メンタリスト シーズン4

メンタリスト4の1 緋色のリボン

シーズン最終話は、当然のことながら気を持たせる感じで終わるので、次のシーズンまでじりじりしながら待つこととなる。でも待望の新シーズンを見ると、何ということもない平凡な展開で。あれはどうなった、これはどう始末つける・・そんなのゆるやかに無視して通り過ぎようとする。レッド・ジョンを殺し、現行犯でつかまったジェーン。でもレッド・ジョンが持っていたはずの銃は消え、オラーフリンからの着信が入ったはずのケータイもなくなる。誰かの手が加わって証拠隠滅が行なわれたわけで、あの男・・カーターはレッド・ジョンじゃないってことになって。ああ、やっぱりね。あんなに盛り上げておきながら・・。ジェーンは丸腰の男を撃ったことになり、不利だが、自分のことは全然心配していない。局長はジェーンが動き回れないよう保釈金を100万ドルにするが、彼は拘置所内のポーカーであっさり100万作る。でも・・いくら勝負だからってそんな100万も・・あっさり払うか?ジェーンが無罪になった後はどうなるの?そのお金。殺人現場から証拠を持ち去ったと思われる警備員はすでに殺されていた。カーターの未亡人サリーは、ジェーンに会っても取り乱したりせず、気丈にふるまう。夫は絶対にレッド・ジョンではないと断言。さすがのジェーンも信じそうになるが・・。デビーという少女が失踪し、その捜索にカーターも加わっていたということがわかると、はは~んとなる。鍵を使ってサリーにゆさぶりをかけ、秘密の部屋に監禁されていたデビーを見つけ出す。カーター夫婦の犯行は明らかになったものの、レッド・ジョンと結びつく決め手はない。しかしジェーンは妻子を殺されたという立場を強調し、陪審員の心をつかみ、無罪を勝ち取る。自由の身になったジェーンだが、カーターはレッド・ジョンではない、陪審員をだましたと平然と言い切る。見終わっても釈然としない点が多い。チームはそれなりに動き回っているが、それでいて大したことはしていない。デビーを監禁してどうするつもりだったのか。彼女以外にも被害者はいるのか。そういうのが説明されない。ああいうふうに逮捕され、ああいうふうに保釈され、ああいうふうに無罪を勝ち取る・・その流れがいかにもうそっぽくて。一回目からこんな安易な作りじゃだめでしょ。サリー役ケイト・ノービーはどこかで見たような。「デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~」に出ていたようだ。

メンタリスト4の2 赤い手帳

ジムのトレーナー、クズメンコが殺される。若くてイケメンで人あたりもいいので、金持ちセレブ妻もイチコロ。ジムのオーナー、ジョスリンも一時関係を持っていた。クズメンコはどこかから金を手に入れ、独立する気でいたらしい。自分と浮気していた女達をゆすったのか。ジムは経営難。クズメンコに独立されては困るはず・・と、ジェーンはジョスリンに目を付ける。犯人逮捕に協力してくれと持ちかけ、彼女が前もって凶器を隠すよう仕向ける。はっきり言って、メインであるはずのこの事件が軽すぎて。局長はジェーンをコンサルタントに復帰させるが、リズボンは停職のまま。リグスビーは受付に回され、ヴァンペルトはセラピーへ行かされる。ジェーンはクズメンコの事件を担当しているハフナーのチームへ。リズボンの話だと、ハフナーは元FBIで、やり手らしい。ハフナーはどこかにいた(どこへ回されていたのか彼だけあいまい)チョウを呼び、ジェーン達の監視を命じる。ジェーンの方は、リズボンをリーダーとするチームが再び活動できるよう計画を練る。クズメンコ殺しの犯人のあぶり出しなんて彼には朝飯前。そんなことよりハフナーチームの追い出しが先決。仲間割れを生じさせ、一人を追い出し、ヴァンペルトを入れる。スパイ役をやらされるチョウのことも想定ずみ。反対に利用し、ニセの証拠をつかませ、ハフナーを失脚させる。こういう流れに乗れず、すっきりしない気分になるのは私だけ?今までそれなりにやってきた・・いつかは不満が爆発したかもしれないけど・・仲間割れしたかもしれないけど・・一つのチームをかき回し、争わせ、だまし、失敗させ、恥をかかせ・・。それもこれもレッド・ジョンを倒すという自分の目的のために。何かこれって正しいことには思えないんだけど。だまされるハフナー達を見て、笑えと?それとも作り手は、目的のためには手段を選ばないジェーンの執念を強調したかった?明るく見えるけど、裏ではレッド・ジョンに負けないほどジェーンはダークなのだとか?カーターの妻サリーは自殺・・それとも他殺?レッド・ジョンの手がかりがまた一つ消える。オラーフリンの方はどうなってる?シーズン1の最終話に出てきた盲目のロザリンド(アリシア・ウィット)が再登場して、カーターはレッド・ジョンではないと断言。ラローシュはまた内部調査に戻るとか。あのタッパーのなかみは?リグスビーはちょっと顔が細くなったような。反対にチョウは顔の下半分がちょっと丸く・・太っちゃいやん。スパイ行為に苦悩してると見せて実は・・の部分がいつものことだがニヤリとさせられる。ハフナー役リード・ダイヤモンドは「ミディアム」に出ていた。

メンタリスト4の3 赤いバルーン

スクールバスの停留所で、9歳の少年コナーが誘拐される。母親エリザベスは、10年前ジェーンの客だった。彼女はジェーンが霊能者だと信じ込んでいる。彼ならコナーを見つけてくれる・・と、CBIを指名してきたのだ。ジェーンがいくらあれは詐欺だった、サイキックなんて存在しないと言い聞かせてもだめ。さすがの彼も、これでは捜査の妨げになると、退散しかけるが、駆けつけた霊能者ネイサンを見て気が変わる。相変わらずエリザベスは霊能者に頼っているのだ。ジェーンから見ればネイサンはインチキバレバレ。しかし目が曇っているエリザベスはだまされまくり。兄のデューク、夫の連れ子ジョナサンも何かありそう。夫をなくし、心細いエリザベス。遺産の半分・・2000万ドルはコナーへ行くが、自分の分はすでに使い果たし、金に困っている状態。なまじ金があるからよくない連中が寄ってくる。コナーが無事なら無事で、殺されたなら殺されたで彼女から金をしぼり取ろうという魂胆のネイサン。似たような事件は他に二件起こっていて、いずれも身代金を取られ、子供は死体で見つかるという結末。現場に赤い風船が残っていることから、犯人はバルーンマンと呼ばれている。前の二件の目撃者のうち、電気技師のウォルトンが怪しい・・となって、銃撃戦に。ここらへんはちょっと軽すぎる。まるで前の二件の捜査がいいかげんだったような印象。結局ウォルトンはコナーに関しては無関係。となれば犯人はネイサンかデューイかジョナサンだ。例によってジェーンは一芝居打つ。1時間後に行動開始とか、ある程度間をあけ、行動を起こすなら今しかないと犯人に思わせる。引っかかったのはジョナサン。継母のエリザベスに恋しているが、彼女はコナーしか目に入らない。振り向かせるには・・と、他の事件を真似して誘拐したものの、その後どうしていいのかわからない。何ともお粗末な事件で。たぶん今回のメインは、やめたと言いつつちっともさびついていないジェーンのだましのテクニック。自分から詐欺だインチキだとさんざん言っておいて、突然ハデに霊視する。まわりはすっかりだまされ・・ジョナサンでさえも、逮捕された後もまだ信じてる。それにしてもエリザベスはいいかげん目を覚まさないとね。自分に自信がないから食い物にされるのだが、2000万も使うなんてどうかしている。ジェーンは、事件の解決よりネイサンの鼻を明かしてやったことの方が気分よかっただろう。

