吸血鬼ドラキュラ
子供の頃テレビで何度か見たはずだが、そのわりには印象うすい。全部をちゃんと見たのは今回が初めてだろう。・・と言うか、テレビで見たのがこれだったのかさえあいまい。見覚えのあるシーンほとんどなし。何度も書いているけど私の吸血鬼映画のベストはランジェラの「ドラキュラ」。クリストファー・リーが有名なのはわかってるけど、怖いと言うより間抜けな印象強い。それと言うのも、牙見せるのに口開かなきゃならない。笑ってるように見えちゃうのがまずい。映像はとてもきれいだ。城の中はクモの巣もなくきちんと手入れされている。明るいし居心地よさそう。ジョナサンの前に現われたドラキュラ伯爵も堂々としていて気品・知性・落ち着きがある。今回見てドラキュラの登場シーンがすごく少ないのが意外だった。私は本性あらわした時のドラキュラより、ジョナサンと会った時の彼の方が印象に残った。何よりもまず背が高いのが目立つ。スッと立ってるだけでその場の空気が違うのだ。ジョナサンの荷物を持ち、階段をさっさと上がるところもいい。気軽なのだ。身軽なのだ。力も強い。もちろんこんなドラキュラだけではお客は満足しないから、牙をむいたりヘルシングと戦ったりするけど。一番怖いのは目が充血しているところかな。まあ充血した目はドラキュラじゃなくても怖いけど。ピーター・カッシングのヘルシングも意外と身軽で・・。まだ若かったもんね、二人とも。ストーリーはかなり変更されている。ジョナサンはドラキュラ退治するために来たことになってる。そのわりには大変なオマヌケで、見ていてしらける。次にドラキュラはジョナサンの婚約者ルーシーを狙う。ミーナはルーシーの兄アーサーと結婚している。ルーシーの次はミーナが狙われる。レンフィールドは出てこない。この頃の女優さんはきれいだな。ミーナ役の人は羽野晶紀さんに似ているかな。ドラキュラの登場シーンが少ないと書いたが、アーサーとミーナとヘルシングの出番が多い。アーサーがこんなに出るとはなあ・・。しかもこいつあんまりいいやつでもないのだ。わがままで怒りっぽく何でも人のせいにする。何かってぇとヘルシングのせいにするのだ。ここが笑える。奥さんのミーナが万事に気を配って摩擦起こさないようにしているんだと思う。
吸血鬼ドラキュラ2
ヘルシングも最初のうちは詳しいことは隠してる。吸血鬼が実在するなんて信じてもらえるわけない。で、この苦しくも実りのない仕事(アーサーにはいやみ言われるし、苦労したからって報酬もらえるわけでもない)ボランティアでやってるヘルシングに哀愁が漂うわけ。髪がきちんとしている時はいいけど、それが乱れたりするととたんに・・弱さ、やつれ、苦悩が出る。そのうちアーサーもことの重大さに気づく。君のせいだ・・なんて言ってられなくなる。ミーナを守ろうと外で見張っている二人。しかしなぜかミーナは襲われてしまう。ドラキュラはどうやって家に入ったのか。・・と言うか、何で二人して外にいるのかな。一人はミーナにつき添うべきでしょ。ラストはドラキュラ城に戻っての戦いだけど、ここであれッ?となる。城はどこにあるの?馬で数時間の距離?いやいやそんなこと詮索したりしちゃいけないんだろう。窓から差し込む太陽光線などいい感じだ。ドラキュラが案外簡単にやられちゃうのは意外だったけど、ここも半分笑ってるようでちょっとオマヌケなんだよなあ・・。1958年製作だからもう50年以上前か。でもちゃんときれいに作ってあって。クモの巣のない城・・きっと彼は必殺そうじ人なんだわ。ジョナサンが司書として雇われたのでもわかるけど、きっと食事とそうじの間には読書しているんでしょうね。あの女吸血鬼は何のためにいるの?家事しなさそう・・。アーサー役マイケル・ガフはまだ生きてる。もう90過ぎてる。「バットマン」シリーズの執事役が有名だけど、私はやっぱ「ヘルハウス」かな。レナード・ニモイに似てるよな。リーも87歳くらいかな。ドラキュラを地で行ってるよな。「クリムゾン・リバー2」とか「チャーリーとチョコレート工場」とか。でも私がもう一度見たいなあと思っているのは「パリの連続殺人」。なぜか印象に残ってる。当時リーと言えばドラキュラで、素顔はどんな顔してるのかわかんない。でもこの映画では珍しくドラキュラじゃなくて。ああ、この人って本来はこういう顔してるのか・・と。テレビで一度か二度見ただけでビデオもDVDも出ていない。これからも見る機会はなさそう。ただのつまんないサスペンス映画だけど、私こういうの好きで・・。