マインドハンター
こういう映画はねえ・・困るんですよ。名前や顔覚えないうちに次々に殺されていっちゃうから、えーとえーと・・って感じ。ボビーってレイフって誰だっけ。クリスチャン・スレイターの役名何だったっけ。ストーリーも最後の方になるとやたら引っくり返るし。一回しか見られないというのが辛い。入れ替えなしのところで二回見たい映画。シネパトスか新宿オスカーあたりでやって欲しかった。一回じゃあなあ・・池袋は遠いしなあ・・と迷ったけど、結局は行きましたよ。でも初回くらいは自由席にして欲しいな。どうせガラガラなんだからさ。お客は十数人かな。思ったよりは入ってた。私が思うに、全席指定にするなら客席にはちゃんと段差をつけるべきだ。前の人の頭でスクリーンが見えないような作りしといて全席指定にするなんて許せない。お客のことちっとも考えてない。今日もなあ・・危ないところだった。目の前にジイさんが座りそうになって、ヤベェ・・と思ったのよ。ホントは別の席なんだけど見えにくいものだから、あちこち亡霊みたいにさまよっているわけよ。その気持ちはよーくわかるんだけどさ、あたしだって困るのよ。アンタに座られたらスクリーン見えやしない。よっぽどのことがない限り、つまりよっぽど見たい映画が、ここでしかかからない場合を除き、また来ようとは思わないわよ池袋サンシャイン。パンフレットがないのにもがっかりしたわ。最初からないのか、あったけど売れちゃったのか不明だけど、こういうサスペンスものの感想書くにはヘルプになるものがないと困る。しかも一回しか見られないときてる。ただ新聞にちょっと紹介記事が載ったので、それが頼りだわ。さて・・この映画、内容・監督名に釣られて見に来るのは男性でしょうね。女性はクリスチャン・スレイターやヴァル・キルマーなど出演者に釣られて来ると思う。私もそうでーす。スレイターけっこう好きです。「フラッド」とか「ブロークン・アロー」とか。悪の誘い退ける役。さして目覚ましい活躍をするでもなく生きてきた男。濡れ衣を着せるのにちょうどいい男。正義をことさら強調するわけでもなく、普通に人の道を通す男。そういう役での彼がとっても好ましかったの。今回もそれを期待したんだけど・・何だかはっきりしないうちに死んじゃったわ。キルマーもちょっとしか出てこない。
マインドハンター2
この映画、スレイターのファンにとってもキルマーのファンにとってもがっかりの映画なのよ。別に彼らでなくてもいいの。彼らが出ている意味がないの。あとに残った地味な顔ぶれでやっていくわけ?大丈夫?・・って思うわけよ。もしかして引っくり返って、実は生きてましたーってなるのかな。冒頭の捜査が実は訓練だったように、この連続殺人も実は・・ってなるのかな・・って、そんな勘ぐりもしていたの。したくなるほど主役級があっさり姿を消しちゃうのよ。最初に大物が消えるのは「ディープ・ブルー」と同じだな。監督レニー・ハーリンだし。外部と遮断された孤島での演習。七人のFBI研修生と、飛び入りの刑事。犯人の手口を分析して正体をあばくという訓練。でも・・訓練のはずなのに一人一人殺されていく。プロファイリングされているのは彼らの方?ハリス教官の仕業?刑事かどうか怪しいゲイブの仕業?それとも仲間の中に殺人鬼が?ハリス役がキルマー、研修生のリーダー格JD役がスレイター、ゲイブ役がLL・クール・J。ルーカス役ジョニー・リー・ミラーはちょっとハンサム。アンジェリーナ・ジョリーの元夫ですってよ。公開中の「イーオン・フラックス」にも出ているらしい。ビンス役はクリフトン・コリンズ・Jr。この人ロバート・ダウニー・Jrとジョン・レグイザモ足して二で割ったような顔してる。「カポーティ」に殺人犯の役で出ているようだ。ビンスは珍しく車椅子のお世話になっている。プロファイリングなら足が不自由でも大丈夫ってことか。ボビー役はアイオン・ベリー。