ゴッド・アーミーシリーズ

ゴッド・アーミー/悪の天使

三作の中ではこれが一番出来がよい(・・と私は考えている)。冒頭部分(全米公開版の方・・以下米版)を見ると、シリーズ化も考えていたんだろうなあ・・という気がする。「1」を見ただけではあの白骨の意味がわからない。「3」でわかる。「1」にはネピリムもピリエルも出てこない。人間と天使の間に生まれる存在のことも、ほのめかされもしない。「1」のたいていの感想はクリストファー・ウォーケンについて。それと同じくらいヴィゴ・モーテンセン。モーテンセンは公開当時はさほど知られていなかったと思う(日本の女性の間ではね)。それが「ロード・オブ・ザ・リング」のおかげで熱狂的なファンが増え・・過去の出演作発掘が始まり・・キャッ、ヴィゴったらこんな役を、あんなことを・・と、多くの腐女子の発酵女子のハートをわしづかみ(ルシファーはその後抜き出して食べちゃいますけど)。出番はラスト20分くらいしかないが、印象は強烈。それに演技がうまい。うまいと言えば「1」はなかなかの実力者揃えていて見ごたえがあるのである。どの感想もウォーケンとモーテンセンのことばかりで、主役(たぶん)のイライアス・コーティーズのことほとんど書かれていない。見た人も彼の顔たぶん覚えていない。ざっとストーリーを書くと・・トーマス(コーティーズ)は子供の頃ルシファー(モーテンセン)の声を聞く・・これが日本公開版(以下邦版)の冒頭シーン。長じて司祭(神父?)になろうとしたが、儀式の最中幻覚におそわれ挫折。その後なぜか刑事に。その一方で天使に関する論文を書き、出版したり。ある日彼の部屋にシモン(エリック・ストルツ)が現われる。彼は天使らしい。シモンがアパートへ帰ると、ウジエルが待ち伏せしていた。倒したものの重傷を負い、アリゾナのチムニー・ロックへ。ウジエルの死体を検死したヨゼフ(スティーヴン・ハイトナー)は、胎児と同じ状態だと不思議がるが、トーマスはシモンとすでに会っているからさほど驚かない。そのうちウジエルを人間界に送り込んだガブリエル(ウォーケン)も現われる。ここまでの部分でまず言いたいのは、イライアスにびっくり仰天ということ。それとも驚いたの私だけ?イライアスと言えばまず「ザ・シューター/極大射程」でのいやらしく憎たらしく下品な悪役。続いて「ゾディアック」。こちらは悪役ではないが、確かに出ていたけど何の役だったっけ?・・そんな感じ。

ゴッド・アーミー/悪の天使2

アクは強いが地味。この二作での彼はヘアスタイルが・・ハゲ上がってきている。その上「ザ・シューター」ではあぶらぎってテラテラしていそうで、態度はヘラヘラしてるし・・そばへ寄りたくない感じ。んなもんだからトーマス見ても誰?って感じ。アーロン・エッカートに似ている。で、え~ッ、あのイライアス!?とびっくりして。しかも調べてみたら彼「ゴールデンボーイ」にも出ているのだ。えッ、出てたっけ?DVDで即確認・・あの浮浪者役?ウッソ~信じらんない!いやホントアーロンそっくりのハンサムが何であんなことになるんでしょうたったの数年で・・。ここでのアーロン・・じゃない、イライアスは私好みです。すっきりさっぱりしている。まあハンサムと言うには地味すぎるかもしれないけどそれでもステキ。こんな時代あったんですねえ・・もう二度と戻れないんですねえ・・1961年生まれだからまだ若いのに今じゃすっかりオッサン。うんと若い頃の写真も見つけたぞアイドルみたいでかわゆい~ん!・・幼いトーマスになぜルシファーがささやきかけたのかそこらへんはよくわからない。ルシファーの最大の目的は神への信仰をなくさせることだろうから、トーマスが信仰の道へ進むのを邪魔したってことなのかな。天使が串刺しになるような幻覚を見るのはなぜなのか(普通は美女とか大金の幻覚で釣るよね)。刑事になってるってのも運命か。彼がシモンと会っても、画面が切り替わってしまうので、何を話したのかは不明。この映画わりと場面が飛ぶ(ちょっとずるい)。幼いトーマスが神に仕えようと思ったのはシモンの影響らしいが、シモンの声も聞いたのか。米版だと冒頭シモンが出てきて、やや説明的。ルシファーが元天使というのは我々も知っているが、彼と戦った時はシモンとガブリエルは同志だった。それが今ではガブリエルも神にそむき、敵だ。邪悪な魂は他の邪悪な魂を食べると力を増す。悪の魂が宿った人間は戦士になる。まあ何だかよくわからんが、先頃チムニー・ロックで死んだホーソン大佐の魂は最高に邪悪なのでガブリエルが狙っている・・と。シモンは一足先に大佐の遺体から魂を取り出し、自分の体に隠すが、ウジエルとの戦いで傷ついているし、ガブリエルが追ってくることもわかってる。それで学校で出会ったマリアという少女に魂を移す。・・私イライアスにすっかりポーッとなりながらも、一方ではストルツにもしっかりポーッとなってました。

