完全なるチェックメイト

完全なるチェックメイト

チェスのことは何も知らないが、トビー・マグワイアとリーヴ・シュレイバーが出ているので。ボビー・フィッシャーは実在の人で2008年に亡くなったが、スパスキーの方は2017年1月現在まだ生きてるようだ。ボビー(マグワイア)には母親と姉ジョーンがいるが、父親のことは知らない。チェスに才能を見せるが、静けさを求めるなど神経質。少し大きくなったボビーを演じるのはリメイク版「オーメン」でダミアンを演じたシーマス・デイヴィー=フィッツパトリック。そう言えばあれには父親役でシュレイバーが出ていたっけ。子役は二人ともよかった。マグワイアは目がギョロギョロしていて、今までと少し感じが違う。メイクのせい、演技のせいだろうけど、何だかマイケル・ケインに似てきたぞ。弁護士のポール(マイケル・スタールバーグ)が代理人を務め、神父のロンバーディが見守る。ロンバーディ役ピーター・サースガードも今までとはちょっと感じが違う。髪が短く、背が高く見える。ボビーは明らかに精神に問題がある。契約にうるさく、金にがめつく、尾行されてる盗聴されてると騒ぐ。彼自身苦しんでいるのだろうが、まわりはたぶんそれ以上にひどい目に会ってる。なぜボビーを医者に見せないのだろう。薬を飲むと頭の働きが鈍くなるからか。試合に勝てないのではボビーの存在価値がない。対戦相手スパスキー(シュレイバー)だって常に監視され、窮屈な生活。でも彼はボビーとは違って大人。対戦は観客抜きで卓球室でなんていうボビーのわがままにも付き合う。そんな彼もボビーのせいで調子が狂ってしまう。見ていてもボビーには最後まで共感できない。でもスパスキーのおかげで何とか見ていられる。彼には好感が持てる。試合には負けたけど、ボビーをたたえるなどりっぱな態度を取る。世界王者になったボビーはヒーローになるが、その後は安定しない人生だったようだ。引退してみたりカムバックしてみたり、世界のあちこちを放浪してみたり。最後の方で出てくるのは本人だろうが、マグワイアとは似ても似つかぬヒゲモジャのオッサンなのにはびっくり。ポールやロンバーディはどうなったのか。その後もサポートし続けたのか。いくら才能があってもあの性格じゃなあ。ジョーン役リリー・レーブはジル・クレイバーグの娘らしい。