ゴーストライダーシリーズ

ゴーストライダー

もうDVD発売されてるし(買ったし)、今頃になって感想書いてる私。汗はダラダラ、紙はビショビショシワシワ。あまりの暑さに脳はとろけ、文章なんぞ浮かんできませんわい。これを見に行ったのは3月、この文章書いてるのは8月、日記に打ち込むのは9月。ぐずぐずしてると半年くらいあっという間ですな。もうだいぶ涼しくなってきてるし。この映画は、本当は一ヶ月くらいたって、すいた頃見計らって見に行くつもりだった。そしたら二週間で終わり・・なんていうところもあるし、こりゃぐずぐずしてたら見逃しちゃうぞ・・とあわてて見に行ったわけ。アメリカじゃ1億ドル越える大ヒットだったけど、日本じゃだめだったんでしょ?シネコンで見たんだけどお客は10人くらい。日本じゃ知られていないコミックが元だから?でもいちおう主演ニコラス・ケイジですぜ。今ではすっかりケイジ熱もさめてしまった私だけど、「ゴースト」は予告見た時から期待していたんですの。最初KOされたのが「シティ・オブ・エンジェル」のセスだから、どうしてもそういうキャラを彼に求めてしまう。だから「8MM」も公開時せっせと通った。「ゴースト」のジョニーというキャラにはセスや「8MM」のトムと共通するものがあって、それが私を引きつけるんだよな。今回は一作目ということもあって、そもそもの部分に時間が割かれる。ゴーストライダーとして全編大あばれというわけにもいかない。若いジョニーのムチャぶり、ロクサーヌとの駆け落ちの約束、父の病気(末期ガン)、それを阻むためのメフィストとの契約、父親は病気は治るが事故死、でも契約は残っているという詐欺まがいのあんまりな結末。ロクサーヌに魔の手が及ぶのを恐れたジョニーは駆け落ちの約束破って姿を消す。これらが要領よく描写される上、ヤングジョニーがなかなかのイケメンなので、ずーっとこのままこのコでもいいや・・なんて。ごめんねケイジ。でもこういうのはやっぱり若い方がいいでしょ。若毛の痛り・・じゃない、若げの至りで悪魔に魂売っちゃう。おかげでハゲだったケイジはフサフサ頭に・・って違うがな!いやとにかくどう見てもカツラだってわかるのが辛いよなあ・・いや、そうじゃなくて・・。若いのがあれこれ悩むっていうのなら悲痛さがあって見る者の共感呼ぶけど、ケイジだとなあ・・いい年こいて腰も定まらずフラフラ何やってるってことになる。

ゴーストライダー2

絶対死なないってわかってるから危険なスタントやる。これが若いジョニーなら運命の悲惨さがより強調される。最初マット・ロングによって若さを強烈に見せられるので、次に出てきたケイジには見なくてもいいもの・・「老い」を見てしまうわけ。やってることがムチャなスタントだけに「いい年こいて」と思ってしまうわけよ。いちおうジョニーは32くらいだけど実際のケイジは40過ぎてるから、若く見せるのはムリなんだけどさ。それでも体はちゃんと鍛えてあって(割れた腹筋!)、そこは偉いと思った。ロクサーヌ役エヴァ・メンデスは「最後の恋のはじめ方」に出ていた。ボリュームのある体つきが健康的でいい。愛し合っていながら運命のいたずらで仲を裂かれる。でも離れていても心は一つ・・みたいなのがいい。変にラブシーンとか入れずさらりと流す。ラクエル・ウェルチに似ていると思うが、体つきのわりには色っぽい方ではないのでそれでいいと思う。と言うか、ゴーストライダーに変身してしまうジョニーのとまどいとか、ブラックハート達との戦いとか、やることいっぱいあるので、デレデレしてるヒマはないのよね。ドハデなスタントシーンとかは私にはどうでもよかったな。たくさんの車に迷惑かけてのデートの誘いシーンもどうでもよかった。愛のためなら道路渋滞させてもいいのか!さて、メフィストが15年ぶりくらいに現われて契約の履行を迫る。彼は息子ブラックハートの素行に悩んでた・・ってホームドラマかよッ!でもだんだんおもしろくなってくるんだけどさ。この映画好き嫌いがはっきり分かれるようで、気に入らなかった人はもっと強い悪役期待していたんだろうな。メフィスト役はピーター・フォンダ。一見紳士風で悪党には見えない。不気味さ怖さが足りない。そこがいいんだけど物足りないのも確か。ブラックハートの手下三人はしょぼい。泥男、風男、水男・・隠れし者(ヒドゥン)ということらしいが、今の私はヒドゥンと言ったら別のこと思い浮かべるなウヒ。三人とも顔はよく見えないしあんまり活躍しないうちにやられちゃう。いちおう三人とも元天使なので美形ってことになってるらしいが、風男みたいな例外もいる。水男役ダニエル・フレデリクセンは超美形。DVDの特典では素顔わかる。でも映画では顔ほとんどわからない。もったいないったらありゃしない。

