ゴースト・オブ・マーズ

ゴースト・オブ・マーズ

舞台は火星。駅に自動操縦の列車が着く。ウィリアムズ(アイス・キューブ)という殺人犯を護送するため、火星警察からヘレナ隊長(パム・グリア)他数人が出かけたが、戻ってきたのは警部補メル(ナターシャ・ヘンストリッジ)だけ。いったい何があったのか。彼女一人ということはジェイソン・ステイサムとかクレア・デュヴァルとかパムはみんな死んじゃったのね。アイス・キューブもいないけど、彼は生き残るタイプだし、しかも囚人だから途中で逃げたのだろうと予想がつく。・・「その時」が来るのをじっと待っていた火星人の亡霊。移住してきた人間どもが鉱物目当てに何やら爆破して開けんでもいい扉・・パンドラの箱を開けちゃった。人間達は亡霊に取りつかれ、取りつかれていない者を次々に殺し・・。この亡霊、宿主(?)が死んでもまた別の人間に取りつくだけ。だから終わりがない。「悪魔を憐れむ歌」みたい。形が煙と言うかガスみたいなものなので、最初は細菌でも広まったのかと思った。密閉されていたのが解き放たれ、人間は次々に感染、あるいは寄生され・・つまり「バイオハザード」みたいに。そしたら違うみたいなの。これはDVDをレンタルして見たんだけど、監督ジョン・カーペンターと主演ヘンストリッジのコメンタリーが入っている。でも世間話ばっかしていて内容にはちっとも触れてくれないの。途中で亡霊に取りつかれたメルは火星人の幻覚(?)見るんだけど、こういうシーンで少しは解説あるかと期待したら何もなくて・・。エンドクレジットになってやっと火星人は野蛮で霊力が備わっていて・・とかちょこっと言うの。エンドクレジットでですよ!普通もっと早く言うんじゃないの?てなわけで火星人についてはほとんど不明。まあ見た感じでは「火星人地球大襲撃」っぽかったな。仲間うちで戦いばっかしているうちに滅びちゃったけど、怨念だけは残ってる・・みたいな。次々に宿主代えるので、こりゃ全滅したように見えて実は生き残っているというラストだぞ・・と予想つく。まあ亡霊が生き残るってのはおかしいけどさ(死んでるから亡霊なんだし)。これらの予想は全部的中。意外性ゼロのストーリー。でもキャストが(いちおう)充実しているのでそこそこ楽しめる。ヘンストリッジはすらっと背が高く、金髪が美しい。すっごい美人。

ゴースト・オブ・マーズ2

デュヴァルはいつも集団の中の一人。主役をやる彼女を一度見てみたい。パムは「エスケープ・フロム・L.A.」に続いてのカーペンター作品。髪を垂らしているのがちょっとアレだったな。警官で勤務中ならメルみたいにきちんと束ねると思うが。でもこういう作品にリアルさ求めちゃいけないんだろうな。作り手の意図は別のところにある。ここが火星である必要はないし、そもそも火星人のことからしてはっきり設定していない。していればもっとコメンタリーで話すはず。ゴールドラッシュでできたような町が先住民の襲撃を受ける。火星で掘っているのは金じゃないだろうけど、掘っているのは同じでしょ。囚人を引き取りにきた政府の役人一行。列車、砂漠・・要するに西部劇とちっとも変わらない。主役が女性というだけ。映像はいろいろ凝っているし、あの手この手でおもしろく見せようと心を砕いているのもわかる。作り手は楽しんでいるし、見る者を楽しませようとサービスしている。2時間もつき合わせるようなヤボはしない。98分と短めに切り上げる。でも・・何か時間を持てあましているような印象。時間つぶししているような・・。これってゾンビ連中(似たようなもんでしょ)の頭悪くて描写が単調なのが原因。第一言葉しゃべらない。ウォーガォー・・これって火星語?ボスはビッグ・ダディ・マーズ。もうちょっとカッコよくすればいいのに。「ヴァンパイア/最期の聖戦」みたいに。何度も書いてるけど悪役って大事なのよ。正義の味方以上に美しく強く知的でなきゃいけないの。ウォーガォーじゃしょうがないんだよ。でもこの映画の救いはヘンストリッジ。ほれぼれするような美貌、スタイルのよさ。足は長いしオッパイはでかいし。アクションを担当しているのはジェフ・イマダ。「エスケープ・フロム・L.A.」で見た時には細野晴臣氏かと思っちゃった。そっくりなんだもん。今回は出演はしていないのかな。さて、男性客がヘンストリッジに注目なら私はステイサムに注目。チョイワルのジェリコ。まだ若くて(今だって若いけど)ういういしい。ワルぶっていても何かかわいくてやんちゃでスティーヴ・マックイーンみたいな感じ。せっせとメルをくどくけど相手にされない。でも全然めげなくてこりずに自分をアピールするの。セクハラもいいとこだけど口先だけだから憎めない。仕事ちゃんとするしね。

ゴースト・オブ・マーズ3

彼には生き残って欲しかったけど、アイス・キューブが生き残るって法律で決まっているからどうしようもないのよ。私としてはジェリコがやられてしまったのが大いに不満。キューブが生き残ったってお客(特に女性)誰も喜ばんと思うが。それにしてもメルはあの時あのまま逃げるべきでしたね。列車に乗って命からがら逃げる途中考えを変える。ヘレナが死んだので今は彼女がリーダー。あの町にいる亡霊どもをやっつけるチャンスは今しかない。このまま逃げたのでは被害が広がってしまう。近くにある原子力発電所を破壊すれば・・。これを聞いて何とムチャな・・と思ったのは私だけ?火星人(の亡霊)に放射能がきくかどうかも不明なのに。それにしてもここでくい止めなければと言い出すのはやっぱり女性なのね・・と、ここでも思ったことでした。でもって戻ったせいでみんなやられちゃう。死にに戻ったようなもの。もちろんこういう展開にするしかないんだけどさ。生還したのが彼女だけだったせいで(もちろんウィリアムズは逃亡)、事情聴取した尋問官達は誰も話を信用しない。何もしないでいるうちに亡霊達に襲撃され・・まあお約束ですな。原発爆破は結局効果なしってことですな。もちろんラストはなぜかウィリアムズがかけつける。銃をかまえた二人がこれから修羅場に・・ってとこで終わり。やっぱり西部劇じゃん!まあこういうところがカーペンターファンにはたまらないんでしょうな。見た人の評価まっぷたつだもんね。私はまあまあってとこかな。ヘンストリッジとステイサムがよかったからね。ラストがこの二人だったら絵になったのにぃ・・(まだ言ってるよ)。出演は他に「ブラッド・ワーク」のワンダ・デ・ジーザス、ロバート・キャラダイン・・はあのデヴィッドやキースの兄弟?尋問の最高責任者役はローズマリー・フォーサイス。「逃亡者」のデヴィッド・ジャンセンとうわさのあった人。ヘンストリッジの恋人も出てるがぱっとしない。ところで感想を書き終わった後である人の批評を読んだら、この映画はメルが語り手で・・と、構成に触れていた。それを読んで映画を見て引っかかっていたところが腑に落ちた。ヘレナが殺されるシーンがないこと、ジェリコが死ぬはっきりとしたシーンがないこと。その場にメルがいないから、見てないから描かないのだ。私としては実はジェリコは生きていたってことにして「2」を作って欲しいです!