ギャングシティ

ギャングシティ

「ナイトウォッチ」のところで書いたが、二本立てだったので仕方なく(?)見た。今回ビデオをレンタル・・11年ぶりに見た。この頃は「シティ・オブ・エンジェル」のメグ・ライアンの夫(当時)デニス・クエイドが出ていることしか知らなくて、ジェームズ・ベルーシは名前からしてジョン・ベルーシの兄弟だろう・・とか、そんな無知状態。トゥパック・シャクールのことなんか全く知らず、終わりの方で「捧ぐ」って出るので、ああ死んだのか・・と。まだ若いのに・・と。後で殺されたんだって知ったけど、何で?最初はコメディーかな?・・と思ったが違っていて。二人の刑事ダビンチ(ベルーシ)とロドリゲス(シャクール)は麻薬を売りつけ、金を受け取るとその密売人を殺してしまう。麻薬も取り戻す。そのリサイクル(リユース?)運動も真っ青なやり方で今まで稼いできた。死体が見つかってもどうせ組織の仕業だと思われ、自分達が疑われることはない。しかし10回で10人殺されてるわけで、そんなに迷宮入りが続いて仕事(成績)に影響ないのかね。さて、今夜もうまくいったが、密売人は何と麻薬取締局のおとり捜査官だった。今回は迷宮入りは許されない。彼の仲間・・シムズ捜査官(ゲイリー・コール)達は弔い合戦だと意気込んでいるし、上司は取締局やFBIが乗り出してくる前にホシを挙げろとせっつく。ホシを・・ったって犯人は自分達なのだ。こうなりゃ誰かに罪を着せ、証拠を捏造してやれ・・と、ダビンチ達は次々にチンピラをしょっぴく。ところが彼らには皆鉄壁のアリバイがあった。ブタ箱にいた、集中治療室にいた、果ては宝石店に強盗に入っていた・・ここらへんは笑わせる。捜査官殺しに使った銃は、警察の証拠保管庫から持ち出したもの。何とそれは現在公判中の殺人事件の凶器だった。検事が証拠として提示しようとすると見つからない(捜査官殺しの凶器として保管されているからだ)。後でダビンチが売人から同じ型の銃を買い、それでごまかそうとするが、銃を見た被告ダナーはオレの銃じゃない!・・と騒ぎ出す。いったいどうなってるのかとヒスを起こす女検事。ここも笑える。こうした不手際のせいで殺人犯ダナーは無罪釈放されてしまう(これがラストの伏線)。さてダビンチはアル中の浮浪者ジョー(クエイド)に目をつける。酒を餌に洗脳し、自分が捜査官殺しの犯人・・と思い込ませる。

ギャングシティ2

恋人シンシア(レラ・ローション)を目撃者にして偽証させる。これで一件落着・・となるところだったが、新聞にジョーの写真が載ったため、彼の身元が明らかになる。ある問題を解決しようとして、また次の問題が起きる。ウソをとりつくろうため、また次のウソをつく。果てしなく泥沼にはまっていく。「シンプル・プラン」や「ルート9」思い出す。主人公、あるいはまわりの人間があらかた死んでしまうことが多く、後味が悪い。「ギャングシティ」も決められた通りの転落の道をたどる。意外性はほとんどない。ダビンチは非常に自己中心的なタイプだ。自分はゴミそうじをしているのだと思っている。売人や浮浪者はゴミなのだ。自分の保身を一番に考えるから、自分が危うくなるとまわりの者を犠牲にする。例えばシンシア・・大事に思っていると見せかけ、実は他にも女がいる。シンシアはストリッパーだが、懸命に生きている。今回の事件ではジョーを目撃したとウソを言わされる。ただ、困ったことにその後もいろいろある。面通しに呼び出される。裁判所に出頭し証言しなくてはならない。ジョーの身元がわかり(資産家一族で外科医だったが、妻子を事故でなくし、失踪)、大物弁護士ベイラー(ジェームズ・アール・ジョーンズ)が乗り出し、証言の矛盾を突かれる。しまいには法廷侮辱罪でブタ箱入り。それでもダビンチとの約束を守り続けるが、ダビンチの方では彼女を消すことを考え始める。とにかくどんなことをしても自分だけは助かりたいのだ。ロドリゲスの方は彼に引きずられている。すぐ不安になり、パニくる。文句や愚痴を言うだけで自分ではどうしていいか考えつかないから、結局はダビンチの言いなり。今までの稼ぎ10万ドルの半分5万ドルを手にしたはずなのに借金がまだ3万ドルもある。結局不安でお金を持っていられないのではないか。賭けにつぎ込んでしまうのではないか。彼に一番顕著なのは不安である。他にジョーの弁護人として「ドタキャン・パパ」のデヴィッド・ペイマーが出ていた。楽しい映画ではないが、まあわりと最後まで退屈せず見ることができた。ダビンチに撃たれたシンシアの手術を、外科医に復帰したジョーが手がける・・と記憶していたが、今回見たら違ってた。関係ないけど11年前浅草でこの映画見た後、地下鉄の駅で「8MM」の広告が入った時刻表見つけて喜んだのよね。アンダーグラウンドつながりかしら・・なんてネ。