がい骨

がい骨

二大怪奇スターの夢の共演!・・でもされこうべのように中は空洞でしたとさ。サド侯爵の悪行は精神異常のせいではなく、悪霊に取りつかれていたせい。彼の死後もそれは残っていて・・という設定。元になった小説があるようだが、よくわからん。え?「サイコ」のロバート・ブロックの作品?冒頭、墓地で墓をあばいて何やら持ち出す男。後でわかるが彼ピエールは骨相学者。持ち出したのはサドの頭蓋骨。ってことはここはフランスか?その後ピエールは死に、愛人らしき女性も殺される。時代は移って現代。ここはイギリスか?オークション常連のフィリップス卿(クリストファー・リー)と、メイトランド博士(ピーター・カッシング)。メイトランドは、悪魔学や黒魔術を研究している。いつも掘り出し物を持って売りにくるのがマルコ。今日は装丁が人間の皮というサドの伝記、翌日は例の頭蓋骨。後でこれはマルコがフィリップスのところから盗んだものとわかる。フィリップスは無意識に悪魔の像を競り落とすなど、頭蓋骨に操られていることに危機感を抱き始めていた。だから盗まれてかえってホッとしているくらいだ。メイトランドにも関わるなと強く忠告するが、それだと映画にならないから、深みにはまっていく。1965年頃の作品だから、頭蓋骨が宙を飛ぶとか鏡がゆがむとかが精いっぱい。あとはひっきりなしの音楽とか、光をチカチカで盛り上げる。見ていて目が行くのはインテリア。メイトランドのコレクション・・お面とか彫り物とかがごちゃごちゃ置いてあって、掃除が大変そう。あちこちに作りつけの本棚。一部分は本の絵で、裏は金庫になっている。玄関や廊下はモダンですっきりしていて、絵がかかっているくらい。怪奇ムードを出したい時には(←?)絵の額を傾ける。寝室には大きな木のタンス。妻のジェーンとは寝室が別で、こういう描写は珍しい。クライマックスではメイトランドはずっと無言で、これも珍しい。流れているのは音楽だけ。しかし怖いかと言うと全然。あまりぱっとしない恐怖シーンが延々続く。頭蓋骨を壊すかと思ったら壊さないし、ジェーンを殺すかと思ったら殺さないし、途中でフィリップスのところへ行ってまた戻ってくるし、これじゃあ徘徊老人だ。結局メイトランドは死んじゃうので、後味は悪い。彼に像で殴られたフィリップスは死んだの?それくらいはっきりさせてよ。オークションのシーンで、マイケル・ガフが出ていた。