ミディアム シーズン5

ミディアム5の1 魂の交換

冒頭の昔のテレビ番組・・関係があるのかないのかビミョー。アリソンを惑わせ、ついでに見ている我々も惑わせようってか?シーズン4の最終話であれこれあったのかデヴァロスは検事に復帰し、ジョーの仕事はうまくいきそうなようで(私は最終話は見てないのでこれ以上は書かない)。デヴァロスは友人ガブリエルの妹ロビンが殺された事件を、スキャンロンとアリソンにまかせる。事件が起きたのは半年前だが、無能な(たぶん)ヴァン・ダイク(デヴァロスの前任者)は何もしなかったのだろう。アリソンは次々に夢を見るが、思い違いばかりする。見ている我々も、いろんな人が出てくるし、冒頭のテレビ番組のことがまだ頭にあるものだから、混乱する。ガブリエルの夫で作家のネイサンは、車の正面衝突事故で即死する。相手の車を運転していたのはジョエル。彼が事故の相手だとは誰も知らない。逃げる際彼はあたりに散らばっていた原稿を持ち去る。ネイサンの自伝の原稿だが、存在は誰も知らない。テレビのニュースでガブリエルが大金持ちだと知ったジョエルは、自伝の内容を暗記し、ネイサンの生まれ変わりと偽ってガブリエルに近づき、結婚する。ガブリエルはすっかり信用し、喜びのあまり妹ロビンにしゃべってしまう。実はロビンはネイサンと浮気していたのでジョエルを誘惑しにかかる。自伝には浮気のことは書いてないので、ジョエルはロビンとのことは何も知らない。見破られ、彼女を殺してしまう。夫の生まれ変わりと称する人物の登場にゆれるおんなごころ・・何だか「記憶の棘」みたいな設定だ(あっちは殺人はないけど)。あれも結局はぺてんだったし。ジョエルはさほど悪人という感じはしない。ガブリエルに近づいたのは金目当てだが、ちゃんと大事にしているし(たいてい今度はガブリエルを殺しにかかる)。浮気をしたり誘惑したり言いつけるなどと騒ぐロビンの方がよっぽど悪女だ。誘惑されても妻を愛しているから・・と断るジョエルは偉いが、結婚してから何もしないでいたのはちょっと怠慢だったね。事故のショックで何も書けなくなった・・記憶に飛んでいるところがある・・くらいの芝居、普段からしなくちゃ。今回の副ストーリーはブリジットが描いた絵が一騒動起こす。ちょっとしたことで向こうの先生は両親呼び出したり、セラピーの用意したり。我々から見ると騒ぎすぎだな。

ミディアム5の2 見ていた男

アリソンは男性が死ぬ夢を見る。しかし病院での出来事なので、犯罪とは関係なさそう。ほうっておいてもよさそうだ。次に見たのは、車の中で中年男が女性を殺す夢。この男は変態なのか女の首をしめ、ぐったりすると我に返ってあわて出す始末。女を車から降ろし、人目につかないところへ投げ捨てるが、そのせいで息を吹き返したようだ。今度は男は石で女を殴り殺す。こういう夢はアリソンにとっては珍しくないが、今回妙だったのはこの光景を見ている別の男性がいたこと。しかも病院で亡くなったあの男性である。その後女性の死体が見つかるが、爪ははがされていた。男の顔を引っかいていたから、爪の間からDNAが採取できる・・というアリソンの当てははずれてしまった。夢は最後まで見なくちゃ・・とスキャンロン。アリソンは病院で亡くなった男性を捜すことにする。死体発見現場のヤジ馬の中にもいたし、彼はきっと霊なのだ。つい最近病院で死亡した・・。しかしそれらしい患者は見つからない。いや、見つけたが彼は生きていた!しかも彼スワードはその病院の医師だった。・・今回はなかなかおもしろかった。まず男性が生きてるのか死んでるのかよくわからないのがいい。じっと見ているだけの静かで謎めいた存在。ハンサムだけど地味で気の弱そうなところもいい。最初うつった時はジョーかと思った。どことなく似ている。ジョーが死ぬ夢?大変だわ!それにしてはアリソン騒がないけど・・あら?別人?・・なんて。彼サム・トラメルは「エイリアンズVS.プレデター」に出ていたらしい。ん?出ていたっけ?調べてみるとケリーの夫の役。妻が復員してきたその夜エイリアンに殺されちゃった気の毒な人ね。こういう感じのいい人に活躍して欲しかったのにあっけなく退場・・と残念に思った記憶があるわ。今回のスワードも気の毒な境遇。まだ若いのに脳腫瘍に侵され、あと一年くらいしか生きられない。気がかりなのは家族のこと。彼はまだ研修医。このまま死ねば奨学金の返済義務や住宅ローンが妻にのしかかるだろう。子供もまだ幼い。何とかお金を作れないものか。ところが微量の筋弛緩剤で心臓が止まって仮死状態になると、どこへでも行けることに気づいた。3分以内に処置してもらえば蘇生できる。同僚のヴィクトリアと組んで殺人の現場に居合わせ、後でそれをネタにゆする。今回もすでに男に爪を送りつけ、5万ドル要求していた。