メンタリスト4の4 赤いバラの庭で

今回も妙な流れ。まず、市長に対するデモがあって、皆警備に駆り出される。ジェーンだけはのんびりお茶しているが、殺人事件が起きて呼び出される。被害者はカメラマンで、カメラとケータイがなくなっていた。現場へ来る途中怪しい男を見つけたジェーン。チョウ達が調べてみると、銃を持ってる。彼ヘンリーは職捜しの最中で、犯罪歴もなし。新しいボス、ウェインライトはまだ若いが、なかなかのやり手。リグスビーあたりは、自分とそう年も違わない・・と、機会があればバカにしそう。そうならないためには、スキを見せないようにするとか、話のわかるふうを装うとか・・かなり考えてると思う。特にジェーンに関してはうまく利用したいし、その一方で好き勝手はさせまいとも。せっかくラローシュにもなじんで、このまま行って欲しいと思ってたのにこの変更・・何で?ウェインライト役マイケル・レイディは「ミディアム」の「消えゆく日々」でアリエルの夫やってた。どことなくフランク・ランジェラ風。ヘンリー役クリスチャン・カマルゴも「ミディアム」の「夫婦の絆」に出ていた。この人ブラッドフォード・ディルマンにそっくり。繊細な感じのする美男子で、やや異常なムードも。「ミディアム」でもアリソンを誘拐する偏執的な男の役。さて、まだ犯罪は犯していない(カメラマン殺しは彼じゃなかった)ヘンリーだが、ジェーンは彼は必ず人を殺すと主張。事件起こすまで見張るわけにはいかないと言われると、じゃあ起こすよう仕向けると。ヘンリーの妻に協力してもらって家宅捜索。銃の弾を空砲にすり替えておく。結局ヘンリーは行動を起こし、空砲を撃ちまくるわけだが、この流れ変じゃないの?裁判になった時、何も起こしていない時点で、ジェーンにそそのかされたり、ニセの面接されたりしたことがわかれば・・。極端な話、ジェーンが彼に強い暗示、催眠術をかけて、殺人の衝動がなくなるよう誘導する手もあったはず。それをせず、自分の目に狂いはない、絶対そうなる、そうならないなら無理にでもというやり方、しかも明らかに楽しんでいて。ヘンリーは職捜しに歩くなど努力はしていたわけで、一方的に追い込むのはひどいと思う。ラスト・・ウェインライトはジェーンを分析・・病的なサイコパスと結論づける。たぶん今回はこれ・・もしかしたらレッド・ジョンはジェーンかも・・を言いたかったのだろう。

メンタリスト4の5 血と砂

サンフェリックス島の入り江で若い女性の死体が見つかる。この女性タリアは、里親に預けられてもすぐ飛び出してしまうような、手に負えないタイプ。発見者は蝶の保護に熱心な学者タイプのガーディナー。地主は牧場やってるスタックで、ガーディナーとは反発し合っている。今島は観光船を呼ぼう、港を整備しよう、事業を拡大しようみたいな雰囲気。島の活性化になると歓迎する者がいる一方、環境が破壊されると反対するガーディナーのような者も。この対立がタリア殺しとどう関係が?と思うが、ジェーンには独自の視点が。彼に言わせると、住民の中には本土で何かあって逃げてきた者がいると。閉ざされた世界だからこそ、ここに住み続けると。住民達はどうせタリアは本土で殺されて流れ着いただけとか、要するに自分達とは無関係だと思っている。それでなくても島には本土からいろんなものが流れ着く。しかしジェーンは流木で実験し、殺人は島の中で行なわれたと断言。そのうち、タリアが島へ来た理由がわかる。父親を殺した犯人がここにいるらしい。見つけたものの、返り討ちに会ったのか。犯人捜しはいつもの通り。みんなを集めておいて、はい皆さんカップを置いて~。これから指紋を照合しますからね~。パニクった犯人は口実を設けて逃げ出す。逃げ出すには船を利用するしかないから、港でチョウが待ち伏せ。で、ガーディナー逮捕。みんなはこれで事件解決と思っているけど、ガーディナーはタリアの父親殺しの犯人。タリアのことは知らない。まあこの二段構えは悪くないけど、犯人の動機を聞き出すのは、リグスビーじゃなくてジェーンの役目でしょ。女性への衝動を抑え込むため、島に移り住んだのに・・ケガをしたため本土の病院へ行くはめに。帰りの船の中で近づいてきたのがタリア。父の敵討ちの手助けをして欲しい・・。タリアにとっても犯人にとっても不運なめぐり合わせ。犯人ウィット役ザック・ウォードはどこかで見たような・・。「バイオハザード2」に出ていたようだ。カルロスの相棒か。リグスビーのガールフレンド、弁護士のハリガンが再登場。小柄でかわいい感じだが、出世のためなら何でもやりそうな感じで、うまくいくとは思えない。一方ヴァンペルト・・いら立っていてかなり不安定。こりゃセラピーの効果ゼロのようで。

メンタリスト4の6 カーマインの行方

今回は何とリズボンの弟登場。森で女署長グリーンの死体が見つかる。例によっていろんな人が出てくるので、消化不良気味。グリーンの自宅で出くわしたのがリズボンの弟トミー(ヘンリー・トーマス)と娘のアナべス。どうやらトミーは、保釈中に逃亡した連中を追う・・いわゆる賞金稼ぎやってるらしい。彼が追ってるのは会計士のオブライエン。ただ、このオブライエンがなぜ逃亡したのか、そこらへんははっきりしない。リズボンとトミーのごたごたに時間割きすぎ。次に怪しいのが、グリーンに飲酒運転で挙げられたズボフ。どうも飲酒は口実で、グリーンの意図は別のところに。彼はマッサージ師ソフィアに乱暴するなど、盛んに女に手を出すが、自分では愛情だとうそぶく。もちろんヴァンペルトが囮になって、現行犯逮捕。でもすぐ釈放されそうな気も・・。次にスティーヴというチンピラが浮かび上がるが、死体で見つかる。まあたいていのことは目くらましで、引っかかるとしたら巡査のプライスか、ズボフが宿泊しているホテルのオーナーの息子チャド。実は警官が・・とか、森林警備隊員が・・というのはこれまでにもよくあったから。でもプライスはまともなようで。チャドの方は、クーラーのきかせすぎというジェーンの指摘があって。わざわざこんなこと言うのは何かあるからだ・・と予想つく。案の定父親に頭押さえつけられているチャドは、クスリの売買で小遣い稼ぎ。スティーヴと一緒のところをグリーンに見つかり・・と言うわけで事件の方はあっさり解決。トミーが割り込んだせいでごちゃついただけ。彼は離婚した妻への仕送りやアナべスの養育で金が必要。リズボンは手に職つけて真っ当にと言うが、それじゃ間に合わないのだ。アナべスは生意気なクソガキでかわいくないが、父親のピンチを救うなど機転はきく。トーマスは「E.T.」で有名だが、見たことなし。「サイコ4」でノーマンの少年時代やってた。今回リズボンは顔を髪で囲み、鬱陶しい。目をギョロギョロさせ、トミーと口論ばかり。印象に残ったのは(ほとんど登場しないけど)グリーン。トミーとオブライエンの件、ズボフとソフィアの件、スティーヴの件・・たくさん抱え込まされ、さぞ大変だったことだろう。独身・・一人暮らしだったようだが、仕事に追いまくられ、私生活がなかったのでは?

メンタリスト4の7 点滅するレッドランプ

ミシェルという女性が殺される。同じ手口でもう四人も殺されている。手がかりが少ないせいで、容疑者だけで八人もいる。リズボンはそのうちの一人、カメラマンのハイバックを選ぶ。訪ねてみると、そぶりがおかしいが、彼じゃないのはいつもの通り。事件を伝えるレポーターとしてカレン(ミッシー・パイル)再登場。ジャーナリストのパンザー(デヴィッド・ペイマー)はずっとこの事件を追っている。ジェーンは彼と行動を共にする。最初の被害者モリーの両親に会ったり、パンザーの自宅へ行ったり。ジェーンが彼を疑っているのは見え見え。事件を追う側・・警官や記者、研究者が実は犯人・・というのはよくある設定。こういう、絶対につかまらないと自信持ってる連中は、用心深く身を隠す一方、脚光を浴びたくて仕方がない。だからジェーンはおだてたりけなしたり・・一見見え透いた手を使う。相手は、ふふん・・頭のいい自分がそんな手に乗るかよ・・と、裏をかく。で、こっちの負けだと言って気分よくさせといて、本当の罠を仕かける。ジェーンはカレンやハイバックも利用する。カレンの番組でパンザーとやり合う。もちろんパンザーは尻尾を出したりしないが、うっかり挑発に乗ってしまう。彼はジャーナリストだから、ジェーンとレッド・ジョンのいきさつはよく知っている。レッド・ジョンは死んだと思っているから、今度の犯人・・自分のことだが・・の方がレッド・ジョンよりずっとすぐれていると言い切ってしまう。途中でジェーンはぼんやりし始める。テレビカメラの点滅する赤いランプを見て、昔の自分を思い出したようで。あの時・・テレビカメラに向かってレッド・ジョンを挑発していて・・。それがどういう結果をもたらすか、全然考えもしなかった。もちろんパンザーは殺され、そばにはレッド・ジョンのマークが。パンザーが犯人と実証するのは難しいから、わざとレッド・ジョンが動くよう誘導したのか。それとも彼にとっても思いがけない展開になったのか。私には前者のように思えるが。しばらく鳴りを潜めていて、このままずっと行けば表面的には安全地帯にいられるレッド・ジョン。あえて行動起こしたのは、パンザーにプライド傷つけられたから?と言うか、彼にはジェーンの誘導はわかっているはずで。ジェーンの期待にこたえなくちゃ・・ってか?ペイマーは「ドタキャン・パパ」に出ている。最近では「スペル」。チョウは前回車にはねられたけど、今回は何ともなかったな。驚異的な回復力。