知らない人でジェラルド・バトラーとレイ・リオッタ足して二で割ったような顔してる。こういう地道なタイプは、普通は生き残るものだが・・。レイフ役のウィル・ケンプはすばらしく美しい顔をしている。画面にうつる度に目がそっちに行ってしまう。何てきれいな目をしているのかしら!パンフがなくて残念だったのは・・あれば少しは彼の写真も載っていただろうと思うからだ。脇役にしとくのもったいない。顔が四角くてちょっとオーウェン・ウィルソン入ってるけど、いいわ気にしないわ。あの髪の毛・・ジョンと同じだわ。ジョンと似ているってことかしら。は~きれいだわ~あら首が・・。眼福もそう長くは続きません。もっともっと彼を見てうっとりしていたかったのにぃー。
マインドハンター3
ウィル君は「ヴァン・ヘルシング」に出ているんですか?狼男?私見てないんですけど、ウィル君が出ているのなら見てみましょうかね。ニコール役はパトリシア・ヴェラスケス、「ハムナプトラ」のアナクスナムンです。今の季節にぴったりですな。ハナノアナガクスクススルンダナムン。お色気シーンは彼女とJDとでちょびっと見せてくれます。スレイターはシャワーシーンでオールヌードのオール後ろ姿見せてくれます。ええ、はい、後ろ姿だけですよ。別に見せなくたっていいのに、ま、取りあえず入れときました、ま、ないよりマシでしょ、ま、ここらへんで手を打っときました・・ま、そんな感じです。何しろスレイターすぐに死んじゃいますから(それもCGバリバリ。ついでにバリバリに凍ってます)、こんなシーンでも入れとかなくちゃファン承知しません。入れたからって承知するとも思えんが・・。あたしゃスレイターのお尻見るために来たんじゃないけど、スレイターの内臓見るために来たんじゃないことも確かです。ああもう・・ウゲェ・・あんなシーン作るなよもう。サラ役はキャサリン・モリス。この人は何となくジュリアン・ムーアに似ています。ムーアは髪の毛がうるさくてハサミ入れたくなりますが、サラはすっきりとしたショートカットなので見ていて気持ちがいいです。髪と言えばアカデミー賞のプレゼンターで出てきたサルマ・ハエックの髪もうるさかったな。しょっちゅう手ではらいのけていて見苦しく、そんなに気になるなら坊主にしろ!・・と毒づいてやりました。モリスはテレビシリーズの「コールドケース 迷宮事件簿」に出ているようです。「アサルト13」同様この映画もありきたりで、目新しいもの何にもなし。ある場所に閉じ込められて、仲間が一人また一人と死んでいく。殺人は6時とか10時とかあらかじめ予告されている。例え仲間の一人が犯人だとしても一ヶ所にかたまって動かなければいいんです。犯人も動けないから殺人は起こらない。でもそれじゃあ映画にならないから、個別に行動しては殺されるわけです。彼らは研修生とは言え、いちおうFBIとしての訓練は積んでいるはず。それなのに何もそれが生かされない。チームワーク、相手への信頼・・何にもなくバラバラ。お互いに銃を突きつけ合っている。これじゃ同士討ちはあっても犯人発見には全くつながらない。
マインドハンター4
最後の方になって、あらかた殺されてからやっと心理分析らしきことをやります。みんなあまり優秀には見えないのがこの映画の特徴です。観察力もないようで、ここへ来る時乗ったヘリコプターがどうなったのか誰も知りません。ハリスやヘリの操縦士が島を去ったのかどうか誰も知らないんです。うかつにもほどがあります。さて・・正体不明の連続殺人鬼というのはよくある設定だけど、この映画のように場所も登場人物も限られていて、外部からの新鮮な空気が全然入ってこないとなると、どうしても次は誰が殺されるのか、どんな方法で殺されるのか・・といったことに興味がしぼられてしまう。犯人自身への興味はあんまりわいてこない。どうせこの中の一人なのだ。動機も背景も大したことなさそうなのが見え見え。サプライズがない。