ゴーストライダー3

私が注目したのはブラックハート役のウェス・ベントリー。予告を見た時から誰だろうこの人、どこかで見たような・・と。本編見ていて思い出したのよ「アメリカン・ビューティー」に出ていた人だ・・って。彼がジョニーの最大の敵なんだけどあんまり迫力ないの。なまっちろくて生意気で自分の力過信している。何だよこんな連中が敵?ってがっかりした人もいるんだろうな。でも私には十分だった。元々コミックのファンでもないしバイクにも興味ない。ちょっと暗いキャラ演じるケイジ見たかっただけ。そしてケイジはこんなアホ映画のヒーローいとも真面目に、しかも嬉々として演じていて微笑ましかった。変身する時なんて「フェイス/オフ」風。もう笑っちゃうしかない。一方ウェスのようなタイプは見ているだけで満足。この世の者ならぬ美しさ。青白くて冷たいまなざし、おごり高ぶった精神、美しいけど邪悪で不健康そうな外観・・人間のように見えて違う存在。ストーリーも荒唐無稽だけど、大真面目に時間と手間とお金かけてバカやってくれるの。ゴーストライダーが走ると道路は溶け、車は爆発し、ガラスは割れる。「ザ・クロウ」でカラスが飛ぶとヤシの木が次々に火を噴くシーンがあったけど、あれを思い出してにんまり。もう一人のゴーストライダーの墓守(サム・エリオット)と並んで砂漠疾走するシーンは最高!バイクも馬もガイコツのライダーもみんな燃えているんだもん見ているこっちも燃えますがな!しかも墓守は目的地に着く前に燃え尽きちゃうんだからオバカもいいとこ。結局戦うのはジョニー一人。ところであの馬見ていて「世にも怪奇な物語」の「黒馬の哭く館」のピーター・フォンダの愛馬思い出したのは私だけ?他に留置場で変身が始まるシーンもお約束という感じでワクワクしたな。その一方で例えば最初の変身の翌朝目を覚ますシーンで、ジョニーの後ろに見えるステンドグラスがラファエロの「ドラゴンと戦う天使ミカエル」だったりとかさ、おセンチでロマンチック。ケイジはいつも泣きそうな顔してるし、いい意味でしめっぽい。「ザ・クロウ」などに通じるダークワールドを楽しめるワクワクドキドキしかも胸キュンのおいしい映画でしたとさ。ケイジが老けないうちに「2」も作られるんだろうけど日本でもちゃんと公開して欲しいな。「1」はヒットしなかったけどこの映画気に入ったファンここにもいるんだからさ、お願いします。