ミディアム5の2 見ていた男2

アリソンは彼の苦境を察し、犯人を教えるのと引き換えに彼のことは黙っていることにする。ただしこれ以上くり返さないこと。気の毒なのは(?)犯人である。殺人でつかまるのは自業自得だが、5万ドルは取られ損だ。彼には自分をゆすったのが誰か、永遠にわからないだろう。アリソンとの約束にもかかわらず、スワードはヴィクトリアにあと一回・・と懇願され、仕方なく承諾する。次の獲物はすぐ見つかるが、3分たっても処置がされない。ヴィクトリアの裏切りで彼は本当に死んでしまう。結局ヴィクトリアは5万ドルを一人じめすることにしたのだ。無理にスワードに二回目を持ちかけ、霊の状態では何もできない(見ていることしかできない)のをいいことに、蘇生処置をせず、見殺しにしたのだ。元々彼女はスワードと違って不治の病でもないし、心配しなければならない家族がいるわけでもない。仮死状態という危ない状態になるわけでもない。純粋に金だけが目的だったのだ。何と冷酷で計算高い女だろう。人の命を預かる医師だと言うのに!もちろんそんな彼女はむくいを受ける。メキシコへとんずらしようとしたがアリソンに阻まれ、お金は・・まあここらへんは小気味よかった。欲を言えばこの時のヴィクトリアをスワードが無表情にじっと見ている・・自分の妻を悲しそうに見ている・・ってふうにして欲しかった。つまりトラメルの出番欲しかった(何で出さないんだよッ!)。仮死状態では・・というのはプッシュ警部と同じ設定。本当にそうやってどこでも自由に行け、全知全能みたいな存在になるのかな。例えなれるとしても試そうとは思わないが。生身じゃだめだけど魂なら・・というのは「菊花の約」や「ギフト」思い出す。アリソンが霊だと思って話しかけたら生きていたというのは「ザ・サイト」思い出す。弁護士や医師になるため学費を奨学金で賄い、首尾よくなれたとしても今度は莫大な返済が待っているというのは女性雑誌で読んだことがある。華やかな職業に見えても裏ではけっこう大変だったりして。スワードも妻に事情を話し、返済義務が行かないよう表向き離婚するとかそういう手もあったんじゃないの?なまじお金を手に入れようとして死期を早めちゃったね。副ストーリーは授業の課題でアリエルとペアを組むアダムがマリファナやっているのに気づいたジョーが、彼に引導を渡すというもの。こういう時のジョーは非常に頼もしい。

ミディアム5の3 刻まれた罪状

冒頭長々とニュースと言うかドキュメンタリーみたいなのを流すのは1話と同じ。これから見る夢の解説・ヒント・・こういう夢の見方ってあるのかな。さて、人間にはよくないことだとわかっていてもやってしまうことがある。例えば甘いものが食べたい(将来は肥満)、タバコを吸いたい(将来は呼吸器系疾患)、自分を傷つけたい(そりゃ他人を切り刻むよりはいいけど)。アリソン自身にかかわってきたのは、父親に虐待されているアーロという少年の夢。父スローカムは世間に対し何やら不満を持っているらしく、判事を誘拐し、殺したりする。アーロは父との生活がいやでたまらないが、逃げ出すほどの勇気はない。単純な父とは違い、彼には緻密な頭脳と器用な手先があった。電子レンジの部品と肥料を利用し、手製の爆弾を作ってしまう。アリソンは殺人事件の現場近くに捨てられていた電子レンジになぜか強く引かれ、持ち帰る。スーパーで買い物をしているとある品物が光って見え、買わずにはいられなくなる。ジョーはアリソンのやっていることが起爆装置作りだと見抜き(さすがジョー!)、やめさせる。見つかった死体はスローカム。彼は判事殺しの他に連邦裁判所を爆破し、17人の命を奪い、逃走していた。アーロは父から逃げ、名前もデヴィッドと変え、今ではジョーの仕事の大事なパートナーでもある。彼がアーロだと見抜いたアリソンは、父親殺しにかかわっているのではと疑い、ジョーの仕事より自分の仕事を優先させ、事情聴取のため検事局へ呼び出す。内密にというデヴィッドの願いも空しくマスコミに情報がもれ、彼は引越しせざるをえなくなる。父親を殺したのは彼ではなかったが、爆弾魔・誘拐殺人犯の息子ということで取材・非難が殺到したのだ。虐待を受けている者がなぜ逃げ出さないのか、なぜかえって相手に取り入ろうとするのか(アーロが爆弾を作ったのは父に気に入られたいからだ)。そういう心理は新聞記事等でしばしば見かける。美しくやさしい妻、かわいい二人の子供、めぐまれた才能・・一見幸せそうに見えるデヴィッドだが、17人の犠牲者の霊に取りつかれ、心の休まる時がない。アリソンの能力がデヴィッドを救うのに役立たず、かえって不幸を増すというのはどうもねえ・・。ジョーの仕事にも大打撃だ。ホッとする結末希望!若いアーロを演じたエンツォ・ロッシはパトリシア・アークエットの息子だそうな。母親に似てかなり小柄。

ミディアム5の4 空白の時間

シーズン5はこのエピソードだけ見逃して。つまり文字通り空白だったけど、再放送のおかげで見ることができた。先の読めないストーリーなので、その点では楽しめたけど、かなり強引。スーパーで買い物した後、目が覚めるまでの6時間・・アリソンには記憶がない。頭を打ったのか大きなコブが・・。どうも自分は車で誰かをひき殺したらしい。ディヴという青年の死体が見つかるとアリソンはパニクって騒ぎ立て、ジョーを悩ます。そのうち車が見つかるが人をはねたあとはなく、一安心。バッグも見つけるが、中には手首が・・。マリアという女性の手首のない死体が見つかる。雇い主へクターは刺されて重体。どうやらアリソンはへクターに殺されたマリアに乗り移られ、へクターを刺したらしい。やだ、彼が死んじゃったらどうしよう!私が殺人犯?と、またまたパニクってジョーを悩ます。一方アリエルは仮免取るためジョーに練習手伝ってもらうが、霊能力のせいでジョーの考えてることがわかるのでうまくいかない。仕事から帰ってきたジョーにせがみ、もう夜だから危ないと断られると泣きそうに。じゃあ明日の朝と言われると喜ぶ。今回のジョーは本当に気の毒。二人に振り回されている。二人に共通しているのは自分のことしか考えていないこと。私が殺しちゃったのかもどうしよう!パパは私の相手するのがいやなのね!仕事で疲れ、疲れを取るため眠らなくちゃならないのにたたき起こす。車の中ですねて口論になる(危うく事故りそうになる)。アリソンの場合、何回か夢を見ているうちにあいまいだったことがまとまってくるとこれまでの経験でわかってるはずなのにやっぱり騒ぐ。「待つ」ことができない。「学習しない」彼女はこれからもパニクり、騒ぎ立て、ジョーをたたき起こすのだろう。今回のジョーは都合のいい人に描かれているが、もし現実にあんな生活送っていたら不眠やストレスで体調崩すだろう。シーズン6の予告では、事件以外のこと・・家庭内でもあれこれ問題続出・・みたいなこと言ってるが、私はそういうのはいやだな。ファミリードラマじゃあるまいし、事件をメインにして欲しい。アリソンだけでなくアリエルやブリジットまでジョーを悩ますのは見たくない。まあとにかく・・今回はアリソンの「空白の時間」と言うより、ジョーの「苦難の時間」でした。睡眠くらいまともに取らせてあげて!

