メッセージ
これはまだ原作読んでいない。書店で文庫見かけて手に取ったけど、短編で、しかもそれ以外の部分が何やら小難しい感じなので、こりゃ108円のを待とうとなったわけよ。世界各地に謎の物体・・宇宙船が出現。攻撃するつもりなのか友好の使者なのか。宇宙人とは接触できても、コミュニケーションの方法がわからない。そこで言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と数学者のイアン(ジェレミー・レナー)がウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)らと共に船内へ。宇宙人はタコみたいで、七本足で、墨のようなものを出す。これが彼らの文字なのか。彼らの出す音はどう理解したらいいのか。画面は全体的に暗く、寒々とした感じ。出演者も地味。チベットの仏教寺院みたいな音や音楽が、映画としては珍しい。音はしても静けさを感じさせる。各地で暴動が起きたり、攻撃を唱える者がいたりというのは、おなじみの反応だが、今回のアメリカ軍は辛抱強くコミュニケーション方法を探っており、そこは珍しい。見ている人が期待するのは彼らがどこから来たのか、目的は何なのか、どういうふうに考え、どういうふうに生きているのかだろうと思う。彼らの出す墨のようなものが描く形のどこがヒントとなって英語と結びつくのか。宇宙船のいる12ヶ所ではそれぞれ異なった言語が使われるわけで、彼らにとってはかえって混乱の元なのでは?そのうちルイーズは幻覚のようなものを見始める。最初はわからないが、そのうち自分の未来らしいとわかってくる。宇宙人には時間の観念がないってことなのか。人類にも未来を見通す力をプレゼントするのが今回の目的なのか。3000年後に今度は人類が彼らを助ける?時間の観念あるじゃん。最初は壮大に見えたものがだんだん小さくなって、最終的には母と娘の愛情に結晶するという、いつものパターン。ルイーズは未来を見通せるようになっても、そのせいでいつでもどこでも悲しい未来にとらわれることとなる。この能力を与えられたのは彼女だけなのか。それとも人類は彼らによって変わったのか。こういう静かで心にしみるSFは嫌いじゃない。でも、見たかったのは、知りたかったのは、こういうことじゃないんだけどな・・という物足りなさを感じたのも確か。中国のシャン上将役でツィ・マーが出ている。