メンタリスト4の8 雑なマニキュア

ごちゃごちゃしてわかりにくいが、余計なものを除くと、残るのはありきたりな言い訳犯罪。麻薬で大金なんて真面目に働くのがばかばかしくなるとか、ばれそうになったので仕方なく殺したとか。ラグジュアというクラブの常連ヨリーが殺されるが、実は彼女は麻薬潜入捜査官。ヴェガという大物がこの店を隠れ蓑に使っている。ヨリーのいとこは、彼女がクラブに通い、浮気してるんだと思っている。ヨリーの夫は怒って彼女を追い出す。浮気じゃないなら、汚職?いいや、汚職でもなくて彼女はりっぱな捜査官。りっぱじゃなかったのが同僚のビアンカ。ペリーボーイズとかいう三人組が殺された時点で、警察内部に裏切り者がいるって見え見え。あとはジェーンが大量の麻薬持ってるふりして、ヴェガの前でビアンカと対決。こっちはニセモノ、いいえそっちこそニセモノ。ヨリーとペリーボーイズは僕が殺した、いいえ私がと、ファミレスのレジ前で財布振りかざすオバハンみたい。で、実はこんなのどうでもよくて。今回の目玉はメインはキモは・・チョウとサマー(サミーラ・アームストロング)!!ああ、この二人・・出会ってはいけなかったんです。だってチョウには恋人いるし、サマーは売春婦。出会ったとしても取り調べはチョウがしちゃいけなかったんです。リグスビーあたりがやっていれば、うまく丸め込まれてヴァンペルトにケーベツのまなざしでにらまれたり。ジェーンがやってれば、丸め込まれたように見せて丸め込むとか(何のこっちゃ)。真面目なチョウは、サマーに思わせぶりなことさんざん言われて。その中から必要なことだけより分けて聞いて、判断して答える。その、一生懸命より分けている表情がよかったな。赤ちゃんみたいに泣いてみない?・・たぶんチョウの恋人はこんなセリフ言わない。と言うか、彼女あれっきり出て来ない。何ともないふうを装っているけど、車にはねられた後遺症で背中を痛めていることも判明。治療としてマッサージが有効なことはわかっているけど、サマーのはどこのマッサージやら。彼女はヨリーの財布やケータイ盗むし、クレジットカード使うし。でも一方で殺人を警察に通報。チョウに対しても、礼儀正しく接して欲しいと要求する。ただのすれっからしではなく、好感の持てるタイプ。とうとう最後にはチョウが雇いたいと・・いや、CBIが情報屋として雇いたいということなんだけど。どうもこの先二人は結ばれ、チョウは背中のせいで痛み止めの薬の中毒になるとか、そんな感じらしいけど、あんまり彼には苦悩とかくっつけないで欲しいなあ。ヘンダーソン巡査部長役ディーン・ノリスは、「ミディアム」でスキャンロンの兄をやっていた。

メンタリスト4の9 赤いスウェット

クレイグ・ビアーコはすごいハンサムだと思う。最初に見たのは「ロング・キス・グッドナイト」。悪役だったけど、何てハンサム!とびっくりして。思わず「13F」のDVD買ってしまったくらい。でも日本ではあんまり知られていないんだろうなあ。元フットボールのスター選手ドク(ビアーコ)がやってるバーは、そこそこはやってる。彼のおもりをするのは、代理人アレックスとマネージャーのスティーヴ。ドクは妻のアナと別れ、マリーと付き合っているが、他にも女はいっぱい。後でヴァンペルトにも声かけてたし、手当たり次第という感じ。ある晩彼の車が爆発するけど、死んだのは助手のジェイク。ドクは女性二人とアパートでお遊び中。彼は時々ジェイクを身代りにして、自分は好き勝手なことしてた。彼が生きていることを知っているのは数人だけ。ジェーンは、犯人をつかまえるためと称して、ドクが死んだことにする。有名人が死んだと言うので、ドクは”時の人”になるけど、アナやマリーの本音を聞くのはあんまり楽しいことじゃない。二人に限らず、まわりのドクへの評価はさんざん。うぬぼれやで浮気者で自己中心的で腰抜けで。次々に暴かれ、さすがのドクもへこむ。そんな中で、アナだけは今でも彼のこと好きで。死なれてしまってやり直せないことを悔やんでて。もちろんラストは心を入れ替えたドクが彼女にあやまる。一連の作戦にウェインライトは仲間はずれにされる。だまされていたと知って複雑な気持ちになるけど、ドクのファンで、サインが欲しいようなのが微笑ましい。それにしても・・彼、時々しか出て来ないし扱いは軽いし。キャラが今いちはっきりしないのはなぜ?あと、ウェインライトをだますことに、リズボンはもっと強力に反対するはずだと思うんだけど。ビアーコは少し太ったけど、別にたるんだとかそういうのではない。ひょろっとしてたのが四角くなったという感じ。目のあたりがジェイク・ギレンホールに似ていて、全体的にはジョージ・クルーニー風味。結局犯人はスティーヴだった。自分がスター選手になるはずだったのにという妬み。せっせとグッズを買い集め、ドクを殺してグッズの価格高騰させ、大儲けしてやろうというアホな企み。そんなことで殺人を・・しかも人違いするし。ラスト・・ジェーンとリズボンが二人で一つのアイスクリームを食べるところは微笑ましかった。

メンタリスト4の10 赤のフーガ

ん?今回はお遊び的エピ?ある晩消防隊員のポールが殺される。現場付近をぶらついていたジェーンは、何者かに襲われ、危うく溺れ死ぬところだったけど、幸い消防署の近くと言うことで救急処置してもらえたし。すぐ元気になるけど、記憶の一部が抜け落ちたせいで、妙なキャラに。家族の記憶がなくなっていて、自分のことを霊能力があると思ってて、女性をナンパしまくる。リズボンと呼ばずテレサと呼び、チャンスがあるとお尻をさわる。ヴァンペルトにも目を付ける。大きな悲劇に出会う前の彼は、こういうキャラだったのか。自信家で人を利用しまくる。この・・いつもと同じように見えて、実は少し違うという部分を、うまく出せたのかな。見てる側からすると、レッド・ジョンに関するものを見せたり聞かせたりすれば、すぐ元通りになるのに、何で先に延ばすのかなあという感じ。記憶喪失に関しては心配もしないし、ドキドキもしない。扱う事件がまた見え見えで。殺される少し前、ポールは炎の中からウィルコックスという男を救出した。一方覆面男によるATM強盗が起きて、他のチームが捜査中。たぶんウィルコックスが犯人で、火事の際ポールに何か気づかれたのだ。命の恩人を殺すなんてひどいやつだ。今回ユニークだったのはポールの妻。夫の死を全然悲しんでいない。もう結婚生活は破綻していた。彼の生きがいはスリル。ムチャをやってもまわりはヒーローとして持てはやす。彼の相棒も、ルールを無視し、暴走しまくる彼にはうんざりだ。自分まで命の危険にさらされる。妻は相棒と不倫し、夫はどうせ近いうちに死ぬからと、生命保険を倍にする。離婚するよりこっちの方が大金が入る。本来なら真っ先に疑われるところだが、妻も相棒もシロ。それにしても・・こういうふうに連れ合いのことを早く死んでくれないかしら・・と願っている妻って、実際にいるんだろうなあ。さて・・冒頭死にかけているジェーンを見たリズボンは、かなりパニクっていたな。たぶん今までで一番取り乱していたのでは?ラストは、リズボンに自分の家に連れて行かれたジェーンが、レッド・ジョンのマークを見て記憶を取り戻すという、何のひねりもない描写。記憶が戻ると同時に、今まで忘れていたあることを急に思い出すとか・・ひとひねりしろよッ!!

