刑事ジョー/ママにお手あげ

刑事ジョー/ママにお手あげ

シルベスター・スタローンのコメディーは、この作品も「オスカー」も評判悪いようだが、私は両方とも好きである。最初に見た時は、確かにママ(エステル・ゲティ)のキャラが嫌だった。うるさいししつこいしお節介。でも何度も見ているうちに(父がこの作品大好きなので、私も付き合いで何度も見るはめに)慣れたのか、あまり気にならなくなった。最初はホントこれこそ「鬼ママを殺せ」じゃん・・と思ってた。冒頭の囮捜査・・おんや~ヴィング・レイムズが出ているぞ。この頃(1992年)はこんなチョイ役だったんだ。数年後の「死の接吻」ではチョイマシ程度。有名になるまでには長い道のりだったのねえ。ジョーはしきりに電話をかける。80回もコールってアンタ・・。結局繋がらず、翌日渋々空港へ。ママに電話して来るのやめさせようとしてたのね。お客も乗務員もくすくす笑って通り過ぎる。嫌な予感・・。案の定ママは機内でずーっと息子の話をし、写真を見せまくり・・。戻る途中、母親と衝突し、ビルの窓から飛び降りしそうな若者がいるという通報があり、駆けつける。説得しようとしていると、下から拡声器でママがベラベラ。うちの母親の方がまだマシだと、若者が思い直すのが笑える。ママがジョーの銃を洗ってしまうのが笑える。食べきれないほどの朝食を並べるのが笑える。夜中に掃除もする。とにかくジョーがして欲しくないことを全部する。彼には彼なりの生活スタイルがあるのだが、それが全部否定される。彼は上司のグウェン(ジョべス・ウィリアムズ)と恋仲だが、彼女の方は考え直す時期だと思い始めている。自分を愛しているなら言葉に出して欲しい。花とかプレゼントして欲しい。たぶんこの映画の評判が悪いのは、いかにもな母親、いかにもな恋人が出てくるからだろう。こんなでしゃばりの母親がまんしてそばに置いとくか?部屋いっぱいの花のプレゼントに態度ころりと変える単純な恋人いるか?そんなこんなの珍騒動が続くが、コメディーでありながら刑事アクションとしてもちゃんと成立しているのがいい。スタローンはちゃんとカッコいいところを見せる。変に、ボクコメディーもできるんでちゅ~と、媚びないのがいい。え?パンパース姿はやりすぎ?いいじゃんあれくらい。大目に見てよ。欲を言えばコメディーなんだから死人は出して欲しくなかったな。「ジュラシック・パーク3」のマーティン・フェレロが出ていた。