高慢と偏見とゾンビ

高慢と偏見とゾンビ

評価としては、今いち弾けていない、真面目すぎると言ったものが多い。こういうのを見る人は、ゾンビ部分を期待すると思う。それに武術が加わる。一昔前のイギリスだから、ドレスなどコスチューム要素もある。何だかこのままゲームが作れそうではないか。で、そうやって作ってあるのだが、「高慢と偏見」という古典的なロマンスとしても、けっこうちゃんと作ってある。お屋敷、舞踏会。ゾンビなんて・・と毛嫌いせず見て欲しい。いやホント、見逃すなんてもったいない。もちろんゾンビ関係が入るせいで、多くが省かれる。ベネット家の五人姉妹のうち、下の三人は顔さえはっきりしない。ゾンビがなぜ発生したのかはよくわからない。為政者は・・他の国はどうなっているのか。いちおう日本や中国で武術を習って対抗しているようだが、あまり映画の出来に貢献していない。アクションシーンはあるのだが、見せてくれているんだかいないんだか・・まあこちらも期待するほどうぶじゃありませんからいいんですけど。じゃあ何が見どころかと言うと、もちろんダーシーです!私はまだテレビのは見てないけど、あれを見てコリン・ファースに恋した女性はいっぱいいると思う。「プライドと偏見」ではマシュー・マクファディンが観客を魅了したはず。そしてこの作品ではサム・ライリーに魅了されるのだ。前髪垂らしてるせいで若く見えるが、1980年生まれだから30代半ば。美形という点ではビングリー役ダグラス・ブースの方が上かも。でも・・印象に残るのはライリーのダーシー!大きな目にはエリザベスへの思いがあふれ出る。彼は彼女に恋してしまい、何があってもその思いは変わらない。理屈ではないのだ。どうにもならないのだ。エリザベスの方は彼のことを高慢だと思い込み、嫌いまくる。人当たりのいいウィカムに好感を持つ。絶対にゆるがない愛情に気がつくまでには時間がかかる。エリザベス役はリリー・ジェームズ。レディ・キャサリン役はレナ・ヘディ。国一番の腕前は全然見せてくれなかったな。ウィカム役ジャック・ヒューストンはジョン・ヒューストンの孫らしい。ミスター・ベネットがチャールズ・ダンス。コリンズ役はマット・スミス。コリンズは太っているはずだが、スミスは違う。彼がダーシーをやったら、ずいぶん変わった感じの「高慢と偏見」ができ上がったことだろう。名作とゾンビをくっつけるくらいなら、それくらいはめをはずしてもよかったのでは?