ミディアム5の5 愛の形

題名通りいろんな愛の形を描いている。夫婦間の、恋人間の、親子間の、そして血はつながっていない者の間での。そうやって各種出してくるのだが、ややごちゃついた印象を受ける。うやむやで終わってしまうジョーの不眠症(あんなふうに不意に眠り込んでしまうのは異常だろッ!)、妊娠したリンと、それをなかなか受け入れられないスキャンロン。欲張らずどっちか一つのエピソードでよかった。今回の事件と対比するなら後者だろう。私自身の好みで言うと、スキャンロンにはあまり私生活の色を出して欲しくない。アリソンが電話するといつも出て、夜も寝ないような、食事もしないような、仕事だけの男の方がいい。初期のキャラはそうだった。それがいつの間にかリンと恋人関係になり、もめたり悩んだり。当然と言えば当然だが、それだと彼もただの人間で、魅力がうすれる。この先パパになったスキャンロンなんて見たくないけど、今更後戻りはできないか。リン役の人は本当に妊娠しているらしく、太ってきた。彼女も最初の頃とはキャラが変わってきている。・・デヴァロスのところへ友人で議員のリーミングが頼みごとに来る。娘のメレディスが数日前から行方不明なのだ。そのうち帰るというメールは来ているが、今までそんなふうに姿を消したことはない。世間体もあるので警察沙汰にはしたくない。デヴァロスはこの件をアリソンとスキャンロンにまかせることにする。メレディスは一年ほど前ドンと結婚した。ドンと前妻クレアの間にはフィービーという娘がいるが、重い心臓病で移植を待っている。その心痛でクレアは失踪。そのまま離婚が成立し(ここらへんややお手軽。そんなにすぐ離婚成立?)、ドンはメレディスと再婚したのだ。彼女はフィービー担当の看護師だった。今回は夢が順番通りに見せてくれるので、アリソンは何もしなくてすむ(これもお手軽すぎ)。汚染された湖から遺体が見つかるが、二年もたってるのに原形とどめすぎ(保存料で汚染されていたのかよッ!)。結婚指輪から(はずしておかなかったのかよッ!)クレアとわかる。こうなると疑われるのはドン。メレディスと結婚したくて妻を殺したのか。しかし彼は否定する。ドン役の人はちょっぴりウェントワース・ミラーに似ていてオヨヨとなる。目に力がありなかなかよろしい。出番が少ないのはよろしくない(もっと出せ!)。

ミディアム5の5 愛の形2

こういう時(犯人ではないかと思われる人物に会う時)、アリソンはヴィジョンが見える時もあるが、今回は何も見えない。そういう時握手とか接触を試みないのか。握手してるのスキャンロンだけ。物足りない。メレディスの母ルイーズはフィービーを実の孫のようにかわいがっている。ルイーズ役はブライス・ダナー。彼女が出ていることでこのエピソードはぐっとグレードアップした。メレディス役の人は美人だが演技は平板。しかしダナーは違う。上品で知的で愛情にあふれている。強さとはかなさが同居し、演技に幅・厚みがある。アリソンはメレディスがクレアを殺す夢を見る。ここでもまだドンは分が悪い。今妻が前妻を殺したと知り復讐したのでは?次の夢ではメレディスがフィービーに牛乳を飲ませ、その後具合が悪くなったことから、ルイーズが娘を疑い始める。まま娘に少しずつ毒をと言うのは「シックス・センス」風味。たまたまルイーズがいたから娘の不審な行動に気づいたけど、人前で毒を飲ませようとしますかねえ。これだけ見せられてもアリソンはまだ別のこと考えてる。そうか娘がよからぬことをしていると知ったルイーズがメレディスを逃がしたのか。最後にダメ押しの夢を見る。ルイーズがメレディスを殺したのだ。いくら何でもこれでアリソンにもわかるだろう・・ってか?リーミングやルイーズは一人娘メレディスを甘やかした。育て方を間違ってしまったわけだが、メレディスに人間として大事なものが生まれつき欠けていたのも確かだ。メレディスはクレアに毒だと言ってコーヒーを渡す。言われた方は冗談だと思う。でも本当に毒が入っている。ルイーズの家ではフィービーを喜ばせようとプールを作り始めた。「娘にはしないことを孫のためにはするのね」と皮肉り、その後「冗談よ」とつけ加えるが彼女の場合本心なのだ。彼女はいつも注目されていたい。自分が中心にいなければいやなのだ。ルイーズの関心がフィービーに行くのががまんできない。クレアを殺したのもドンやフィービーの関心を引きつけたかったからだろう。こういう異常な性格になぜなったのか描写して欲しかったがそういうのは全くなし。子供の頃とかドンとの出会いとか(もう一度言うがドンの出番はもっとあってもよかった)。でも不眠症やら妊娠やらそっちの描写に忙しく触れずじまい。残念。

ミディアム5の6 世界の終わり

冒頭部分は最終戦争でも起こったのかという感じ。外は荒廃し、食料はなく、アリソンは行方不明だ。しかしこういう時でも理性を失わないジョー。今回のジョーはやたらカッコいい。カッコいいと言っても外見ではなくて(いや、外見もいいけど)なかみが。ものの考え方、精神のありようが・・。夢から覚めた直後地震があり、ますます不安になるアリソン。今起きているドンリン一家の事件は奇妙だった。家の中は血だらけで明らかに事件があったのに遺体がない。そのうち見つかるが、硫酸で溶かしたため原形をとどめておらず、一家四人分・・と推測するしかない。あまりのむごさに人間の仕業とは思われないほど。さてアリソンは防災グッズを大量に買い込み、ジョーを呆れさせる。次の夢では店の主人ラッセルがゾーイという少女と二人で地下室で生きのびていた。近いうちに最終戦争か大災害が起きるに違いない。自分や家族を守るため銃も用意しなくちゃ・・とパニくる。しかしジョーは断固反対する。強盗を撃つより自分や家族を(暴発等で)撃ってしまう確率の方がずっと高いからだ。今回のアリソンは気分の浮き沈みが激しい。ちゃんと向き合うジョーは偉い。日本ならたいていの夫は妻の頭が冷えるまで知らん顔しているだろう。ラッセル役デヴィッド・ウォーショフスキーはほんの少しスティーヴ・レイルズバックが入っていてオヨヨとなるが、どこかで見たような・・。「96時間」や「クアドロフォニア」に出ていたらしい。ラッセルは災害時の心がまえなど説得力のある話ができるので、アリソンもついその気になってしまう。結局彼がゾーイに世界の終わりが来たと思わせ(アリソンがその気になるくらいだから少女をだますのは簡単)、地下の一室に何年も閉じ込めていたことが明らかになる。偶然外に出たゾーイにからくりがばれ、殺してしまうが、やっぱり同じことがしたいからまた少女をかどわかす。それがドンリン家の娘サラ。硫酸で溶かしたのはサラのぶんがないことをごまかすため。副ストーリーはアリエルがクラスのハンサムな男の子ギャビンにポーッとなって、知らぬ間に試験の不正を手伝わされてしまうというもの。青春の一コマと言ってしまえばそれきりだが、面食いのアリエル・・この先どれだけ利用されるのか(なかみを見なさいッ!)。一方色気より食い気のブリジットはマリーを巻き込んで非常用食料の味見にせっせといそしむ。そこは笑えた。