メンタリスト4の11 いつも赤に賭けろ

今回は前の事件が後を引いているという、いろんなことの後始末的エピソード。ジェーンがレッド・ジョンを殺したと宣言し、それでおさまっていたことが、あちこちでほころび始める。FBIのダーシー捜査官は、パンザー殺しの犯人がレッド・ジョンではないかと疑っている。リズボンは正直に話すべきだと主張するが、ジェーンは反対だ。今のところ真実を知っているのはジェーンとリズボンだけで、他の三人は知らないようだ。ダーシーに秘密を打ち明ければリズボンの心の負担は軽くなるが、ジェーンが偽証しまくったことがばれてしまう。厄介なことにレッド・ジョンはダーシーに目を付け、ストーカーまがいの動画を送ってくる。彼女の身が危険だが、レッド・ジョンが生きてると知れば、手を引くどころかいっそうファイトを燃やすだろう。何とか彼女を捜査からはずさなければ。テレビでパンザーがレッド・ジョンを侮辱するよう持っていったのが、ジェーンの企みだったこともわかる。彼が連続殺人犯であることを証明するのは難しく、次の犠牲者が出るのを防ぐには、レッド・ジョンに殺してもらうより他に手がなかった。おりもおり、パンザーの最初の被害者の父トムが自殺する。「点滅」の時、かなり落ち込んでいたからこうなっても不思議じゃないけど、ジェーンはこれを利用する。証拠を捏造し、パンザーを殺したのはトムというふうに持っていく。娘の復讐というのは動機としてうなずけるし、その後自殺というのも自然な流れ。ダーシーも、トムの妻も納得するが、ダーシーの方は動画の件があるから、釈然としないだろう。ジェーンは彼女の危険が取り除かれたと一安心するが、こういう一時しのぎのくり返しは次のトラブルを招くだけ。そのうち泥沼にはまり込むぞ!もう一つの事件は、やり手弁護士の殺害事件。ジェーンはレッド・ジョンのことで頭がいっぱいだけど、こっちの事件もササッと解決。二人ほど怪しい男が出てくるが、みんな無関係。身も心も捧げ、キャリアも後回しにしたのに結婚を断られ、しかも次の彼女は娼婦だってぇ~、許せん!と、殺す。本人にとっては重大事だけど、ただのよくある痴情沙汰。その娼婦がサマーで・・そう、サマー再登場。犯人の女弁護士の怒りやののしりに、「今はもう娼婦じゃない」と遠慮がちに弁解するのがかわいかった。

メンタリスト4の12 血に染まったパーティー

今回はちょっと変わっていて、ヴァンペルトがオラーフリンの幻を見る。FBIが・・レッド・ジョンの件はかたづいたと判断したのか、オラーフリンがヴァンペルトに贈ったネックレスを返してくる。彼女はそれをどう始末したらいいのかわからない。さて、ボルチェットという大物がいて、その息子ジュニアが殺される。娼婦を呼んでのパーティのさなかで、用心棒のネットや、そばにいた娼婦ジャンペンは、逃げ去る男を目撃している。ヴァンペルトはジャンペンを連れて戻る途中道に迷い(GPSの故障?)、しかも親切そうに近寄ってきた男はいきなり発砲。車で逃げる途中運転を誤り(運転の腕はピカイチのはずなのに)、ジャンペンと二人、森の中をさまようこととなる。しかもなぜかオラーフリンが現われて話しかける。まるで「ミディアム」で、ヴァンペルトには実は霊能力があったのか・・とか、オラーフリンには双子の兄弟がいたのか・・とか、あらぬ想像しちゃった。きっかけがあのネックレスなのは間違いない。霊能力とは無関係なのもすぐわかる。もし彼女に潜在能力があって、車の事故が引き金になって能力が表に出てきたのだとしたら、ああいう会話にはならない。レッド・ジョン関係の話になるはず。そうならないのは、ヴァンペルト自身レッド・ジョンの情報を何も知らないからだ。彼女が知らないことを彼女自身でもあるオラーフリンが話すはずはない。後で彼が彼女に危険を知らせるが、それだって彼女がジャンぺンを完全には信用しておらず、いつか襲ってくるかも・・と、心のどこかで予想していたのだ。ヴァンペルトとオラーフリンの会話は、ヴァンペルトの頭の中での会話である。彼女はそろそろ彼を許し始めているし、彼にも自分を許して欲しいのだ。さて、リズボン達は、ジュニア殺しの犯人がわかればヴァンペルト達の居どころもわかる・・と、捜査を急ぐが、リグスビーは気もそぞろ。なぜかサラが現われたり電話をしてきたり、しつこいが、後に理由がわかる。妊娠したのだ。だから彼に相談したかったのだ。男が、前の恋人の身を案じてソワソワしているのを見るのは辛かっただろう。今回もジェーンはササッと事件を解決。事件より人間模様みたいなのに比重かかっていて、それはそれでいいのだが、たまには複雑でよく考えられた事件を見せて欲しい気がする。

メンタリスト4の13 赤は新たなスタンダード

結局ダーシーは、パンザー殺しはレッド・ジョンの仕業ではないのではないか・・彼はまだ生きているのではないかという疑いが捨て切れないようで。ウェインライトに、レッド・ジョン関係の資料全部見せろ、でもこのことは誰にも言うな・・と。ダーシーの未来は暗いけど・・死亡フラグ立ってる・・わたしゃウェインライトの方が気になる。いくら彼だって自分がFBIからも、リズボン達からも、のけ者にされている・・レッド・ジョンに関して、自分に知らされていない何かがある・・って感じるはずで。ダーシーはモルグの職員の話から、ロザリンドの存在に気づき、彼女を訪ねる。ロザリンドは、遺体は自分の知らない人だったと正直に話す。彼女が知っているのはロイという男で、ジェーンに何を言われようと、殺人鬼レッド・ジョンと同一人物だとは信じない。彼女からロイが来ているという電話があり、ジェーン達が駆けつけてみると・・ロイは去った後。ロザリンドは無事だったが、モルグの職員の死体が見つかる。こいつ何やらうさんくさくて。きっと誰かに情報流していたんだと思う。ダーシーが来たことも報告し、その際欲が出て余計なことしたのでは?金をせびるとか。で、即始末されたと。ロイの来訪直後、死体が見つかったことを、ロザリンドがどう思ったかは不明。メインの事件は、デザイナーのシーセンズ殺し。死体の口の中に孔雀の羽根か何かを入れたのは余計な行為だった。何人か容疑者が浮かび上がり、犯人は大人しくしていれば表に出ることもなく、逃げおおせたかもしれない。羽根のことは伏せてあるので、このことを知っているのは犯人とジェーン達だけ。容疑者達は羽根を見せられても何のことかわからないが、犯人は自分が見せられているわけでもないのに、うろたえてしまう。まあ・・余計なことはしない方がいいという、いい見本。さて、リグスビーは赤ん坊ができたことがまだ信じられないようで、ヴァンペルトに「結婚するの?」と聞かれても、「まだ考えてない」と・・。そうよねえ・・流産するかもしれないし、急いで結婚すると後が面倒。それでなくてもサラはやり手弁護士だし・・(がっぽり取られそう)。シーセンズを業界から追い落とし、業界トップのデュヴァルの下で働きながらも、その妻と不倫しているアコスタ役の人は、トム・ハーディ似。デュヴァルの奥さん役の人は背が高く、なかなかの美人。

