ゴースト・ストーリーズ ~英国幽霊奇談~

ゴースト・ストーリーズ ~英国幽霊奇談~

これを見たのは「シャーロック」のマーティン・フリーマンが出ているから。もう「シャーロック」は完全に終わっちゃったんだろうか。関係ないけどフリーマンはアマンダ・アビントンと別れたらしい。さて、グッドマン(アンディ・ナイマン)は「降霊術のウソを暴く」という番組をやっている。著書もある。彼がこの道に進んだのは心理学者キャメロンの影響。そのキャメロンが失踪して三週間になる。しかもそのキャメロンから呼び出され、自分には解明できなかった三つの事例を調べるよう・・つまりこの三件もインチキだと証明してくれと言われる。一件目は夜間警備員トニーの体験。何となく「ナイトウォッチ」を思い出させる。二件目はサイモンという少年。そして三件目がお目当てフリーマン扮するマイクの体験だ。前の二件は画面が暗くて何が何だかわからない。見ていてじれったい。その点マイクの時は薄暗い程度でよく見える。彼は株で儲けて新しい家を手に入れた。グッドマンと話す時もしきりにメールが入り、返信する。せかせかと歩き、グッドマンはついて行くのがやっと。落ち着きがなく小動物みたいなのがいい。それでいてピタッと静止するような。鼻を鳴らすような音をさせるのもいい。突然銃で自殺するのでびっくりするが、後でキャメロンを演じているのもフリーマンだとわかってまたびっくり。元々は舞台なのだそうで、言われてみればそんな感じも。こういう映画を見る時は、幽霊とか怪奇現象とかに斬新な解釈をしてみせてくれるのでは・・と期待する。でも早い段階でそれは無理とわかる。グッドマン自身が・・キャメロンのところでもう・・霊のようなものを見ているが、そう簡単に見えるのはおかしい。こりゃ彼自身の中に問題があるのであって、テーマは霊の解明ではないのだとわかる。そう言えば冒頭で彼の父親の横暴ぶりが描かれていた。これが彼の人格に影響しているに違いない。また、ただの夢オチだとアレなので、グッドマンは実は・・と、彼の置かれた状況を見せてくれる。いや、私はそういう方の斬新さではなくて、霊の解釈の方の斬新さを見せて欲しかったんですけど・・。