気まぐれな狂気

気まぐれな狂気

少し前テレビ東京(例によって)の「午後のロードショー」でサザーランド父子特集というのをやってくれて、これはそのうちの一本。記念すべきキーファーの監督一作目。男女四人が麻薬を盗み逃亡。お金に換えたいがなかなかうまくいかず、警官とギャング(麻薬は元々この組織のもの)両方に追われる。人質を取り、逃げに逃げ・・。要するに使い古しのストーリー。となると興味はキャスティングにいくけど、主演がヴィンセント・ギャロ。私こういうタイプ苦手。悪党ヅラのくせに変に甘ったれた感じ。母性本能を刺激しようというのが見え見え。恋人とでれでれべたべた見苦しい。こんな役より顔立ち生かして冷酷無比、狂ったサディストとか、そういうのやった方がいいと思うよ。主役がこれだから特出したキャラがいなくてどんぐりの背くらべ状態。キーファーはちょっと太ってる。おなか出ている。すぐキレる危ない若者カーティスを手慣れた感じでやってる。いちおうギャロが主役なのであんまり前に出すぎないようにしている。レイモンド(ギャロ)の恋人が「インビジブル」などのキム・ディケンズ。他にロッド・スタイガー、マーティン・シーン。シーンの役はミッキー・ロークあたりがやりそうな感じ。人質になる夫婦が「ホステージ」などのケヴィン・ポラックとグレイス・フィリップス。夫のゴードンは臆病な中年男だが、そのうち影響を受け、けんかを売ってきた男を刺してしまう。カーティス達と一緒にいるうちに自分まで強くなったように錯覚してしまう。一味の一人マーカスは実は麻薬の潜入捜査官。何とか夫婦を逃がそうとするがうまくいかない。第一ゴードンには逃げようという気がない。相手が犯罪者でもわかり合えるはずなんて思い込んでる。よくわからないが(カットされた部分を見ればわかるのかもしれないが)ゴードンは作家か何かで、事件に巻き込まれたのをチャンスと思っているような・・。こういうストーリーだとマーカスはたいてい命落とすけど、今回は珍しく生き残る。登場人物でまともなのはマーカスとゴードンの妻だけなので二人が生き残ってホッとした。グレイスは悲しそうな目が印象的な美人。映画はありきたりだし、ギャロはギョロ目で鼻がとがっていてやたら上半身裸になるしホントいやだった。誰か他の人が主演だったらDVD買うんだけどな。