ゴッド・アーミー/悪の天使3

いや真面目な話ここでの彼はカッコいいんです。彼の映画は何本か見てるけど、いつもどうも印象うすい。彼「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主役やるはずだったのが途中で降ろされて・・あらまあ彼にそんな過去があったなんて。でもなぜ?そのままやってればその後の人生変わっただろうに。ま、それはともかく(過去は過去よ)色がなまっちろくて血の気なさそうな血圧低そうな感じ。「メンフィス・ベル」では負傷して寝てた(←?)し、「アナコンダ」でも寝てた。要するに蒲柳の質タイプ。「メンフィス」だとハリー・コニック・Jrが出てて区別つかん。でもハリーは歌手だし、異常者の役もできるし(「コピーキャット」とか)、爬虫類系にしてはラブコメも多い。それにくらべるとストルツは・・いや、私が見てないだけか。最近(でもないが)だと「ミディアム」の「シグナル再び」があった。でも普通に見てたんじゃ彼だと気づかない。でもってまわりウロウロしてなかなか本題に入らず、これってわざとなんですけど・・。だってストルツに関してあれこれ書くなんて機会めったにないでしょ。引きのばして楽しみたいんですってば(この次書けるのはいつのことか)。で・・ついに・・書きますけど・・今回のシモンというキャラは・・微妙なんですの。米版では冒頭出てきて彼の独白によってあらましが説明される。邦版にはこれがないからトーマスの部屋にいきなり現われて、しかも天使座り。それはそれでインパクトあるけど、最初の印象としては彼はトーマスの味方、協力者、助言者、いい天使。ガブリエルは強力だろうから(ウォーケンだし)、トーマス一人じゃムリ。そう思っていたら・・シモン単独行動。ウジエル倒し、チムニー・ロックへ行き、大佐の魂取り込み、使われていない教室の隅に一人横たわる。とにかく孤独なの。ちなみに魂の移動は口移しなので、大佐の口にブチューッと(ウゲゲ)。そりゃマリアが寄ってきて食べ物くれる。見かけはどう見たってホームレス。マリアのお昼半分もらって(たぶん)、ズズーッとストローで缶コーラ飲んで・・何かもうかわいいッ!!おまえそれでも天使かよッ!ってくらい。缶にストローが二本刺さってるのも微笑ましい。逆に言うとマリアくらいしか彼のこと気にかけてくれない。キャサリンはモロ不審者扱い。さっさと追っぱらおうとする。さびしい、わびしい。命もそう長くないだろうし。

ゴッド・アーミー/悪の天使4

それとも安静にしていれば治るのかな。今回のことはトーマスに何も言ってないし(何で?)。マリアには特別なものあげるけど秘密だよ・・とか言って、どう見たって変態おじさんだけど(もちろんマリアにも魂口移し)、それでもストルツはいい!何て言うか今まで見た中で一番のキャラだと思うんですけど。一番の演技とは言わない・・だってそんなにたくさん見てないし他の映画でもっとすばらしい演技しているかもしれないし・・と言うか代表作は何?(私の中では「ゴッド」が代表作だけど)まあとにかくいつものはっきりしないキャラにくらべればシモンは・・。神の戦士・・ルシファーと戦い、ガブリエルその他と戦い、もういいかげん疲れている。神は何をしているのかという気はするが、シモンにとっては疑問に思うことなど問題外。神は絶対的存在。とは言えこうやって一人で耐えているわけだから哀愁が漂う。自由奔放に欲望のおもむくまま行動している者より、こういう制限の多い状態で奮闘している者の方に目が行ってしまうわけですの。そりゃウォーケンもいいですよ。のびのびとガブリエル演じている。体の動き・・指先つま先まで神経行き届いている。天使座りの時のやや内側を向いた両足つま先!!目の動き、しゃべり方。真っ黒な髪、白い顔・・暑いだろうな・・米版は邦版にくらべ、画面が明るくくっきりしている。額の汗まで見える。天使が汗をかくのはおかしいが・・。顔が白いのは何か塗っているのか。髪は染めているのか。カツラか。カツラは暑いだろうな。「3」ではぼうぼうの長髪で、染めるのも枝毛処理もや~めたって感じ?いやいや話をシモンに戻そう。彼はもう人間界長いのか。ジョン・スミスという名でアパート借りている。帰ってくるとコートのポケットからいろんなもの取り出す。カギ(部屋の?)、小銭、ホーソン大佐の死亡記事の載った新聞・・。彼はどういう生活送っているのか。アパート暮らしの天使ってどうよ。ウジエルもいろいろ持ってたな。2世紀頃の聖書・・これって紙製?ちょうどこれを見る前「天使と悪魔」のDVDの特典見てたら、出てくる小道具・・古文書とか・・時間をかけ、精密に作ったと紹介していた。「天使」にくらべれば「ゴッド」は製作費もうんと少ないだろうし、小道具にかける費用・手間だって・・。でもそれなりに工夫して作ってあるのだろうなあ・・と。

