァと神父だけ。彼はエヴァをなぐさめていたし、自分が首にかけていた十字架をくれたから、私はこの人はいい人なのだと思っていた。怪しげなそぶりもしてないし。その彼も死んでしまい、エヴァは一人ぼっちに。そこへ来たのがヘイグ達で。カゴで救出するはずが、ワイヤーが切れてしまい失敗。見ていて思いませんでした?何で二人一緒に乗るの?一人ずつなら切れなかったかも。あるいはエヴァが太りすぎとか?いやもちろん切れるのはこういう映画のお約束。で、パニョリーニは燃料のこととかあって、一度戻って出直してくることに。ヘイグとエヴァは酒を飲みながら・・いい気なもんですな・・何があったかエヴァが話すわけ。で、聞き終わるとヘイグは彼女を連れてあちこちめぐり、超常現象ではなくて、実際はこういうことだったんだよと説明するわけ。この映画が強い印象残すのは、この説明のせいだと思う。超常現象を扱った作品は多いけど、説明がつかないとか、謎のままとかで終わる。今でこそ「レッド・ライト」とか論理的な説明の出てくる映画はあるけれど、私にとってはこの作品が初めてで。だから最後までこれで行くと思っていた。怪奇な出来事は思い込みや錯覚のせい。すべては解明された、みんな事故だったんだ・・ってね。夜が明け、救助艇が到着すると、いっそうそういう気分になる。一夜を共にした二人は早くも甘いムード。心配していたパニョリーニも呆れ顔だ。ここまではよかったが・・。ここからは驚きの連続。エヴァがいつの間にか神父になっていて・・ヘイグの顔ったら・・そりゃそうでしょ、オレはこいつと〇☓△!?ってね。たぶん彼は逆タマ夢見て・・だってハルが死ねば遺産はエヴァに・・ただろうし。ラストのマクルーアの表情もいい。ちょうど怖さの頂点で終わるようになっている。