誰がどうやって殺されるのかしか興味の持てないサスペンス映画なんて、映画としての厚みがない。心に響くものがない。作り手が知恵をしぼっているのはわかる。わかるけどそんなことにしか知恵をしぼっていないのが空しく悲しい。心臓がキューッとなるようなサスペンスは・・感じないのよね。この状況はドッキリカメラであっても、誰かの(例えばサラの)悪夢であってもいっこうにかまわないの。まあいちおうドッキリでも悪夢でも宇宙人の仕業でもないんだけどさ。犯人は最後にわかるけど「えーッ!!」なんてことにはならない。「あっそう」程度。クライマックスでは状況が二転三転するけど、先は見えてる。数人の犯人候補者の間でボール投げ合って、あちこちボールが往復したあげく「はい、犯人は私でーす」みたいな感じ。新聞記事には「息もつかせぬサイコロジカル・ゲーム!!!(!は三つよ)」とあって、ホントゲームなのよ。人の命なんかゲーム扱いすべきじゃないけど、だからと言って腹を立てる気もない。腹を立てるべきなのはストーリーかも。大穴が開いているのよ。つまり・・犯人が誰にしろ演習の参加者のことはよく知ってるの。性格・クセ・弱点その他。でもゲイブのことは誰も知らない。彼が参加するってことは直前まで知らされていなかったから。彼が本物の刑事かどうかは、教官のハリスにもよくわからないはずだ。だからゲイブが殺人鬼・・というのは大いにありうる。しかし・・それだとゲイブは七人(ハリスを入れれば八人)のことをあらかじめよく知っていたことになる。
マインドハンター5
どうやって彼らを知り尽くした?どうやってこの演習に参加することができた?みんなを殺して回る理由は?過去にここを利用したことのあるハリスは別として、他の者は島のことはよく知らない。ここでもゲイブは島の地図を持っていて怪しいんだけど、一番怪しいのが犯人だったのではサスペンス映画にはならないわ。とにかく犯人は仲間のことをよく知り抜いていて、誰がどんな状況でどんな行動を取るのか正確に予想して、あちこちにしかけを作るのよ。そんなヒマあります?ドミノなんか並べるのにすごく時間がかかる。あの板は犯人が荷物に隠して持ち込んだの?矢も持ち込んだの?そして徹夜であれこれ並べたり細工したりしたわけ?ご苦労なこって。防弾チョッキだって、頭や手足撃たれればそれっきり。そんな危険犯しても回りくどい方法は最後まで貫く。時間を予告したらそれを厳守する。結局この几帳面さが犯人の命取りになる・・はずだったけど、二転三転しているうちにそれも怪しくなってくる。そういうふうにプロファイリングするよう犯人が仕向けているわけで。ストーリーなんかいくらだっていじくれる。犯人はますます全能の神であるかのように正体を隠し続ける。いいかげんにしろと言いたくなります。だから最後の最後はわりと平凡になっちゃいます。犯人を非凡に描くのは簡単だけど、非凡な結末用意するのは容易ではないのです。できるわけないって状態でストーリーが組み立てられているので、前にも書いたように誰かの頭の中での出来事であってもちっともおかしくない。そんなムチャクチャな映画。でも見ている時はそれなりにおもしろいの。最後まで引っ張っていくスピード感はある。さすがレニー・ハーリン。出演者は小粒だけどいろいろ個性があるし、島の演習施設も凝っていて興味深かった。さて・・そして誰もいなくなった・・で終わってもおかしくないけど、いちおう決着はつける。トラウマに悩まされていたはずのサラがスーパーウーマンになっちゃうのは頭傾げちゃうけど。水中対決シーンは手に汗握るより危うく噴き出すところだったけど。それにしてもこういう映画は「アサルト13」同様二回見たいですな。二回目も楽しめる映画。一つ残念だったのは音楽。これと言って心に残るメロディー何にもなく、ただ流しているだけ。せめてエンドロールくらい心引かれるメロディー聞きたかった。