ミディアム5の7 私刑執行人

今回は後味が悪い。クーパー捜査官(カートウッド・スミス)がまた出てくる。私は「直感とひらめき」しか見ていないので、彼の死のくだりは知らない。霊となった彼はアリソンの前に現われ、仲直りしたいような感じで、未解決事件の犯人を教えてくれる。その頃のアリソンは、誰かに自殺を強要されている男女の夢を見ていた。実はクーパーは、ブランドンという高校生にその男女はこれから何人も人を殺すから、その前に自殺に見せかけて殺せと指示していた。アリソンに手柄立てさせたのは、ブランドンから気をそらさせるため。ブランドンは最初本気にせず、無視したら次の日ニュースで殺人事件を報じていた。言う通りにしていれば救えたのにと後悔し、失恋してこれから恋人やら居合わせた人やらを殺すはずのアダムと、鬱病でこれから16人も殺す看護師レイチェルを殺す。迷いはあるが、クーパーはうまくそそのかす。もう死んでいて、ある意味万能なクーパーが相手ではアリソンも分が悪い。ブランドンの良心に訴えかけるしかないが、あまりうまくいかない。見ていてもうちょっと何とかなっただろうにという気はする。これから殺人を犯す者を前もって葬れば、多くの人命が助かる。これは正義だ・・というのがクーパーの言い分。では将来確実に殺人を犯すのなら、生まれたての赤ん坊でも殺すのか。そのうちブランドンはアリソンまで殺そうとするが、彼女は殺人犯でもその予備軍でもない。クーパーにとって邪魔なら殺人犯でなくても殺していいのか。あるいはブランドンがつかまってもクーパーには何の影響もない。彼は死んでいるから罪には問われないし、ブランドンには何の申し開きもできない。罪を全部ひっかぶることとなる。これらのことをなぜアリソンは強調しないのか。ブランドン役はチャーリー・マクダーモット。ジョシュ・ハートネットをひ弱にした感じ。顔も声も演技もいい。「フローズン・リバー」に出ているらしい。ブランドンのことはあまり説明されない。父親はいなくて母親は息子より恋人が大事。ほったらかしにされているが、クスリもやっていないし色気づいてもいない。変に崩れたところはなく生真面目。自分はすごいことをやっているのだといううぬぼれはあるが、良心は残っていて心はゆれる。なまじ霊能力があるせいでクーパーに利用される気の毒な少年。あんな救いのない結末にはして欲しくなかった。クーパーはまた出てきそうだ。

ミディアム5の8 真実ゲーム

テレビの「真実ゲーム」という番組・・ウソをつくと機械が感知してブザーが鳴る。朝起きたアリソンは、誰かがウソをつくと頭の中でブザーが鳴るのに気づく。ミルクを飲んでいないと言い張るブリジットだが、アリソンの頭の中はブザーの連続。でもブザーなしでもわかるのだ。ブリジットの上唇にはミルクのヒゲがくっきり・・ここはかわいかった。ポール、リンゼイのバーク夫妻が死体で見つかる。物取り目当ての殺人とスキャンロンは見ているが、この二人はアリソンの夢に出ていた。身元の確認に呼ばれた友人夫婦マイケルとジュリーもだ。夢ではジュリーが「真実ゲーム」の回答者。バーク夫妻の別荘でその番組を見ていた四人は二人組の侵入犯に襲われ、ジュリーはそのうちの一人にレイプされてしまう。スキを突いて銃を奪い、二人とも撃ち殺す。そのうち、現場から発見されたDNAにより、バーク夫妻を殺したのは前科者二人の仕業とわかる。しかしアリソンの夢では二人はジュリーに撃ち殺されている。バーク夫妻を殺せるわけがない。いつものことだがアリソンの夢は分割なので、真実が見えてくるまでいろいろ寄り道する。それでいて最後の方はかけ足で、え?え?・・となってしまう。あの100万ドルは?二人がどこかから盗んだの?何で別荘に?隠れようと思ったのかな・・でも人のいない場所捜すでしょ普通。金を見たポールは、二人の死体を埋め、金を山分けしようと言い出す。警察に届け出るならジュリーがレイプされたこと、一人は正当防衛にしても、もう一人は丸腰で命乞いしてたのに撃ち殺したとばらすぞ。その時はポールの言葉に引きずられ、言う通りにしてしまったマイケル夫妻だが、ジュリーのセラピー代等でお金を使い果たし・・でも100万山分けで50万ドルだぞ。半年でなくなるか?思いあまったマイケルは金を奪おうとバーク夫妻を殺害、罪を死んだ強盗達に着せようとしたのだ。最後はジュリーのぶんまで罪を引っかぶるが、こういうのはいけませんな、気の毒すぎる。どうせならジュリーがマイケルに「愛してるわ」と言った時、ブザーが鳴れば最高にブラックでよかったのに。ジュリーは夫に強盗殺しの罪をかぶってもらい、刑務所へ行かずにすむけど、新しい悩みかかえ込むだけ。ちゃんと真実言わなきゃ泥沼だよ!マイケル役の人は「ゴッド・アーミー/悪の天使」の頃のイライアスに似ていた。

