燃えよ!ピンポン
これは見るの楽しみにしていたんだけど今いちだったな。ピンポンはなじみのあるスポーツだし、クリストファー・ウォーケンが出てるし、いけると思ったんだけど。主人公に余計な過去くっつけた冒頭部分でまず悪い予感。ストーリーは「燃えよドラゴン」のパロディっぽい。秘密のピンポン大会に潜入して、歓迎パーティやら夜のお相手の手配やら。これが美女じゃなくて男性というのが笑いどころなんだろう。皆マッチョのくせに弱虫ってのはおかしくも微笑ましいけど。試合は負けると死というキビしいルール。変てこな衣装やとぼけたしゃべりのウォーケンもおかしい。でも・・いつまでたっても大笑いできるようなシーンがなく、不完全燃焼ぎみ。一番まずいのは目玉であるピンポンの見せ方が今いちなこと。ピンポン玉はCGで、俳優はラケットを振っているだけらしい。マギー・Qが数人の男を相手にしながら電話で出前注文か何かを受けるシーンは笑えるけど、そういうアホらしいシーンを見せる一方で、ちゃんとやるシーンも見せなきゃ。「俺たちフィギュアスケーター」が代役やワイヤーを使う一方で、ちゃんと自分達で滑っていたように、この映画も・・。出演者達は撮影に入る前にちゃんとピンポンの特訓したはずだが、それが伝わってこない。カッコつけてるだけ。ポーズ決めてるだけ。主演のダン・フォグラーは知らない人。チリチリ頭で太っていて暑苦しいが、それだけじゃジャック・ブラックと同じ。それ以上の強烈な個性欲しかった。クライマックスでの戦いの最中、とらわれの身になっているマッチョ男達を忘れず助け出すところはよかったけど。師匠役はジェームズ・ホンで、こんな重要な役やるのは珍しいのでは?まともなようでいてとぼけていて、ウォーケンとはまた違ったおかしみがあった。マギー・Qはムダなところが全くない引き締まった体つきで見ていて気持ちがいい。主人公の宿敵ドイツ選手役のトーマス・レノンもいい。憎たらしくて強烈。ただ、主人公との因縁の対決がされず、期待はずれな展開。せっかくおもしろくなりそうだったのに・・。憎たらしいと言えばこすっからい少女ドラゴンもよかった。ジェーソン・スコット・リーは情けない役。ロバート・パトリックは主人公の父親役。ヒマつぶしに見るにはいいけど、大笑いを期待すると肩透かしを食う。つけ足し・・「燃えよドラゴン」のハンことシー・キエン、今月初めに亡くなったようです。