メンタリスト4の14 赤いワインの香り

今回はかなりムチャな設定。リズボンと裁判所を出た時、マスコミに取り巻かれている女性に目をとめたジェーン。不倫相手カルロスを殺害したとされるイヴ。でもジェーンは彼女を観察し、シロだと確信するが、証拠はないし、CBIの担当でもない。しかもあとは陪審員の評決を待つばかりという段階。その数時間の間に真犯人を見つけ出そうというのだ。検事は、また邪魔をするのかとうんざり顔。事件を担当した刑事は、明らかに手抜きをしていた。こんなんで有罪にされたんじゃ困るのことよ。イヴは実際にカルロスと浮気していたし、夫のピーターはそれを知っていたようだし、彼自身浮気していたみたいだし。うわべは仲むつまじく装っていても、ほじくればいろいろ出てくる。でも殺人に関してはシロというジェーンの考えは変わらない。ニセのIDを売るマーフィという男が浮かび上がり、彼を利用して真犯人をおびき出す。こっちにはこう思わせ、あっちにはああ思わせ、お互い勘違いさせたまま会わせる。犯人の方は追いつめられているから、必ず銃か何かでマーフィを脅すはず。そこを逮捕するわけだが、犯人がやけくそになって発砲したらどうする気だった?犯罪者だからってマーフィを危険な目に会わせていいってことにはならない。時間ぎりぎり・・評決発表という時に、ジェーン達が飛び込んできて・・。私が思ったのは、思い込みや手抜き捜査とは夢にも思わず、何ヶ月も裁判を傍聴し、真剣に評議したであろう陪審員達のこと。評決がどっちだったのかは不明だが、突然飛び込んできた男性の一言でイヴは無罪・・めでたしめでたし・・って、それじゃあ彼らの立場がないでしょ。さて、マーフィをおびき出す役のサマー。熱心なあまり、余計なことまでしてしまうので、危なくて仕方がない。チョウはクビを言い渡すが、サマーの方も黙っちゃいない。何しろ今は売春はやめて情報屋一本でやっているのだ。生活がかかってる。ほれた男のためなら・・と、がんばってしまうのだが、チョウからすると彼女のことが心配で、仕事に差し支える。実はチョウもサマーにほれてしまったのだ。と言うわけで・・エレベーターに二人して倒れ込むけど、監視カメラついてるんじゃないの?マーフィ役ジェームズ・フレインは、「ミディアム」の「眠りの中で」に出ていた。

メンタリスト4の15 バラ戦争

「綺麗なバラにはトゲがある」のエリカ・フリン再登場。まあ確かに一回で終わらせるには惜しいキャラ。彼女は夫殺しで服役中。たぶん20年はくらってる。更生施設で働くナタリーが死体で見つかる。現場にいたジェーンに、エリカから電話がかかってくる。ナタリーは以前彼女の結婚相談所に来ていたので、犯人捜しの手伝いができると言う。リズボンは大反対だが、ウェインライトは許可する。相変わらず美しく、姿勢がよく、優雅な物腰のエリカ。CBIに来ても男どもが親切にするので、リズボンはますますおかんむり。犯人捜しは、一枚の写真をヒントにジェーンが簡単に解決。いつものことだが、ひねりがない。それより見ものはエリカ。自信に満ち、何事にも動じない彼女なら、囚人生活も平気なはずだ。模範囚として、かなり早めに出て来られるだろう。しかし内面ではかなりあせっているようだ。こんな生活がまんできない・・と、ジェーンに訴える。あなたが忘れられない、あなたが好き・・色じかけで迫るにしても、決して物欲しそうにはしない。対等の立場を保持する。こういう女性は、信じてもらいたい相手にはなかなか信じてもらえない。他の者はウソを並べ立てても信じてくれるのに!ジェーンは彼女を信用していない。目的は脱獄で、自分はただの道具。とは言え、こんな美女に迫られれば、ほんの少し動揺する。ラスト・・一度は失敗したと見せて、裏をかく。ウェインライトは大失態・・大丈夫かいなキャリア。たぶんジェーンにとっても予想外だったのでは?ぬけぬけと電話をかけてきたエリカに、このままではすまさないぞ・・というような表情。さて、早くもはち切れそうなおなかになったサラ。意を決してプロポーズしたリグスビーだが、あっさり断られてしまう。サラはいろいろ言い訳していたけど、要するに自分がリーダーシップ取りたいんだと思う。子供ができたから仕方なく結婚してくれた・・じゃあ嫌なのだ。プロポーズに喜び勇んで飛びついたのでは沽券にかかわる。結婚の時期を決めるのは自分!ナタリーも、妻のいるリチャードの態度にじれて結婚相談所へ行ったのか。リチャードは大人しくて真面目で、優柔不断かもしれないけど、いい人だ。あの後どうなったのかちょっと心配。別にみんなの前で告白させる必要ないのに。演じているイアン・ボーエンは、ヒュー・ジャックマン似のハンサム。他に「地獄の捜査線」のジョー・スパーノが出ていた。

メンタリスト4の16 彼の赤い企み

カルト教団ビジュアライズの代表スタイルズ久しぶりに登場。マルコム・マクダウェルは、若い頃は気持ち悪いばかりで好きじゃなかったけど、このスタイルズははまり役。どことなくレクター博士っぽいけど、あっちのようなあぶらっこさも異常さもなし。ビジュアライズを追い、暴露記事を書こうとしていたメドウズが殺される。彼は妹が教団に入っており、取り戻そうとしていた。血のついた衣類など、スタイルズには不利な証拠が出るが、彼ははめられたのだろう。・・と言うか、わざと窮地に陥ったとまわりには思わせ、自分を失脚させようとしている幹部をあぶり出すのが目的のようで。1970年代、スタイルズはティムという男の死によって教団を自分のものにし、今日の隆盛を築いた。ティムの事故死には不審な点があり、捜査を手がけた保安官も自殺。怪しい点は多々あるものの、尻尾を出すスタイルズではない。メドウズ殺害には二人の手が加わっていて、複雑そうに見えたが、実は単純。解決方法にも目新しいものはない。今回ちょっと危なっかしかったのがヴァンペルト。最近とみに暴力的になってきていて、見ている者を心配させる彼女だが、不安定な精神状態は、スタイルズが付け込むにはうってつけ。ただ、スタイルズは邪悪な面と同時に清く正しい面も持っており、(ヴァンペルトに対し)前進もするが引き際も心得ている。さてヴァンペルトはよく個人資産の調査を受け持つが、スタイルズには何もない。すべてを教団に捧げている。逮捕される時も落ち着いているし、留置所でも静か。いつものことだが、事件そのものは大したことがなく、感想も書きにくいのだが、スタイルズの存在感のおかげで何とか持ってると言うか。それにしても犯人は結局何がしたかった?元々はメドウズを利用し、スタイルズの過去を暴き失脚させ、自分が取って代わろうとしたのか。ところが探っても何も出て来ず、かえってメドウズが邪魔になり、殺してしまう。その罪をスタイルズになすりつけるが、よく調べればすぐ無実とわかるようになってる。他の幹部が浮き足立って、会議開いて次の代表選ぶけど、自分はあくまでもスタイルズの無実を主張。彼が戻ってきた時に、有利な立場に立てるよう布石を打っておく。・・そういうことなのかな。ジェーンのこと全然書いてないけど、さすがの彼もスタイルズの前ではカゲが薄いのよ。

メンタリスト4の17 ワインレッドの殺人

メンタリスト4の18 赤いお茶

カーディーラー、ブラドックの死体が見つかる。彼は骨の末期ガン。同じく末期ガンのヘレンと二ヶ月前に結婚したばかり。前の妻との間にはエイデン、リースルという二人の子供がいる。ブラドックは元アルコール依存症、エイデンは今もクスリの依存症。父子は折り合いが悪く疎遠。ヘレンのことも含め、かなり複雑な家庭。ブラドックは最新の医療にすがろうと、医師シェックのガン治療センターに通ったり、ジョセフという男の怪しげなセラピー受けたり。研究一筋のシェックを助け、センターを切り回すのが看護師のベッツィー。・・こういうのが怪しい。裏で何かやっていそう。まず犯人と疑われたのはエイデン。クスリのせいで遺産相続を変更されたのを恨んだか。ジェーンはすぐにヘレンが詐欺師と見抜く。ガンはウソで、ブラドックにかけた生命保険金が目当て。ただ、数週間後に死ぬとわかっているブラドックをわざわざ殺す必要はない。・・と言うか、彼女は夫が医療やセラピーに注ぎ込む大金は気にならなかったのか。シェックは、研究のためブラドックの遺体を調べたい。ジョセフも遺体に会って魂を解放してあげたい。遺体に強い興味持ってる者が二人もいる。逆に言うと遺体を調べられたくない誰かもいるってこと。だからこそ彼は殺された後地中に埋められたのだ。たまたま脱走したトラが遺体を掘り出したのは、犯人の計算違い。いつも通りジェーンは、法医学の専門家を呼んで解剖すると宣言。あとは誰が動き出すか安置所で見張っていればいい。最初に引っかかったのはジョセフ。ところが彼に気を取られているスキにベッツィーが・・。そう、やっぱり彼女だった。薬の横流しで私腹を肥やしていたが、ブラドックの肝臓が(アルコールで)ダメになっていたことを見落としてしまう。解剖されたらミスがばれるし、更には薬の横流しもばれる。どうせすぐ死ぬんだし、ガンで苦しまないですむよう楽に死なせてやったのだから、自分はいいことをしたのだとうそぶく。さて、チョウはサマーのせいで遅刻はするし、薬のせいで張り込み中に居眠りし、リグスビーを危険にさらす。思い悩んでリズボンに相談しようとするが、結局は思いとどまる。あの~こんなのチョウらしくないですってば。サマーは一つの生き方しかできない女。9時から5時まで働くとか、家事にいそしむというタイプではない。男に仕事や家庭を忘れさせ、絡みつき、骨抜きにするのが仕事。このままずるずるいくとまずいことになるよ。ジョセフ役リチャード・コックスはどこかで見たような。「THE VISITOR」に出ていたようだ。