ミディアム5の9 仮面の下

今回はジェームズ・ヴァン・ダー・ビークが出ている。一時「バーシティ・ブルース」やテレビの「ドーソンズ・クリーク」で注目されたが、日本ではどうなのかな。今回見た限りではあんまり魅力的とも思えない。冒頭、末娘マリーが女性にそそのかされてアリソン達を撃つ。あまりにもショックな夢だが、逆に言うと現実では絶対ありえない。・・と言うか、この夢どういう意味なのかな、子供が親を殺すってこと?ディラン(ヴァン・ダー・ビーク)、ブルックの兄妹が、母親フェリシアが失踪したと届け出る。フェリシアは糖尿病なのでインシュリンを打たないと命にかかわる。ブルックは夢に出てきた女性なのでアリソンは驚く。今回は見ている我々の方が先にからくりが読めてしまう。アリソンは何勘違いしてるんだ?・・と、もどかしく思うくらい遠回りする。ブルックは顔に傷があるから整形したのだし、ディランの婚約者ハーモニーがいなくなっているのならブルックがハーモニーだ。夢で死体らしきものが出てくると、アリソンはフェリシアのだと思うが、我々には本物のブルックだとわかる。推理もへったくれもない。不思議なのは彼らがなぜデヴァロスに直々に捜査を頼んだかだ。なまじ騒ぎ立てたためアリソンが動員され、事件のヴィジョンを見てしまう。フェリシアの死体の捨て方も無造作すぎる。ブルック役の人はショートカットに大きな目、ほっそりとした体つきで、モデルのようだ。色が浅黒く、ハル・ベリーに似ている。今回の副ストーリーはジョーの妹サラの離婚騒動。夫ライアンとうまくいかなくてデュボア家にころがり込んでくるが、内心では別れる気はなく迎えにきて欲しいと思っている。ジョーがライアンのところへとりなしに行くと、彼女にはもううんざりだという返事。どうも彼は秘書と浮気しているようだ。困惑するジョーに、サラは浮気は知ってる実は自分の方が先に浮気したのだと話す。ジョーは開いた口がふさがらない。結局サラは夫が恋しいと自分から戻る。ジョーの父親の霊によれば、サラは妊娠しているのでライアンも喜び、元の鞘におさまるとのこと。振り回されたジョーこそいい迷惑だ。どうも向こうの人ってさびしいとか退屈だからという理由ですぐ浮気する。今度こそ別れると言いつつやっぱり恋しいと戻る。ちっとはがまんしろっての!その点ジョーはいくらさびしくても退屈でも浮気なんかぜ~ったいしないもんね~。いいダンナ様だ。

ミディアム5の10 タイムスリップ

前回友達とのスキー旅行を許可してもらえなくてこっそり出かけたアリエル。かけつけたジョーに連れ戻されるが、みんなの前で恥をかかされたと怒り、口もきかない。この時のジョー、運転中なのにほとんど前を見ておらず、危ない。・・大学生になったら、18歳になったら何でも好きなことしていい、それまではがまんしなさい・・というのがデュボア家の方針らしい。私から見るとちょっと厳しいな・・という印象。アリエルは15歳半で、楽しいこといっぱいしたいと胸をふくらませているが、友達の両親が一緒ならともかく、15~16歳の少女達が18歳くらいの男子学生数人と泊まりがけの旅行となればジョーが許可しないのも当然。アリエルにその気がなくても向こうがね。てなわけでふくれっつらのアリエル。さて今日はマリーの5歳の誕生日で、土曜だけどアリソンは頼まれた資料届けるためデヴァロスの自宅へ。そしたら男がデヴァロスに銃を突きつけていた。彼は撃たれ、続いてアリソンも。気がつくと彼女は五年前に戻ってる。もうすぐマリーが生まれるという大きなおなか。検事局に勤める前だからデヴァロスは彼女のこと知らないし、スキャンロンはまだ巡査だ。アリソンは大学か何かへ通っているらしい。そう言えば一時弁護士になろうと勉強していたんだっけ。世間では例の男ネイサンが妻を殺したとして逮捕されたところ。五年後仮釈放で出てきてデヴァロスに復讐するわけだ。夢で真犯人はネイサンの弁護士だとわかっているが、今のデヴァロスはアリソンの話を信じない。かえって共犯者ではないかと疑われる始末。言っても信じてもらえない状態の描写というのは、今更見せられてもなあ・・という気がする。すでにわかっていることをおさらいして時間稼ぎ・・みたいな。アリソン側に比重がかかってるぶんネイサンの描写はうすめ。仮出所した直後銃を手に入れるのはおかしいし、真犯人の自白等早すぎる。まあ別にいいですけど、ネイサンからすると何でもっと早く真相が・・と、複雑だったろう。デヴァロスにあやまってもらったって失った月日は戻ってこない。五年前ということでみんな少しずつ若作りして出てくるのがおかしい。アリソンもいつもよりシワ少なくなっているような。ジョーが、生まれるのは女の子と知って「また女の子?」とちょっぴり落胆するのが笑える。やっぱり今度こそ男の子・・と期待していたんだろうなあ。

