メテオ

メテオ

今年でボンドシリーズ50年なのだそうだ。アカデミー賞で歴代のボンドが集まるのでは・・といううわさもあったようだが、出てきたのはシャーリー・バッシーだった。もう70過ぎてるはずだが、迫力のある「ゴールドフィンガー」を聞かせてくれた。相変わらずショーン・コネリーは姿見せない。「メテオ」は確か映画館で見たんだと思うが、記憶はおぼろ。ナタリー・ウッドの女らしさ、美しさしか印象に残ってない。あんまりおもしろくないのだ。今見るとすごい豪華キャスト。無駄に豪華。そう言えば隕石騒ぎも記憶に新しい。あんなことが実際に起きるのだ。今の時代だからああやって映像として記録され、見ることができる。また、今の時代でも予測には限界があるとわかってびっくりもした。映画の設定はいつなんだろう。火星への有人飛行が行なわれているってことは、近未来?製作から30年以上たったけど、この頃は数年したら火星にも人が・・って感じだったのかな。火星と木星の間にある小惑星帯。そのうちの一つオルフェウスに彗星がぶつかり、破片が地球目がけて動き出す。直径約8キロで、地球に衝突すると大西洋くらいの大穴が開き、太陽光がさえぎられて氷河期が来る。それを防ぐにはミサイルを撃ち込んで破壊するしかないが、アメリカのハーキュリーだけでは不十分。ヨットレース中のポール(コネリー)は航空宇宙局から呼び出される。彼はハーキュリーの開発者だが、ソ連向けの核兵器に転用されたのを怒って辞職。シャーウッド(カール・マルデン)が説得し、何とか協力する気になったものの、政治的な駆け引きにはうんざりだ。ハーキュリーにしろ、ソ連のピョートル大帝にしろ、表向きには存在しないことになってるらしい。それでも、お互いの国に向いていたのが隕石の方向へ。何しろ両方合わせないと人類滅亡の危機だ。ソ連からデュボフ(ブライアン・キース)と通訳兼助手のタチアナ(ウッド)が来る。こういう時でもロマンスは花開く。タチアナの夫は宇宙飛行士だが、行方不明で未亡人状態。ポールは妻と別居中。いつの間にか会話がなくなった、性格の不一致ということだが、説明不足。電話しても子供のことしか聞かず、奥さんを無視。隕石が接近しても、電話でアドバイスするわけでもない。

メテオ2

それよりタチアナとデュボフがどういう関係なのか気になる。どうもポールには魅力が感じられない。大統領はヘンリー・フォンダ、国防長官がリチャード・ダイサート、憎まれ役・・頭の固いアドロン将軍がマーティン・ランドー。途中で自分の非を認めるが、憎まれ役が改心したのでは存在する意味がなくなる。で、死亡。イーストン将軍はジョゼフ・キャンパネラ。渋くて冷静でコネリーよりずっとステキ。世界的規模の災害ということで、シベリアの住人は・・「キャノンボール」に出ていた人。香港で大津波に飲まれちゃうのがクライド草津。ヤマシロとあるから、日本人か。イギリスのヒューズ卿がトレヴァー・ハワード。知ってる人はこれくらいか。キースは西部劇などで悪役やることが多いが、私はテレビの「ニューヨーク・パパ」のせいで、いい人というイメージがある。ロシア系のウッドと違い、全編ロシア語で通すのは大変だったのでは?タチアナが女性職員からスカーフをもらって早速身に着け、ウキウキしているところは女らしくてかわいい。この親切な女性は気の毒に命を落とす。まあ・・何と言うか、政治や軍が絡むとややこしいことになるけど、科学者どうし女性どうしのレベルではすぐ仲良くなれるってことを言いたいのだろう。メインはロマンスではなく大災害のはずだから、スイスの雪崩、香港の大津波、ニューヨーク壊滅と言ったシーン入れ、がんばってるところ見せる。でもハーキュリーにしろピョートル大帝にしろ、どう見ても座薬が並んでいる、座薬が飛んでいる、座薬が命中する・・ってふうにしか見えないんだよな。ワクワクしない。火星に向かう宇宙船と、地球との交信がリアルタイムとか、宇宙なのに音がするとか、宇宙船の連中が彗星の衝突をボケッと見物してるとか・・一人は万一に備えて避難の用意してるはずでしょ。おまえら素人かよッ!で、座薬・・もとい、ミサイルのおかげで隕石は爆発。ポール達のいるセンターも破片衝突のせいで死傷者が出るけど、何となく助かる。泥水のせいで誰が誰だかわからない。泥んこプロレス状態。全市壊滅のはずなのにすぐ救助隊が来るし。タチアナは帰国するけどすぐまた戻ってくる気だし。ポールはたぶん離婚手続きを急ぐ。まあホントお気楽パニック映画。コネリーにはSFは合わないんじゃないの?