ゴッド・アーミー/悪の天使5

「ゴッド」のDVD特典は予告編だけ。コメンタリーでいろいろ裏話聞かせて欲しかった。削除部分もあるだろうし。例えばトーマスのデスクの上にある写真・・。女性と二人でうつってる。彼女は誰?トーマスがタバコ吸っていた屋上はどこ?本編でぷつりと切れた後シモンとトーマスは何を話した?ああんもう知りたいことばかり。で、話を戻して天使のくせに何でいろいろなもの持ってるのかな。マリアに食べ物もらって喜んでいたから食べ物も必要なんだわ。睡眠も?それと・・あれ?シモンはチムニー・ロックまでどうやって行ったのかな、ヒッチハイク?シモン自身は無敵でも万能でもなく、人間にまぎれ込みひっそりと。トーマスが他の部屋の住人に聞き込みすれば少しはシモンの日常わかったかもしれないけど、それもしないですませていて、ここもずるい!とうとうシモンはガブリエルに見つかり、あっさりやられ、焼かれるけど途中まで(ミディアムね)。魂をどこへやったと苦しみを長引かせられる。何でこんな目に?神は何をしている?そして結局はウェルダン通り越して炭・灰に。シモン途中退場なのね・・チッ、つまんね~の!でも最後までマリアのこと言わず・・偉いわッ!彼がやり通せなかったことを(と言うかシモンが魂をどうするつもりだったかよくわからんのだが)トーマスが引き継ぐのか。そりゃあね、がっかりしましたよ。初めてと言うか空前絶後と言うか、こういう興味深いキャラの・・孤独で謎めいていて純粋で・・ストルツに出会えたのに。トーマスと力合わせて最後まで出てくれると思ったのに・・。あと・・どいつもこいつも(←?)ウォーケンとモーテンセンのことばかり。せめて私くらいは・・イライアスとストルツのこと書いてあげなくては!!(←絶叫)数行ですむところ水増ししてページ割いてあれこれ書いてあげなくては!!私の他に誰がこんなことするってのよ!!(←咆哮)どの役者にも一生に一度くらいはこれだ!という役が来ると思うけど、ストルツにとってはシモンがそれだと思うわ。本人がそう思っているかどうかは別だけど私はね。シモンは強くないけど、弱さが強さってこともあるわけで。髪はともかく、ヒゲはない方が私はいいな。天使って・・ヒゲ生えるの?さて、うつってる半分は死体のウジエルだけど、何でこんなオッサン?「燃えよドラゴン」のボロみたい。あそこまでムキムキじゃないけど。

ゴッド・アーミー/悪の天使6

天使一覧(?)では皆美形に描かれているのになあ。眉毛もないし・・。ああいうのにネピリムとかピリエルとかダニエルも載っているのかしら。話を戻して・・ガブリエルもチムニー・ロック目指すが、無免許なので(←?)運転手としてジェリー(アダム・ゴールドバーグ)調達する。説明されないけど失恋して首吊り自殺はかってガブリエルに生き返らされた・・そんな感じ。「サインはしないぞ」というセリフがあったからミュージシャンか。ゴールドバーグも地味。あッ、こんな頃から出てたんだーと。ジェリーは早く死にたいからこき使われて腹立ちまぎれに神を呪う言葉吐く。その度にガブリエルは「神を汚(けが)すな」とたしなめる。神を恨んでいるくせに神を呪う言葉は許さないのだ。ここがおかしい。ウォーケンのおかげで怖さやむごさはうすまり、ひょうひょうとした軽い感じが漂う。セリフも時々アドリブかしら・・と思うような。邪悪なこと企んでるとか、目的のためには手段選ばないとか・・ホーソンの魂取り出すためならマリアの体引き裂くのも平気とか・・そういうのはわかるんだけど、そのわりには何か単純で暗くない。人間の方がもっと暗くて複雑で・・。あのまま都会で話が進行していたら暗くなったかもしれないけど、アリゾナの砂漠に舞台が移るからねえ・・乾いた明るい印象。チムニー・ロックは銅山が閉鎖されたせいでさびれている。住民の多くはネイティヴ・アメリカンか。学校はキャサリン(ヴァージニア・マドセン)が切り盛りしている。何もないのどかな毎日だが、使ってない教室にホームレスらしき男がいる。彼に近づいたマリアはその後具合が悪くなる。町から刑事(トーマス)が来てホーソンのことを聞くが、大したことは話せない。トーマスは学校で見つかった焼死体がシモンのものだと知る。決めては聖クリストファーのお守り。お守りを持ってる天使って・・それに元々はトーマスのものじゃないの?ガブリエルもマリアのこと嗅ぎつける。あれこれあってなぜホーソンの魂が必要なのかわかってくる。1950年代・・彼は中国や朝鮮で特殊部隊を指揮していたが、軍人として有能だっただけでなく、殺人鬼・異常者でもあったようだ。その後たぶん逮捕され、軍法会議にかけられ、この地に引っ込んだのだろう。彼の過去をここの人達は知っているのか、戦争以後死ぬまで異常な嗜好は封印できたのか。そこらへんは全然明らかにされない。

ゴッド・アーミー/悪の天使7

彼の残虐行為の証拠であるトランクいっぱいの人間の顔の皮も、没収されず持っている。ここらへんは「エド・ゲイン」や「サスペクト・ゼロ」風味。ますますイライアスがアーロンに見えてくる(世間では彼はデ・ニーロ似ということになっているらしい)。トーマスとキャサリンが廃坑の中に入るシーンがある。マリアの家に行く途中にあるのだが、入口に車がとまっていたことがあって、それはガブリエル達の乗っていたもの。彼らは廃坑に潜んでいるのでは?中には明らかに寝泊まりしている形跡があり・・と言うか、天使と死人じゃ別に休息は・・いるの?いやいや壁に奇妙な印がいっぱい描かれているからやっぱり寝てないんだ。天国には天国の文字があるということか(妄想開始)。天使にはそれぞれ印があり、その印は首についている。あの描かれた印の中にはネピリムやピリエルのもあったのか。ガブリエルやミカエルはよく聞くが、シモンはどういう天使なのかな。トーマスとキャサリンは幻影を見る。たくさんの天使(?)が串刺しになっている炉端焼きの店・・じゃない、地獄のような光景。ここは「エクソシスト・ビギニング」風味。とにかく天使は神の戦士でもあるから、かなり血なまぐさい部分もあるってこと。ああやって(戦いの末)たくさん死ぬことも・・あれ?どうやって補充されるの?天使はどうやって生まれるの?(妄想全開)いや、もう終わりにしますね(強制終了)。それにしてもシモンは罪なことしたものだ。親切にしてくれたマリア苦しめる。でも彼女には賢さや強さがある。彼女なら大丈夫(何が?)ってことなのかな。ガブリエルに続き、トーマスも来るはずだ。今のトーマスはまだ宙ぶらりんな状態だが、そのうち目覚めるだろう・・って設定がアバウトだね。アバウトなのは製作途中で変更とか省略とかいろいろあったんだろうな。さて、ジェリーがめでたく(?)死んでしまったので、ガブリエルは別の運転手捜さなくてはならなくなる。天使ならなぜ飛ばない?何でこんなに面倒?でもそこがおもしろい。彼は死にかけている人間求めて病院の集中治療室へ。彼自身腹にはいくつもの銃弾のあと・・ってのがおかしい。心臓が止まったばかりのレイチェル(アマンダ・プラマー)を無理に生き返らせる。車の免許持っているという前提・・持っていなかったらどうするの?即、死なせるの?プラマーも出番少ないものの強い印象残す。