ミディアム5の11、12 内なる悪魔Part1、2

世の中には自分の考えが正義、神の意志・・と思い込み、邪魔なものは排除してやる・・なんていう狂信者がいる。こういう輩には何を言ってもだめ。目をつけられたら大変だ。嫌がらせ・・時には命を狙われることも。アリソンもハーヴェイという男に目をつけられる。彼にとってアリソンは秩序の破壊者、悪魔である。今回はアリソン最大の危機とも言える。脅迫だけでなく家に忍び込まれ、殺されそうになる。夢ではなく全くの現実。厳重に警戒されていたのにするりと入り込んでくる怖さ。ハーヴェイはスキャンロンに射殺され(この時の映像は凝っている)、ホッとしたのもつかの間、今度は霊となって現われる。今若い女性の連続殺人事件が起きているが、それに関するアリソンの夢ははずれっぱなし。実はこれも霊となったハーヴェイの仕業。夢を操作し、アリソンに自信をなくさせ、生きるのいやになったろ自殺しろとしつこくそそのかす(おまえはデンヴァース夫人かよッ!)。ちょっとアレなのはハーヴェイの霊がいつも上半身裸なこと。何でかな~と思ったが、霊って死んだ時の服装のままで出てくるのかな。演じているトニー・カランはさぞ寒かったことだろう(←?)。まあブリジットの前にまで現われるのはやりすぎだが。カランは鼻の形に特徴があって、どこかで見たような。調べてみたら「アンダーワールド:エボリューション」「リーグ・オブ・レジェンド」に出ていた。「リーグ」の方は透明人間役なので顔はほとんどわからない。透明人間はいつも素っ裸なので、あんまり楽じゃない。場所や季節によっては・・ブルル。今回は裸つながりということで(違うって!)。Part2の終わり5分前になってもまだ解決しないので、次に続くのかなと思っていたらパパッと解決してしまった。要するにハーヴェイは自分で言ってるほどの力はないということ。考えてみりゃ思い込みのかたまりみたいなやつだし。彼自身に力があると言うより、相手の恐怖心や迷いを利用しているだけ。でもあんなのにつきまとわれたらいやだなあ。あっちはいくらでも時間あるし。今回ジョーの雇い主テリーが、事業がうまくいかなくなった金があれば何とかなるこの株が有望かどうか奥さんに占ってもらってくれと言ってくる。お金があればジョーはテリーから事業を買い取れる。このことは後のエピソードにも関係してくるが、株だお金だとなってるジョーはいつもの彼らしくないね。

ミディアム5の13、14、15 直感ビジネスPart1、2、3

アリソンは大企業ライデッカー社にヘッドハンティングされる。法外な給料、新車、高価な服・・。仕事と言えば寝心地のいい椅子で夢を見ること。初めは迷っていたアリソンも転職を決意する。ジョーはチャンスだと勧めるし(ジョーらしくない。いつもならもっと慎重)、デヴァロスやスキャンロンも快く送り出してくれた。大金を稼げるならジョーの役に立てるし(前にも書いたが彼の仕事は必ずしも順調ではなく、まとまった金があればテリーから事業を買い取れる)、血みどろの死体の夢より、購買層の好みを夢で探っている方がいい(と言うか、自分で望んだ夢を見られるとは限らないはずだが・・)。でもこんなうまい話、裏がないはずがない。今世間では若い女性が殺され、目をえぐられ、体は切断されるという残虐な事件が起きている。すでに鑑識が調べた部屋でアリソンが死体のヴィジョンを見たということは、誰かが巧妙にこの部屋を洗浄したのか(たぶんサンシャイン・クリーニングだろう・・違うって!)。アリソンは転職のため捜査をはずれるが、夢は見続ける。見れば当然スキャンロンに知らせるが、これが会社との契約に違反するとは・・。アリソンが見た夢は内容のいかんを問わずすべて会社の知的財産となる。内容はすべて書き留め、会社に報告し、それ以外の者にはもらしてはならないという守秘義務を負う。例え夫のジョーにでもだ。アリソンと同じ霊能者で、彼女をヘッドハンティングしたケイトリン(トレイシー・ポラン)、CEOのライデッカー(デヴィッド・モース)らは、契約を盾にアリソンを脅す。もし違反したら裁判に持ち込み身ぐるみはぐぞ、一家の将来をメチャクチャにしてやるぞ。ほら~言わんこっちゃない。どうもアリソンは契約書をちゃんと読んでいなかったようだ。そりゃケイトリンだっておいしいことしか言ってないけど、アリソンは弁護士になろうと勉強したこともあったくらいだからもっと慎重かと思ったら・・。そのうちなぜ彼女がヘッドハンティングされたのかわかってくる。ライデッカーの息子ジャスティンが、例の殺人事件の犯人なのだ。彼はとんでもないバカ息子で、その上異常性格。度々問題を起こすが、その都度ライデッカーは金で解決してきた。何万という社員、何十万という株主をかかえている彼には、CEOとしての義務がある。スキャンダルで会社の業績を傾けさせたくない。

ミディアム5の13、14、15 直感ビジネスPart1、2、3 2

もちろん息子かわいさというのもある。何とか立ち直らせたい。第三者の目から見るとジャスティンには何の希望もないのだが、父親としての目はくもっている。被害者の家族には匿名で金を送り続けている。彼なりに誠実であろうと努力しているのだ。ただ、ジャスティンには何も伝わっていない。彼の行為は威圧的な父親への憎しみが、弱い女性へ振り向けられたもの。父親を困らせたいから更生する気もない。いざとなれば父親が助けてくれるという甘えもある。それらの感情がごちゃまぜでコントロールできない状態。しかりつけたり押さえつけたりしていたライデッカーだが、逆にジャスティンに殺されてしまう。ジャスティンをメキシコに移し、精神的に去勢してしまう薬を飲ませようとするライデッカーだが、あれを見て飲んだフリするの簡単じゃん・・と思っていたら案の定。液体の薬ならごまかせないのに・・。それと飲料水のビンを見て危ない・・と思ったら案の定。と言うかペットボトルじゃないんだ・・ガラスビンなんだ・・。ライデッカーの死という最悪の事態も、ケイトリンの細工でテロリストの仕業ということに。ますます泥沼にはまるアリソン。とうとう決心してデヴァロスにすべて打ちあける。このままじゃいくつウソを重ねることになるのか。もうがまんできない。さんざんライデッカーやケイトリンに脅されたけど話してよかった。心がすっきりしたもの。それにケイトリンが能力悪用していたこともわかった。彼女はジャスティンの手にかかってライデッカーが死ぬことをあらかじめ知っていたし、ジャスティンに助言さえしていた。ライデッカーが死ねば、その危機を乗り越えた自分が後継者になれる。さて、少し前からアリエルはステーシー=アンという溺死した少女の霊に悩まされていたのだが、このことがジャスティンの犯行と結びつき、事件はするすると解決してしまう。今回は三回に分かれていて、アリエルの部分の描写も長く、もったらもったらしている。アリソンがらみと違い、アリエルがらみはオーバーと言うか、余計なふくらみと言うか。ステーシー=アンが、現われるだけでなぜ何も言わないのか不自然だし、女教師スノーデンと恋人ギャレットの思わせぶりなシーンもよくない。

