マトリックスシリーズ

マトリックス

巷では二作目が大ヒットしているらしいが、一作目はだいぶ前にWOWOWで見た。期待はしていなかったけど、まさかこれほどひどいとはね。確かに斬新な映像はすばらしいと思う。でもそれを取り去ったら何が残るの?モーフィアスのありがたそうな言葉?キアヌの特訓したという中国武術?出てくるおぞましいものはエイリアンみたいなドロドロか、長い繊毛ワサワサかだいたいこの二種類が相場だけれど、ここでは後者だった。結局同じものしか考えつかないのね。いくら倒しても生き返る相手を見ていると、テレビゲーム感覚で作っているんだなと思えてくる。最近民放でもやったが、太極拳をやっている人は皆思っただろうな。あ、白鶴亮翅だ・・って。少しかじっている者の目から見ると、あの一連のシーンはひどいです。もちろんキアヌのせいではありませんけどね。知識をインプットすればたちまち達人という設定には笑ってしまいます。生まれたての赤ん坊に歩き方をインプットすれば歩き出すんですかね。二作目では空を飛んでるみたいだしね。でも大事なことを忘れちゃいけませんぜ。例えば筋肉。この頃ではあんまりいないけど、少し前までは女性が太極拳を習いに来る目的はずばり「やせたいから」だった。テレビでは決まって16キロやせただのウェストが細くなっただのとオイシイことを言うので、勘違いしてやってくるわけ。ある人に起こったことが自分にも起こるとは限らないのに、皆錯覚するのね。私自身の経験で言うと、太極拳をやると太腿が「太い太腿」になる。モデルみたいな「細い太腿」にあこがれている人はやめた方がよろしい。ジーパンが裂けた・・なんていう女性もいるくらいですから。てなわけであの時点でネオの体型がそのままということはありえないのだよ。私でさえスケート選手みたいな(誇張してます)太腿所持者になるのだから。ああいう映像表現ができるのならネオの体型がそれらしく変わるところまでやりなさい。それにしてもコピーの「なぜ気づかない」には笑ってしまう。内容がカラッポだってことに気づかないからこそ宣伝に乗せられて二作目にも押しかけているんでしょ。ところで女性の場合はやせたいとか美しくなりたいとか、それでも動機がかわいいけど、男性の中には超能力みたいなのを期待している人もいる。山にこもって修行するんならともかく、練習の帰りに一杯やってるような普通人には会得は無理だと思うよ。

マトリックス2

これを書いてから10年以上たつ。WOWOWでやったので久しぶりに見た。この頃のキアヌはまだういういしい。この後しばらくはこの状態を保っていたが、少し前すごく太ってあごがなくなっていて、キアヌもとうとうその時が来たか・・とショックだったが、今はどうなのだろう。最初見た時は、管に繋がれて生かされている人間達・・と言うか、スキンヘッドのキアヌにびっくりしたくらいで、あとは全然。アクションシーンも映像美も、今回見ても何とも思わない。武術もどきのシーンは苦笑するしかない。あの後ろに掛かっている軸には何て書いてあるのだろう。”敬遠日”?違った。”勝速日”らしい。くり広げられる「死亡遊戯」もどきのシーンではなく、文字の判読にいそしむ私。主人公には二つの顔がある。ソフトウェア会社で働くアンダーソン。もう一つの顔は腕利きのハッカー、ネオ。あ、でもモーフィアス達と出会った後、ハッカーとしての腕前は発揮されていたっけ?ネオ達人間は、今が1999年だと思っているけど本当は違うらしい。人工知能が人間を栽培しているらしい。人体の出す電気エネルギーを動力にしているってこと?現実の世界は不毛で荒廃していて、太陽の光も差さないようだ。ただ、人間達の住むザイオンという街がどこかにあるようで。かわされる言葉はあいまいで、どうとでも取れる。預言者の老女の言葉もわかりにくい。ネオは人類を救う救世主ではなかった。でもモーフィアスは彼がそうだと固く信じ込んでいる。トリニティは、彼女が愛する人が救世主なのだと預言者に言われたらしい。そう思って見れば、彼女の表情は「この人が救世主なのかしら」ではなく「この人を私は愛するのかしら」という疑問・とまどいを含んでいるように見える。それにしても一度死んだネオを生き返らせるのが、彼女のキスと「愛している」という言葉なのは・・。昔はお姫様を目覚めさせるのは王子様のキスだった。今は逆なのだ。と言うか、キアヌはお姫様なのだ!肌は白いし・・シラユキアヌ!とにかくネオは生き返る。救世主として生まれたのではなく、救世主になったのだ。

