キングスマン(2014)
これは期待していたんだけど、人が死にすぎだ。ネットで否定的な意見読んで意外に思ったけど、実際見たらそれも無理ないなと。新聞では好意的な書き方してたんで、新しさの中にも優雅さや品があるんだろうと・・。二回ほどあるコリン・ファースのアクションはよかった。お決まりの細切れではなく、繋がっていた。ハリー(ファース)やマーリン(マーク・ストロング)の命を救って死んだジェームズの遺児エグジー。母親はろくでなしと再婚し、DVに耐える毎日。エグジーもチンピラ同然だが、ひょんなことから諜報組織キングスマンでスパイになるべく特訓を受ける。2時間以上あるのは、組織に入るまで、特訓、最初の任務と三段階あるからだ。特訓では何人も候補者出してくる必要なかった気がする。ハリーは途中であっさり退場。実は生きていて・・となるかとしばらくは期待してたけどそのまんま。ここで半分見る気が失せた。ボスのアーサー(マイケル・ケイン)が寝返っていたのは意外だが、説得力はない。何やら企んでいる大富豪ヴァレンタインはサミュエル・L・ジャクソン。相変わらずがなり立てている。また出ているのかという感じ。キングスマンは政府と関係のない独立した組織なので、ヴァレンタインもハリーの正体とかわからずにいたのだが・・何がきっかけでアーサーに手を伸ばしたのだろう。エグジー役タロン・エガートンは知らない人。小柄でハンサムでもなく、いかにもロンドンの下町っ子風。後半ファースの代わりに映画をしょって立つにはいささか貫禄不足。もっとも私はエガートン君がモルガン・マリンヌ君によく似ているので、それで何とか最後まで見ましたけど。それとストロングのサポートのおかげもある。ランスロット役ジャック・ダヴェンポートはナイジェル・ダヴェンポートの息子らしい。他にマーク・ハミル、コーリイ・ジョンソン。最初に書いたように人が死にすぎで、見ていても楽しめない。ラストの王女とか内容が下品になってしまったのもバツ。シリーズ化はされるのだろうか。演技はともかく、地味なエガートン君には荷が重いかも。
キングスマン:ゴールデン・サークル(2017)
こういう長いのは見るの大変。のっけから凄まじいアクション。あの運転手はどうなったのかいな。その後おびただしい数の死者が出る。エグジーを襲ったのは、元キングスマン候補生のチャーリー。失格になった彼は、今では麻薬組織ゴールデン・サークルの手先。ボスのポピー(ジュリアン・ムーア)は、麻薬を合法化するよう大統領(ブルース・グリーンウッド)に要求。拒否すれば麻薬に仕込まれた毒物で多くの人が死ぬ。アーサー(マイケル・ガンボン)やロキシー、エグジーの友人や愛犬JBはミサイル攻撃で殺され、難を逃れたのはマーリンだけ。エグジーは彼とアメリカへ飛ぶ。ステイツマンというウィスキー製造場はキングスマンと同じ組織。ボスのシャンパンがジェフ・ブリッジスで、テキーラがチャニング・テイタム、ジンジャーがハル・ベリー。いやはやすごい顔ぶれ。ウィスキー役ペドロ・パスカルは知らない人だが、第二のバート・レイノルズという感じ。首席補佐官のフォックスがエミリー・ワトソン、他にエルトン・ジョンがけっこう出てくる。途中で死んだはずのハリーも出てくる。片目を失い、記憶喪失だが、もちろん戻る。前回にも増してのスケールのでかさ(忘れたけど)、前回にも増してのアクションのすごさ(覚えてないけど)、それにも増しての残酷シーン。人間をミンチにしちゃう大型マシーン・・「エクスタミネーター」かよ!チャーリーの彼女クララに接近しての〇✕△・・その先の✕✕へ・・NHKスペシャル「人体」!やりすぎもいいとこで。一番笑えたのは老人ホームの便秘のじいちゃん。「三週間分のクソが出た」・・そうそう、老人って便秘が多いのよ。ハリーの復帰はうれしいけど、代わりにマーリンが死亡。そんなに人を殺したいのかよ。タロン・エガートンは小柄だけど、すっかりこの大規模な作品をしょって立つほどの貫禄が出てきた。その成長ぶりがうれしい。でも私がびっくりしたのはテイタムの登場。英国紳士とは真逆のカウボーイ。だから期待したけど、ろくに活躍もせず冷蔵庫へ(違うって!)。テキーラ主演のスピンオフが計画されてるらしいが、活躍はそっちで・・か?それにしてもハル・ベリー。最後くらいは目も覚めるような美女に変身して登場させてあげて欲しかったぞ!
キングスマン:ファースト・エージェント(2021)
今回は1902年の南アフリカから始まる。ボーア戦争のさなか、オックスフォード公爵は妻エミリーをなくす。息子コンラッドはすくすくと育ち、早く兵役につきたいが、若すぎるとかお前は世界の怖さを知らないとかいつも反対されるので不満。これが延々とくり返される。やっと最初の任務となって連れて行かれたのがロシア。権力をふるう怪僧ラスプーチンをユーワクする役・・何じゃそりゃ。何とか倒し、19歳になったことだしと志願して軍隊へ。その後戻されるのがいやでアーチー・リードという伍長と入れ替わる。英雄的な働きをしたものの、スパイと思われて味方に撃ち殺されてしまう。ここはびっくり。コンラッドが活躍し、オックスフォードが補佐するのかと思ったら違った。オックスフォード役はレイフ・ファインズ。だいぶくたびれてきて、ハリソン・フォードに似てきたぞ。コンラッド役はハリス・ディキンソン、ラスプーチン役はリス・エヴァンズ。彼はこういう怪物的な役が似合うな。「ノッティングヒルの恋人」みたいなのもいいけど。闇の狂団というのがあって、羊飼いと名乗る人物がリーダー。そこに集まったメンバーは、ラスプーチンの他にマタ・ハリやレーニン。レーニン役アウグスト・ディールは「ソルト」に出ていた人。エリック・ヤン・ハヌッセンが「ラヴェンダーの咲く庭で」のダニエル・ブリュール。息子の死で酒に溺れていたオックスフォードだが、何とか立ち直り、使用人のポリー(ジェマ・アータートン)とショーラ(ジャイモン・フンスー)と共に闇の狂団のアジトへ。フンスーは年取らないな。動きや体つきは若々しい。まあこの映画ファインズもエヴァンズもフンスーもマシュー・グードもアクションは皆よかった。どこかの映画みたいに細切れにしたりしてごまかさない。堂々と見せる。トム・ホランドがイギリスのジョージ5世と、ドイツのヴィルヘルム2世、ロシアのニコライ2世の三役をやっていたらしい。アメリカ大使をスタンリー・トゥッチがやっていたのは気づかなかった。キッチナー将軍がチャールズ・ダンス。キッチナー将軍は「アラビアのロレンス」関係の本を読むと出てくるので、名前だけは知ってた。リード役は「GODZILLA」に出ていたアーロン・テイラー=ジョンソン。まあお金かけて出演者も豪華に揃えて作ってあるなとは思う。続編も作る気満々だけど、その場合は年寄りのオックスフォードではなく、若いリード主役でお願いします。