クライモリ
これはだいぶ前に一度見た。たぶんデズモンド・ハリントン目当て。「ゴーストシップ」で初めて見て気になっていた。その後DVD入手して、今回二度目の鑑賞。ハリントンは「エレメンタリー」のシーズン6で連続殺人鬼をやっていて。まあ「ゴーストシップ」では悪魔だったし、彼って悪役も似合うんだよな。一見誠実そうで実は・・。この「クライモリ」は評判よかったのか「3」まで作られたようだ。でもその後「1」より時代を前にずらして六作目まで作られたとか、リメイクの話があるとか。ふ~ん、そんなに魅力的な題材ですかね。ネットを見るとみんなエリザ・ドゥシュクのこと書いてて、ハリントンは見終わると同時に忘れ去られてしまったようだ。マウンテンマンの一人はジュリアン・リチングス。一時よく見かけたけど・・「死ぬまでにしたい10のこと」とかテレビの「キングダム・ホスピタル」とか。DVDの特典は特殊メイクの紹介が多いけど、そこでのリチングスは桂歌丸さんによく似ていたな。さて、見渡す限りの森・・ここはウェストヴァージニア州。フリークライミングをしていたカップルが何者かに襲われる。州立大の学生が二人行方不明になったというニュースをカーラジオで聞いているクリス(ハリントン)。彼にとっては他人事だ。まさか自分も彼らと同じ災難に出合うとは夢にも思っていない。彼は何やら約束があって急いでいる。ところが事故があったとかで渋滞している。少なくとも2時間は足留めだ。ここらへんはケータイも通じにくい。給油所の電話も壊れていた。しかし貼ってあった地図を見ると、裏道があるようだ。ベアマウンテン街道と言って、30キロほど先で国道と合流するらしい。その道を行くと、途中で二股になっている。でも標識があるので左の道へ。あの時右の道を行っていれば、無事に国道へ出られたのかな。あの標識は間違った方向へ行くよう故意に・・?こんな田舎道他に車なんかいるわけないと思ってるから、すぐよそ見する。そのため道の真ん中に止まっていたレンジローバーにぶつかってしまった。五人の男女がバラバラと出てきて、大丈夫かと心配する。フランシーヌとエヴァンのカップル、カーリーとスコットのカップル、それにジェシー(ドゥシュク)。止まっていたのはタイヤがパンクしたせいだが、有刺鉄線が仕かけてあって、誰かの悪意を感じさせる。この後フランシーヌとエバンを残して、他の四人は連絡方法・・電話を捜しにいく。
クライモリ2
残った二人はマリファナでいい気分になり、たぶんその後イチャイチャし、その後フランシーヌはクリスの車を勝手にあさる。CDをポイポイ投げ捨てるなど、何だ?この女は・・という感じ。いつの間にかエヴァンがいなくなり、捜し始めたフランシーヌも襲われる(が、誰も気の毒とは思わない)。エヴァンやってるのはケヴィン・ゼガーズだが、サングラスかけているし、すぐに退場しちゃうしで、せっかくの美貌もほとんど拝めない。襲われるシーンはなく、後になって車のドアを開けたら死体が転がり落ち、彼も殺されていたことがはっきりする。それに比べるとフランシーヌは死体になっても何度もうつるし、DVDの特典では襲われるシーンがおさめられている。ああやって同じシーンを何度もくり返すなんて、俳優さんも大変だね。その度に精神統一しなきゃならないだろうし。と言うか、本編にしろ特典にしろ、女優さんの方がいっぱいうつるんだな。ホラー映画だしな。話を戻して、四人の方は道が行き止まりだったため、引き返すが、そこでまた道を間違えたらしく、小屋のようなものが見えてきた。電話があるかも・・と中へ入ってみるが、何やら異様な雰囲気。しかし四人共危険を知らせるアラームは壊れているらしく、あちこち見て回る。警戒心はどこかに置き忘れてきたらしく、代わりに好奇心の虜になる。まあホラーの登場キャラはこうでなくちゃいけないんだけどね。そのうち住人が車で帰ってきたので、みんなあわてて隠れる。ベッドの下に隠れたジェシーとクリスの目の前にフランシーヌの死体がどさり。このマウンテンマンに関しては映画の最初の方で、近親婚による遺伝子の変異、筋力の異常発達、暴力的傾向などと、おぞましい写真をチラッチラッと挿入しながら説明されるが、別にそういうのはなくてもいいと思う。彼らのことはよくわからないままでいい。わからないからこそ怖いのだから。でもスタン・ウィンストンら作り手は自分達の作り上げたもの見せたいんだろうな。ま、気持ちはわかるけどさ。話を戻して、小屋の中にあったいろいろな品物、外にとまっているたくさんの車から、四人もやっと行方不明者と住人達との関係に気づく。この後は追いかけっこだが、クリス達は不利だ。武器になるものを何も持っていないし、地理もわからない。スコットが弓矢で殺されるが、残りの三人はトラックを奪うことに成功する。しかしどこを走っているのか全然わからない。
クライモリ3
