ガール・オン・ザ・トレイン

ガール・オン・ザ・トレイン

エミリー・ブラントを最初に見たのは「プラダを着た悪魔」だと思うけど、アン・ハサウェイよりもずっと印象に残った。今回のレイチェルは「ジェイン・オースティンの読書会」のプルーディーと似たキャラ。鬱陶しくて面倒くさくて押しつけがましくてじめじめしていて、男性から見るとかんべんしてくれよと言いたくなるような女。離婚したのも無理ないよな・・と、トムに同情する。せっかくアナと再婚し、子供も生まれたのにレイチェルにつきまとわれて気の毒に。レイチェルは列車の窓から自分が元住んでいた家を見る。駅の近くだから列車はスピードを落とす。今ではトムがアナと赤ん坊イーヴィーと暮らす。二軒隣りの家の夫婦が幸せそうに見える。レイチェルの表情が普通じゃないので、最初は見ている光景も妄想か幻想か・・などと疑りながら見ている。アナとかメガンとか次々に女性が出てくるのでとまどう。トム、スコット、カメルの見分けもつかない。過去に戻ったりするし、正直言って見始めたことを後悔したりして。とは言え、目を見開きいかにも危なっかそうなレイチェルの言動に・・と言うか、ブラントの演技にぐいぐい引き込まれる。最初のうちはこんがらかって見えるけど、後で一つ一つほどいていってくれるので、そこはまあ親切な作りかな・・と。レイチェルはアルコール依存症で、仕事もクビになったけど、居候させてもらっている友人のキャシーには隠している。毎日ニューヨークへ列車に乗って仕事に行くフリをしている。生活費はどうしているのかいな。ある日メガンが失踪する。私にはレイチェルがアナと間違えてメガンを殺したように思えたが、違うらしい。レイチェルは泥酔していて記憶がない。彼女と同じくらいメガンの描写も多い。彼女はイーヴィーの子守をしていたが、突然やめると言い出し、アナを困惑させる。精神科医カメルを誘惑し、困らせる。見ているこっちは何じゃこりゃ?だ。アナも一見充実しているように見えて、育児に疲れきっているのだそうな。三人とも若くて美しくて健康なのに精神面では不安定。さてレイチェルは記憶をなくすようではまずいと断酒会に出たりする。警察の取り調べはいやに軽いが、後で気づいたけどこの時点ではまだ失踪扱いだからだ。

ガール・オン・ザ・トレイン2

遺体が発見され、殺されたのだとわかると殺人に切り替わり、取り調べもきつくなる。その間にレイチェルはメガンの夫スコットに近づいたりする。ここで二人がくっついて、協力して事件の真相探り出すのかなと思ったらそれはなし。メガンは妊娠しており、父親はスコットでもカメルでもない。どうやら第三の男がいたようで。レイチェルが列車内で度々見かける男、あの時彼女の後ろを歩いていた男が怪しいが、結局無関係。あのあたりの描写も後になってなるほど・・となる。駅のすぐ近くに家があっても、直接行けるとは限らない。大きく迂回して、歩いて行かなきゃならない場合だってある。レイチェルは林の中を通って近道したけど、男は正規の道を歩いてきた。その時間の差の間に実はいろんなことが起こっていたのだ。ある日レイチェルは列車の中で偶然マーサに出会う。トムの元上司の奥さんだ。レイチェルの飲酒癖のせいで、トムは会社をクビになったのだ。ところがマーサの話は反対だった。彼女は悪くない。クビになったのはトムの女癖の悪さのせい。ここで話は一気に引っくり返る。第三の男はトム。その頃にはアナもトムとメガンの関係に気づいていて。レイチェルがトムと対決した時、アナの態度は自分達の家庭を守ろうとしているように見えた。たとえトムがメガンを殺した犯人だとしても。それが急に引っくり返って、トムにとどめを刺す。何で心変わりしたのかいな。アナ役はレベッカ・ファーガソン。金髪のせいか別人に見える。びっくりしたのはメガン役ヘイリー・ベネット。「ラブソングができるまで」のコーラだ。だいぶ体重が増えたな。スコット役はルーク・エヴァンス。はぁ~?「ドラキュラ・ゼロ」の?こちらも別人に見える。カメルがエドガー・ラミレス、ライリー刑事がアリソン・ジャネイ、マーサ役がリサ・クドロー。なかなか豪華キャストだ。出来はともかくけっこう楽しめた。原作があるらしいがまだ読んでいない。こちらでは本屋に行くのも一苦労なのだ。小さな本屋では外国文学なんかほんの少ししか置いてないし、大きな本屋はみんな郊外にあって、車じゃなきゃ行けない。