ゴッド・アーミー/悪の天使8

生き返ったことを喜んでおらず、すぐメソメソし始める。体に傷がないから睡眠薬自殺か、クスリのやりすぎか・・まあストーリーに関係ないけど。マリアは医者に見せても原因わからないし、呪術師に祈祷させても効果なし。祖母と二人暮らしだが、”老婆の山”へ行くことに。おばあさんが山ほど住んでいるのか・・(違うって!)。とにかくそこで本格的に除霊してもらうのだ。ネイティヴ・アメリカンにとってはキリスト教の悪魔も悪魂コレステロールも(違うって!)同じことなのだ。現代医学でだめなら部族に古来から伝わる方法で・・ってのはよくある。例えばセガールの映画。ネイティヴ・アメリカンだったりエスキモー(イヌイット?)だったり。そしてその描写はいかにもインチキくさく、都合よすぎ。しかも一貫してなくて散漫。それにくらべりゃこっちはわりとまとも。ただ、一方は天使(堕天使、元天使、現天使いろいろ)というキリスト教関係(と言うか天使と悪魔の争いってキリスト以前?無知ですみません)、もう片方は・・こちらも何て言うのかな土着信仰?自然崇拝?・・要するに非キリスト教系。それが同時に存在し、それぞれ戦うってのがユニークと言うかごちゃまぜと言うか。チムニー・ロックには教会があり、マリア達は聖歌を歌い・・普段はキリスト教なんだろうな。”老婆の山”には進入口が一つしかない。マリアに取りついているホーソンは有能な軍人でもあるのでそれを指摘する。で、トーマスはガブリエルはここを通るしかない・・と罠をしかける。ここもいい展開。そして・・モーテンセンファンが待ち望んでいた瞬間がやっと訪れる。ルシファー登場である。まあ詳しいことは彼のファンがブログ等でさんざん書いてるから省略するとして・・(私の使命はイライアスとストルツの魅力伝道!)、クライマックスにあたるのが山の上での数人のあれこれ。車二台ほど。天使と悪魔の大戦争とか人類存続の危機とか、そういうスケールの大きさはなし。ぶっちゃけた話、ルシファーもガブリエルも同類だから半分同窓会みたいな・・おぅしばらくだな仕事どうだうまくいってるかよかったら来ないか力貸すぜいや間に合ってる・・そんなふうにしか聞こえない。でもウォーケンとモーテンセンだから物足りなさはない。人間の形してるけどなかみは違うってのもちゃんと出てる。この二人の対面にはトーマスもキャサリンも手が出せない。見てるしかないのだ。

ゴッド・アーミー/悪の天使9

ルシファーはバラの花びらむしってガクの部分だけ食べる。コリッと音がするのがいい。そんな音しないはずだが・・砂糖でできているのか凍らせてあるのか。米版ではマリアの体から抜け出したホーソンの魂がCGで表わされる。雲間から差した光(神が発した?)で粉砕される。まあこの部分は非常に評判悪い。わざわざ余計なもの見せて作品の質落とす好例。形のないものは無理に見せることないのだ。光にしたって神が存在するという印だが、それだとなぜ今まで何もしなかった?・・となる。なぜシモンを見殺しにしたんだよッ!ルシファーに心臓抜かれて食べられちゃったガブリエルが「2」で復活するのはなぜなんだろう。彼が復活するならシモンだってウジエルだって・・いや、ウジエルはどうでもいいか・・それとも焼かれちゃうとだめなのかな。・・てなわけで地味ではあるけれど実力者の揃った一作目。作り手も含め、彼らが集まったということは映画にとってすごく幸せなことだった。手あかのついていない新鮮さが「1」にはある。「2」や「3」ではそれがうすれ、顔ぶれはいっそう小粒に・・でも好きだけどね。今回の経験でトーマスは成長する。子供の頃ささやきかけてきたルシファーは実際に存在したし、人間界とは別のところで果てしない戦いが続いていることも。キャサリンとの出会いでお互いを信頼すること、一つの目的(マリアを助け出すこと)に向かって力を合わせることを知った。ラスト、二人はけっこういいムードだ。生きている限り信仰を持ち続けるのだという決意。その彼が「2」ではどうしてああなっちゃうのかな。私は合点がいきません!!イライアスには・・いえ、トーマスには幸せになって欲しかったのに。ともあれこの映画でのイライアスは私にとって宝物ですわウフ。さて(まだ続くのかよッ!)、あれこれ複雑な人間に対し、天使や悪魔は単純である。ガブリエルの不満は人間への嫉妬からきている。神は人間を愛し、自分には振り向いてくれない。「神は・・俺と口をきかない」は名セリフ。本人にとっては重大事だが、聞いてる我々はプッと噴き出す。子供みたいじゃん!邪悪な魂手に入れて天国を地獄にしてやるというのがガブリエルの計画だが、ルシファーにしてみれば新しい地獄なんかいらない。年中無休にしておいても来る人少ないんだし。地獄は一つでいい。今回の地獄は我々が一般にイメージするものとはちょっと違うようで。

