ミス・ポター

ミス・ポター

もうそろそろ公開終了というところも出てきた頃の、平日午前のシネコン。お客は八~九人。全部女性。見ようかどうしようか迷ったけど結局見て、まあよかった。お目当てはもちろんユアン。ポターのことはよく知らない。ピーター・ラビットはマヨネーズだかドレッシングだかのCMで見て、かわいいとは思ったけど、絵本は読んだことなし。映画は・・大河ドラマの総集編みたい。90分の中にぎっちり詰め込んでいる。主演のレニー・ゼルウィガーが大熱演していて、あれよあれよという感じ。絵本の出版にこぎつけるまでは大変だったと思うが、そういうのはあんまり伝わってこない。出版を担当するノーマン(ユアン)と恋仲になるが、両親は結婚に猛反対。少し冷却期間を置くよう言われ、ロンドンを離れて湖水地方で過ごすが、その間にノーマンはあっけなく病死してしまう。ここらへんとても気の毒で、泣くかな~と思ったけど泣かなかった。ノーマンの最後をうつさないせいかな。ユアンはとてもよかった。少年のようなういういしさ。母親や姉がいつまでも手元に置いて守ってあげたくなるような末っ子。彼が死なず、あのままポターと結婚していたら・・うまくいったのだろうか。それとも両親の危惧通りになったのか。良家の子女、オールドミス、そしてベストセラー作家となったポター。でもベストセラー作家ぶりはあんまり描かれない。湖水地方はノーマンを失った彼女の心の傷を癒し、開発ではなく土地を買い取って保存するという生きがいを与えてくれる。その過程で古い友人ウィーリスに協力してもらい、後に結婚する。あら、一生独身じゃなかったのね。家庭を持ったのね。よかったよかった。まあ描写は事実通りじゃないし、戦争とか弟のこととか何かしらあったはずだが皆省略されている。悲しい思いはするけど基本的には生活は裕福なので、そっちの面での苦労はなさそう。私は昔からブロンテ姉妹に興味を持っていて、彼女達に関する本を集めているのだが、本当に苦闘の連続という感じ。それにくらべればポターはあれよあれよすーいすい。見終わってすごく感動した・・とならないのはそのせいかな。普通なら2時間くらいかけてもっとしつこく感動的に仕上げるところだがあっさり終わり。結婚猛反対の両親も決して悪くは描かれない。そういうところはよかったと思う。ノーマンの姉役でエミリー・ワトソンが出ていた。