メンタリスト4の19 冷やしたピンク・シャンパン

何だかグビッとやりたくなるような題名。ほんのり桃の味がしそう。ライアンという男の射殺死体が見つかる。彼はカジノの警備員だったが、麻薬の前科がばれてクビに。警備主任ホームズを相当恨んでいたようで。カジノのオーナー、ショーには黒いうわさもあるが、たぶん無関係。途中で出てくるバーだか食堂だかの男性もくさいが、たぶんシロ。ホームズはいつもなら真犯人でしたとなるところだが、今回は違ってた。責任感が強く、真面目で、落ち着いている。ぶしつけなジェーンの態度にも動じない。うん、このぶんなら彼も犯人でなさそう・・と予想がつく。さて、今カジノではマジックショーをやっている。マジシャンのジャックはジェーンの昔なじみ。彼の様子から、何かあるなとジェーンは気づく。リズボン達の捜査で浮かび上がったのは、ホリーという女性。ルームメイトのシェリルの死体が見つかり、ライアンをめぐる三角関係のもつれかと思われた。しかしジャックの告白によると、ホリーは実は彼の恋人で、誘拐されたとのこと。縛られた彼女の動画が送りつけられ、カジノの金庫を破れと脅迫されている。彼は手先が器用なので、金庫は開けられるが、警備が厳重すぎて金庫に近づけない。プロを二人呼び寄せたが、決行は無理と断られ、困っているところ。事情を聞いたジェーンは、一計を案じ、二人を呼び戻す。マジックショーを利用した計画は成功し、指定された場所へ金を運ぶ。現われたのは・・まあ今回は最後まで犯人の予測はつかなかったな。金庫破りとかマジックショーとか、「スパイ大作戦」や「刑事コロンボ」を連想した。それにしても気になるのはあの二人組のその後。計画を立てたのはジェーンだし、リズボン達CBIも協力している。金が入っていると思われた箱にはリズボンが潜んでいて、あわやという時に飛び出し、犯人を逮捕。金そのものはカジノから一歩も出てないはず。強盗と言いつつ、実際はホリーを救出するため、犯人をだますための芝居。二人はむしろ協力者でしょ。金は手に入らないわ、成立してない犯罪で逮捕されるわじゃ気の毒。こんな弁護したくなるのも、あの二人わりとまともで。犯罪者と言うより職人。さてチョウは赤いバラの花束を用意。サマーへのプレゼントだが、リグスビーでなくても心配になっちゃうよね。

メンタリスト4の20 レッドマンド高校で何かが腐っている

レッドマンド高校の教師マクティアニーが殺される。評判はいいが、「大嫌い」と書かれた手紙を受け取っていたし、車からはドラッグが見つかる。手紙の主レイチェルは、彼が娼婦を買っているのを見て許せなかったと告白。品行方正に思えた人物が、死んだ後でボロボロアラが見つかるというのはよくあること。でも・・マクティアニーは例外だったようで。娼婦は元教え子リンディで、立ち直るよう相談に乗ってやっていた。ドラッグは、いじめられっ子のマーティンが自宅の地下で合成したものを取り上げた。彼は問題児の救済に一生懸命だったのだ。彼には死因とは無関係な殴られたあとがあったが、同僚ラブランドの仕業らしい。彼はアルコール依存症で、ひとけのない男子トイレでマクティアニーに相談したが、なぜか校長スナイダーは知っていて。ラブランドはマクティアニーがチクったと思っている。ぴんときたジェーンは、男子トイレに監視カメラが設置されているのを暴く。どうも向こうではトイレにカメラを設置するのは違法らしい。どうりでよく映画やテレビでいじめの場所になったり、金を巻き上げられたり、クスリが売買されたりするはずだ。リズボンはスナイダーに録画したテープを提出するよう要求。ジェーンはある場面に目を止める。一方演劇教師オースティンの指導で、「ハムレット」の稽古が行なわれている。ジェーンは、ハムレット役ビリーへの、オースティンの特別な感情を見抜く。二人は恋愛関係にあり、それをマクティアニーに知られたのだ。はっきりした証拠はないが、ジェーンは弱い方・・ビリーを攻める。教師が未成年の生徒と関係すると、性的虐待ということになるらしい。「あるスキャンダルの覚え書き」と同じだが、こっちのビリーは向こうのようなワルではない。被害者という自覚はなく、自分も彼女を愛している、守ってあげなくちゃと思っている。オースティン役の人は「キャリー2」のヒロインか。スナイダー役マット・マッコイは「ポリアカ」シリーズのニックだ。ちょっと年取ったな。リンディは娼婦から足を洗う決心をした。マクティアニーの努力は報われる。さて、リグスビーはとうとうパパに。早速赤ん坊のメールが送られ、みんななごやか気分だが、ジェーンはそっとその場を離れる。妻子を失った心の傷がうずくのか・・気の毒に。

メンタリスト4の21 ルビー色の魔法の靴

今回はちょっと変わった内容。車が焼け、ハンドルに手錠で繋がれた死体が見つかる。ジェーンは折れたヒールを見つけ、そばにあった建物に入ってみる。そこはドラッグクイーンのショーをやってるキャバレーで、ヒールはそこのまとめ役グレンダのものだった。そのうち死体の身元がわかる。19歳のアーチーという若者で、線が細く女性的な雰囲気。キャバレーにはガタイのいい連中にまじって、一人若くて細いのがいる。彼がアーチーだってのは見え見え。歯科医のカルテで本人と確認されても、見ている我々は信じない。アーチーの父親は教育家で、勉強させるため椅子に手錠で繋ぐなどしていた。アーチーは父親の虐待を撮影し、パソコンに残しておく。大学をやめ、家を出た彼は書店の二階を借りるが、店主のガブリエルは麻薬を所持し、暴力もふるった。シェルターのアーチーのベッドから日記が見つかり、それを元にガブリエルの麻薬を見つける。シェルターのカウンセラーの女性がアーチーのことを聞かれ、涙ぐんでいたのが印象的。アーチーが働いていた店の店員リックは、彼をさんざんいじめたやつ。アーチーのロッカーにあったフィルムを現像すると、リックが盗みをしているところがうつっていた。こうして三人はアーチー殺しの容疑者としてつかまるが、ジェーンは彼は自殺したのだと断言。ただ、自殺するにしても自分をひどい目に会わせた三人への復讐として、それぞれの悪事の動かぬ証拠を残しておいたのだと。こうして事件は解決したものの、気が滅入っているリズボンを、ジェーンはキャバレーに誘う。あの若いフィフィはやはりアーチーだった。グレンダ達は昼間は別の仕事についている。エンバーミングをやっているグレンダが無縁仏・・死体を調達し、昼間歯科医をやってるのがカルテを改ざん・・アーチーは彼の患者だった。こうしてアーチーは葬られ、フィフィとして生まれ変わった。そりゃあ一種の犯罪だけど、実行に迷いはなかった。「だってかわいそうじゃない」という一言がすべてを表わしている。男と生まれたけれど、ドレスやお化粧が好き。そのせいでどんなにいじめられたことか。彼らにはアーチーの境遇がひとごとには思えないのだ。ラスト・・きれいにお化粧し、ういういしく歌うアーチー。頼もしい兄貴(姉貴?)がたくさんいてくれてよかったね!今回は殺人なし。心が温かくなるステキなエピソードだった。