ゴッド・アーミー/悪の天使10

「コンスタンティン」に出てくるような仰々しいものじゃなくて、もっと空虚な世界。信じるもののない世界、誰にも必要とされず、何のために存在しているのかわからない世界。当然そんなところへは誰も行きたがらないから、ルシファーはせっせとキャサリンやトーマス勧誘する。過疎対策課のオッサンみたいでこれはこれで笑える。ガブリエルの心臓食べて恍惚としながらも嫁に来ないかコール・・じゃない、地獄へ来ないかコール。いや同じ誘うにしてもキャサリンはどうでもよくて本命はトーマスよ。トーマスをお嫁に欲しい。同じ落とすにしても手ごわい方がいいのよ。一般人より聖職者・・元聖職者。子供の頃から辛抱強くささやきかけ、ついにはものにする。こっちの方が醍醐味があるのよ。最初彼はキャサリンの前に現われる。「なぜボクに言ってこない」・・とつぶやくトーマス。あらやだトーマスったら気づかないの?じらされているのよルシファーに。翌日罠を作っているトーマスをいきなり後ろからはがいじめ。ガシッと抱きつき耳元にささやく。こんな振り付け(?)考えた人にはくしゅ~。おかげで本来のモーテンセンファンの他に大勢引きつけることに成功。とにかくみんな大喜び。せっせとブログやホムぺにこの写真アップしてるわけです。「陰陽師」のあのシーンもこれのパクリかな?何で正面から抱きつかない?なんて間違っても思っちゃいけません。後ろからなのがいいんですッ。トーマスが腰が抜けたようになってる。首を回してルシファーの顔見ることもできないでいる。そりゃ一種のトラウマになっているでしょうから。声はすれど姿は見えず・・子供の頃怖くて何度もベッドの下覗き込んで・・かわいそうなトーマス坊や。大人になって刑事になってたいていのことじゃ驚かなくなってる。でもあの声が耳元でし、しかも自分押さえつけている。実体がある~!!こりゃへたり込みますってば。それがラストではちゃんと向き合う。お嫁においで・・いやだ!ノーと言える自分←ちょっと違うと思うが。魂をやるよ信念も奪え・・一晩ですごい成長だ。それが「2」では・・ってまたかよッ!ルシファーの退場の仕方もカッコよかったな。パッと鳥か何かに変身して(あの時の後ろ姿ヴィゴに見えます?)。と言うわけで思いつくままに書いてみました。万人向けではないけど一部の人は間違いなくとりこになる傑作ですよ。

ゴッド・アーミー/復讐の天使

何かの感想書くため調べている時、「ゴッド・アーミー」という映画があることを知った。どことなくそそられるものがあったので、一作目をレンタルして見た。ビデオだったが、テープがかなり傷んでいて見づらかった。もっとちゃんと見たいな・・と思ってDVDを買った。改めてきちんと見て、それから感想書くつもり。でも見ているヒマないんだよな忙しくて・・。次に二作目をレンタル。やっぱりビデオ。しかも吹き替え版しかなくて・・全然聞こえなくて・・。まあ聞こえたからって評価上がるわけじゃないけど。つまり・・くだらなくてしょぼいアホ作品。バレリー(ジェニファー・ビールス)が運転中、突然上から人が降ってくる。すぐ病院に運ばれる。バレリーは病院に勤めている。彼女は自分がはねたと勘違いしているらしく、とても責任を感じ、男性の容態を心配している。しかし彼ダニエル(ラッセル・ウォン)はすぐ元気になり、なぜかバレリーに接近、すぐ結ばれる。数日後彼女は妊娠しており、もう中期だと言われる。そんなばかな!一方なぜかガブリエル(クリストファー・ウォーケン)が甦り、トーマスを殺す。トーマスは「1」でイライアス・コーティーズが演じた役だな。彼は聖職者だったけど刑事に転じたことになっていた。その後また刑事をやめて聖職者に戻ったのか。教会に閉じこもり、預言を書きまくっていたらしい。「1」でエリック・ストルツが演じたシモンと似たような役回りか。あれこれあるけど何が何だかさっぱりわからん。誰が誰なのか見分けがつかん。誰と誰が戦っているのかわからん。どちらがやられたのかもわからん。もっとちゃんとうつせ。暗すぎるぞ。カメラゆらすな。特にトーマス役の人は何だかハンサムそうに見えるけどちゃんとうつしてくれない。この人は誰だ?ブルース・アボット・・リンダ・ハミルトンの元夫、キャスリーン・クインランの今夫。この人がダニエル役やればよかったのに。ビールスはとてもきれいだ。バレリーは離婚して祖母と二人暮らし。平凡なやさしい女性だが、ある日突然奇怪な事件に巻き込まれてしまう。ウォンは「ツイステッド」や「ハム3」に出ていた人だが、こんな映画にも出ていたのだ。意外だったな。チョウ・ユンファの代役みたいな風采だし、アジア系の天使というのも妙な話だ。

