ミッドナイト・イン・パリ

ミッドナイト・イン・パリ

この映画を見る気になったのは偶然CMを見たから。オーウェン・ウィルソンが出ているのなら見てもいいかな。まず映像がきれいだ。黄色っぽい感じなのは「パディントン」を思わせる。冒頭音楽に乗せてパリのあちこちがうつし出される。普通の映画ならここでスタッフやキャストの字幕が入るところだ。監督はウッディ・アレン。ギル(ウィルソン)はハリウッドで脚本を書いてる。仕事はうまくいってるが、自分では作家になりたいと思っている。婚約者のイネズ(レイチェル・マクアダムス)やその両親と一緒だが、両親は彼のことは気に入っていない。イネズともものの考え方、感じ方が違うが、そんなものかな・・と思ってる。でもイネズの友達ポール(マイケル・シーン)は、博識ぶっていて嫌いだ。ある晩一人で歩いていて道に迷い、通りがかった車に乗せられパーティに。乗せてくれたのは何とF・スコット・フィッツジェラルド(トム・ヒドルストン)とその妻ゼルダ。パーティのホストはジャン・コクトーらしい。ヒドルストンは「クリムゾン・ピーク」に出ているが、まだ見てない。JJ・フィールドによく似ている。ピアノを弾きながら歌っているのはコール・ポーター。この歌は「マン・オブ・ノー・インポータンス」の冒頭で使われていたな。次の店ではヘミングウェイ(コリー・ストール)に会う。ギルは1920年代のパリに憧れていたけど、この状態は信じられない。イネズにも体験させようとしたけど、なぜか彼女がいると何も起こらない。ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)のところでピカソの愛人アドリアナ(マリオン・コティヤール)に会い、その美しさに一目ぼれする。あれこれあるのだが、アドリアナは1890年代のパリに憧れていて、そこにはドガやゴーギャン、ロートレックがいる。でもドガ達はルネッサンスに憧れているのだ。2010年にいる自分が1920年代に憧れているように、人は常に過去に憧れているのだ。うん、それで?ギルはイネズと別れ、パリに住むことにする。どうせイネズはポールと浮気していたし。自分と感性が似ているガブリエル(レア・セドゥ)にも出会ったし・・。うん、だから?ガブリエルとガイドの女性はどちらも感じがよく、ギルとはお似合いだ。二人に分ける必要ないのに。ガイド役カーラ・ブルーニはサルコジ元大統領の奥さん。他にジョゼフィン・ベーカー、ダリ(エイドリアン・ブロディ)、アンリ・マティス、ルイス・ブニュエル、マン・レイ、T・S・エリオットなどが出てくる。顔ぶれ見てるだけでも楽しい。