華麗なる激情

華麗なる激情

見るのは三回目。一番最初は民放で、たぶん後半だけ。二回目がノーカットで、冒頭十数分ミケランジェロの作品が紹介されるのに驚いた。もう終わりかな・・と思うとまた次の作品。正直言って長くて退屈な作品。たぶんここで早くも眠気におそわれた人も多いことだろう。今回気がついたけど、紹介されてるのは彫刻ばかりだ。映画はシスティーナ礼拝堂の天井画を描くという内容で、彫刻が出てこないからかな。ユリウス2世に絵を描くよう命じられてから、描き上げるまでのあれこれ。途中で投げ出して失踪してみたり、また戻ってみたり。具合が悪くなってみたり、回復したり。天井画なんて普通に見てるけど、この映画を見て描くのがあんなに大変だったとは・・と驚かされた。仰向けで垂れてくる絵の具にまみれて。長時間不自然な姿勢で描き続けなければならなくて。こりゃ体力いるわな。誰でも知ってる有名な絵がどのように描かれたのかということの他に、ミケランジェロとユリウス2世のあれこれが描かれる。この部分は舞台劇のような感じ。ミケランジェロが絵を完成させるまでの苦労は相当なものだが、ユリウス2世の方はもっと大変だ。フランスやドイツからローマを守らねばならない。勝った時はいいが、負ける時もある。少なくともミケランジェロは命のやり取りはせずにすんでいる。権力の頂点に立ちながらもユリウス2世は孤独で、同じ孤独でもミケランジェロがうらやましい。これには原作があるようだが、邦訳はされているのかな。読む機会はないだろうけど。ミケランジェロがチャールトン・ヘストン、ユリウス2世がレックス・ハリソン。ラファエロがマカロニ・ウエスタンで知られるトーマス・ミリアン。ミケランジェロと昔恋仲だったテッシーナがダイアン・シレント。知らない人だが、目に力があって、なかなかよかったと思う。建築家ドラマンテがハリー・アンドリュース、他にアドルフォ・チェリ。知ってる人はこれくらいか。完成した天井画をあまりはっきりとうつしてくれなかったのは残念だった。完成直後はもっと色彩が鮮やかだったと思うのだが、そういうの見せるのは無理か。