ゴッド・アーミー/復讐の天使2

天使と人間との間に生まれた子供が、これから起こる戦い(天使と悪魔の?天使と元天使の?)の勝敗を左右するほどの力持つらしい。だからガブリエルはその子の出現を阻止したい。何か画面が暗くて、なぜかラブシーンがあって、なぜかダニエルにはろくな力もなくて、廃工場みたいなのが出てきて・・「ヒドゥン2」みたいだ・・と思いながら見ていた。共通点がいっぱいある。ダニエルのことはよくわからない。とてもおいしいキャラだと思うけど、子供だけ作らせてあっさり殺されちゃう。落ちてくるという登場の仕方も変だ。普通に出てくりゃいいじゃん。あれじゃあわざとバレリーに責任感じさせ、自分に関心持つように仕向け、すんなり結ばれるよう細工しているスケコマシみたいじゃん。でも「1」によれば天使は見かけはおっさんでもなかみは胎児と同じ状態。子供は作れないと思うが・・。そんな疑問持つこと自体間違ってる。アホ映画なんだからあっそうって見てりゃいいのだ。いやそのつまり私が言いたいのは、描き方によってはダニエルはもっと印象深いキャラになったはずってこと。もったいないってこと。「ターミネーター」のマイケル・ビーンみたいになれたかもしれないのに。でもウォンじゃ無理か。あんまり演技うまいとも思えないし、印象うすい人。ウォーケンと張り合うほどの個性なし。ウォーケンが出てくると、ストーリーとは関係なしにおもしろくなる。今回彼が手先として使うのはイジー(ブリタニー・マーフィ)。彼女は恋人と車で壁に激突し、心中をはかる。恋人は即死するが、イジーはまだ息があり、そこをガブリエルによって生き返らされちゃった。彼女は早く恋人のところへ行きたいけどガブリエルは死なせてくれない。銃で自分を撃つけど死ねない(それを見て通報しようとする店主役の人はどこかで見た顔だ)。ガブリエルは車の運転ができない。パソコンのやり方がわからない。無線や銃の使い方がわからない。だから代わりにやってくれる人間・・この場合はイジー・・が必要なのだ。ここらへんけっこう笑える。ガブリエルにとって、現代はいろいろ厄介な時代なのだ。大昔なら彼が今身につけている能力だけで何でも処理できただろう。マーフィは厚化粧で、しかも涙とかで崩れていてひどい顔だが、演技はなかなかよかった。

ゴッド・アーミー/復讐の天使3

だいぶたってから大天使ミカエル役でエリック・ロバーツが出てくる。「1」では悪魔ルシファー役でヴィゴ・モーテンセンが出てきて、少ない出番ながら強烈な印象残す。だからこちらのミカエルにも期待したが・・全然だめ。すべてはバレリーの意思にかかってるとか何とか言って何もしない。何のために出てきたの?ただのなまけ者じゃん。大天使も普通の天使もただのおっさんで(中にはイケメンもいたようだが)、廃工場にいる浮浪者みたいっていう設定は興味深い(誰も天使だとは思わん)けど、それにしたってねえ。大天使というからにはどこかしら魅力のある神秘的な存在であって欲しかったわけよ。ダニエルがあっけないだけに。ああでも何度も言うけどこういうの期待する方が間違ってるのだ。クライマックスは・・ガブリエルとバレリーの戦い。どっちが勝つでしょう・・ってあなたバレリーに決まってるじゃん。母は(これから母になるんだけど)強し。その後バレリーは無事男の子を産む。神が見守ってくれる・・という信念の中で育てている。まだ若くてきれいなのにシングルマザーのままじゃもったいないし気の毒だけど、このままいくのだろう。今のところは普通の母子だ。ガブリエルは普通の人間になったのか、浮浪者みたいになってる。こういう映画の常で、いくら殺されても死なない・・というはっきりしない(いいかげんな)部分がある。それでいてダニエルみたいにあっさり殺されるのもいるし、どこで線引きされているのだろう。この子供の存在が「3」では問題になるのか。ガブリエルはこの子から目を離さず、時期が到来するのを待っているのか。おばさんが彼にコーヒーをめぐんでやる。なぜ通りかかる度に彼にめぐんでしまうのか、おばさんにもわからない。こんな何気ないラストシーンがいい。まあホント出来の悪い映画ですよ。でもそれを言うなら「1」だって。でも何かあるんですよ。独創的なもの、新鮮なもの。その骨格みたいなものが「2」ではまだかすかに感じられるんです。それがあるせいで内容がうすまり、規模がしょぼくなっても何とか見ていられる。うまく言えないけどムードがあるんです。これが「3」になると「1」の面影はなくなって全然別のものが表面に出てきて次の段階に進んでいて(あるいは再起不能に陥ったりしていて)。「1」「2」と来たので「3」も見ますよそのうちに。でもこれもまた吹き替え版なんだよなあ・・。

ゴッド・アーミー/聖戦

「ゴッド・アーミー」三作目。え?ちゃんと「1」から書けって?いやいやこういう出来の悪い作品の方が書きやすいんですよ。突っ込みどころ満載。母と子の平和な夕べ。でも何者かによって火がつけられ、母親は子供をかばって死ぬ。最初はよくわからないが、この母子は「2」のバレリーとその息子だとわかる。あら、バレリー長生きできなかったのね、気の毒に。あるサイトでは「2」同様バレリーをジェニファー・ビールスが演じていると書いてあったけど、そうなんですか?私には違う人に見えたけど・・と言うか、よくわかりましぇん。10年くらいたって一人の若い伝道師が説教をしている。彼はバレリーの息子ダニエル(ディヴ・バゾッタ)。父親の名前をそのままつけられたらしい。どうも彼は神を非難しているようだ。母親は神を深く信じていたが・・。まあ母の最期を考えれば神の愛を疑って当然か。彼がどういう育ち方をしたのかは全く不明。何度か命を狙われ、その度にガブリエル(クリストファー・ウォーケン)がそれとなく助けたようだが。説教に同調して合の手を入れる若い女性。彼女マギーはダニエルの恋人らしい。若いせいもあっていかにもなかみのないうすっぺらな二人。こんなへたくそな説教、サクラと丸わかりのマギー・・。ウーム、この先の展開が心配だ。今まではちゃんとした大人(の俳優)が中心にいたからそれなりに期待できたし、映画も持ったけど・・。聴衆の中にガブリエルもいる。「2」のラストで人間になったんでしょ?すっかりこの世界に慣れ、楽しんでさえいる。今回の彼はやや傍観者的立場にいる。ダニエルは男に撃たれて死ぬ。男は盲目で、誰かに命令されて動いている。銃撃に驚いた聴衆に邪魔され、使命(ダニエルの心臓を取り出すこと)を果たせない。・・と言うか、何でわざわざこんな人前で行動するのかな。男をやっているのはブラッド・ダーリフ。ウォーケンが脇に回っているぶん彼が活躍してくれるのかと期待したが、すぐ出番終わり。残念。やっぱお子ちゃま二人を見てるしかないんだろうか。次に人間界にやってきたのはゾフィア(ヴィンセント・スパーノ)。「オスカー」に出ていた人だ。黒ずくめの謎の男・・ウヒョ~カッコいい~!となるところだけど・・どうもねえ。「オスカー」でお金ごまかす会計士やってたことでもわかるけど、彼にはこずるい感じ、小物感がある。

