ガンズ・アンド・ストレンジャー

ガンズ・アンド・ストレンジャー

こういう映画って何のために作るのかよくわからない。絶えず画面が揺れていて、コマ落としのような飛び飛びのうつし方で、人物のまわりをカメラがぐるぐる回る。全編これだと、こだわりと言うより強迫観念のよう。付き合わされるこっちはたまったもんじゃない。クリス・カタンが出ているらしいので録画したのだが、彼が出ているのは「ガンズ・アンド・ギャンブラー」の方だった。まぎらわしい題名付けるよなあ。砂漠でエンコした車。主人公は警官らしいが、バッグに入った大金を盗んだようで。国境を越えてたどり着いた町。でも水一杯飲ませてもらえない。まわりの者全員がものすごく意地悪で無愛想で、そんな描写が延々と続く。見ている者はここで笑うべきなのだろうが、とてもそんな気にはなれない。回想シーンも入るが、今いちよくわからない。待ち伏せされて仲間の警官三人が死ぬ。生き延びた主人公は仕事に嫌気がさしてる。いくら逮捕しても悪党達はすぐ釈放される。今回だって・・。だからヤクの売上金持って自分はアカプルコへ行くのだ。それにしてもこの町の住人の様子は変だ。よそ者を嫌い、追い出そうというのなら、バスに乗るのを邪魔したりしないはずだ。ここでも見ている者は笑うべきなのか。でもとてもそんな気にはなれない。知ってる人は途中で出てくるクリスチャン・スレイターだけ。警官が三人殺され、金が消えている。生き延びた一人が持っているのだ。しかも国境へ向かった。捜査しようにもボスは管轄外だと手を出さない。それなら休暇を取って一人で追いかけてやる。ずいぶん正義感の強い熱血漢だなあと思うが、スレイターだしなあ・・と思っていると、その通りになる。案の定彼が黒幕。主人公・・最後まで名前は不明・・やってるのはスコット・アドキンスとかいう人。ジム・カヴィーゼルとベン・アフレックをミックスしたようなタイプ。体はよく動くが、印象は地味。保安官役の人がサイモン・ベイカーそっくりなのには驚いた。ベイカーも15年くらいたつとこういう感じになるのかな。町のギャング、クレブラは白塗りで、「ベニスに死す」のダーク・ボガードみたい。不気味と言うより日焼け止め塗ってるみたいでおかしい。バンバン撃ってガンガン死人が出て1時間ちょっとのところで長ったらしい(そのわりにはよく見えない)ラブシーン。まあホントありきたりな作り。