空中大脱走

空中大脱走

ダグ・マクルーアは大昔「バージニアン」というテレビシリーズに出ていたが、田舎では放映していなかったと思う。私が彼を見たのはテレビムービーが多かった。代表的なのは「戦闘機対戦車」だが、それ以外にもいろいろ出ていた。映画だと「眼下の敵」や「ボージェスト」。「ボー」は私の好きなガイ・ストックウェルが主演(テリー・サヴァラスが目立っちゃってちょいカゲがうすいけど)なのでぜひ見たいのだが、ビデオもDVDも出ていないようで。マクルーアは60かそこらでガンで亡くなった。早すぎるね。「空中」はたまたまレンタル店で見つけ、借りてみた。テレビムービーだが、日本では劇場公開されたようだ。冒頭数分間は戦時中の記録フィルムを使っており、うつりが非常に悪い。本編に入ってからも画面は汚い。冒頭部分はいらないと思う。その後の展開とどうつながるのかわかりにくく、混乱するだけ。・・ノルウェー人科学者ブレビック(ルネ・オーベルジョノワ)の研究は戦局に重大な影響を与えるもの。つまり原子爆弾とかそっち系。ゲシュタポに目をつけられているので、連合国側は何とか彼を脱出させたい。手違いやら何やらあれこれあって、彼と救出役クック(マクルーア)の二人は収容所へ。ここは古城で、まわりは絶壁。羽のある鳥でなきゃ脱走はムリ(原題は「The Birdmen」)。クロフォード(チャック・コナーズ)をリーダーとしてせっせとトンネル掘りが行なわれているが、クックはグライダーでの脱走を思いつく。所長(リチャード・ベースハート)はいい人で収容所は居心地よさそう。ホントにこんなとこあるのかな。グライダー作りは消音に苦労するとかもう少しリアルな描写が欲しいところ。ちょっと開けっぴろげすぎるような。コナーズはテレビの「ライフルマン」「荒野の流れ者」「アフリカ大牧場」、ベースハートは「原子力潜水艦シービュー号」でおなじみ。捕虜の一人で盲目のデイヴィスは「地球最後の男 オメガマン」のポール・コスロだ。今じゃ60なかばのオッサンだけどこの頃はステキ。他に今も元気な(?)トム・スケリット。絶対クックが脱出するかと思ったらどたん場でクロフォードと交代するなどクライマックスは意外な展開。何てことない映画だけど、出演者の顔ぶれ見てるだけで楽しい。懐かしいし安心して見ていられる。変に女性出してきて時間稼ぎなどせず、女っけなしで通しているのもいい。