ゴーストライダー2

これは映画館では見なかった。WOWOWでやったのを、今頃になって見た。前作以上にCG使いまくり、燃えまくりで、ストーリーどっかに飛んじゃってる。いやもちろんストーリーはあるけど、前略・中略・後略・・みたいな。冒頭東ヨーロッパ・・僧院でかくまわれていた少年を奪おうと何やら戦いが。この少年ダニーはどうやら悪魔の子らしい。だったらダニーじゃなくてダミアンだろッ!!母親ナディアは死にそうになった時悪魔と契約。生き延びたが、その代わり悪魔の子を出産。目のまわりが黒いのは呪われているからか・・いや、化粧が濃いだけ。この悪魔ロアークはジョニーが契約したのとは違う相手?あっちはメフィストフェレスだよな。ん?ロアークイコールメフィスト・・そうなの?ロアーク役はキアラン・ハインズ。あたしゃずっとアルバート・フィニーだと思ってた。エンドクレジット見るまで。そりゃもちろんフィニーはもっとずっと年取ってるけど、メイクでいくらでも・・。このハインズそう言えば「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」に出ていたな。ジョニーは自分の中にいるライダーを封じ込めようとアメリカを離れた。ニコラス・ケイジは久しぶりに見るけどさすがに年取ったな。相変わらずビミョーなヘアスタイル。キレまくりのアブナイ演技も久しぶりに見た。以前はこういう感じが多かったんだよな、「プロフェッショナル」とか。ジョニー達を助けるのが酒浸りの黒人神父モロー。コンタクトレンズ入れてるような目をしているので、てっきり彼も人間離れした存在かと。いつ、実は悪魔側でしたとなるかと思って見ていたけど、生身の人間でした。演じているイドリス・エルバは「リーピング」とか「プロメテウス」に出ている。どっちかと言うといい人系で、途中で死んじゃうことが多い。ジョニーは呪いを解かれて望み通り生身の人間に戻るけど、それだとロアーク達に勝てないし、ダニー助けられない。ここらへんは「シティ・オブ・エンジェル」のセス風味。あっちと違うのは、またライダーに戻ること。今度は悪魔ではなく、天使の部分が多いから、今までほど悩まなくてすみそうだが。たぶんこの映画の肝は(あったとしてだけど)ここにあるのだろう。「1」ではよくわからなかったけど、ライダーに変身すると善悪に関係なくみんな殺しちゃうようで。

ゴーストライダー2 2

だから変身しないよう転地(←?)したのだろう。人が少なく刺激の少ないところへ。彼の努力にもかかわらずライダーは表に出てきたがってる。その苦しみと快感(←?)をケイジが存分に見せてくれる。とは言え見ていて感じるのは・・熱演やCGにもかかわらず・・オバカ感。呪いを解くのに成功しても「よかったね」じゃなく、「バーカ、それでどうやって戦うんだよ!」となる。で、結局は元に戻って何かすっごく回り道。前より天使の部分が多いというのも都合よすぎ。CGで飾り立ててはいても、薄っぺらな内容は隠しようもない。とは言え出演者は悪くない。特によかったのがキャリガン。冒頭から最後まで大活躍。ライダーに遭遇して手下を失い、ロアークにあんなの聞いてないもっと金出せと要求。アンタ、ロアーク悪魔ですぜ、しかも大物の。こんなことすれば人間の分際で生意気な・・と、即始末されるのがオチ。でもそうならない。巨大クレーン使ったものすごい(けどよくわからない)見せ場があって、キャリガンは死んじゃう。あらこれで退場?と思ったらロアークが生き返らせちゃった、ばんざ~い。手に触れたものを朽ちさせるブラックアウト。とにかく悪役に魅力があると、つまんない映画でも何とか見ていられるってこと。演じているジョニー・ホイットワースがまた・・アーロン・エッカートとショーン・ウィリアム・スコットをミックスしたような・・悪党なのにさわやかアンチャン。調べてみたら「バイバイ・ラブ」に出ていて。あっちもやっぱりさわやかで好感度大の青年。あと、クリストファー・ランバート。最初はトム・ジェーンかと思ったけど違うみたいだし。エンドクレジットでやっと。顔に文字みたいなのいっぱい書いてあって、まるで耳なし芳一状態。ダニー役はファーガス・リオーダン。母一人子一人で13歳まで普通に育ってきたけど、急にまわりが騒がしくなる。予言の日だか冬至だかに儀式をして(カボチャ食べてユズ湯に入るのか)、ロアークはダニーの体に入る。今のが古くなって使い物にならなくなると、新しいのに取り替えるのだ。でも、ロアークの力が一番弱まるのがダニーに移る時で・・「ヒドゥン」風味。このファーガス君ちょっぴりビョルン・アンドレセン風。モルガン・マリンヌ風味も。絶世の美少年・・みたいなオーラはないけど、ちょっと眠そうな目のあたりがういういしい。