ミニミニ大作戦(1969)
日本で未公開というのが不思議。外車ファン、マイケル・ケインファンが詰めかけただろうに。ストーリーはリメイク版にくらべわかりにくい。チームは16人だか17人だかたくさんいて、しかも似たような顔している。一番わからないのはブリッジャー(ノエル・カワード)。刑務所の所長かと思ったら違った。特別待遇の囚人らしいが、理由はよくわからん。チャーリー役ケインは美しい。色気がこぼれそうだ。この役はロバート・レッドフォードも候補だったらしい。女性客は美男(ケイン)に釘づけ。男性客は美女(車)に釘づけ。だから人間の女性は扱いが軽い。フレディ役トニー・バックレーもいい。ケインと二人で猫を抱いているシーンがあるが、彼は愛猫家だったのだそうな(それだけで好感持っちゃう)。出演はロッサノ・ブラッツィ、ラフ・ヴァローネ。ケインの弟も出ている。黒人男性は「謎の円盤UFO」のハリー・ベアード。牧師役でデヴィッド・ケリー。彼は顔がはっきりうつらないので、見ている時は気がつかなかった。監督のピーター・コリンソンは子供の頃両親が離婚し施設にいたが、訪問したカワードが気の毒に思い、いろいろ世話をしたらしい。成長したピーターは監督になり、カワードに出てもらって恩返し。いい話だ。しかし41歳の若さで病死。調べてみたら前感想を書いた「そして誰もいなくなった」も彼の作品だった。バックレーも若死にしたが、ケインのように老いてますます元気な人もいる。人生いろいろだ。リメイク版は骨格がしっかりしていてぶれがない。最小限のものを最大限に活用しているという感じ。人数は少ないしエキスパートぶりを発揮する。それにくらべるとこっちはごちゃついている。仕事が始まるまでは少々退屈。ま、美しいケイン見てりゃ乗り切れるけど。トリノでは本物の渋滞引き起こしたそうで、皆さぞ迷惑したことだろう。ミニ・クーパーが下水道の中走るのも本物。くるりと一回転したかったらしいが、十分なスピードが得られず実現しなかったそうな。今じゃCGでやっちゃうけど。たくさんのミニにまぎれ込むところ、展示ホールの屋根に上るところ・・楽しいしびっくり。DVDの特典では「美しく青きドナウ」に合わせ、車がワルツを踊る。ラストは文字通りの宙ぶらりんでびっくり。でもちっともかわいそうじゃない。彼らもマフィアも車を次々崖から落とす。あたしゃそういうものを大切にしない人嫌いです。