メンタリスト4の22 さようなら、今まで赤魚をありがとう

今回の題名はどういう意味なんだろう。海辺でジェイという青年の死体が見つかる。彼の勤め先だったサルベージ会社へ行ったら、経営者がリズボンのシカゴ時代の婚約者グレッグで。彼はグレタと結婚し、三人の娘の父親になってる。グレタもリズボンのことは知っているけど、こういう再会って何だか気まずい。途中ジェイの部屋からコカインが見つかり、彼が売人だったことがわかるが、殺人には直接の関係はなし。ここらへんの海域には、お宝を積んだ船が沈んでおり、昔から多くの人が宝捜しに挑戦。ジェーンは、ジェイが誰かと宝を引き上げた後、仲間割れして殺されたんだろうと推理。グレッグが怪しいが、彼はグレタとジェイの不倫を隠そうとしただけ。アーキンという老人が昔見つけた金貨を利用し、ジェーンは罠を仕かける。餌をまいて、引っかかるのを待つ。最近こればっかだな。結局ジェイの大家ランスが犯人だったけど、あんまりすっきりしない。せっかく財宝見つけたものの、ランスは喘息持ちなので、海に入ることはできない。それでジェイに手伝ってもらうが、彼は分け前を半分よこせと要求。たぶんグレタに別れ話切り出され、いらついていたのかも。ただ、財宝見つけて大金持ちになれるって時に、ランスがあんな軽はずみな行動取るとは思えないんだけど。わりと大人しい性格だし。彼がつかまったらお宝はどうなるのかな。今回はリズボンの過去がちょい明かされるわけだが、見ていて印象に残るのはチョウの方。コカインの仕入れ先のことでサマーに質問するが、彼女はいつものように暴走。トゥッキーという男に探りを入れ、ついでに一袋ちょろまかし、殴られてしまう。それを知ったチョウはトゥッキーを叩きのめすが、こんなことをしていたのでは、自分にとってもサマーにとってもまずいというのはわかってる。だから彼女と別れる決心をする。痛み止めの薬は飲んでいないようだから、そっちの方は克服したのか。前回サマーはチョウに内緒で子犬を飼いそうな感じだったけど、飼わなかったのか。飼う必要なんかない。チョウ自身が迷子の子犬みたいだろうが!!サマーは家族の元へ帰るようだ。大学にでも行って、立ち直るのだ。その間にチョウも立ち直るのだ。もう帰って来なくていいからね~!それにしてもヴァンペルト・・情報提供者と付き合うのはまずいってアンタ・・そんなえらそーなこと言えるのかよッ。リグスビーは赤ん坊のゲロをスーツにつけたまま出勤。幸せで仕方がないって感じで、微笑ましいけど、このまま行くのかな。

メンタリスト4の23 赤いかくれんぼ

あと二回でシーズン4も終わりということで、ここらへんで何か一つハデにやっとかなきゃ・・とでも言うような内容。危険物廃棄所で、白骨化した死体が見つかる。手錠をかけられ、生きたままロッカーに閉じ込められたのだ。そのうち身元がわかる。カストロと言い、失踪した後に会社の金を横領していたことがわかった。婚約者マーシーはすでにカストロの同僚イアンと関係持ってる。会社社長が「ツイン・ピークス」などのレイ・ワイズなので、重要な役回りかなと思ったが、何もなかったな。失踪後横領発覚と聞いた時点で、罪を着せられたのだなとわかる。さて、今日はジェーンの妻子がレッド・ジョンに殺された日。「記念日を祝って」というカードのようなものが届いたし、少女に「まだ降参しないのか」という伝言までさせる。少女の前に姿を現わしたということで、情報を得られるのではという期待は、ジェーンによって握り潰される。彼は少女に催眠術をかけ、記憶を消してしまっていた。少女の安全を考えてのことだが、情報は自分だけつかんでいればいいということでもある。その後の行動・・酒を飲み、資料を焼き、火事を起こしかけ、降参宣言する・・は全部芝居。ぼんやりし、物思いにふけっているのは、妻子を思っているのではなく、これからの計画を練っているのだ。カストロの仕事を引き継いだヘイリーが犯人と目星をつけると、棺に閉じ込め同じ恐怖を味わわせ、自白を引き出す。スコップで後ろから殴るなど荒っぽい手段も取る。こんなことは許されないとウェインライトは怒るが、ジェーンはさらに彼をあおり、「クビだ!」の一言を引き出す。でも我々は驚きも心配もしない。誰かの(上からの)目線でうつされるので、ここ・・CBI内にいる誰かに見せるための芝居だとわかる。今まで何度もジェーンに苦い思いをさせられてきたウェインライト。でも彼はいつだって紳士だったし、親切だった。でもジェーンは彼の心をズタズタに引き裂く。彼にとっては人の気持ちも何かの手段。結果を出すためなら・・レッド・ジョンに復讐するためなら何をやっても許されるというスタンス。彼は人の心を傷つけ、人の心を殺す。そういう点ではレッド・ジョンと変わらない。

メンタリスト4の24 赤い制服のウェイトレス

シーズン4最終話と言うことで、詰め込んできましたよ~皆さん、覚悟はいいですかぁ~?前回から時は飛んで6ヶ月後。ベガスで例によって「亡くなったお母さんは君のことを」なんてだまくらかしては金を巻き上げて暮らすジェーン。彼って事務とか肉体労働したことあるのかしら。口先と手先だけで生きてるような。その彼に近づいてきたのがローレライ。彼に引かれたと言ってるけど、怪しさぷんぷん。あッ、ジェーンが彼女と一夜を・・ギョギョッ、番組始まって以来の珍事、椿事。もちろん彼女はレッド・ジョンの手先。でもこれもジェーンには想定ずみ。計画遂行のためなら操も捨てると?一方CBIではウェインライトが、6ヶ月たったし、もうそろそろ許してあげてもいいんじゃないかと弱気。どうやらジェーンがいないと検挙率がぐんと下がるようで・・背に腹は代えられないと?と言うよりウェインライトは気がやさしいのだ。あんな恥かかされたのにまだジェーンを心配してる。ジェーンはレッド・ジョンと会うまでに漕ぎつけたけど、それを邪魔したのがダーシー。FBIに友人がいるというレッド・ジョンのセリフで、見ている者にダーシーを疑わせようという魂胆か。レッド・ジョンと思われた人物は、実はとらわれたウェインライト。ダーシーが撃った弾(たぶん)で死亡。おいおい、なんちゅー展開だよ。座布団が飛ぶほどの大波乱が起きたわけだが、事態はよくなるどころか最悪に。さあ!シーズン5はどうなるのでしょう!・・って、たぶん誰もワクもドキもしていない。あまりにも雑な内容、大丈夫かいな・・と心配する気持ちとしらける気持ちと・・。こういうのを見てる人って、ある程度は目が肥えていると思う。ショッキングなことやスキャンダラスなこととは別に、筋の通ったもの、心に訴えかけるものを求めていると思う。星の数ほどある海外ドラマ・・刑事ドラマの中から「メンタリスト」を選ぶのは、謎が解明され、すっきりするところを見たいからだ。ジェーンの過去に同情しているから、少しくらい脱線しても大目に見る気でいる。レッド・ジョンをつかまえるためならしょうがないよね。でもこの頃の彼はそれではすまなくなってきている。エゴイストぶりがエスカレート。手段を選ばない。結果オーライ。ウェインライトには奥さんも子供もいるだろう。まだ若いから子供は小さいだろうし、両親も健在だろう。ジェーンが直接手にかけたわけではないが、原因を作ったのは彼だ。見ている人のほとんどは、レッド・ジョン本人が現われるわけないと思ってる。どんな綿密な計画立てようが、裏をかかれるおそれはある。

メンタリスト4の24 赤い制服のウェイトレス2

でもジェーンはリズボンの忠告を聞かない。うまくいくと自信持ってる。不測の事態なんて起きるわけないと思ってる。また一つ不幸な家族を作り出したジェーンは、レッド・ジョン以上に死神・疫病神である。条件としてリズボンの首を要求されたジェーンは、劇的な効果を狙ってか、リズボンを拉致する際、リグスビーを殺す。シーズン4をずっと見ている人は、あの死体はどこで手に入れたんだ?などとは思わない。グレンダに調達してもらったに決まってる。でも、何でリグスビー?もちろん家族のいないチョウの方が適しているが、彼はコリアン系だから、適合する死体はそう簡単には手に入らないのさッ。リグスビーの死体を残すことでまわりにショックを与え、リズボンも同じ運命をたどったのだと思わせる。特にCBI内部にいるであろう内通者に。でも・・小さな赤ん坊のいるリグスビーにこんなことさせるなんておかしい。夫(結婚はしてないけど)が殺されたと聞かされ(ニュースで報道されたのだから、知らずにすんだとは思えない)、サラがどんなにショック受けたことか。後で実は生きてる、捜査のためだったのだとわかって、素直に喜ぶとでも?でもジェーンはそういうこと全然考えていない。自分のことだけ。前回、ジェーンの行動がおかしくなった時、リズボンとヴァンペルトの女性二人はとても心配したけど、リグスビーとチョウの男二人は、いつも通りだと問題にしなくて、そこが印象的だった。今回チョウやリグスビーは、(協力するのは)あんたのためじゃない、ボスのためだときっぱり言っていて、それもとても印象的だった。何と言うかジェーンはまわりが見えなくなって、自分に都合のいいようにばかり考えてるけど、チョウやリグスビー、ヴァンペルトは冷めていて。さてダーシーは身長から、死体が別人であることに気づく。お粗末な展開だ。彼女にはいろいろ不審な点があって、彼女こそレッド・ジョンの手先なのではと疑っている人も。以前ストーカーめいた動画が送りつけられ、レッド・ジョンに目を付けられたぞ、危ないぞとなったけど、その後何もなくすんでいる。だから怪しい。リズボン達に内緒でウェインライトにいろいろ命令していたし、それも怪しい。彼女ならウェインライトを簡単に連れ出せる。あの車撃つ時だって、窓の方撃ってからタイヤを撃つ。まず、生きていられると面倒なことになるウェインライトの方から始末し、その後車を止めたと思えなくもない。