ゴッド・アーミー/聖戦2

きょとんとした顔立ちで品がない。神秘的なところ、謎めいたところ、邪悪さがない。彼にはどこか弱いところがある正義の味方・・みたいな役の方が合っていると思う。例えば天使としての能力を失っているガブリエルの代わりにいろいろやる下っ端天使とか。がっちりした体格なのにおたおたしているおたすけ天使なんて微笑ましくていいと思うよ。神秘・謎・邪悪という点では、ダニエルの頭に浮かぶ人物(スコット・クレヴァードン)の方が印象強烈。盲目の男をあやつっていたのも、ゾフィアを送り込んだのもこの人物らしい。髪が長く白く塗ったような顔で唇が赤い。ヴィジュアル系ロックグループにいそうな美形。服装も貴公子風。いったい何者なのだろう(かすかな期待)。さて検死医のヨセフ(スティーヴン・ハイトナー)にとってはまたまた悪夢の再来である。両性具有、骨や血液が胎児と同じ奇妙な死体、バレリーの焼死体、そして今度はバレリーの息子ダニエルだ。彼には何が起こっているのかよくわからないが、妙なことには慣れっこになっているので、ダニエルが生き返ってもさほど驚かない。心臓を取りに来たゾフィアは、一足違いでダニエルを取り逃がす。ヨセフがいろいろ調べてマギーに説明する部分は、見ている我々への説明も兼ねている。ただし聞いてもさっぱりわからないが。天使と人間の間に生まれた子(この場合ダニエル)がネピリムで、あの白塗りの美形がピリエル?ゾフィアのマギーへの説明だと、ピリエルが救い主で、ネピリムはそれを邪魔する存在らしい。神の側からするとネピリムの方が救い主で、ピリエルは邪悪な存在なんだろうけど。まあ私は二回見たけどそれでもよくわかりませんでしたわ。よく聞こえない吹き替え版ビデオってせいもあるけど。ダニエルは生き返って以来何かに導かれるように砂漠を目指す。ゾフィアは運転できないのでマギーを利用する。「1」や「2」でガブリエルが死んだ直後の人を生き返らせて利用していたことを考えると、ゾフィアのこのやり方はおかしい。まあ、マギーを死なせるわけにはいかないからね。どうせラストはダニエルとマギーがラブラブで二人の世界・・ケッ!!それにしても天使なら羽使えばいいのに・・何のための羽だよ。ガブリエルは人間界が長いので、運転を覚えたようだ。人を生き返らせるなどの能力は失ったが、人の心を読んだり、そこらのものをお金に変えるくらいのことはできるようだ。

ゴッド・アーミー/聖戦3

ゾフィアはドーナツ店でナプキンをお金に変えていた。店員がポケットに入れる時には元のナプキンに戻っている。こんなちょっとした特撮が楽しい。また、ダニエルがコーヒーにやたら砂糖を入れるのもトラボルタの「マイケル」みたいで楽しい。天使(ダニエルは半天使?)は砂糖中毒?話をガブリエルに戻すと、このシリーズの最大の魅力は何と言っても彼にある。ひょうひょうとしたウォーケンの演技を見るのが楽しい。しかし「1」や「2」での毒気がうすれ、やや枯れてきている。丸くなってきたと言うべきか。映画をしょって立つにはダニエルは若すぎるし、キャラもはっきりしない。二回見るとそれなりにわかってくるが、一回目は何をしたいのか、何をしているのかさっぱりつかめない。バゾッタは若くて小柄でジャニーズ系のかわいらしい顔立ち。売り出し方によっては女の子のファンがつき、人気者になれそう。でもこんな一部のマニア向け映画じゃムリだけど。どうも彼の描き方が中途はんぱ。とても重大な運命を背負って生まれてきた・・それこそキリストのような・・存在だけど、そのようには描かれていない。バイクで走ってるだけ。明らかに比重は追いかけるゾフィアとマギーにかかってる。でもこのコンビにも魅力がない。マギーにとってはダニエルは恋人。救い主とかそんなのは関係ない。一緒に幸せに暮らせればそれでいい。つまり話に広がりがないのだ。人類の危機よりあなたと私の愛の世界。同じく追いかけるガブリエル。音楽聞いたりラッパ吹き鳴らしたり楽しそうだ。途中で寄った食堂で女主人マッジに話しかける。彼女は「1」に出ていた。話に出てきたレイチェルは「1」でアマンダ・プラマーがやったキャラ。レイチェル生きてるの?さっぱりわからないストーリーと、魅力に乏しい登場人物のせいであまりおもしろいとは言えない「3」だが、シリーズ物としての体裁はいちおうきちんと整えようという作り手の努力や気配りは感じる。ヨセフの後ろに見えているニコニコマークみたいな時計。「1」を見直したらちゃんとあった。でも時計じゃないような気もするが・・よく見えない。「1」のマリアが「3」では成長した姿を見せる。演じているのも「1」と同じ人だ。まあ年齢的にちょっとおかしいけど。「1」から20年はたってるから、マリアは30歳くらいのはず。映画だと「1」が1994年で「3」が2000年だから女優さんもまだ若い。