そのうち倒木のせいで進めなくなる。バックしようとしたら今度はタイヤが泥にはまって動かない。そんな時見つけたのが監視塔。すぐ上ってみる。一部の人は「グリズリー」を思い出すだろう。監視塔は一方通行だ。上に上るのはいいが、敵が下に来たらどうする?ありがたいことに無線があった。早速呼び出すがうまくつながらない。しかもあの三人が来た!上の三人は息を殺すが・・見てる人全員耳を澄ます。あんたら無線入れたままですぜ。したがってガーピー言い出すのを待つ。で、気づかれて火をつけられてしまい、焼け死ぬのはごめんと、別の木に飛び移るはめに。ここらへんは「ランボー」ですな。いや、乱暴じゃなくて・・。あったでしょ、痛そうなシーンが。ここでカーリーがやられる。首を斧で・・というのは映画ではよくあるけど(・・って私もどういう映画見てるんねん)、ここでは口の部分でまっぷたつ。瞳孔が広がってカーリーが絶命したことがわかる。関係ないけど、眼科の検査で瞳孔が広がる目薬を差すことがある。広がるとしばらくは元に戻らない。そういう状態の自分の顔を鏡で見ると、妙なものだ。瞳孔が広がってるのって異様に見える。クリスとジェシーは協力して敵の一人を転落させるんだけど、死んだのかなと思ったら後でまた出てきた。こいつに限らず何をしても死なない存在というのはホラーでは珍しくない。今回見ていて、これは現実の出来事ではなく、クリスはレンジローバーにぶつかった時点で死んでいて、その後のことは異世界での出来事である・・とか、そういう考え方もできると思った。都会人がド田舎で恐怖の体験・・というので「脱出」を思い出す人も多いだろうが、私には「レストストップ2」が連想された。この後生き残った二人は滝の裏側に隠れて夜を明かす。お約束の告白タイムだ。ジェシーがここへ来たわけを話す。恋人にフラれ、落ち込む彼女を元気づけようと友人四人がキャンプを計画してくれたのだ。つまり四人が死ぬはめになったのは自分のせいというわけだ。悲しむ彼女をクリスは慰め、抱きしめる。DVDの未公開シーンではこの後キスシーンになるが、本編ではなし。まあね、そんなシーンいりませんてば。ジェシーが告白したのなら今度はクリスも・・とならなければ片手落ちですわな。見てる人の中には、クリスは何であんなに急いでいたのか(かろうじて)覚えている人もいるだろうし。
クライモリ4
いちおう彼は医学生らしい(が、その設定は全く生かされていない)。面接ってそっち関係か。でも電話で話していたドリーとはどういう関係?とにかくここでクリスの打ち明け話を入れると、テンポが鈍りますわな。だからジェシーの告白サラリくらいでやめといてちょうどよかったのよ。彼女が彼らの友情強調しても、たぶん誰も賛成しない。だってあの二組のカップル、ベタベタイチャイチャ・・どう見たってジェシーに見せつけてるとしか思えん。ジェシーは自分だけ一人で、疎外感味わっていたと思うよ。カーリー役エマニュエル・シュリーキーは「クロウ -真・飛翔伝説-」で見たばかり。小さくまとまったような美人で、ドゥシュクのような強い個性はなし。ただこのカーリーというキャラは、見ている人をいら立たせるためだけに出てくるような。彼女のおかげでジェシーのタフさが際立つし、見ている人は彼女を応援する。カーリーは文句が多くて、自分勝手で、甘ったれで、意地っ張り。スコットは始終彼女をなだめ、守り、勇気づけてやらなければならない。それができるのは彼女と結婚したいと思っているから・・言い換えると目が曇っているからだ。何かよくない状況に置かれた時、一番一緒にいたくないタイプがカーリー。スコットが殺されるとクリスのせいだと言う。スコットに会いたいと泣く。こういう面倒くさいキャラなので、彼女が殺されるとみんなスカッとする(おいおい)。でも逆に言うと、見ている人をそういう気分にさせるってことは、いい演技しているってことで。ジェシーが死んで、生き残ったのが彼女だったら・・なんて想像すると楽しくなる。スコット役はジェレミー・シスト。「ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた」に出ていた人。さて、朝になってやっと道らしいものを見つけた。おまけにパトカーみたいなのが来るではないか。やれうれしやと駆け寄るが、目に矢がブスリ。この男性は州警察らしい。演じているデヴィッド・ヒューバンドは「ルックアウト/見張り」などに出ていた人。この後ジェシーがつかまって小屋へ連れていかれる。クリスは何とかして彼女を助けようと・・。全員倒したかに思えたが、夜になってまたパトカーが。来たのはまたしても一人だけ。こらこら何で一人で来るんじゃい。クリス達の通報受けたからここへ来たんでしょ?クリスは給油所に貼ってあった地図をはがして持って行ったから、それを使って小屋の位置を説明したんだと思う。仲間が四人殺されたし、他の行方不明者も彼らに殺されたに違いない。そう言われた後で、一人で来ます?あまりにも危機感なさすぎ。