風の又三郎

風の又三郎

この映画の製作は1940年。宮沢賢治が亡くなったのは1933年だからあんまり間をおかずに作られたことになる。大泉滉氏の映画デビュー作品で、彼は舞台では三郎を演じたそうだが、ここでは一郎役。三郎を演じたのは片山明彦氏。一郎が田舎のガキ大将にしては顔立ちが整いすぎていると感じてしまうのは大泉氏に流れるロシアの血のせいか。この頃の大泉氏には後年の口ヒゲを生やしたヘンな菜園おじさんというイメージはどこにもなく、ブレインズそっくりである。1989年に作られた「風の又三郎 ガラスのマント」は期待はずれだったが、こちらの作品はなかなかいい。豚、ヤギ、蛙、馬、フクロウ、カラス、ミミズ、ウサギ・・まあいろいろ出てくる。豊かな自然に囲まれて子供達は元気いっぱいに走り回る。白黒だしセリフは聞き取れないしテンポものろいけど、画面から力強い生命力みたいなものが伝わってくる。今はカラーで子役の演技もうまくて特殊撮影で何でもできるけど、伝わってくるものがないのよね。さて9話後半は高校野球があるから絶対中止だとあきらめていたんだけどちゃんとやってくれた。てっきり勝利校インタビューでつぶれるだろうって思っていたのよ。ロンドンタワーの管制官じゃないけど「時間どおりだ、頼りになりますねえ」って心の中でつぶやいていた。今回は実家で見たのでバージルの例のシーンも心の中で「きゃあ!セクシー」・・(アホ)。父はパーカーを見て塩ジイに似ていると言っていた。そう言えば似てる。「サンダーバード」が終わるとNHK総合に切り替えるんだけど、クイズの解答者で清水紘治氏が出ていた。この人ゴードンにそっくりだよなあ。ただし今の清水氏じゃなくて「真田幸村」に出ていた頃の清水氏ですけど。さて父はリサイクルショップに行ってはいろいろ買い込んで喜んでいるのだけれど(何しろ止める人がいないからね。母が生きてたら止めたと思う。いや案外一緒になって買い込んでいるかも・・)、こんなのが出てるよと私が教えた8ミリ映写機を買い(教える私もアホだねえ)、家で早速試運転。大昔に買った「サンダーバード」を久しぶりで見た。これは第1話のダイジェスト版で、出てくるのはジョン、スコット、バージルの三人。残りの二人は出てこない。保存状態最悪のフィルムの中でもジョンはこの上なく美しかったぞ(感動)。今まで作られたすべての人形の中で一番美しいのはジョンだ!