マトリックス リローデッド

ウーム、何じゃこりゃ。一つ一つがいやに長いと思ったら・・繋ぎなのね。たぶん一作目が大ヒットしたので、製作費も大幅に増えたんだろう。顔ぶれがやや豪華になってる。ランベール・ウィルソンとモニカ・ベルッチで倦怠期の夫婦とか。さて、ネオはトリニティが死ぬ夢を見たせいで思い悩む。一作目と違い、二人はイチャイチャベタベタ。人前ではそ知らぬふうを装うが、二人きりになりたくて仕方がない。そのうちザイオンに行くが、地下の巨大な洞窟か。人間を栽培する施設に似ているような気もする。跡地を利用したとか。何となく「ダークシティ」風味。ネオが救世主だといううわさが広まったのか、捧げ物やら陳情(←?)が殺到。でもホントはボクはトリニティとイチャイチャしたいんだも~ん。他の連中も太鼓叩いてどんちゃん騒ぎ。そのうち熱く妖しいムードに。これがネオ達のイチャイチャと交互に、しかも延々と続く。こら時計係いいかげんにストップかけろ!一作目のカチッとした禁欲的なムードはどこへやら、今回はやわらかいところも見せますね・・って余計なことせんでいい!ウィルソンがレストランでべちゃべちゃしゃべるシーンでは、女性客の体の奥に火がつく・・みたいな下品なシーンをわざわざ入れる。ベルッチも美貌以上に美尻が強調される。パンパンに張った丸く大きなヒップ。お尻と言えばその昔総合太極拳の講習会でどこぞのジイチャンが質問してたな。歇歩摛打でかがむ時、かかとにお尻を近づけるが、右の尻か左の尻か、それとも中間か・・ってね。そんなこと思い出すくらい、この映画にはなかみがない。アクションシーンは屋内だけではないぞよとばかりに高速道路を使ってハデにくり広げる。うじゃうじゃ出てくるエージェント・スミス、ネオは空を飛ぶ。もう笑うしかない。トリニティは夢の通りに死ぬが、ネオのキスで生き返る。そうか、モーフィアスが死んだらネオがキスすればいいのだな?出演者で目が行ったのは、セラフ役の人。調べてみたら「ヒート HEAT」に出ていたコリン・チョウだった。やはり本物は動きが違う。他に「地球最後の男 オメガマン」のアンソニー・ザーブ、ジェイダ・ピンケット=スミス、「ブラックリスト」のハリー・レニックス。ローレンス・フィッシュバーンの奥さんも。