ミディアム5の13、14、15 直感ビジネスPart1、2、3 3

アリエルはスノーデンが血まみれになっているヴィジョンを見るが、ギャレットの仕業なのか。ギャレットは恋人と言うよりストーカーっぽく描かれる。でもそういうのはただの目くらまし。スノーデンがジャスティンの次の犠牲者になるところを、アリエルから話を聞いたアリソンが手配し、警官を配備。現われたジャスティンを逮捕する。ステーシー=アンは、慕っていたスノーデンを救いたくてアリエルの前に現われていたらしい。それにしてもスノーデン役のエリン・チェンバースは演技がへただな。何か彼女のシーンだけ浮いてる。ジャスティンがメキシコから戻っているのも変だ。アメリカへ返せば必ずまた事件を起こし、世間の目を引く。彼がつかまれば自分・・ケイトリンとの関係がばれる。だからケイトリンがジャスティンを自由にさせておくはずないのだが。金を渡して遠くに追っぱらうか密かに殺すか。刑事のブラッドがジャスティンのしでかした殺人の後始末をずっとしていたというのも説得力に乏しい。あんなに何度もやっているということは、よっぽど多額の礼金受け取っていたのか。ブラッド役はショーン・ドイル。どこかで見たような・・と思ったら「ホワイトアウト」に出ていた。あの時もこの人誰だろう・・って気になったのよね。ちょっと疲れたような、静かな感じ。今回は出番も少なく途中で死んじゃう。でも謎めいていて、このエピソードで一番気になった。仕事入ってもいやな顔もせず出かける。彼がこの仕事引き受けるようになったのはお金のためだろうけど、崩れた感じもせず、たんたんとしている。何も放射・発散していないので、かえって彼に引きつけられる。ライデッカーやジャスティンはさんざんまき散らすが・・汗も涙も感情もオーラも・・私が感じるのは嫌悪感だけ。感情を表に出さず、最初はアリソンも彼が犯人だと思い込み、刑事だと知ってびっくりし、もちろんスキャンロンも信じなくて・・。だってブラッドにはそんな気ぶり全くないんだもの。その一方でアリソンを信じる気持ちもあって・・。で、ブラッドに会って・・ブラッド退場・・あらもったいない。でも・・何度も言うようだけど謎めいたまま退場するのでかえって心に残ると・・。ジェームズ・スペイダーにもちょっと似てるし。ケイトリン役トレイシー・ポランはマイケル・J・フォックスの奥さんらしい。フォックスと言えば病気で気の毒だけど、奥さんも大変だろうなあ・・。

ミディアム5の16 奇妙な同居人

今回はややコメディーっぽくなっている。アリソン役パトリシア・アークエットは寝ているシーンが多く、いつもより楽だったのでは?それにしても・・今回もそうだがアリソンは何度となく気を失って倒れ、その度に脳の精密検査受けてる。それで何で最終回には脳腫瘍・・となるのかな。解せぬ!さて何かの拍子でなかみが入れ替わってしまうというのはよくある設定だが、今回は相手が老人なのでちょっと困ったことに。特にジョーは困惑する。・・ある男性の死体発見現場で昏倒したアリソンは病院へ運ばれるが、目が覚めない。それもそのはず交通事故で昏睡状態のトッドという老人となかみが入れ替わってしまったのだ。外アリソンは中トッドだから眠り続け、外トッドは中アリソンだから動き始める。病院を抜け出し家へ・・。点滴をつけたままだし素足だし家まで何キロもあるはずだが見とがめられもせず着く。もちろん家族は不審者扱い。特にアリエルはジョーが中アリソンだと知って家に受け入れた後もきつい態度を取る。妹達を守らなければという意識が意外と強いのだ。ブリジットやマリーは警戒心より好奇心の方が強い。あの殺されていた男性は離婚専門の私立探偵だった。一度は自分・・と言うかトッド(ややこしい)が殺したのでは・・と疑うが、そうではないらしい。そのうちここにいることがばれ、病院へ連れ戻される。どうもトッドの妻サマンサが怪しい。浮気がばれ、探偵を殺し、ついでに夫も殺そうとしたらしい。トッドはスキを見て逃げ出すが、車にはねられそのまま昏睡状態に。意識が戻ったとなればサマンサは再び夫を狙うだろう。でも・・なかみはアリソンなのだ!まあいろいろあって最後はもちろん丸くおさまる。おかしかったのはトッドが家で風呂に入ってるシーン。なかみはアリソンだから、いつも彼女がやるようにバスタブのまわりにいっぱいローソクを立ててる。あれはアロマ効果のあるローソクかな。入口でジョーがモジモジしてて・・笑える。それにしてもトッドが家の前に立ってるのを追い払おうとする時のジョーの態度はきつかったな。とにかく消えろという感じで。日本なら(老人だし病人だし)もう少し相手に同情するような言い方になると思う。それに対しアリソンはあまり怒らなかったな。後ろで子供達が見ていたせいもあるけど。家に入れてもらった後も絶対自分が母親だとは言わなかったし、子供にショック与えないよう気をつかっているのが印象的だった。

ミディアム5の17 過去からの脅迫状

シーズン4や5は見逃しているエピソードが多いので、前からの続きを出してこられるととまどう。シンシア(アンジェリカ・ヒューストン)は、今では刑務所に入っているようだ。その彼女が11年前に手がけたのがべサニーという少女の誘拐事件。べサニーは救出できたが、犯人には逃げられてしまった。その時の身代金のせいで、彼女の運命は暗転する。両親は相次いで亡くなり、彼女自身売春など転落の道を歩む。なるほどねえ・・助かったよかったの喜びはつかの間・・借金してかき集めた身代金の返済が待っている。家庭は崩壊・・べサニーもせっかく助かった命を粗末にする。それもこれもにっくき誘拐犯のせいで・・。それにしてもアリソンはなぜこんな夢を見たのだろう。同じ頃、検事局にサイプスという男が、妻が失踪した・・とかけ込んでくる。彼は不動産王で、評判はあまりよくないが、その後アリソンは彼のところへ脅迫状が届いたことを知る。失踪ではなく誘拐だ。しかもべサニーの時とそっくりな手口。警察には届けるな・・とあるので、サイプスは妻は見つかったと言い張り、金を用意し自ら出向くつもりらしい。アリソンは服役中のシンシアに助力を求める。サイプス役バルサザール・ゲティは「ロスト・ハイウェイ」でアークエットと共演していた人だ。ハンサムだが印象はうすい。成長後のべサニー役は何とルーマー・ウィリス。ブルース・ウィリスとデミ・ムーアの娘で「ホステージ」に出ていた。濃い化粧をするとウィノナ・ライダー風。ヒューストンが出てくると他の出演者はかすんでしまう。べサニーを説得するクライマックスシーンでの気迫のすごさ。結局サイプスが昔べサニーを誘拐した犯人で、復讐のため彼の妻を拉致したのだ(どうやって?)。事件の時犯人はマスクをしていたので顔はわからない。しかし抵抗して手に噛みついたので、その傷あとを見て犯人と確信したのだ。サイプスは自分が買った娼婦があの時の少女だとは気づいていない。でも・・サイプスはいなくなるとすぐ捜索を願い出るくらい妻を愛しているんでしょ?その彼がなぜ娼婦を買うの?それと自分のところへ来た脅迫状が、前自分が作ったのとそっくりなのを見れば当然用心するはずで、なぜべサニーは相手に余計な情報与えるのかな。復讐さえできれば自分はどうなってもよかった?