メンタリスト4の24 赤い制服のウェイトレス3

あれだけ撃たれたのにローレライが無傷なのはおかしい。彼女はシーズン5で尋問されるだろうが、誰も新事実が明かされるなんて期待しない。振り返って思う。クリスティーナはどうなった?ロザリンドはどうなった?レッド・ジョンは死んでおらず、ジェーンは裁判で偽証したわけだが、それはどうなった?世間的にはレッド・ジョンはまだ死んだままなのか。ラローシュのタッパーのなかみは?「メンタリスト」七不思議には絶対入るであろう、あのタッパー。モンタギューの分析データは?あっちこっちに置き土産。回収されないままほったらかし。今回のローレライだって、たぶんうやむや。うやむやと言えばウェインライトのキャラもそうだった。あの若さであのポスト任されたのは有能だからであるはず。でも、都合のいい時に都合のいいキャラで出してくるだけ。一貫性がない。その上あんな形で退場させるなんて・・呆れてものも言えん。さて・・冒頭のベガスのバーで、ジェーンとローレライが出会うシーンに流れていた曲をご存知か?数年前には車(ジャガー)のCMに使われ、それを聞いた時はびっくりした。最初に知ったのは「ワイルド・アット・ハート」。あの映画はニコラス・ケイジ目当てで見たけど、何が何やらさっぱりわからない。しかもおもしろくない。でも音楽は気に入ったので、サントラゲット。中でもクリス・アイザックが歌う「ウィキッド・ゲーム」にはメロメロ。音程がびみょーに下がるギターの音聞いただけで胸がキューン。アイザックは歌手の他に俳優もやっていて、「羊たちの沈黙」などに出ているらしい。それで早速「羊たち」見直して、アイザック捜し。話を戻して、私いろいろ考えましたの。レッド・ジョンは「メンタリスト」を構築する柱とも言うべき存在。彼とジェーンの関係がメイン。でも、ウェインライト同様レッド・ジョンのキャラも一貫性に欠ける。時々思わせぶりに出てくるけど、何もはっきりせず、次回に持ち越し。その次回も、期待すると肩透かしを食う。そのくり返し。作り手自身がレッド・ジョンのこと決めていなくて、その時々に都合のいいように描写する。レッド・ジョン関係だけでは持たないので(アラが見えるので、見ている者を引きつけられないので)、メンバーの私生活や心理を挟み込む。リグスビーとヴァンペルトの関係の変化。チョウとサマーの出会いと別れ。ではリズボンはどうだろう。彼女のジェーンに対する感情の変化は23・24話で著しかった。6ヶ月間があいたことで、彼女は考える時間がたっぷりあった。

メンタリスト4の24 赤い制服のウェイトレス4

ジェーンの方はやることがあった。クビになったことをレッド・ジョンに信じさせるために、メンバーと接触しなかった。でもリズボンにはこれが耐えられなかった。どんなに心配させられたり怒らせられたりしても、相手が目の前にいるうちはよかった。次が・・仲直りや許しがあった。恋人という感覚はなく、兄妹か姉弟感覚でいられた。ジェーンが女性に心を奪われることはありえないし、奪われたように見えてもそれは芝居か一過性のもの。時がたてば元に戻った。亡くなった妻以上の人は、現われるわけなかった。だから彼を自宅に招いて催眠術をかけてもらうとか、そういう個人的な・・無防備なこともできたし、一緒に閉じ込められても妙なムードになることもなかった。自分の本当の気持ちを見つめる必要はなかった。仕事だから、仲間だからと弁解できた。ところが、彼がいない、連絡しても応じてくれないとなると話は変わってくる。私には何もできないのか、私は拒否されたのか。彼がいなくたって事件は起きるから、通常通りこなすけど、頭のどこかではずっと彼を追い求めている。体の一部が抜け落ちて、ちゃんとした自分じゃなくなってるように思える。彼は兄でも弟でも同僚でもなく、私の一部。私は姉でも妹でもボスでもなく、ただの恋する乙女。そんなリズボン見てると、ジェーンのやってることはウィキッド・ゲーム・・意地悪なゲームとしか思えません。もちろん作り手があそこでこの曲を流したのは、ジェーンとローレライとの邪悪なゲームという意味合いなのかもしれません。二人とも相手をだまし、手玉に取ろうと企んでいて。わたしゃ出てきた時からこの女気に入りませんでした。博愛主義の天使気取ってるけどしらじらしい。一夜を過ごしていかにもな感じで朝食作って、笑顔とは裏腹に残酷なこと平気で言う。対するジェーンも薄汚れた感じで・・どっちもどっち。もうこの時点でジェーンの計画なんかろくな結果にならないってわかる。しめた!ってほくそ笑むジェーンがアホに思える。二人とも邪悪なんだから、このゲーム他人に不幸や被害もたらすだけ。「ウィキッド・ゲーム」の歌詞は、これまたリズボンの心境にぴったりです。「君と出会うなんて夢にも思わなかった、君を愛するなんて夢にも思わなかった、君を失うなんて、君の気持ちが嘘だったなんて、君は何て意地悪なんだ」と言ったようなことをせつせつと歌っております。

メンタリスト4の24 赤い制服のウェイトレス5

この「君」を「あなた」にすれば、女性側の未練そのまんま。ジェーンとローレライの場合は愛でも欲望でもない。計算だけ。でもリズボンは違う。「私がジェーンと出会うなんて夢にも思っていなかった、彼を愛するなんて夢にも思っていなかった、彼を失うなんて、彼の気持ちが嘘だったなんて、ジェーンは何て意地悪なのかしら」・・どうです?これはみんな私の妄想ですが、全くの見当違いってわけでもないでしょ?だからと言って、ジェーンとリズボンが結ばれて欲しいと思ってるわけじゃありませんよ。少なくともレッド・ジョンの件が完全に片づくまでは、リズボンには毅然としていて欲しい。さて、最後の方で気になったのが、ジェーンの一つの動き。つかまったローレライは、何も話さないと自信たっぷり。これまでの経験で言うと、たとえ情報を漏らさなくても、レッド・ジョンは先手を打って手下を殺している。23話でも書いたけどCBIにはたぶん内通者がいる。ローレライもあっさり殺されるのでは?でもIMDbで見ると、何回か登場するみたいで(出てこなくていいのに)。話を戻して、彼女はジェーンを恋人とぬけぬけと言い放つ。一夜を過ごしたことを、リズボンが知らないらしいのを見て取ると、「あらッ、知らないの~」と、上から目線。たぶん彼女は女の勘で、あるいは事前の調査(誰のだよ)で、リズボンがジェーンに特別な感情いだいているのを見抜いてる。ホントは好きなくせに、立場上表に出せないんでしょ、だから私が一足お先にいただいちゃったわよ、私の魅力で裏切らせてやったわよ、どんなもんだい・・と鼻をぴくぴく。ジェーンが黙ってるってことは、彼もリズボンに気があるんだわ、きっと後ろめたく思ってるのよ、ホホホ・・いい気味。優越感に浸っていると、ジェーンが彼女の肩に手をかけて・・たぶん暗示かけて、何言おうとしたのか忘れさせたのよ。でなきゃ言うはず。勝ち誇って言うはず。あっらぁー知らないのぉぉ~?言わないよう細工したってことはさすがのジェーンもこのこと知られたくないのかしら。それともこれらは私の思い違いで、シーズン5ではリズボンはジェーン不信に陥るのかしら。何だか妄想ムードになってきたので、シーズン4はこれにて終了!!