ゴッド・アーミー/聖戦4

そしてこれも「1」を見直してわかったんだけど・・羽の生えた人間のガイコツ・・。前にも書いたけど「1」は最初レンタルビデオで見たけど、テープの状態が悪くて見づらくてそれでDVD買ってしまったと・・。で、それは日本公開版と全米公開版との二種類がセットになっていて、全米版の冒頭にはこのガイコツが出てくるのだ。日本版には出てこないから「3」を見ても何とも思わないけど、アメリカの人にはあッ、「1」のあれだな・・ちゃんと続いているのだな・・ってわかるわけ。もっとも「3」のラストを見ると、このガイコツのタネ明かしとは別に、ガブリエルの変遷にも作り手の比重がかかっているのだなってわかるけど。つまり「1」で登場する彼は悪魔とさほど変わらなくて。神が天使より人間を愛していることに嫉妬し、憎み、「サルめ」とさげすんでいる。強い力や意思とは別に弱さもあることをトーマスやバレリーに見透かされていて・・。「3」になるとバカにしていた人間界が意外と居心地いいのに気づいて楽しみ始める。自分の車にサルのマスコットつけたりしてやることがかわゆい~ん!あ、でもサルってのはおかしいよな。だって「サルめ」とののしるってことは、ガブリエルが人類の祖先はサルって認めているわけで・・。キリスト教では人間は神が創造したもののはずなのに・・ってま、いいけど。マギーは事故を起こしてひん死の状態。でもガブリエルには彼女の命を救うことはできない。今の彼には人を生き返らせる能力はない。でも死の恐怖におびえるマギーをやさしくはげまし、安らかな気持ちで旅立たせることはできる。その頃ダニエルはピリエルと戦っていた。クライマックスのはずだが・・あっけない。何だよ~もっとピリエルをあちこちに出現させて人間界に恐怖与えてよ~。一見天使に見える高貴な美形が実は恐ろしい邪悪な存在で・・とかさあ・・。もっとおもしろくなったはずなのにぃ~。でもだめ、何ということもなくあっさりダニエルにやられちゃった。しかもそのやられた時の顔のアップ・・は・・は・・鼻毛があ~びっしりよく見えるぞヲイ。せっかくの美形がだいなしじゃ~、て・・天使なのにぃ~。ああ「3」になるとこんなアホな遠吠え・・いや、感想しか書けないのかしら。待て待て気を取り直して・・と。マギーが死んだのを悲しむダニエル。いやいやダニエル、君には重大な任務が待っている。

ゴッド・アーミー/聖戦5

ピリエル以外にも君を倒そうと狙ってるやつはいるはず。悲しみから一歩踏み出し前進しなさいよ救世主さん。そのために君は生まれたのだから。あら?マギー生き返ったぞ。そうなんですガブリエルまた天使に戻れたんです。だから死人を生き返らせることができる。ちょッ、余計なことを・・。そりゃ若い恋人どうし再会できてやれうれしや・・となってハッピーエンドだけど、これだと・・。ネピアだのピリカラだの・・じゃない、ネピリムだのピリエルだの最終戦争だのと大きなこと言ってたくせに、結局は二人の愛の世界で終わってしまう。ダニエルは生き返って以来人格が変わり(マギーのことなど忘れ)、強大な力備わったんじゃないのかよッ!ちーとも変わってねーじゃん!「1」から「3」まで真面目に見てきたあたしがバカだった、結局何にも変わってないこの世。ちまちまっとして何とスケールの小さいことよ、二人の愛の世界・・ケッ!で、その点ではがっくりしたんですけど、二回目見ていてあることに気づいたんですよ。前にも書いた本当の流れはガブリエルに・・って、そのこと。いやどうせこれは私の妄想でしょうけどいちおう書きますね。「1」で一番印象的なセリフはガブリエルの「神は俺と口をきかない」。以前の彼はそうだったの。こっちが○○してあげたのに○○してくれないという不満。でも今回マギーを旅立たせた時、彼には何の計算もなかったの。その時の(人間である)彼にできることをごく自然に心をこめてやっただけ。でも神はそれをちゃんと見ていたの。神がこたえてくれるかどうかに関係なく信じることの重要性を「1」で言っていたけど、今のガブリエルにはそれがやっとわかったのよ。見返りを求めずいいことをしたおかげで彼は天使に戻れた。ここらへんは「コンスタンティン」思い出すな。神が最後まで姿を現わさないのもよかった。マギーが死んだ方がストーリーとしては盛り上がるけど、それだとガブリエル天使復帰の描写ができない。ここらへんはまあ仕方ないかな。ダニエルやマギーがこの先どうなるかは不明。・・と言うか、どうなろうが知ったこっちゃないッ!今はとりあえずガブリエルの天使復帰おめでとう!!って、そんなとこですかね。はっきり言ってしょぼいアホ映画ですよ。でも何かこう心に残るものはあるな。ウォーケンにホントに羽があるように見えたのは私だけでしょうか・・。