ミディアム5の18 ライバルあらわる

あれこれエピソードを並べて時間を埋めるような感じ。こういう作りは時々ある。そのぶん主エピソードのなかみがうすまる。銀行の窓口係ルースは、さえない容貌のオールドミス。ホッケーマスクをした二人組強盗が入る夢を見た・・と支店長ヒッチェンスに警告するが、もちろん相手にされない。ところが・・。そんな夢を見たアリソンだが、現実に事件は起きていた。ではルースは自分と同じ霊能者か。マスコミに注目されるなどの苦痛は自分が一番よく知っている。アリソンはルースの力になろうと連絡先を教える。その後片割れが死体で発見される。彼らの収穫は3万ドルだったが、銀行の発表は30万ドル。さてはおまえちょろまかしたな・・と仲間割れ。エリックがフレミングをズドン。アリソンの夢はここまでだが、ルースは死体まで発見。アリソン以上の霊能者?いやいや彼女には霊能力なんてない。たまたま計画を知っただけ。窓口に来たフレミングに親しく話しかけられ、ちょっとときめいてしまった。その彼が仲間のエリックと強盗を計画しているのを知ってしまう。すぐ色目をつかうなど自分をバカにしているのを知り、金を渡す時わざと小額紙幣を詰め、高額紙幣は自分のバッグに。しかしエリックに目をつけられ・・。要するに真面目な小心者が道をちょっと踏みはずし、自分の命まで危うくなって最後はアリソンに泣きつく・・と。エリックは逮捕されるがルースはおとがめなしで、今日も窓口に。そんな彼女にヒッチェンスが言葉をかける。どうやら今度のことがきっかけで好意を持ち始めたらしい。彼女にもやっと春が来たようで・・。このラストは微笑ましくてとてもよい。ヒッチェンス役の人は顔も体も丸っこくて感じがいい。それにしても・・「ギャングシティ」を見るとわかるが、一回証言して終わりとはならない。エリックは当然ルースの関与についてあれこれあばくだろう。犯人を知りながら黙っていたこと、金を盗んだこと、フレミングの死体を移動したこと、ウソの証言をしたこと・・裏でデヴァロスが手を回すだろうが、すべてを隠し通すのは無理だと思う。ヒッチェンスの誘いに喜んでいる場合じゃないと思うが。他にジョーの週半分のサンディエゴ行き。留守中ブリジットが車を運転して壊すがさほどこりていないし、こっぴどくしかられた様子もない。さらに、出産が迫ってきたリンと、まだうじうじしているスキャンロン。もっと焦点しぼれ!

ミディアム5の19 この命にかえても

シーズン5最終話。一人暮らしらしいアリソンが帰ってきて夕食の準備。そこへ男性が差し入れに。今日は命日。家族全員を殺されてから一年。こんな夢を見れば動揺して当然。スキャンロンの同僚ルイースは麻薬組織に潜入中。だがアリソンは彼が拷問を受けているヴィジョンを見る。やがて切断死体が見つかる。メキシコの麻薬組織の抗争が激化。殺し屋オスワルドが雇われ、犠牲者も増加。この件にかかわっていると、いつかアリソンの身辺にも魔の手が・・。ルイースを拷問してたのはオスワルドだし、麻薬取締局のムニョス捜査官は夢で差し入れをしてくれた男性だが、彼の妻も殺されたらしい。心配するアリソンだが、ジョーだって困る。一生隠れて過ごすわけにもいかない。アリソン自身の様子もおかしい。忘れっぽくなり、怒りっぽくなり、しつこい頭痛に悩まされる。子供達にあてたメモの内容もおかしい。診断の結果脳腫瘍で、すぐにも手術が必要・・となるが、アリソンは病院を抜け出す。夢の通りなら腫瘍は良性で、死ぬことはない。その代わり家族は(手術を受けている間に)オスワルドの手にかかって殺されてしまう。術後彼女は霊能力を失うから、オスワルドを捜すのは難しくなる。手術を受ける前に・・能力があるうちに眠って夢を見て事件を解決しなければ。家族を救いたいという一心でのこの行動は見事成功するが、アリソンは脳卒中を起こし、脳腫瘍の手術は成功したものの、昏睡から覚めない。ショックを受けるジョー。アリソンがどうなるかはシーズン6でどうぞ・・と気を持たせるが、ジョーならともかくヒロインであるアリソンがあのままなわけないじゃん。心配する必要なし。ムニョス役ジョン・オーティスは「エイリアンズVS.プレデター」に出ていた。今回は展開がゆっくりなので、事件解決も来シーズンへ持ち越しかと思ったくらい。でも残りの10分くらいでするするっと解決してしまう。事件はすぐからくりが読める。医者の調査を渋ったり、オスワルドの潜伏先を急襲したら逃げた後とか、内通者がいるのばればれ。それにしても・・向こうは夫婦の間で隠し事はなし・・ってのが基本だから、何でもしゃべる。でも中には答えようのないこともあって。ジョーが偉いのは何でも真摯に正面から向き合うこと。例えアリソンがヒス起こしてても。でもそれって大変なことだと思う。今回はアリソンよりジョーの方が気の毒に思えた。