マトリックス レボリューションズ

「リローデッド」の続きのはずだが、ちゃんと繋がってます?「リローデッド」見たばっかなのに、もうどんなラストだったか思い出せない!預言者が別の人になってるけど、病気で死亡したかららしい。セラフがまた出ているのがうれしい。だって他の人のアクション不自然なんだもん。吊られてます、回されてますって見え見え。だから本物のアクションを・・と期待して見ていたら・・あら?死んじゃったのかしら。最後の方でまた出てくるけど・・ろくに見せ場なかったってことで・・残念。ストーリーはわけがわからない。セリフからして「私にはわからない」だの「わかってるはず」だの、聞いていて(吹き替え版だからね)イライラムズムズ。いったい何を言いたいんじゃ~!!要するに逃げてる。誰かと誰かの別れのシーンでも、どこへ行こうとしているのか、何をしようとしてるのかわからん。スミスはコピー能力を得て、どんどん増殖している。彼は言わばマイナスのネオなのだそうで、じゃあ合体すればプラマイゼロか。合体シーンが出てくるのか。どこが合体するのだ(こらこら)。増殖したスミスは、ただいるだけで何もしてなかったような。途中で超メガトン級の戦闘シーンがあるので、ネオとスミスのバトルは見劣りがする。雨がバシャバシャ「火山高」風味。戦闘シーンはイワシの大群?イカの大群?それとジェットモグラもどき。ポット~ン。ものすごいってのはわかるんだけど、マシンを操る人間が防具ゼロっていう・・初歩的な部分でもう乗れない。ネオが向かったのはどこ?マシーン・シティ・・顔みたいなのがうつるけど、あれは何?花火大会やってるぞ。人工知能にとっても、スミスは手に負えなくなってるから、ネオがスミス倒す代わりに人間にも自由与えるとか?スミスが人工知能にとって厄介者だという描写あった?ところでトリニティは死んじゃいます。別れのシーンが延々続くけど、プラマイゼロなら自分だって助からないってわかってるはず。ボクもすぐ君に追いつくから、今はさよならとは言わないよ・・となるのでは?最後はネオもスミスも「ザ・キープ」でしたな。人間どもは「戦争は終わった」と大喜びしていたけど、バカだねえ。今度は絶対人間どうしで戦争始めますってば。

マトリックス レザレクションズ

たぶん多くの人が「何で今更?」と思ったのでは?それとも多くの人が待ち望んでいたのかな。ブームが再燃したようにも思えんが、田舎だから伝わってこないのかも。そう言えばキアヌは「ビルとテッドのなんちゃらかんちゃら」の新作にも出ていたな、見てないけど。「マトリックス」だから2時間以上ないとサマにならないんだろうけど、見てるのつらかったです。だって何が何やらさっぱりわからないんだもの。しゃべってることの意味もわからない。前作の結末も覚えていないし。ゲームデザイナーとして単調な日々を送っているアンダーソン。その彼は実はネオで、でも自分ではそのこと忘れてる。彼が覚醒しないと話始まらないんだけど、そこまでがいやに長い。キアヌは長髪はともかくあのヒゲ見てるとこっちまで顔がかゆくなる。で、覚醒すればトリニティのこと思い出すから、彼女を助け出したい・・となるわな。仮想空間では彼女は夫も子供もいるから、もしかしたら現実に戻るのを拒否するかも・・って拒否するわけないじゃん。二種類のクスリを出してきてこれを飲めとか迫られるのは見ていていやだったな。日本はほら、ダメ、絶対の国じゃん。病気治療の薬はいいけどさ。あの汚い言葉連発のむさいオッサンはランベール・ウィルソンかね。他の続投はジェイダ・ピンケット=スミスくらいで、スミスもモーフィアスも新しくなってる。キアヌもモスも精いっぱい若作り。でも時々見てはいけないものを見てしまったような気にさせられる。クリスティーナ・リッチはどこに出ていたんだろう。あの「(マトリックス)5もあるかも」なんて言ってた女性か。出番いやに少ないな。今回活躍するのはバックス。あれ?この人「ルイス警部」の「ネメアの獅子」に出ていたクロエにそっくりだぞ。調べてみたらやっぱり彼女。ジェシカ・ヘンウィック。アナリストがニール・パトリック・ハリス。いくら壮大な世界描いていても、結局は二人の愛の世界に話が落ち着いちゃうってのがねえ。ビルの屋上で朝日だか夕日だかに照らされて二人は見つめ合い・・キスをし・・。キスの間は弾も飛んできませんてか?関係ないけど最初の方で夜なので看板と言うかネオンがうつって、何となく「ダークシティ」思い出させてムヒヒでしたな。そう言えばあっちも一人の男の覚醒の話だった。ポッドならぬバスタブで目覚めた救世主。